論理思考は人を動かすか?【あの人の本棚 Vol.3 近藤圭亮】

#コミュニケーション#ビジネススキル

21.Feb.2017

読書で向き合うお客様の課題

働き方改革が進まない、経営課題解決のためにさまざまな取り組みを行うも、思うように社員が動いてくれない――。
ソフィアが日々向き合うお客様の中には、そんな課題を抱える企業も多い。メンバーの机に実際に置かれている本を紹介するコーナー「あの人の本棚」。今回は営業担当として多くの企業のご担当者と接する近藤圭亮が、現代企業の課題を考える中で、読書を通して見えてきたことを語ってくれた。

《今回の本棚》
『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』斉藤嘉則著・株式会社グロービス監修(ダイヤモンド社)
『無理・無意味から職場を救う マネジメントの基礎理論』海老原嗣生著・守島基博解説(プレジデント社)
『ITエンジニアのための【論理思考】がわかる本』NRIラーニングネットワーク株式会社上村有子著・亀井敏郎監修(翔泳社)
『論理思考のレシピ』桑畑幸博著(日本能率協会マネジメントセンター)

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―今回4冊の本を持ってきていただきましたが、どんなところがおすすめですか

『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』はビジネスのさまざまな場面で使える思考のフレームワークが載っている本です。とくに最初に書いてある「ゼロベース思考」の項目がすごく好きなんです。既存のことにとらわれずに考えるって、大切なことなのになかなかできないですよね。自分が壁にぶつかったときは、この「ゼロベース思考」の部分を読んで原点に立ち戻るようにしています。『ITエンジニアのための【論理思考】がわかる』『論理思考のレシピ』も、論理思考の基本的なことがわかって面白いですよ。
最近一番好きなのは、この『マネジメントの基礎理論』。古川さんに「組織内での動機付けに関する面白い本ないかな?」と聞いて貸してもらいました。

―論理思考に関する本が多いですね

以前から「そもそも論理思考って何だろう」とずっと考えていたんです。ビジネスの世界では論理思考がとても重要なものだとされているけれど、「人々を動かす」という視点で考えたとき、果たして論理思考は本当に核となるものなんだろうか、と。
本を読んでみて、論理思考について理解が深まる一方で、社会や会社に存在する課題は論理思考だけでは解決できないと再認識しました。たとえばこの「マネジメントの基礎理論」という本では、ハーズバーグの2要因理論というものが紹介されています。この理論によると、人が主体的に動くには達成や承認といったメンタル面での満足が必要なんです。逆に勤務条件や給与など、何らかのロジックにそって作られた制度は、不満を減らすことはできても満足にはつながりません。
一見当たり前のことに思えますが、企業の人事担当の方からは「働きやすくなるような制度を整えても、作っただけで誰も使わず、いっこうに社内の風土が改善されない」というお話がよく出てきます。論理と感情、そのバランスが取れていない企業が実は多いのではないでしょうか。

―お客様の悩みとして、他にどんなものがありますか

「マネジメント層の士気が上がらない。研修もたくさんやっているのに……」という声もよく聞きますね。行動変容のためのワークショップをしてくれないか、という相談は多いです。そういった企業では、たしかに研修はやっているのですが、実はそこで学んでいるのは枠組みや概念だけだったりします。でも、枠組みだけ持って帰っても、それが多様な部下全員に通用するとは限りません。
たとえば、ある店舗で働いている人全員が、会社の売上を真剣に考えているわけではありませんよね。嫌なことがあればすぐに辞めてしまうアルバイトだっています。一方、真剣に会社のために取り組む店長は、そんな部下の考え方がわからないまま研修で習ってきたフレームワークに沿ってコミュニケーションを取ろうとする。当然店長は「部下の考えていることがわからない」「本部や経営層に言っても理解してくれない」と苦しむことになり、不満が高まってやる気も低下してしまいます。


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―本を読むことで、そうした課題に対する解決策は見えてきましたか

「現状に何をプラスすれば課題を解決できるんだろう」「どうやったら社員を動機付けできるんだろう」という思いで本を読んできた中で、少しずつ見えてきたように思います。
最近では、論理にもとづいた施策と感情面への働きかけをバランスよく行うことが理想的なマネジメントであり、組織の風土改善につながるのではないか、と思っています。そして、そのために欠かせないのは感情のやりとり、つまり上司と部下のコミュニケーションです。社内報でも研修でもいいから、現場の意見を吸い上げる場を持つこと。また、マネジャー同士が意見を共有できる場を提供して、多様な視点で部下を見ることができるようにすることが必要ではないでしょうか。すべてを論理で割り切ってしまうことは簡単ですが、それだけでは人を動かすことはできません。
こうして言葉にしてみると当たり前のように感じますが、組織の中にいると物事の本質が見えにくくなったり、わかっていてもできなかったりするんですよね。だからこそ、人事の方も広報の方も経営層もみんなが頭を悩ませているんですから。

―そうしたお客様に対して、どのような姿勢で向き合っていきたいと思いますか

お客様が初めて会うソフィアの人間として「この人と仕事がしてみたい」と感じるような存在でありたいと思いますし、私と話す中で「あ、そういうことか!」とお客様自身の考えに整理がつくような機会を作れたら嬉しいなと思います。自分自身もお客様との会話を通して学ぶことがたくさんあるんです。そうやって教えて教えられて……という営み自体が、私にとっての仕事だと思っています。

《今回のメンバー》
近藤圭亮
担当分野:営業・事業開発

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