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SharePoint Online社内ポータル徹底解説:メリット・活用事例と成功のコツ

「社内ポータルを作りたいが、サービスが多すぎてどれを選べばいいのかわからない」「資料をたくさん集めたものの、情報過多で余計に決められなくなった」――そんな悩みを抱えていませんか。
社内ポータルを構築する際は機能面はもちろん、従業員が使いやすいか、また業務との親和性も重要です。構築・更新を自社で行うなら作業や管理のしやすさも不可欠でしょう。実際、社内ポータル運用担当者の8割以上が「運用時間の削減」を望んでおり、主要課題には「カスタマイズのしにくさ」(45.5%)や「運用コストの高さ」(41.8%)が挙げられています。

さらに近年は企業が扱う情報量の増大やリモートワークの普及もあり、社内ポータルで情報を一元管理して共有を円滑化する必要性が高まっています。
この記事では、これらの課題をすべて解決できるマイクロソフト社の SharePoint Online を活用した社内ポータルについて解説します。

SharePoint Onlineは専門知識いらず!直感的な操作でサイト作成が可能

SharePoint Onlineはもともと「ファイルや情報の共有サービス」として開発され、その後、組織内サイト作成ツールとして進化してきました。他のMicrosoft Officeアプリと同じく直感的に操作できるため、専門知識がない人でも手軽に、組織内に情報共有するためのサイトを作ることができます。

SharePoint Online単体では、ドキュメントやデータ、コンテンツの管理・共有というシンプルな機能しか持っていませんが、目的に応じたパーツが豊富に揃っているとともに、他のOffice 365アプリとシームレスな連携ができるという大きな利点があります。これらをうまく組み合わせることによって、利便性に優れた社内ポータルサイトを構築することができるのです。
実際、Microsoft社の公式ドキュメントでも、SharePointならコードを書かずに誰でも迅速に高機能なイントラサイトページを作成でき、どんなデバイスでも美しく魅力的なサイトを提供できる とされています。このようにSharePoint Onlineはユーザー自身で簡単にサイトを作成・更新できるため、IT部門に依存せずに現場主導でポータル運営しやすい点も大きな特徴です。

社内ポータルを構築する際にSharePoint Onlineを利用するメリット

冒頭で述べたとおり、SharePoint Onlineは必要な機能を選択的に取り入れられるため、他のツールより開発の自由度が高く、さまざまなメリットを有しています。実際に社内ポータルは多くの企業で導入が進んでおり、ある調査では大企業の約6割が社内ポータルを活用して社内ナレッジを検索・共有していると報告されています。ここでは、SharePoint Onlineを社内ポータルに活用する具体的なメリットを解説します。

モダンUI(モダン機能)の追加

SharePoint Onlineは「モダンUI」が標準となっています。なお、モダンUIが導入される以前のUIは「クラシックUI」と呼ばれます(クラシックUIへの切り替えも可能です)。モダンUIは、「凝ったデザインや豊富な機能のサイトを、時間をかけて作り込みたい」というよりも「必要最低限の機能を盛り込んだサイトを『スピーディーに』作りたい 」という場合に適しています。また、従来のテキストメインのサイトではなく、画像や動画が中心のマルチデバイスでも閲覧しやすいサイトを作成する際に適しています。すでにクラシックUIで作成されたサイトが社内で使われている場合などは、自社のニーズに応じてクラシックUIと切り替えて使用するとよいでしょう。

レスポンシブ/ミニマルデザイン

モダンUIを使用すると、外出先でもスマートフォンやタブレットで社内ポータルを閲覧できるように、画面レイアウトをデバイスに合わせて自動調整して表示する「レスポンシブデザイン」を簡単に導入できます 。また、モダンUIのサイトデザインは非常にミニマルです。「ミニマルデザイン」とは、伝えたい内容を強調して伝えるために過剰な装飾を極限まで削ぎ落とした、シンプルでクリアな、コンテンツありきのデザイン を指し、近年のWebサイトやプロダクトにおいて主流となっています。どこにリンクを貼れば読んでもらいやすいか、どういう並び順であれば見やすいかなどを重点的に考えてポータルを構築できます。その結果、閲覧者が直感的に操作できる使いやすいポータルサイトを短期間で構築することが可能です。

導線の最適化

以前はリンクやボタンなど導線の複雑さがしばしば指摘されてきたSharePointですが、モダンUIではより直感的で迷いのない操作が可能なレイアウトが取り入れられています。そのため、サイト作成に不慣れな担当者でも、レイアウトに悩むことなくスピーディーにコンテンツの更新やサイト改善ができます 。このようにユーザビリティが向上したことで、社員が社内ポータル内で迷わず目的の情報にたどり着けるようになり、結果としてポータルの活用度が高まります。

標準機能でもできることが豊富

SharePoint Onlineは、単体でも豊富な機能を備えています。以下に代表的な機能を紹介します。
ドキュメント/コンテンツ管理機能 … SharePoint Onlineは、従来の一般的な社内イントラと同じくドキュメントや画像、各種データなどのコンテンツを保管・管理でき、社内間で共有できます。とくに優れている点は、ドキュメントの検索性の高さ、複数人での編集のしやすさ、高いセキュリティの3点です。SharePoint Onlineでは高性能な検索機能が標準装備されているので、膨大なデータから必要なものを瞬時に見つけ出すことも可能です。

また、SharePoint Online上で保管・管理しているドキュメントは複数人でリアルタイムに共同編集ができるため、チーム全体ひいては全社の業務効率化に大きく寄与します。さらに、Windows OSを開発したマイクロソフト社のツールであることから、セキュリティも極めて堅牢です。

•他のOffice製品やサードパーティーアプリとの連携 …
他社製品では実現できない一番の強みが、オフィスワークに欠かせないExcelやWord、PowerPointといったMicrosoft Office製品とシームレスに連携できることです。具体的には、SharePoint Onlineの中で、Officeソフトで作られたドキュメントの確認・共有・編集ができてしまいます。さらにそれらの作業を複数人で同時に行えることも魅力のひとつです。
ちなみに、業務に使うツール群をオンライン上の一ヶ所に集約して、そこにアクセスすればすべての作業を遂行できる「デジタルワークプレイス」という概念が注目を集めていますが、SharePoint Onlineはその基盤を担うものとなります。

•他のOffice 365アプリやサービスのハブとなる …
SharePoint Onlineの最大の強みとも言える機能です。具体的には、SharePointを介して、他のMicrosoftアプリやサービス同士を連動させる役割を果たすことができます。たとえば、Microsoft StreamとYammerはそれら単体同士では連動させることができませんが、これらをSharePointで作成したひとつのページ上に掲載することで、ひとまとまりのコンテンツとして社内に展開できるわけです。

例: Streamに掲載した以下のような動画を、それぞれの内容に関連したYammerのチャネルと組み合わせることで、社内からコメントを入れたり、双方向の交流ができるようにする
・社長のメッセージ
・社内技術の紹介(各現場で使われている技術を紹介)
・各自のスキル自慢
・広報部の取材裏話
・他社の動向や最新技術のシェア   …など

これらのメディアミックスはSharePointなくしてできません。これからの社内ポータルには必須とも言える機能であり、SharePoint Onlineが力を発揮する分野です。このようにSharePoint Onlineは単体で多彩な機能を提供しつつ他サービスとも連携できる ため、社内ポータルの「ハブ」(中心基盤)として非常に優れています。

他の社内ポータル構築手段との比較

社内ポータルを構築する方法としては、SharePoint Online以外にもいくつかの選択肢があります。代表的なものとして、無料ツールの利用、パッケージサービスの利用、独自開発の3つが挙げられます。たとえば、GoogleサイトやWord Pressを使えば専門知識がなくても無料でポータルを構築できますが、社内でサーバーを用意したり細かな運用コストが別途発生します。
一方、パッケージ型の社内ポータルサービス(たとえば他社提供のクラウド製品)は、直感的な操作でポータルを構築でき機能も豊富ですが、月額または年額の費用がかかります。また、ベンダーのサポートが受けられる安心感がある反面、サービスに依存するため自社ニーズに合わせたカスタマイズの自由度は限定的です。
独自開発(スクラッチ開発)では、自社専用のポータルサイトを一から開発委託することで最も柔軟なカスタムが可能ですが、開発コストや時間がかかり、運用後の機能追加にも追加費用が発生します。

こうした中、SharePoint OnlineはMicrosoft 365に含まれるクラウドサービスであるため、既にMicrosoft 365を導入している企業であれば追加コストなしに利用でき、短期間で内製できる手軽さがあります。 無料ツールより充実した機能とセキュリティを備え、パッケージサービスに匹敵する利便性を持ちながら自社内で柔軟にカスタマイズ・運用できる点で優れています。さらに他のMicrosoftアプリ(TeamsやYammer、Forms等)と統合しやすく、社内ポータルの機能拡張も容易です。以上のように、SharePoint Onlineは「低コスト・高機能・高連携性」を兼ね備えた社内ポータル構築手段と言えるでしょう。

部門別の社内ポータルの機能・活用事例

SharePoint Onlineで社内ポータルを構築したら、その中にそれぞれの部門ごとのサイトを作ることができます。ここからは、部門別サイトの活用事例をご紹介します。社内ポータルには掲載できる情報の種類も多岐にわたりますが、実際には「社内マニュアル」や「社内ニュース」を掲載する企業が最も多く、タスク管理・スケジュール共有、ワークフロー(申請書類)や研修情報、Q&A、部門別の業務報告などがよく扱われています。SharePoint Onlineを使えば、これら様々な情報を部門サイトごとに整理し、社員が必要な情報へすぐアクセスできるようになります。

人事部のサイト

キャリア支援サイト、研修サイト …
どの部門でどんな仕事をしているのかなど、外からでは見えにくい業務内容や職場の雰囲気をキャリア支援サイト上で発信することで、社内リクルーティングを活性化させることができます。また、社員向け研修の内容や開催日程を取りまとめて研修サイトで発信すれば、社員は自分が受けたい研修をチェックしたり、受講予定の研修の内容やスケジュールを確認したりしやすくなります。サイトをカスタマイズすることで、個々の社員のスキルやキャリア形成との関連性が高い研修を表示させることも可能です。近年では研修自体のオンライン化が進んでいるため、研修とSharePoint Onlineの親和性もますます高まっています。たとえば、受講者募集の告知や、研修開催前の受講者へのリマインド、研修後の資料共有、研修の事前事後の課題の出題、研修後のアンケートなどに活用できます。また、SharePoint Onlineのコミュニケーション機能を使って研修事務局や講師が受講者とやり取りすることで、受講者へのキャリア形成に向けた動機付けにつなげることも可能です。

人事労務手続き …
SharePoint Onlineには人事労務関連に必要な承認ワークフロー機能が揃っているため、申請、承認、フィードバックなどのプロセスを備えたサイトを構築できます。これによって社員はテレワーク環境からもPCやスマートフォン上で各種申請・承認を行うことが可能です。また、煩雑な人事業務もPower Automateを使って自動化することが可能です。SharePoint OnlineとPower Automateを連携することで、利用者の利便性・満足度向上と、人事担当者の業務効率向上の両立が見込めるのです。人事担当者がツールの使い方を十分理解していない場合、これら便利な機能も活用されない恐れがあります。そのため、導入時にはSharePoint Onlineの機能に関する研修を行い、担当者のITリテラシーを底上げすることが重要です。

広報部門のサイト

WEB社内報 …
Web社内報は紙媒体と比較して簡単に加筆・訂正が可能で、社内のニュースをスピーディーかつ手軽に発信できるというメリットがあります。また、社外の編集パートナーや各部門の編集委員にアカウントを付与することで、記事の投稿や編集の作業を共同で行い、最後に編集部が承認・公開するなど、業務改善につなげることもできます。広報特有の煩雑な業務もPower Automateで自動化することが可能であり、SharePoint OnlineとPower Automateを連携することで、さらなる業務改善が可能です。

社内SNS …
社内の手軽な情報発信や情報交換の場としてSharePointサイト上に社内SNSを作ることもできます。具体的には、SharePointサイトにYammerやTeamsを統合します。あらかじめテーマ別のチャットルームを設けるなどにより、部署の垣根を越えたコミュニケーションの促進に生かすことができます。従来、社内SNS専用のツールやグループウェアを使っていた企業も、SharePoint Online上にコミュニケーション機能を集約することでツールを一本化できます。たとえば部署内外の情報共有はポータル上の掲示板やコメント機能で代替でき、スケジュール管理やファイル共有もすべてSharePointで完結します。結果として社員は「このサイトを見れば必要な情報が揃っている」状態となり、情報検索にかかる時間削減やメール量の削減につながります。

事業部門のサイト

•ナレッジ共有サイト …
過去のプロジェクトドキュメントや用語の解説記事など、組織に蓄積したナレッジ共有を図るためのサイトです。仕様書や設計書、業務マニュアルなどのドキュメントを体系的に管理することでノウハウの属人化から解放されます。SharePoint Onlineの高機能検索やメタデータ管理機能を活用すれば、必要なナレッジを迅速に見つけ出すことが可能です。これにより、社員が問い合わせ先を探しまわったり、個人の経験に頼って問題解決する必要が減り、組織全体の生産性向上につながります。

営業部門のサイト

•営業支援サイト …
営業活動に必要な情報やノウハウを提供するサイトです。これまで暗黙知に相当する営業ノウハウは伝達や共有が難しいとされてきました。しかしSharePoint Onlineを使えば、動画と提案書を組み合わせて提案プロセスを解説したり、Eラーニング(サードパーティ製サービスであるLearn365)を連携させてトレーニングコースを設ける等の方法で、効果的に営業ノウハウを共有することが可能です。また、SharePoint Online内のVR空間で営業イベントを開催するなど、実際の営業活動に生かすことも可能です。

SharePoint Onlineで構築した社内ポータルの事例

ここからは、実際にSharePoint Onlineを使用して社内ポータルを構築した企業事例を紹介します。なお、これらの事例はいずれも社内の業務やコミュニケーションに課題を抱え、そのソリューションとして社内ポータルを活用した好事例です。

人事部門の「社内広報ニーズ」を拾ってメディア化

ある企業の人事部では、以下のような課題を抱えていました。

•離職防止や就労意欲向上のため、従業員のキャリアデザインに対する意識を醸成したい
•人事部が従業員に行っている支援の内容を、メッセージとして社内にきちんと伝えたい
•従業員が自身のキャリアを考える材料とするため、各部署の業務内容を共有し、社内リクルーティングを活性化させたい

上記のような人事部門の要望を、広報部門がすくい上げる形で、従業員のキャリアデザインや、会社によるキャリア支援についての情報を発信する「社内メディアサイト」をSharePoint Onlineで制作しました。更新頻度は低いがよく見られているコンテンツはトップページからすぐに閲覧できるようにし、外部のデザイナーを起用して凝った見栄えのバナーを作成・設置しました。また、キャリアに関するおすすめの書籍を紹介者の想いと共にリレー形式で紹介したり、社内の有名人の職務経歴インタビューを掲載するなど、社員の興味を引くコンテンツを内製し、コンテンツ一覧からたどりやすい階層に配置しました。話題性のあるコンテンツをコンスタントに発信することで、社内の意識変容・行動変容の促進につなげている事例です。

「研修ポータル」で研修をプロモーション

こちらは人材育成に課題を持っていた企業の実践例です。研修に対して、以下のような課題感をお持ちでした。

•社内研修に対する従業員の当事者意識が低くなっていた
•研修にかける時間・費用・効果が全社で疑問視されていた

これらの課題を解決するために、トップ層からの「階層研修を実施する背景」や「この研修が従業員にとってどれほど重要か」というメッセージなど、研修を自分ごととして捉えてもらうための情報を、SharePoint Onlineを利用して従業員へ発信しました。また、SharePoint Onlineを基盤にしながら研修自体をオンラインで行い、コストの大幅な削減にも成功しました。研修後は「業務に役立つ」コンテンツを継続的に提供して耳目を引きながら、必要な情報にアクセスしてもらうことで、長期にわたる研修効果の促進にもつなげています。

社員のハミダス気持ちをカタチにする「SharePoint Onlineサイト構築」

こちらは、全社活動の推進にSharePoint Onlineサイトを活用した事例です。冷凍食品やレトルト食品の製造・加工・販売を手掛ける株式会社ニチレイフーズでは、「ハミダス(とらわれず、明るく)」を従業員のモットーとして、社内・社外でのさまざまな活動に結びつけています。SharePoint Onlineで「ハミダス」活動の情報発信と交流の場となるWebサイトを構築し、活動状況を社内に広く共有しました。社内システムをこれまでのNotesからSharePoint Onlineへ移行する際にハミダスWebサイトを立ち上げたことで、これがSharePoint Online活用のモデルケースにもなり、スムーズなシステム移行にもつながりました。

Office 365を活用した理念ポータルの構築

グローバル共通のコミュニケーション基盤としても、SharePoint Onlineは適しています。ある日本企業では、事業のグローバル化が進み、地域ごとにワークスタイル・雇用形態もバラバラになっていました。そこで、企業の総合力を発揮するため、グループ一体感の醸成に向けたインナーブランディングの推進と、本社・海外拠点・グループ関連会社間での効果的な情報共有に向けたインターナルコミュニケーション体制の強化が求められてきました。そこで、Office 365をコミュニケーションのグローバル共通基盤として採用することを決定。グループ各社で運営しているイントラポータル上のコンテンツを調査・分析して、全社で共有すべき情報を集約し、SharePoint Onlineで構築したポータルサイト上に統合しています。この共通ポータルにより、地域や組織の壁を越えた情報共有と企業理念の浸透が図られました。

SharePoint Online導入を成功させるポイント

上述のように、多機能で便利なSharePoint Onlineですが、導入すれば自動的に社内ポータルが活性化するわけではありません。導入目的に合った計画策定や継続的な運用改善を行わなければ、せっかく構築しても社員に使われず形骸化してしまう恐れもあります。実際、社内ポータルの運用が失敗する理由としては、「必要な情報が見つからない」「情報が古い」など利用者視点の課題が指摘されています。ここでは、SharePoint Onlineによる社内ポータル導入を成功させ、失敗しないためのポイントを押さえておきましょう。

•目的とKPIを明確にする:
まずは「何のために社内ポータルを導入するのか」を明確に定めましょう。情報共有の円滑化、社員エンゲージメント向上、業務効率化など目的に応じて、測定可能なKPIを設定します。目的が不明確なままだと、コンテンツや機能の取捨選択に迷い、サイト構築後の評価もできず失敗につながります。
•担当者・ユーザーへの教育と巻き込み:
前述のとおり、SharePoint Onlineはツールへの理解不足が最大の失敗要因と言われます。したがって、人事やIT担当者などサイト運用側だけでなく、実際に利用する社員にも基本的な使い方を周知し、意見を集めることが大切です。導入時に勉強会やハンズオンを実施し、現場の声を反映しながら改善することで「使われるポータル」を目指します。
•わかりやすい情報設計とデザイン:
社員が必要な情報に素早くアクセスできるよう、ポータルの情報設計(IA)とデザインを最適化しましょう。SharePoint Onlineのサイトは基本テンプレートに沿って構築できますが、社内報・掲示板・FAQなど用途ごとにページ構成を整理し、トップページからの導線もシンプルにします。直感的に目的の情報が探せるデザインにすることで、「情報が見つからない」という失敗を防げます。
•権限設定とセキュリティの徹底:
社内ポータルには人事情報や機密情報も含まれるため、アクセス制御を適切に行う必要があります。SharePoint Onlineではサイトやライブラリごとに閲覧・編集権限を細かく設定可能です。必要な人だけが必要な情報にアクセスできるよう権限を設計し、情報漏洩を防ぎましょう。また、多要素認証や条件付きアクセスなどMicrosoft 365全体のセキュリティ機能も活用して、安全に運用することが重要です。
•コンテンツを常に最新に保つ:
ポータルに掲載した情報が古いままだと、社員はチェックする価値がないと判断して利用しなくなります。そうならないよう、情報の更新フローを決めて定期的にコンテンツを見直しましょう。部署ごとにコンテンツ責任者を置き、ニュースやマニュアル類は更新日時を明記するなどの工夫も有効です。最新情報が得られるポータルを維持することで、社員から信頼されるプラットフォームになります。

以上のポイントを踏まえ、計画・構築・運用の各段階で工夫することで、SharePoint Onlineによる社内ポータル導入の成功率は格段に高まります。なお、ある企業の例では、社内ポータル導入後に社員の約85%が「業務連絡やファイル共有が容易になった」と回答し、情報アクセスに対する満足度も向上したという結果もあります。ぜひ貴社の状況に合わせて上記ポイントを実践し、社内ポータルを社員にとって価値あるものに育ててください。

まとめ

SharePoint Onlineは、各種Officeツールと連携することで、充実したコンテンツを盛り込んだインタラクティブな社内ポータルサイトを構築できます。また、本文で紹介した「デジタルワークプレイス」の概念においても、業務上必要な情報やアプリケーションが一か所に集約されたポータルサイトは非常に重要であり、SharePoint Onlineはこれからの企業活動の中核をなすツールであると言えるでしょう。
社内ポータルで情報を発信したいとお考えのコーポレート部門や、コーポレート部門から依頼を受けてツールを検討しているシステム部門の皆さまは、ぜひSharePoint Onlineの導入を検討してみてください。SharePoint Online社内ポータルは、社員同士のスムーズな情報共有とコラボレーションを促進し、組織全体の生産性向上に寄与するはずです。その高い柔軟性と豊富な機能を活用し、自社に最適なポータルサイトを構築してみましょう。

 

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