システム構築だけでは読まれない?エンゲージメントを高めるSPO版「Web社内報」の作り方

#人事・人材開発 #広報 #情報システム

組織の縦割りを打破し、社員のエンゲージメント向上を目指して「Web社内報」の導入・リニューアルに踏み出す広報部門が増加しています。導入にあたって、すでに社内で標準ライセンスとして提供されているMicrosoft 365のSharePoint Online(SPO)を利用してポータルサイトを構築するケースが一般的です。

しかし、多くの広報担当者様が「SPOでサイトを立ち上げたものの、現場の社員が記事を読みに来てくれない」「導入当初は盛り上がったが、すぐに更新が途絶えてしまった」といった壁に直面しています。本記事では、システム主導で陥りやすいWeb社内報の落とし穴を紐解き、エンゲージメントの向上に直結させる「SPOサイトの最適な構築」と「心を動かすコンテンツ企画」の双方向アプローチについて詳しく解説します。

「箱を作っただけ」では社員は来ない――Web社内報が形骸化する5つの落とし穴

SharePoint Online(SPO)は、セキュリティが高く、社内の情報共有ポータルを作る上で非常に優れたツールです。しかし、システム部門の協力を得て「立派な箱(Webサイト)」を完成させただけで満足してしまう広報部門が後を絶ちません。システム構築がゴールになってしまうと、そこに載せる中身(コンテンツ)の配慮が疎かになります。

結果として、掲載されるのは「社長からの堅苦しい年頭挨拶」や「業務マニュアルの更新通知」といった、業務的に読まざるを得ないトップダウンの記事ばかりになってしまいます。社員は「読みたいから読む」のではなく「仕事だから仕方なく見る」状態となり、エンゲージメント(会社への愛着や自発的な貢献意欲)が向上することはありません。さらに、SPO標準のアクセス解析機能を活用せずに「やりっぱなし」の運用になってしまうため、読者のニーズとのズレに気づけず、次第にWeb社内報自体が組織の中で形骸化してしまうのです。

・箱(システム)を作っただけで満足している ・トップダウンの堅い事務連絡ばかりになっている ・コンテンツの企画力が不足し、更新がマンネリ化する ・アクセス解析を行わず、企画の改善がなされていない ・双方向のコミュニケーションの仕掛けが存在しない


エンゲージメントを生む「2つの車輪」:「見やすい仕組み」×「心を動かすストーリー」

現場の社員が毎日のようにアクセスし、組織の一体感やエンゲージメントを生み出すWeb社内報を作るための解決策は、「ユーザー目線のSPOサイト構築(UI設計)」と「感情を動かすコンテンツの企画・制作」を同時に、かつ高いレベルで走らせることです。

SPOのトップページは、現場の社員に「おっ、面白そうな記事がある」と思わせるような、ビジュアル(サムネイル画像)が際立つ見やすい導線を設計します。そして、その先の記事には、会社のビジョンを体現して挑戦している若手社員のインタビューや、失敗を乗り越えたプロジェクトの裏側など、共感を呼ぶ「ストーリー」を投下します。社員が読んで感想を持ち、SPOの「いいね」機能やコメント欄で自然なリアクションを返し合う。さらに管理者が「どの記事が一番最後まで読まれたか」を解析し、次の企画に活かす。このシステムとコンテンツの強力な両輪(PDCA)を回すことで、初めてWeb社内報は「エンゲージメント向上の武器」として機能し始めます。

・SPOの機能を活かした見やすいUI・導線を設計する ・社員の感情を動かすストーリー性の高いコンテンツを企画する ・「いいね」やコメント機能を活用し、双方向の交流を生む ・ログ解析からPDCAを回し、読まれる企画へと改善し続ける ・システムとコンテンツの制作を分断させず、一体で運用する


【ソフィアの支援事例】SPOと魅力的なコンテンツで社内の一体感を生み出した企業

Web社内報を成功させるためには、「SPOのシステム構築に強いベンダー」と「記事のライティングに強い制作会社」の両方をマネジメントしなければならないと誤解されがちですが、これらを分断させると上手くいきません。システム(入れ物)とコンテンツ(中身)の双方を横断的に理解し、社内コミュニケーションの活性化という共通のゴールに向かって伴走し、社員の心を掴む大きな成果を上げた企業の具体的な支援事例をご紹介します。


データが教えてくれる”本当に読まれる記事”――ログ解析で進化し続ける社内報

ここまで、システムを整備するだけでは不十分であり、読まれるためのコンテンツ設計が不可欠である理由について解説してまいりました。弊社ソフィアでは、SPO等の環境構築から、社員のモチベーションを上げる企画の立案、執筆代行、ログ解析に至るまで、広報部門の運用をトータルで伴走支援しております。ここでは、具体的な支援内容をご紹介します。

広報課題のヒアリングとWeb社内報のコンセプト設計

プロジェクトのキックオフとして、まずは「現在、社内にどのようなコミュニケーション課題があるのか(例えば、部門間の壁が厚い、若手の離職率が高いなど)」を深くヒアリングいたします。

その課題を解決するための手段として、Web社内報のコンセプト(誰に、どのような感情を抱かせたいか)を明確に言語化します。「全社員を繋ぐ架け橋にする」といった抽象的なものではなく、「中堅社員が、他部署の取り組みを知って刺激を受けるメディア」といった具体的なペルソナ(読者像)を設定し、ブレない軸を作ります。

SharePoint及びMicrosoft365の標準機能を最大限に生かしたサイト構築

コンセプトに基づき、SharePoint Online(SPO)の標準のWebパーツ群を駆使したポータルサイトのデザイン・構築を行います。

不要なアドオン開発による運用コスト増大を避け、標準機能のみで「ニュース性の高い記事がトップに目立つUI」や、「後から社員が検索しやすいタグ付け(メタデータ管理)の仕組み」を実装します。SPOならではの権限設定の強みを活かし、部署ごとに最適な情報が届く緻密な導線を設計します。
また、SharePoint Online以外のMicrosoft365製品もフル活用し、Teamsへの通知による記事の露出度増加、FormsやPower Automateを活用した自動化による運用負荷軽減などにも取り組みます。

社員の感情に訴えかける継続的なコンテンツ企画・制作

「箱」であるSPOサイトを作るだけでなく、連載するコンテンツの企画から取材・執筆までを伴走します。エンゲージメントを高めるためには、会社の業績をただ報告するのではなく、「その目標に向かってどんな想いで仕事をしているか」という「人」にフォーカスした企画が不可欠です。

プロのインタビュアーや編集者が現場に赴き、現場社員のリアルな想いや隠れた努力を引き出すことで、「自分もこの会社で頑張ろう」と読者の心を動かす質の高い記事を継続的に提供いたします。

公開後のアクセス解析とPDCA運用を回す伴走支援

Web社内報は、公開した時点が運用のスタートです。SPOの標準機能のアクセス解析では全体の傾向を見ることしか出来ませんが、不足部分はログ解析の仕組みを導入することで、「どの部署の社員が、いつ、どの記事に長く滞在しているか」「どのタイトルのクリック率が高かったか」といったログデータを定量的に解析・レポーティングします。

「経営陣のインタビューよりも、若手の悩み相談企画のほうが圧倒的に読まれている」といった事実をデータから導き出し、広報担当者様と共に次月の企画会議へとフィードバック(PDCA)を行い、常にメディアを進化させ続けます。

ゼロからのWeb社内報構築・導入までの5つのステップ実際にこの「SPOでのサイト構築とコンテンツ制作」を立ち上げ、社内に向けて運用をスタートさせ

るまでの具体的なステップをご説明します。現行の社内報(紙媒体など)からの移行や、ゼロからの新規立ち上げなど、状況に合わせて柔軟にスケジュールを設計してまいります。

エンゲージメント課題のヒアリングとペルソナ設定

キックオフのミーティングで、現状の広報課題と使用予定のM365(SPO)のシステム環境をお伺いします。ここで、社内報の「メインターゲット(ペルソナ)」を決定し、エンゲージメント向上のゴールとなる指標(アクセス数やアンケート評価)を仮決めします。

サイトのデザイン設計とコンテンツロードマップ策定

ヒアリングに基づき、SPO上でのサイトマップ(階層構造)や各ページのワイヤーフレーム(画面設計)をご提案します。同時並行で、公開から半年間にわたって配信する「コンテンツの企画一覧(連載のロードマップ)」を作成し、バランスの良い記事構成を固めます。
同時にPDCAを回すうえで欠かせないKPIの設定やPDCAサイクルのスケジュールも固めていきます。

SPO環境でのサイト構築とテストページの運用

デザインが決定次第、実際のSPO環境でサイトの構築作業(Webパーツの設定、ナビゲーションの調整など)を行います。一部の広報メンバーや情報システム部門で動作テストを行い、スマホ等の各種デバイスからの見え方やコメント機能の挙動を確認します。

初回公開向けの記事制作およびライティング支援

サイトのオープン時に掲載する数本〜十数本の「創刊号コンテンツ」の取材・撮影・執筆に入ります。弊社が完全に代行制作するパターンのほか、社内の広報担当者様が書いた原稿をプロの編集者が添削し、惹きつけるタイトルなどをアドバイスするライティング支援も可能です。

サイトの全社公開および運用状況に応じた解析・改善

準備が整った段階でWeb社内報を全社へ公開(ローンチ)します。公開後から1ヶ月〜数ヶ月間は定着期間として、データのログ解析を綿密に行いながら、「思ったより読まれていない記事」の原因分析とテコ入れ策をタイムリーにご提案し、運用の波に乗るまで徹底的に伴走いたします。

  • SharePointでのサイト構築だけの依頼も可能ですか?
  • はい、可能です。

    「コンテンツを作る社内リソース(編集チーム)は十分に揃っているので、SPOでおしゃれな読みやすいサイトを作る部分だけを手伝ってほしい」というテクニカルなご要望にも柔軟にご対応しております。記事の流し込み方など、運用後のマニュアル作成も実施いたします。

  • どれくらいの頻度でコンテンツを更新すべきですか?
  • エンゲージメントを高め、社員のアクセスを習慣化させるためには、「最低でも週に1〜2回」の記事更新をおすすめしています。

    月に1回まとめて数ページを更新するよりも、マイクロな情報でも良いので高頻度で更新し、「毎日見に行けば何かが変わっている」というメディアとしての「鮮度」を保つことが重要です。

  • 広報担当にライティングの経験がなくても運用できますか?
  • はい、ご安心ください。

    弊社で企画の立案段階からリードし、プロのライターがすべての取材・執筆を代行する「フルサポートプラン」をご用意しております。運用を進めながら、少しずつ社内メンバーにインタビューのコツや写真撮影のノウハウを移管していく「広報人材育成」の観点での伴走も大変ご好評をいただいております。

  • SPOの標準機能でデザインはある程度カスタマイズ可能ですか?
  • 標準機能だけでも、十分に見栄えの良いサイトを作成することが可能です。

    テーマカラーの変更や、目を引くヒーローバナーの配置、画像を多用した直感的なナビゲーションなど、ご提供いただいた画像素材や弊社のデザイン制作と組み合わせることで、「SPO特有のお堅い事務サイト感」を払拭した親しみやすいメディアに仕上げることができます。

  • 制作・構築にかかる費用の目安はどの程度ですか?
  • SPOのサイト構築にかかる初期費用と、月に何本の記事制作(取材・撮影の有無)をご依頼いただくかによって、初期費用および月額の運用支援費用が変動いたします。まずは現状の広報体制やご予算をお伺いした上で、社内リソースと弊社サポートの最適な切り分け方を含むプランをご提示させていただきます。