リモートワーク対談「これからの働き方について考えてみる」

#働き方#多様性

01.Jun.2016

2014年に「Go!Go!RemotWork」と題して、リモートワーク(テレワーク)推進のプロジェクトを立ち上げ、2015年には全社員が使える正式な制度としてリモートワークを取り入れたソフィア。プロジェクト推進にかかわった(たまたま同い年の)2人が、ソフィアにおけるリモートワークの現状と、未来の働き方について語り合った模様をお伝えする。(進行役:森口静香)

山口孝弘(やまちゃん)
リモートワーク推進プロジェクトの言い出しっぺであり、ソフィアのシステム担当。時間や場所にとらわれない働き方の実現に向けて、現在もハードとソフトの両面で社内の改革を続けている。小学3年生の娘がいる。

瀬尾真理子(まりちゃん):
2011年に東京から兵庫県に転居して以来、完全在宅勤務でコンテンツ企画や編集を中心とした業務を続けている(月に1回くらいのペースで出社)。小学2年生と6年生の娘がいる。

リモートワークを導入してみてどうだった?

―2015年春にリモートワークを正式導入してから丸一年が経ったけど、社内のリモートワーク活用状況ってどんな感じなんだろう? 

山口:積極的にリモートワークを使っている人と、そうでない人がいるよね。

瀬尾:私はそれ以前から一人だけ在宅勤務だったからそんなに変化はないんだけど、共有ファイルサーバーのクラウド化とか、モバイルノートPCの導入とか、全社リモートワークの環境が整ったことで出張中に仕事しやすくなったのは助かってる。新幹線の中って仕事はかどるんだよね。

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山口:この1年で地方のお客様が増えて、出張リモートワークをするメンバーも増えたよね。昨年デンマークに出張したときも不自由しなかったし。普通に都内のお客様先を訪問するときも、半日自宅でリモートワークして直行とか、移動の合間に喫茶店で仕事とか、便利になったと思う。

―みんなどんな場所でリモートワークしてるんだろう? 

山口:僕は家。リビングで仕事してる。

―家族が家にいると集中できなかったりしない? 

山口:「今は仕事中だから」ってしっかり家族に伝えているから問題ないよ。

瀬尾:いいなあ。うちは長いこと家で仕事してるけど、締め切りに追われてる最中に子どもからあれこれ話しかけられたり、ビデオ会議中に横から入ってこられたりとかがいまだにあって、たまに「コラーッ」って雷落としてる。でも、リモートワークだから子どもが帰ってきたときに家にいられるとか、気象警報が出て学校が休みになったときに対応に困らないとかは本当に助かる。

山口:他のメンバーは、子どもが病気のときに看病しながら家で仕事をしたり、奥さんが不在の時に子どもの送り迎えのためにリモートワークしたり、1人で集中したいときにカフェで仕事したりとか色々だね。

―リモートワークをあんまり使わない人はどうしてなのかな? 

瀬尾:ソフィアはいつも賑やかだから、1人で仕事すると寂しいと思う人もいるかもね。あと、周りに人がいて騒がしくても問題なくいつでも集中できる人とか。

山口:あとは仕事をするのにどうしても会社の設備が必要とか、お客様からしょっちゅう会社に電話が入るとか、打ち合わせが多いとか、仕事内容やその時々の状況にもよるよね。

「会社に集まって働く」ということを問い直す

―そもそも、どうしてやまちゃんはリモートワークを推進しようと思ったの? 

山口:会社に来なくてもできる仕事なら、会社に来る必要ないと思ったんだよね。だいたい、会社に集まって仕事をするっていうこと自体、比較的新しい発想なんじゃないかなあ。

瀬尾:どういうこと?

山口:会社ってものができる前は、もちろん権力者が人を集めて城を築いたり戦ったり…っていうのはあったけど、通常は集まって仕事をするといってもせいぜい家族単位+αくらいだったんじゃないかな?それを、大規模に効率良く商品の生産をしたりするためには一か所に人を集めた方が都合良いから、賃金労働が広がった。

―たしかに。 

山口:でもそれって会社の都合であって、働く側の希望ではない。昔とは産業の構成も大幅に変わってるのに、同じ働き方を続けなくてもよいんじゃないかと思うんだよね。

―でも、何かを作ったり、生み出したりするときには集まる必要があるよね。 

山口:工場で物を作るのはそこに人がいないと無理かもしれないけど、たとえば企画や開発であればSkype上とかマインクラフト上でできることもあるんじゃない?

瀬尾:でも、リモートワークをしていていちばん難しいと感じるのは「ブレスト」なんだよね。どうしてもその場の空気とか力とかがあって、盛り上がって、発想が生まれるという面がある気がして。離れたところにいると場の空気がわからず、発言しづらい。

山口:それは、1人だけリモートで他の人は一か所に集まっているからじゃない?全員がリモートでビデオ会議をするなら、そこに新しい「場」ができるんじゃないかな。

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―これだけリモートワークの環境が整ってたら毎日オフィスに来る必要はないんだけど、やっぱり対面のコミュニケーションの良さとか、場のチカラとかがある気がして、やっぱり打ち合わせのときはオフィスに来なきゃって思うんだよね・・・。 

山口:みんなが長いこと「会社に集まって働く」ということをやっているから、習慣でその方が良いと思っているだけなんじゃないかなあ。たとえば、まりちゃんはずっとリモートで働いてるじゃない。たまに出社したとき、他のメンバーが「まりちゃんと直接話さなきゃ!」って殺到する?

瀬尾:そうでもないよね。なんだかんだで、メンバーとはコミュニケーションをとっているし、出社しても必要に応じて打ち合わせを入れるくらい。私は常にオフィスにいないのが前提だから、顔を合わせてコミュニケーションできなくてもメールや電話やSkypeで仕事に必要なやりとりできればそんなに不便は感じないな。

山口:ビデオ会議してるときに時々通信状況が悪くなったり、っていう不自由はあるけど、必ず顔を合わせないと意思疎通ができないわけじゃないよね。慣れの問題かもしれないよ。

瀬尾:そういえば、会社で全員にリモートワークが導入されたとき私は何の不便も感じなかったんだよね。もともと「Skypeのステータスが『連絡可能』」になったら話しかけていい」と思ってたから、相手がオフィスにいようがリモートワークだろうが関係ない。

―「顔が見えない」ということに不便はない? 

瀬尾:逆に、音声中心のコミュニケーションに慣れすぎたのか、ビデオ会議で顔が見えているとかえって落ち着かなくて話に集中できないことがある。

山口:僕はビデオ会議してるときも、あんまり画面見てないよ。会議室に集まってるときだって、常に相手の顔見て話しているわけじゃないよね。

瀬尾:でも半期に一度、社長との業務面談は必ず対面だよ。この間は社長が京都に出張してた日に、京都のコワーキングスペースで面談した。やっぱり複雑な話は対面でないと、っていうのもあるんだよね・・・。目的によるのかな。

チームの良さを生かしながら、管理されずに働く

―リモートワークだと「本当にちゃんと働いているのか誰にもわからない」というのと、一方で「365日24時間仕事し続けることも可能」っていう面もあるよね。 

瀬尾:1人で仕事してると、集中できないときも集中し過ぎてるときも、気持ちを切り替えるきっかけがなくて抜け出せない、っていうのはあるかも。

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山口:でもさ、すっごい昔はほとんどの人が自営業だったわけで、みんな自分の責任で自分の仕事を管理してたんだよね。今でも自営業とかフリーランスの人はそう。サボるとか働き過ぎとかって、時間で管理されることに慣れてるから出てくる発想だよ。

―リモートワークの導入が進んでいるのはIT系のベンチャー企業だったり、ジョブディスクリプション(各自の職務範囲を明記したもの)が明確な外資系企業だったり、一人ひとりの社員が専門分野を持ったプロの集まりが多い気がする。日本型の大企業ではリモートワークの導入は難しいのかなあ。 

山口:欧米列強に追い付け追い越せっていう時代とか、戦後の復興期とかには、細かい工程分業をして効率的に生産を進めるためにも、労働者を管理することが必要だったんだと思う。でもこれからは、より「個人がどう働くか」が重要になってくるんじゃないかな。リモートワークの考え方って、みんなが自営業だった昔の仕事の仕方に戻るような面もある。

瀬尾:でもたとえば自分が体調崩して仕事の納期が大幅に遅れて、関係する人たちに迷惑をかけたら…って思うと怖い。とくに大きな仕事に関わっていたら、影響を与える人数も、損失の金額も大きいし。

山口:そこを補えるのが、チームや組織で働くメリットだよね。個人で仕事をしてると、自分が対応できない仕事は断らざるを得ないけど、チームなら他の誰かがカバーする。役割を補完し合うことで、新しいことに取り組んだり、中長期的な取り組みができたりもするよね。これからの会社の形ってそうなっていくんじゃないかな。

いっぺんオフィスをなくしてみる?(山口希望)

瀬尾:社員数が増えたこともあって、現状ソフィアのオフィスはスペースも設備もパツパツの状態なんだよね。やまちゃんは、今後オフィスがどうなるといいと思う?

山口:オフィスというものの概念を変えちゃえばいいのにって思う。執務スペースをなくしてぜんぶ会議室にする。

―それ、どうやって使うの? 

山口:今は、リモートワークをする人があらかじめ「この日はリモートです」って宣言するルールになってるんだけど、逆に、出社する人が「この日に出社してこの部屋を使います」って予約するシステムになる。作業ブースもあって、会社の設備を使いたい人は予約すれば使っていい。

瀬尾:コワーキングスペースみたいな感じだね。

―いま、多くの大企業では「イノベーションを生み出す」ってことが目標に掲げられてるんだけど、イノベーションって人と人との化学反応というか、専門性や個性のカケザンで生まれることじゃないかと思うんだよね。日常的に一緒に仕事をすることなく、イノベーションは生まれるのかな? 

山口:イノベーションって人と人との間に生まれるわけではなくて、最終的には個人の中に生まれるものじゃないかな。もちろん他の人の発想がインプットになっていると思うけど。

瀬尾:対面で直接コミュニケーションすることでイノベーションが生まれるのか、そうでなくても生まれるのか。

山口:それ、定量的に測れたらいいよね。実験しようか。リアルの社員合宿と、マインクラフト上のバーチャル合宿をやって、そこで出てくるアイデアの量や質を比べるとか。(笑)

―バーチャル合宿って、「合宿」になってないし・・・。対面での「場」の力についてはいろんな人の意見を聞きたいし、できれば定量データを出してみたいね。引き続きこのテーマを追求していきましょう! 

「会社」というものに対する先入観をいったん脇において、「会社とは何か」「一つの場に集まって働くとはどういうことか」と問い直すことで、「リモートワークの可能性」と「リアルの場の可能性」についてあらためて考える機会となった。
1年以上にわたるリモートワークの取り組みで「リモートワークの可能性」はだいぶ見えてきたが、今まで当たり前だった「同じ空間で働き、直接コミュニケーションする」という機会が減ることで何が起こるのかはまだ見えていない。引き続き考え、実験し、この場でご報告していきたい。

ソフィアメンバーの「私たちが大切にしつづけること」とは?

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