お客様インタビューvol.37
「株式会社西武プロセスイノベーション:自分たちの未来を、自分たちの言葉で語る。未来創造ワークショップで中計を自分ごと化」
「株式会社西武プロセスイノベーション:自分たちの未来を、自分たちの言葉で語る。未来創造ワークショップで中計を自分ごと化」
- 株式会社西武プロセスイノベーション
- 代表取締役社長 廣瀬 貢一さん(中央)
アドミニストレーションユニット 兼 DX・BPRユニットマネージャー 塙 慶太さん(左から2人目)
アドミニストレーションユニット アシスタントマネージャー 若松 樹里さん(左端)
インタビュー実施日:2026年7月27日
西武プロセスイノベーションでは、次期中期経営計画の策定を見据え、社員一人ひとりが会社の未来を自分ごととして考える「未来創造ワークショップ」を実施しました。
さまざまなバックグラウンドを持つ社員同士が対話し、自分たちの言葉で未来を描いていくことを重視した取り組みです。企画から実施までの期間は約3週間。ソフィアは事前の社員インタビューからプログラム設計、当日のファシリテーションまでを支援しました。今回は、西武プロセスイノベーションの廣瀬さん・塙さん・若松さんと、支援を担うソフィアの森・橋本が、プロジェクト実施の背景やワークショップで生まれた変化、そして今後の展望まで語り合いました。
多様なメンバーが同じ方向を向くために、中計を「自分ごと」にする
普段はどのようなお仕事をされているか教えてください。
- 廣瀬さん
- 社長として社務全般を担っています。当社は設立から3年余りの会社なので、「私たちはどこを向いて、どの方向で仕事をするのか」という夢や方向性を語ることが、経営者の一番の仕事だと思っています。
- 若松さん
- アドミニストレーションユニットで企画・人事・総務を担う部門に所属し、主に企画業務と人事の教育、新卒採用を担当しています。
- 塙さん
- 私もアドミニストレーションユニットで企画業務と、新卒採用、人材育成・教育に携わっています。また、DX・BPRユニットも兼務していて、社内DXの推進や生成AIの利活用、業務BPRなども担当しています。
今回、未来創造ワークショップを実施した背景を教えてください。
- 廣瀬さん
- 中計や長期戦略は、企画部門が作って「これでいきます」と社員に示す形になりがちです。でも、それでは社員が腹落ちしない。それが嫌だったんです。
当社は、鉄道やホテルなど西武グループのさまざまな会社からの出向者と、西武プロセスイノベーションに直接入社した社員が一緒に働いています。背景が異なるメンバーが同じ方向を向くためにも、目の前の業務だけではなく、その先にいるお客さまを意識しながら、自分たちの未来を考える機会が必要だと思っていました。

ソフィアに依頼したきっかけを教えてください。
- 塙さん
- 以前、西武ホールディングスの情報システム部にいたとき、若手社員教育の一環として社内広報誌の記事づくりを企画したことがありました。その際、社内に相談して紹介してもらったのがソフィアです。
今回のテーマは会社の長期的な未来を描くこと。社員自身の言葉を引き出すには、ソフィアの強みが合うのではないかと思い、声をかけました。
- 橋本
- 西武グループとは10年以上、さまざまな施策でご一緒しています。私たちはご支援のメニューをたくさん持っているので、普段からお話ししながら、今はどのようなご支援方法が必要な状況か、一緒に検討することを大事にしています。今回も、これまでの関係性からご相談につながったと感じています。

約3週間で企画から実施へ。まずは社員の問題意識を知ることから始めた
今回のご支援内容について詳しくお聞かせください。
- 森
- 「未来創造ワークショップ」というタイトルで、2日間のワークショップを実施しました。最初にご相談いただいたのは、次期中計策定に向けて、今後の会社の目指す状態を、経営層だけで描くのではなく、現場の一人ひとりの声を反映させたい。その過程で、社員が自分で考え、自分の言葉にしていくプロセスを大切にしたいというお話でした。ですが、中長期の未来という抽象度の高いテーマに対して、参加者が自由に対話しながら考えていくのはハードルがあるのではないかという仮説もありました。
また、実施まで約3週間しかなく、より参加者の皆さんにマッチしたワークショップを設計するためにワークショップを作るために悩む部分もありましたが、皆さんの熱意を感じ、必ず形にしたいと思いました。
- 若松さん
- 最初は社内のリソースだけでできないか検討しました。ただ、やりたいことを整理していく中で、やはりプロの力を借りた方がいいだろうということになったんです。中計づくりのスタートに位置する取り組みだったので時間をかけられず、「こんな短期間でどこまでできるのだろう」という不安はありました。
でも、森さんから次々に提案をもらい、私たちが伝えたこともワークショップに合う形に噛み砕いていただけたので、想像以上にスムーズに進みました。

ワークショップ前に社員インタビューを実施したと伺いましたが、その理由は何ですか。
- 森
- ワークショップの内容を考える前に、まず西武プロセスイノベーションの皆さんが、どのような思いや問題意識を持って働いているのかを知りたいと考えました。そこで各ユニットから数名の方にご協力いただき、一人ずつお話を伺いました。
印象的だったのは、ミッションやビジョン、日々の問題意識など、日常あまり向き合わないテーマでも、皆さんに問いかけるとたくさんの言葉が出てきました。問題意識があるということは、裏返せば「もっとこうしたい」というエネルギーがある。未来を考えることにつなげられるのではないかと思いました。
- 若松さん
- 社員インタビューは良い意味で想定外でした。「そこまでやってくださるんだ」と。フィードバックを聞く中で、事務局である私たち自身にも新しい発見があり、ワークショップとは別に非常に価値のある情報を得られました。
事前インタビューの内容は、ワークショップにどのように反映しましたか。
- 森
- 今回の大きなテーマは、「10年後の会社や仕事で“ありたい姿”を、自分たちの言葉で考える」ことでした。ただ、いきなり「10年後どうなっていたいですか」と聞かれても答えにくいですよね。
そこで、理想の未来を直接考えるだけでなく、まず今感じているモヤモヤや課題を出し、「この状態が続いたらどうなるだろう」というバッドシナリオも考えてもらいました。そのうえで「では、どうなったらいいのか」と未来に目を向ける設計にしました。
- 塙さん
- 社員が仕事に対して思いを持っていることは分かっていましたが、普段の業務の中で、それを上司や周囲に言葉として出せる環境が十分にあるわけではありません。第三者である森さんに聞いてもらったからこそ話せたこともあったと思います。ワークショップ後の振り返りでも、「自分ごとで考えたことで気づきがあった」という声が出ていて、そこは非常に良かったですね。

「今日は面白そう」。生成AIと対話で、社員の創造性を引き出す
実際のワークショップの雰囲気はいかがでしたか?
- 廣瀬さん
- 想像以上でしたね。最初は、もっと硬い研修のような内容を想像していました。ところが実際に参加してみると、最初のアイスブレイクから面白かったんです。
参加している社員の表情が変わったのが分かりました。「今日はなんだか面白そうだぞ」という空気になったんです。普段の研修では見たことのない雰囲気で、みんな下を向かず、上を向いて話を聞いている。これはいい対話の時間になりそうだと初日に感じました。
- 若松さん
- 実施前はかなり心配していました。日々の業務が忙しい中で急に予定を入れたので、「そんなに急にやるの?」「通常業務とどちらが優先なの?」という声も事務局には届いていました。
でも、始まってみると皆さん本当に真摯に向き合ってくれて、付箋にも一生懸命書き込んでいました。参加前は少し面倒だと思っていた方もいたかもしれませんが、いざ始まると手を抜かず取り組んでくれたのが印象的でした。
2日目に実施した、生成AIを使った4コマ漫画について教えてください。
- 森
- 「10年後、この会社でどんな仕事をしていたいか」「会社がどうなっていたらいいか」という未来像を、起承転結のある4コマ漫画のストーリーにして発表するワークを行いました。生成AIの画像生成機能も活用しながら、自分たちが考えた未来を目に見える形にしていきました。
- 廣瀬さん
- ちょうど当社で画像生成AIの利用が広がり始めたタイミングとも重なっていて、社員が実際の場で使う機会にもなりました。同じツールを使っているのに、人によって全然違うものが出来上がる。内容だけではなく、社員がみんなで面白がりながら作っている行為そのものに価値があったと思います。
- 塙さん
- DX・BPRの立場から見ても良かったです。普段生成AIをあまり使わない社員も、隣で使っている人を見て「すごいな」と興味を持っていました。新しいものに自然に触れる機会にもなったと思います。
- 森
- 皆さんの熱中ぶりは予想以上でした。もっと良いもの、面白いものをと試行錯誤しながら、AIから思わぬアウトプットが返ってくると笑いが起きる。普段の業務ではなかなか触れないクリエイティブな面白さもあって、参加者の皆さんにすごくハマったという感覚がありました。

参加者からは研修後にどのような反応がありましたか。
- 若松さん
- かなり好意的でした。特に印象に残ったのが、自分では当たり前だと思ってやっていた仕事について、別のユニットのメンバーから「それってすごいことだよ」と言われて、自信につながったという声です。定型的な業務はどうしても「できて当たり前」と思われがちですが、他の人から見れば決して当たり前ではないと気づけたのは、大きかったと思います。
また、普段なかなか取れないユニット横断のコミュニケーションの機会にもなりました。さまざまなユニットのメンバーを混ぜて、同じテーマについて話すだけでも大きな価値があると改めて感じました。
異なる背景を持つ社員をつなぐ次の一歩へ
今後の課題について、どのように考えていますか?
- 塙さん
- 今回の参加者は、西武プロセスイノベーションのビジョンや考え方に共感して入社した社員が中心でした。一方、会社全体では出向者の割合の方が多く、出向してくる方は自ら希望して来ている場合だけではありません。
そういう方々に同じワークショップを実施したとき、どんな反応になるのか。今回参加した社員と出向者との間に大きな熱量の差が生まれてしまうと、組織としてはもったいない。その点は今後の課題だと思っています。
- 廣瀬さん
- 現在は出向者が約6割、プロパー社員が約4割です。しかも出向者も、鉄道出身、ホテル出身など背景はバラバラです。今年度の目標の一つとして、ビジョン・ミッション・スローガンを定着させたいと考えています。今回やってみて、この方法は使えると感じました。
- 森
- 事前インタビューでも、ミッション・ビジョン・スローガンの言葉自体は目にしていても、そこまで深く考えたことはないという方が多いのではと思っていました。でも、「あなたにとってこの言葉はどういう意味ですか」と問いかけると、皆さん自分の言葉で答えてくださるんです。
場と問いさえあれば、一人ひとりが自分なりに言葉にし、意味づけできる。そのことは、これから出向で来られる方々と一緒に考えていく上でもヒントになると思います。
今後、ソフィアに期待することを教えてください。
- 塙さん
- これから新しいメンバーが加わっていく中で、いろいろな化学反応が起こると思います。それが対話を通じて良い方向に進むようにしたいんです。そのとき、全体を俯瞰して見られる外部の方の力が必要になると思っています。
今回も、事前準備から企画、ファシリテーションまで、私たちが考えていたことと非常にうまく合っていました。想像していた以上のアウトプットが生まれたので、これからも一緒に考えていただきたいです。
- 若松さん
- 今回、第三者が入ることの効果を改めて実感しました。どうしても社内だけで考えていると、無意識のバイアスや固定観念が入ります。そこに外部の視点が入ることで、違う問いを投げかけてもらえる。それは非常に価値があると思っています。
- 廣瀬さん
- 期待していることは二つあります。一つは、外部の方から社員の仕事を評価してもらうことです。「あなたたちの仕事にはこういう価値がある」と言ってもらうことは、従業員のエンゲージメントを高めるうえで非常に大きいと思っています。
もう一つは、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちを同じ方向に向かせていくための知見です。私たちはどうしても西武という同じ環境の中にいます。さまざまな会社や業界を見てきた外部の方から、新しい刺激や経験を持ち込んでもらいたいですね。
最後に、今回ソフィアと一緒に仕事をしてみた感想をお聞かせください。
- 塙さん
- シンプルに言うと、楽しかったです。以前ソフィアと仕事をしたときから時間が空いていましたが、今回またご一緒して、「ソフィアの良さは変わっていないな」と感じました。発注者と支援会社という関係だけではなく、等身大で対等にコミュニケーションをしながら、一緒に一つのものを作っていく。その感覚が非常に良かったです。
- 若松さん
- 私は感謝ですね。本当に短い期間だったにもかかわらず、私たちの意図を汲み取っていただきました。最初は私たち自身も、最終的なアウトプットを明確に描けていたわけではありません。それを、「こういうものがあったらいいですね」と一緒にイメージを作るところから伴走してもらえたことが、とてもありがたかったです。
- 廣瀬さん
- 私が一言で言うなら、「嬉しかった」です。初日と2日目、それぞれが終わった後に何人かの社員に感想を聞きました。普通、研修が終わった後に聞くと「ためになりました」と言いますよね。でも今回は「面白かったです」と言ったんです。これは良かったなと思いました。
今回、背景には次期中計の策定という目的がありました。でも、どんな未来像が出来上がったかだけが大事なのではありません。社員同士が将来について語る。そのプロセス自体が大事なんです。その時間を社員が「楽しかった」「面白かった」と感じてくれた。今回、そういう時間を作れたことが一番嬉しかったですね。