Message

代表メッセージ

廣田拓也

私たちの身の回りの社会は大きく動き続けています。政治や経済の流れは変わり、「このまま続く安定」を前提にすることが難しくなりました。
 
人口が減少する日本は、九人で守っていた野球の守備を六人でこなさなければならないような局面に入っています。「自分のポジションはここ」「自分の役割はここまで」と線を引き続けていては、守りきれない領域が社会にも組織にも増えていきます。現場でも、この分断を越境し合うことで新しい学びや連鎖が生まれていく様子を見てきました。
 
だからこそ、私たちは少しずつ「はみ出す」必要があります。ここで言う「はみ出す」とは、単に組織のルールを無視することではありません。自分の部署、自分の会社、自分の業界、自分の専門性──そうした境界から一歩外に出て、別の領域や人と交わってみること。頭の中だけで変化を理解しようとしている限り、変化は恐怖の対象のままですが、実際に越境し、体験を通じて意味づけをし直していくと、変化は「恐怖」から「期待」に変わっていくのだと思います。
 
私が携わっている、産業・教育・自治体の三者で高校生の学びをつくる取り組みでも、学校の先生方が学校の外に出て企業と協働し、企業の方々が教室に足を運び、高校生と共に学ぶ中で、三者それぞれの視点が変わり、新しい学びの連鎖が生まれていく姿を目の当たりにしてきました。人も、組織も、社会も、「はみ出す」ことを通じて元気になっていくのだと確信しています。
 
分断は社会や組織だけでなく個人一人ひとりの中にも生じていきます。私は近年、「なりわい(生業)」という言葉を大切にしています。なりわいとは、お金をもらって働く会社での職務だけでなく、誰かに価値を提供し、代わりにお金や感謝、学びや人とのつながりなど、さまざまな代えがたい価値を受け取る営みの総体だと考えています。会社での職務に加えて、自分が他でも活動していることをまるごと自分のなりわいとして捉えられているだろうか。ここにも分断が生じているのです。これをつなぎ合わせられたとき「自分はいったい何をしているときに生き生きするのか」「これさえできていれば幸せだと言えることは何か」が見えやすくなります。
 
そして今年、私はテーマを「編集」と置きたいと考えています。編集とは、人と人、人とモノ、モノと場所、技術と地域、企業と学校など、バラバラな要素同士を結びつけ、新しい関係と意味を生み出す営みです。これまで越境し、はみ出しながら生まれてきた多様なタネを、社内外で編集し直し、新しいプロジェクトや事業、学びや地域の姿につなげていく一年にしたいと思います。
 
変化のスピードが上がり、「安定」という言葉の意味が揺らぐ時代だからこそ、私たちは自分の内側から湧き上がる原動力を大切にし、少しだけはみ出してみる勇気を持ちたい。そして、その自由から生まれた力を持ち寄り、編集を通じて、新しい関係と仕事のかたちを共につくっていきたいと考えています。
 
2026年も、ソフィアは一人ひとりの原動力に光を当てながら、組織と社会の「編集の伴走者」として、皆さまとともに歩んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長 廣田 拓也

社名の由来

「sofia」はギリシャ語で「英知」を表す言葉です。
会社としては小さいながらも、世の中に知恵と価値を生み出していく集団であり続けたいという思いを込めています。