取り散らかった業務と社内情報を整理する3つの方法 世界のインターナルコミュケーション最前線②

ソフィアの池田です。海外のインターナルコミュニケーション関連記事から、世界の潮流や新しいノウハウをご紹介する当シリーズ。第2弾は組織内に増殖して押し寄せてくる「賞味期限の切れた業務」や「目的を見失ったコミュニケーション」をスッキリ解消する方法についてお届けます。

前回の記事:
コミュニケーション施策のROIを示す方法 世界のインターナルコミュケーション最前線① 

社内が「業務とコミュニケーションのゴミ屋敷」になっていませんか?

ものを溜め込むのは人間の性でしょうか。私たちは新しいものを手に入れると、賞味期限を超えてもまだそれらに固執しがちです。注意しないと、家はものでいっぱいになり、下手をするとゴミ屋敷のようになってしまいます。
政府や企業組織も例外ではありません。プロセス、テクノロジー、規則や規制、ポリシー、プロジェクト、余分な定例会議、目的を見失っているコミュニケーションなど、古いものは取り散らかったまま、新しいものが次々と押し寄せてきます。そのため、毎日、従業員は追いつくのに必死です。新しい企画、顧客獲得キャンペーン、研修プログラム、トップメッセージ、一体どれが最も重要であり、今すぐ読む必要があるのでしょうか? このような実態は、明快さをぶち壊し、社員を混乱させ、組織が機能する能力を著しく損なっているのです。
ではインターナルコミュニケーション担当者として、あなたはどうしたら企業のゴチャゴチャを解消できるでしょうか。今回は、ホワイトペーパー “The Road to Alignment” 『アライメントへの道』の共著者であるウェイン・アスランド氏とゾラ・アルティス氏がIABCのWeb会員誌 ‘Catalyst’に寄稿した”Let’s Kill the Corporate Clutter”『企業の混乱を解消しよう』と題した記事から、「3つの解決方法」を紹介します。

「危機に直面して初めて頭の中がクリアになる」

これは、著書『良い戦略、悪い戦略』で有名なストラテジスト、リチャード・ルメルトの言葉です。
2020年、COVID-19パンデミックで判明した唯一明るい兆候は、企業の混乱をすべて取り払ったときに、とても達成不可能と思われたことを成し遂げたことでした。
思い出してください。COVID-19初期の頃、企業は、‘山が動く’かのように社員がリモートワークで働くように支援しました。企業は、それまで持っていることすら気にしなかったツールの活用方法を見つけたのでした。
リモートワークがうまくいった企業の背景には、もちろん社員による仕事に対する完全なコミットメントがあったと言えるでしょう。社員は多くのことを求められ、自らステップアップしました。
もう一つの要因は「明快さ」です。リモートワークがうまくできた人々は、求められている明確な成果と、そのために指針となる原則が分かっていました。自分が何をする必要があるのか、なぜそれをする必要があるのか、どうすればできるのか、正確に分かっていたので、それをやったに過ぎません。
その結果、企業は不可能と思われていたことを達成したのです。これは、世界中のニュース記事や研究論文で称賛されている事実です。
では、私たちはこのようなパフォーマンスを、アフターコロナにおいても持続可能な標準的な方法として、社員が燃え尽きることなく再現するにはどうすればよいでしょうか。
答えは簡単です。企業に内在する混乱をすべて解消し、本当に重要なことを明確にすることです。コミュニケーション部門の担当者は、その実現に大きな役割を果たします。

コミュニケーション部門が企業の混乱を解消する方法

コミュニケーション部門が企業の混乱を解消する方法は3つあります。

1. ストーリーを単純化する

今日の企業のほとんどは、目的、ビジョン、価値観、戦略、ブランドステートメント、組織文化、従業員および顧客への価値提案などを言語化し、社内に共有してきました。さらには、個々の部門でも独自のバージョンを作成したりして、組織内に蓄積したストーリーは増え続けています。
これでは社員が混乱するのも無理はありません。組織のストーリーが混乱の中に埋没するのはまだ良い方です。悪いことには、これらのステートメントが互いに矛盾する可能性があります。なぜなら、さまざまな理由でさまざまな時期に、異なるチームによってこれらが作成されてきたからです。
その結果、本当のストーリーが何であるか、誰も理解できなくなってしまいます。こうなると、人々は、全てを無視するだけです。あるいは、さらに新たなステートメントを作成して事態を悪化させてしまいます。
コミュニケーション部門にとって好機となるのは、この迷路を突き破り、組織と人々にとって真に重要な信念、優先順位、取るべき行動を明確にすることです。
あなたの組織は一つです。あなたには、最終的に一つのストーリーしかありません。あなたが誰であるか、どこを目指しているのか、そしてどのようにそこにたどり着くのか、これがストーリーです。他のすべてのことは、ここに根ざしていなければなりません。
ストーリーは、シンプルで、信頼でき、触発されるほど刺激的である必要があります。だからこそ人々は簡単に理解し、支持し、共有し、自らそのように生きるのです。ぜひ、このストーリーを見つけ出してください。他のものは全て捨てましょう。

2.仕事内容を単純化する

ビジネス価値を真に高めていくことだけに、あなたの努力を集中させましょう。他のものは後回しです。たとえ、多少の価値があったり、「趣味」程度のプロジェクトができなくなってもです。こうすることで、あなたが提供する価値、あなたの仕事の質、そしてあなたのチームの士気は、絶大なものになります。
要は優先順位を常に見直すことです。私たちは変化することに多くの投資をする必要があります。今年は何に焦点を当てるか、賢明な選択をして適切に実行すれば、来年はリストの2番目と3番目の項目に焦点を当てることができるのです。二兎を追うものは一兎も得ず、と言いますね。

3.コミュニケーションを整理し、コンテンツを最適化する

社内のイントラネットや社内SNSの全社ページは、コンテンツのゴミ捨て場であってはなりません。全社に配信するよりも、その話題に興味を持つグループの人とチャットするほうが良い場合があります。そうすれば残りの人たちはそれを見る必要はありません。社員は皆、絶対にコンテンツの多さに疲れています。
リモートワークが今後も常態化することを考えると、コンテンツへのアプローチを簡素化する必要性は、最近さらに強まっています。なぜなら、私たちが仕事で唯一必要なのは、コンピュータ画面だけだからです。従来のオフィス空間では、湯沸室に貼るポスターはインターナルコミュニケーションツールとして実行可能なオプションでした。しかし、過去1年間で、すべての情報は、このコンピュータ画面のスペースをめぐって競い合っています。


アスランド氏とアルティス氏は、メッセージは、「少ないほど得るものは多い。組織の雑然とした状態を解消しましょう」と強調します。これはシンプルですが、今日の企業においては非常に重要な考え方です。
あなたの組織では、取り散らかった業務と社内情報の波にのまれて社員が疲弊していませんか? 多くの企業でリモートワークが続く中、その実態は見えにくくなっています。ぜひ社内の声に耳を傾け、問題の解消に向けて3つの方法を試してみてください。

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株式会社ソフィア

ビデオ・プロデューサー、コミュニケーション・コンサルタント

池田 勝彦

主にビデオ制作で撮影から編集までを担当しています。記事原稿も書いていますが、英語による取材・編集もやりますし、翻訳もできます。

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