幹部層を巻き込み「センスメイキング経営」を実践へ導く。人事部が仕掛ける研修と職場定着の仕組み

#人事・人材開発 #広報 #経営企画

企業の持続的な成長と変革に向け、中期経営計画やビジョンの重要なキーワードとして「センスメイキング(意味づけ・納得創造)経営」を掲げる大企業が増加しています。しかし、経営陣が力強いメッセージを発信しても、それを現場の最前線へと翻訳し、牽引すべき「幹部層」の理解が浅いままでは、組織全体の行動変容にはつながりません。多くの人事部や人材開発部門が、「抽象的な概念をどうすれば幹部層の日常業務に落とし込めるのか」「ただの研修で終わらせず、実践的な気づきを生むにはどうすべきか」という難題に直面しています。

本記事では、大企業の人事部が主導し、幹部層にセンスメイキングの本質的な理解を促すための実践的アプローチを解説します。単なる座学の知識付与ではなく、過去の困難な出来事の振り返りや、未来の市場環境を見据えたストーリープランニング、そして職場での30日間にわたる実践と振り返りを通じて、幹部一人ひとりの行動パターンに変革をもたらす「センスメイキング経営の定着メソッド」と、その具体的な運用設計をご紹介します。

センスメイキング経営が現場に届かない—幹部層の温度差という最大の壁

中期ビジョンで「センスメイキング経営」が発表された直後は社内も一時的に活気づきますが、いざ日常業務に戻ると、以前と何も変わらない景色が広がっていることが少なくありません。人事部が研修を企画しても、多忙な幹部層からは「現場の業務とは直結しない」「抽象的すぎて何をすればいいか分からない」といった冷めた反応が返ってくるのが現実です。

経営の意図と現場の動きの間に生じる深い溝を埋めるためには、幹部層自身が納得し、自らの言葉で語れる状態へと引き上げる必要があります。

  • 中期ビジョンのキーワードが現場の具体的なアクションに翻訳されていない
  • 幹部層が過去の成功体験に縛られ、新たな意味づけ(センスメイキング)を行えていない
  • 研修を実施しても「良い話を聞いた」で終わり、翌日からの職場実践に繋がらない
  • 困難な状況に直面した際、本質的な課題抽出ができず表面的な対処に終始している
  • 未来のシナリオを描き、自分たちの部署の役割を再定義する機会が設けられていない

頭で理解しても体は動かない_実際の経験とつなぐことで初めて意味が生まれる

立派な中期ビジョンが現場の行動に結びつかない根本的な原因は、センスメイキング(意味づけ)のプロセスが組織の文脈に組み込まれていないことにあります。「国内インターナルコミュニケーション調査(2025年版)」のデータが示す通り、経営層が発信する抽象的な方針は、現場の具体的な体験や課題と紐づけられなければ、従業員の共感や納得を生み出すことはありません。

幹部層に対してセンスメイキングの重要性を頭で理解させるだけでは不十分です。彼ら自身が過去の実際の出来事インシデントを振り返り、そこで起きたことや自らの判断、行動を自らの思考プロセスを客観視してする構造的な内省する場がなければ、実践にはつながらないでしょう。の場が欠如しているため、実践への結びつきが弱くなってしまうのです。

  • センスメイキングの7つの要素が、個人の思考や行動パターンと結びついていない
  • 過去の「困難な出来事」を振り返り、ピア・ツー・ピア(P2P)でフィードバックし合う環境がない
  • 今後の市場環境の変化を踏まえた「未来ストーリー」を描き、役割を再定義する訓練が不足している
  • 研修での気づきを実際の職場の課題に適用し、一定期間継続して試行する仕組みがない

過去を振り返り未来を描く_センスメイキング定着の3ステップ

この状況を打破するためには、座学による「理解」にとどまらず、幹部層が日常業務の中でセンスメイキングを発揮できる「実践の場」をデザインすることが求められます。ソフィアでは、センスメイキングの理論をベースに、過去・未来・現在(職場実践)を繋ぐ統合的なプログラムを提供します。

ステップ1

まず、過去の「困難な出来事」を実際にあった困難な出来事の再検討(インシデントプロセス)で再現し、グループでのディスカッション&相互フィードバックを通じて、同じ事象でも様々な見方があることに気づきを生むことで、自分の行動の盲点に気づきを与えます。これは、センスメイキングを実践する大前提である、答えは一つではない、いろいろな考え方がある、という前提を確認する機会となります。

ステップ2

次に、自分たちを取り巻く外部環境の未来に向けた変化を想像し、その前提で自分たちがどうしていくべきなのかを考える「未来ストーリープランニング」を行います。未来への異なる道筋を複数仮説として挙げたうえで、として、そのどれにも共通するベースシナリオ(ベースシナリオ)を基に、自部署のミッションやあり方の変化を再定義します。ここでもグループワークを通じて、仮説は一つには絞れない、だから未来は直線的には決まらないことを実感したうえで、それでもしなければいけない意思決定をどうするかについて学んでいきます。

ステップ3

センスメイキングを実践につなげるポイント

  • SMセンスメイキングとは何かを深く理解し、自身の行動パターンとセンスメイキングの7要素を結びつける
  • 過去の事象に対するP2Pフィードバックにより、今後の行動変容の重点ポイントを一つ設定する
  • 未来の市場変化を踏まえ、自分たちが「最低限やらなければならないこと」を抽出する
  • 1日の研修の気づきを基に職場の課題を設定し、「30日間アクションプラン」を構築・実践する
  • 定期的な振り返りを通じて実践結果を言語化し、自分なりの「センスメイキング」を確立する

幹部が「自分の言葉で語れる日」が来た_組織変革の決定的なブレイクスルー

センスメイキング経営を絵に描いた餅にせず、実際の組織風土改革や幹部層の意識変革へと結びつけた大企業の事例を3件ご紹介します。大手企業特有の複雑な組織構造や、多忙な幹部層の業務実態に合わせたプログラム設計が成功の鍵を握っています。

・製造業A社:幹部層向け未来シナリオ構築ワークショップの実施

中期ビジョンの浸透を目指し、部門横断の幹部を集めた実践ワークショップを実施。市場の変化を見据えた未来ストーリープランニングを通じて、各部門の新たな役割を言語化し、部門間の連携強化と具体的なアクションプランの創出に成功しました。

・金融業B社:困難な事象の振り返りによるマネジメント変革

過去に直面した困難なプロジェクトを題材に、インシデントプロセスを用いたP2Pフィードバック研修を導入。互いの思考パターンを客観視することで、センスメイキングの7要素の理解が深まり、部下へのマネジメントスタイルに劇的な変化をもたらしました。

・IT企業C社:30日間のアクションプラン実践と内製化支援

研修での気づきを職場の課題解決に直結させるため、30日間の実践期間と定期的な振り返りセッションをセットで提供。ソフィアの伴走支援により、幹部層が自らの言葉でセンスメイキングの意義を語れるようになり、次年度以降の人事部主導での内製化を実現しました。

大企業に特化した確実な定着を伴走支援するソフィアの導入ステップ

ソフィアは、大手企業への豊富な支援実績に裏打ちされた高度な「運用伴走力」と、厳しいセキュリティ基準をクリアする「セキュア対応」を強みとしています。研修を実施して終わりではなく、マニュアルや仕様書の精緻な設計から現場での着実な定着までを包括的にサポートします。

  1. 企画・要件定義とカスタマイズ設計

    貴社の中期ビジョンや経営課題を深くヒアリングし、センスメイキング経営の実践に向けた全体プロセスを設計します。特に、使用する演習の素材は貴社のリアルな事例や外部環境データを利用し、現業とのシームレスな連動を実現します。

  2. 幹部向けワークショップ・講座の実施

    「困難な出来事の振り返り」や「未来ストーリープランニング」など、リアルな素材を活用する実践的なワークショップを中心とした講座を展開。少人数での実施であれば、研修中に限らずその前後での個別相談にも対応し、幹部層一人ひとりの深い腹落ちを促します。

  3. 30日間の職場実践と伴走支援

    研修で策定した「30日間アクションプラン」の職場実践を支援します。定期的な振り返りセッションや定着化に向けたアドバイスを行い、組織全体への波及効果を高めます。さらには、職場実践後の振り返り研修を実施。講師及び参加者相互のフィードバックを行い、経験学習サイクルを回すことで、新たな課題発見と行動への意思決定を促します。

  4. 効果測定と内製化への移行支援

    実践結果を言語化し、次なる課題を抽出します。人事部様が自走してプログラムを展開できるよう、オプションでの内製化支援も強力にバックアップいたします。大企業の運用に耐えうる詳細な仕様書やマニュアルの作成も実施します。

  • 幹部層が多忙で研修時間を確保しにくいのですが対応可能ですか。
  • はい、可能です。業務の隙間時間を活用した設計や、研修での学びの実践を実業務に組み込む30日間のアクションプランにより、多忙な幹部層でも無理なく取り組める仕様書設計をご提案します。

  • 経営理念や、自社独自のビジョン、方針など、自社の事情に合わせたプログラムのカスタマイズはできますか。
  • はい、完全に対応いたします。大企業様への豊富な実績をもとに、貴社の文脈や課題に沿った独自のケーススタディ(インシデント)や未来シナリオを設計し、ワークショップに落とし込みます、実際の御社が置かれた内外環境を研修内に移設構築します。参加者からは「これは研修なのか業務なのかわからない」といった反応もよくいただきます。

  • 次年度以降は自社の人事部だけで運用したいのですが支援してもらえますか。
  • はい、内製化支援オプションをご用意しております。運用マニュアルの整備やファシリテーターの育成を通じて、人事部様が自律的にセンスメイキングプログラムを展開できる体制構築を支援します。