
2025.07.07
イントラネットとは?メリット・導入方法・事例・おすすめツールを解説

目次
電話やメールに代わり、インターネットを活用した社内コミュニケーションが主流となった今、イントラネットと呼ばれる社内限定の情報共有基盤が改めて注目されています。従来は社内報や掲示板など静的な情報提供が中心でしたが、現在ではクラウドサービスの発展により社内ポータルやグループウェアとして進化し、テレワーク下でも円滑な情報伝達を支える存在です。本記事では、イントラネットの導入メリットや活用方法、さらにMicrosoft 365(SharePoint OnlineやTeams)を用いた最新事例と成功のポイントまで詳しく解説します。
社内コミュニケーションツールとは
社内コミュニケーションツールは、社員間での情報や意思の伝達をスムーズに行うために活用されるツールです。業務上必要となる意思疎通や、知識・ノウハウといった情報を素早く共有し、効率的に業務を遂行していく目的で導入されています。近年は、インターネットの普及により情報取得の方法が変わり、新聞などで得ていた情報はニュースサイトやアプリのようなWebメディアに掲載され、デジタル化しました。同様に、社内報など社内における情報取得もデジタル化が進み、社内外ともにデジタルを活用した情報の発信・受信が当たり前になっています。なお、社内報や掲示板をオンライン化した社内ポータルサイトなど、社内限定のネットワーク環境はイントラネットと総称されます。イントラネット上のサイトやサービスは、ログイン可能な権限を持つ社員のみに限定され、組織内情報の共有基盤として機能します。また、社内で利用できる情報伝達ツールも変わってきています。発信者と受信者の関係性がフラット化し、今までは情報を出す側と受け取る側の一方通行の構図だったものが、双方向にやり取りするコミュニケーションの場へと変化しました。情報伝達ツールの変化を受け、昨今では社内コミュニケーションツールの需要が高まってきています。特に2020年初頭から猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響と、働き方改革の推進に伴い、オフィス外で業務を行うテレワークの需要が拡大したことが大きな要因です。テレワークによって社員同士が対面で交流する機会が減り、社内コミュニケーションを円滑に行うためのコミュニケーションツールに一層注目が集まるようになりました。
コミュニケーションツールが、実際に円滑なコミュニケーションを生むために
社内コミュニケーションツールを実際に導入する中で重要なのが、ツールがあるというだけで円滑なコミュニケーションが生まれるわけではないということです。これまで対面で行われてきたことが文字・テキスト(それと少しのアイコンや画像)に置き換わる際に生じる問題は、「見ているファイルが違った」「既読がついたので確認されたと思った」など、思いもよらないものも含めて数多くあります。これまでも起きていたコミュニケーション上の問題が、オンライン化をあくまできっかけとして表面化するということもあるでしょう。ある企業内の社内調査を経年比較した際、コロナ禍によるロックダウンの前後で「業務の指示が不明瞭」「背景が共有されない」といった意見が大きく増加したケースがあります。そうした意見を深掘りするためヒアリングを行ったところ、口頭で交わされていた情報量とテキストでやり取りされる情報量は変わらないかむしろ増えており、「これまではオフィスで細かい雑談も含めて共有されてきた文脈」が無くなったことによるものだと結論付けられました。
しかし、そうした「暗黙のうちに察する」ということが自然と求められてきた慣習に対し、「空気を読むのがうまい社員のみが出世する」というような不満も出ていたでしょうし、それよりも、複雑化・不確実化するビジネスや市場環境の中で容易には共通認識を持つことが叶わなくなってきたことにより問題となっています。そして、そもそも関係性の悪い個人間・部門間でのやり取りにおいて、オンラインコミュニケーションがそれらをさらに悪化させ、なおかつそれを不可視なものにしてしまうリスクもあります。指示や依頼と、それに対する承諾といった“タスクコミュニケーション”のみが表面上やり取りされ、背景にある目的や意図、不満やストレスが裏で蓄積されるという問題が起きる可能性を、コミュニケーションツール導入時にしっかりと想定しておくことが何よりも重要です。
テレワークが普及し、オンラインでの業務推進やコミュニケーションにメリットはもちろんたくさんあり、それらを享受していくことは積極的に考えるべきです。しかし、「対面で」「同期的に」やり取りされる情報量を、「非対面で」「非同期的に」やり取りされる情報量が超えることはできません。メリットを捉えつつ、同時に問題を解決していかなければならないということです。これらの①情報量の減少、②個人間の関係性の問題について、もう少し詳しく見ていきます。
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情報量の減少・・・会話の「その場」における目的や文脈にとどまらず、価値観や目標、あるいはより具体的な計画や業務内容などが影響します。
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社員間・部署間の関係性・・・会話の「その場」における目的や文脈にとどまらず、価値観や目標、あるいはより具体的な計画や業務内容などが影響します。
これらを解決するのは本来、話者のコミュニケーションスキルです。自分と相手の目的を理解し、会話の前提となっていることを明確化し、互いの認識を言語化して確認する、といった一連の工夫と習慣がそれにあたります。しかし、全ての社員のそうした能力を向上させるというのは一朝一夕に実現可能なものではありません。個人の取り組みではなく、コミュニケーションの場の設計と、共有される「規範」によって解決することが求められます。コミュニケーションツール上でどんな問題が起きうるか?それに対してどんな工夫が必要か?といった点をガイドラインという形で示し、ツール導入時に合わせて情報発信し、また現場側でもそうしたリスクを認識し、改善する意識付けが必要です。こうした問題は実際のところ、オンラインコミュニケーションツールが新たに生んだ問題というわけではありません。これまでも起きていたことが、オンライン環境でさらに悪化してしまうというものです。であるからこそ、ツール導入を一つのきっかけとして、これら既存の課題解決に取り組むことが非常に重要です。
社内コミュニケーションツールの機能・できること
多くのコミュニケーションツールには、情報発信や会話を行う以外の機能も備わっています。ここでは代表的な社内コミュニケーションツールの機能について紹介します。
Web会議(テレビ会議・ビデオ会議)
端末に搭載された(あるいは別途準備して取り付けた)カメラとマイク機能を使い、インターネット回線を利用して遠隔地で画面越しに顔を合わせながら話すことのできるツールです。回線速度に大きく依存するものの、技術の進歩によりビジネス利用であればほぼ遅延や乱れはなくなりました。また参加者の端末に表示されている画面を全員に共有でき、ビデオ通話だけでなく「会議」ができるように工夫されていることが特徴です。
イントラネット・Web社内報
イントラネットと呼ばれる社内の人間だけがアクセスできるネットワークを介して設置するポータルサイトや、かつては冊子が中心だった社内報をオンライン上で展開するWeb社内報も社内コミュニケーションツールのひとつです。イントラネットには掲示板を設けることもできるので、トップメッセージに対する意見を社員が書き込んで交流したり、Web社内報に機能をつけて読者と双方向にやりとりしたりといった使い方もできます。昔は大規模なシステムを必要としましたが、今はクラウドサービスを利用して手軽に導入することが可能です。例えば、Microsoft 365に含まれるSharePoint Onlineをイントラネットの社内ポータルとして活用し、社内報ページや掲示板機能をクラウド上で構築する企業も増えています。Teamsなど他のコラボレーションツールとも連携でき、従業員は場所を問わず社内ポータルにアクセス可能です。また、スマートフォンアプリからも閲覧できるため、テレワーク中や外出先からでも最新の社内情報をタイムリーに確認できます。総務省の「通信利用動向調査(令和5年)」でも、企業がクラウドサービスを利用する目的のトップ3はいずれも情報共有・交換であり、情報基盤としてのイントラネット環境の重要性が示されています。
社内SNS
「Facebook」などの個人向けSNSに似た社内限定のSNSを活用している企業もあります。ネットワークを介してグループ内で個人同士が交流したり各々の投稿を読んだり「フォロー」をしたりと、全員が顔を合わせる機会の少ない大手企業において部門の垣根を越えて交流する際などに活躍します。
動画配信(社内向けYouTube)
こちらは「YouTube」を思い浮かべるとわかりやすいですが、情報伝達の手段として文字だけでなく動画も活用されるようになってきました。動画は文字と比べると情報量が圧倒的に多く、短い時間で印象的なメッセージを発信できます。あらかじめ録画した動画をイントラネット上に掲載できるほか、ストリーミング配信という形式でライブ中継も可能です。
グループウェア
グループウェアは、メールやチャットといったコミュニケーションを重視しているツールです。タスク管理やスケジュール管理、連絡先の一覧といった多様な機能が1つになっています。社内外での業務に必要な機能が集約されており、メールや掲示板、共有ファイルなどが1つになっているため、特に企業や組織内での情報共有に適したツールです。代表的なグループウェアの例として、サイボウズやGoogle Workspace、Microsoft 365(旧Office 365)などが挙げられます。
社内コミュニケーションツールを導入するメリット
社内コミュニケーションツールの導入にはいくつかのメリットがあります。ここからは、具体的なメリットについて解説します。
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コミュニケーションの流動性が向上する
社内コミュニケーションツールを導入すると、柔軟で気軽なコミュニケーションを取ることが可能になります。コミュニケーションの機会が増えることでチームや社内の風通しが良くなり、知識やノウハウの伝達もスムーズに行われるため、ナレッジの蓄積が期待できます。また連絡メッセージの通知がすぐにされるため、スピード感を持った報告・連絡・相談が行え、業務の修正やミスの予防に役立ちます。さらに、プロジェクトや業務に関する情報の共有を行うことで、社員がノウハウのインプットを円滑に行える点もメリットでしょう。
担当業務がわかりやすくなる
チャットツールを活用することで対面での会議にかかるコストを削減できることもメリットです。また、必要な状況に合わせてチャットではなくオンライン会議を開くことにより、コミュニケーションの齟齬を抑えることもできます。チャット・オンライン会議・対面の中から、内容に適したコミュニケーション手段を選択することで、移動や会議に伴う時間や費用の削減が期待できます。
コストの削減
チャットツールを活用することで対面での会議にかかるコストを削減できることもメリットです。また、必要な状況に合わせてチャットではなくオンライン会議を開くことにより、コミュニケーションの齟齬を抑えることもできます。チャット・オンライン会議・対面の中から、内容に適したコミュニケーションを選択することで、コストの削減が期待できます。例えば、クラウド上で会議資料を共有・共同編集する運用により、会議資料準備の時間を大幅に短縮し、会議時間そのものも効率化できた企業事例が報告されています。 このようにデジタルツールの活用によって業務効率が飛躍的に向上すれば、人件費や時間の大幅な削減につながるでしょう。
情報資産の一元管理と検索性向上
イントラネットを導入することで、部門内外に散在していた資料やナレッジを一箇所に集約できます。その結果、必要な情報を探す時間が大幅に短縮され、業務効率が向上します(※ある企業では「必要な情報はイントラネットを見れば全部わかる」という状態を実現しています)。また、重複した情報や更新漏れを防ぎ、常に最新で正確なデータを全社員が共有できます。さらに蓄積されたナレッジは、新入社員の早期オンボーディングにも役立ち、組織全体の知識資産として活用されます。
企業理念の浸透と従業員エンゲージメント向上
イントラネット上で経営層からのメッセージや社内報を定期的に発信することで、企業理念やビジョンを社員に繰り返し伝達できます。言葉や結果だけでなく、経営の意図や背景も含めて伝えられるため、日々理念に触れる回数が増えることで組織としての意思統一や意識レベルの向上を促します。また、トップメッセージに対する社員のコメントや「いいね」といったリアクションを通じて双方向の交流が生まれ、従業員エンゲージメントの向上にもつながります。
社内コミュニケーションツールを選ぶ際のポイント
ここからは、社内コミュニケーションツールを選定する際に押さえておきたいポイントについて解説します。選定にあたっては自社のコミュニケーションの現状を踏まえ、「必要な機能が揃っているか」「使いやすい仕様になっているか」を重視しましょう。
必要な機能が揃っているか
社内の業務状況に合わせ、検討している社内コミュニケーションツールに必要な機能が揃っているか確認しましょう。多くのデータを扱う場合は、ストレージ容量の確認も必要になります。導入前に現状の業務の課題と必要なツールの機能を洗い出し、課題解決に適したツールなのか確認しておきましょう。
使いやすい仕様になっているか
社内コミュニケーションツール全体のUI(ユーザーインターフェース)が、誰でも使いやすいデザインになっているかも重要です。せっかく導入しても、操作が難しく使いこなせない人が出てしまっては意味がありません。特に情報共有やタスク管理は社員全員で行う必要があるため、直感的に操作できるツールかどうかを必ずチェックしておきましょう。
セキュリティ面は万全か
社内で利用するツールだからといって、セキュリティ対策がおろそかになっていないかも重要なポイントです。イントラネットは社内情報を集約する分、内部不正や情報漏洩のリスクも考慮しなければなりません。不正アクセス防止やデータ暗号化、ユーザー権限の細かな設定など、企業の情報資産を守るための十分なセキュリティ機能を備えたツールを選びましょう。例えば、イントラネット通信にはSSL/TLS証明書を用いた暗号化を施し、アクセス制限や認証システムによって社内データの安全性を確保することが不可欠です。セキュリティ対策が強固であれば、クラウドサービスであっても安心して利用できます。
モバイルへの対応
従業員がスマートフォンやタブレットからも利用できるかどうかも選定時に確認しましょう。特に現場作業が多い部署や外勤社員がいる場合、モバイルアプリに対応したツールであれば社外や移動中でも迅速に情報共有が可能です。通知機能が充実していれば、緊急連絡や最新のお知らせもリアルタイムに周知できます。昨今は業務用スマホを支給する企業も多いため、マルチデバイス対応やモバイルでの使い勝手も無視できないポイントです。
社内イントラネット導入のステップ(成功のポイント)
社内イントラネット(社内ポータルやグループウェア)を自社に定着させるには、計画段階から運用開始後まで一連のプロセスで工夫が必要です。以下に、イントラネット導入を成功させるための代表的なステップとポイントを挙げます。
- 導入の目的を明確化し必要な機能を洗い出す – まず「なぜイントラネットを導入するのか」を経営戦略や現場の課題に照らして明確にします。例えば「情報の一元管理による業務効率化」や「社内コミュニケーション活性化」など目的を定め、その実現に必要な機能要件を整理しましょう。
- 自社に適したツールを選定する – 目的と要件に合致した最適なイントラネット基盤(ツールやサービス)を選びます。Microsoft 365やGoogle Workspaceのような包括的クラウドサービスから、専門特化型の社内SNS・ナレッジ共有ツールまで選択肢は様々です。費用対効果や他システムとの連携性、操作性なども考慮し、社内のITリテラシーに見合ったツールを選定します。
- 運用ルールと体制を整備する – ツール導入後に社内で円滑に運用できるよう、管理者や推進担当者を決め、運用ルールやガイドラインを策定します。例えば「どの情報をイントラネット上で共有するか」「更新頻度や承認フローはどうするか」「困ったときの問い合わせ先」などを決めておきます。必要に応じて各部署からスーパーユーザー(パワーユーザー)を選出し、社内問い合わせ対応や利活用促進の役割を担ってもらうのも有効です。
- 導入後の効果測定と継続的な改善を行う – 導入して終わりではなく、運用開始後は定量・定性の両面から効果を評価します。アクセス数や投稿数などのKPIをモニタリングし、アンケートやヒアリングで現場の声を集めて、必要に応じて機能追加や運用方法の見直しを行います。たとえば「掲示板のカテゴリーを増やす」「モバイル通知の頻度を調整する」など改善を重ね、使いやすいイントラネットに育てていきましょう。
以上のステップを踏むことで、単なるシステム導入に終わらず、組織に根付いた効果的なイントラネット環境を構築できます。
おすすめの社内コミュニケーションツール12選
ここからは、機能別におすすめの社内コミュニケーションツールをご紹介します(※一部ツールは複数カテゴリに該当)。自社の環境に適したものを探してみてください。
統合イントラネット基盤:Microsoft 365(SharePoint Online + Teams) – 最近では、社内イントラネットを包括的に構築できるクラウドサービスとしてMicrosoft 365が注目されています。SharePoint Onlineを使った社内ポータルサイトで情報を一元発信し、Microsoft Teamsで日常のチャットやオンライン会議を行い、OneDriveでファイルを共有・共同編集する、といった形で社内コミュニケーション基盤を統合できます。Officeアプリとの親和性や堅牢なセキュリティも備わっており、特に大企業を中心にMicrosoft 365をイントラネットの土台とするケースが増えています。
おすすめのビジネスチャットツール
ここでは、おすすめのビジネスチャットツールをご紹介します。
Slack
Slackは米国で開発され、主にIT系やWeb系の企業で使用されることの多いクラウド型ビジネスチャットツールです。海外発のツールではありますが、日本語にローカライズされているため利用に際して困ることはありません。ブラウザ版、デスクトップアプリ版、モバイルアプリ版が存在するマルチデバイス対応のコミュニケーションツールです。特徴としては、1対1のダイレクトメッセージ機能のほかに、ワークスペース内に話題別のチャットルーム(チャンネル)を複数作成できます。このチャットルームには入室制限や表示・非表示の設定もできるので、職能が異なる人たちが混在する組織でも情報を整理してやり取りできます。さらにAPI連携が豊富なことでも知られており、非常に多くのツールと連携して機能する点は大きなメリットでしょう。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額約925円〜
Chatwork
Chatworkは、国産のクラウド型ビジネスチャットツールとしては利用者数No.1を誇るツールです。業界・職能を問わずさまざまな企業で導入されており、日本企業が運用していることからサポート体制も安心です。また、公式サイトで操作マニュアルや活用の手引き書をPDFファイルで配布しているので、社内研修資料としても活用できます。Chatworkには話題ごとのチャットルームはないものの、社外のChatworkユーザーとやりとりできる点や、官公庁が採用するほどの高セキュリティ、主要WebサービスとのAPI連携など、安心して使える水準を保っています。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額500円〜
Microsoft Teams
Microsoft TeamsはWindowsでおなじみのMicrosoft社が提供する「Microsoft 365(旧Office 365)」に含まれるクラウド型ビジネスチャットツールです。セキュリティが堅牢であることはもちろん、Microsoft Teamsを使いながら後述するファイル共有ツール(Microsoft OneDrive)内のWordファイルやExcelファイルを参照し、チャットと並行しながら共同編集するといった作業をシームレスに行える大きなメリットがあります。チャット機能としてはSlackのようにチャネル機能を設けているほか、1対1・グループでのメッセージのやりとりも可能です。大手企業で導入されるケースが多く、Microsoft 365全体の利便性も相まって利用が急速に広がっています。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額約430円〜
ファイル共有のおすすめツール
ここではコミュニケーションを円滑にするための「ファイル共有」ツールを3つご紹介します。
Google Drive
Google Driveは、Google社が提供するクラウドストレージです。Googleアカウントを持っていれば15GBまで無料で使用できます。ドキュメントや写真、動画などファイルを形式にかかわらず保存できるほか、Google社の提供するGoogleドキュメントやスプレッドシートであれば容量は無制限です。セキュリティや信頼性は言うまでもなく、また検索エンジンのテクノロジーを活かしたドライブ内のファイル検索機能も強力です。さらに、Google Driveに保存したファイルには1つ1つにURLが割り当てられるため、社内外問わず簡単に共有ができます。
最近ではWordやExcelの代替としてGoogleドキュメントやスプレッドシートを使う企業も増えてきたので、有料サービスであるGoogle Workspace(旧G Suite)を利用しているのであればあわせて活用するとさらに便利でしょう。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額1,360円〜
Microsoft OneDrive
Microsoft OneDriveはMicrosoft社提供のクラウドストレージで、最大のメリットはOffice製品との高い互換性です。WordやExcel、PowerPointといったデータファイルをローカルに保存せず、Microsoft OneDrive上に保存するだけで常に最新ファイルを一箇所にまとめることができます。さらに、Microsoft OneDrive上でこれらのOfficeファイルを共同編集できる点も大きな強みでしょう。Google DriveのようにURLでファイル共有ができる点も及第点です。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額約540円〜
Dropbox
Dropboxは、クラウドストレージサービスのパイオニア的存在です。2008年にリリースされており、ブロードバンド回線が普及し始めたころからサービスを提供しています。URLでの共有や共同編集機能はDropboxが他社に先駆けて開発しました。PCのローカルに保存したファイルとDropbox上のファイルを同期できるので、オフライン環境でも作業をしたい場合に便利です。
無料プラン:あり(トライアル期間)
有料プラン(法人向け):1ユーザーあたり月額2,000円〜
タスク管理・共有ツール
次に、タスクを可視化・管理できるツールを3つご紹介します。
Trello
Trelloは、タスクを記載した「カード」をプロジェクトの進捗状況に応じて「カンバン」上でスライドさせながら管理できるタスク管理ツールです。世界中で数百万人ものユーザーが利用しています。使い方はシンプルで、まず「To Do(これからやること)」の列にカードを並べ、作業開始したら「Doing(作業中)」にカードを移動し、完了したら「Done(完了)」に移動する、といった形で直感的に操作できます。このタスクボードをチームメンバー全員で共有することで、誰にどんなタスクが割り当てられていて今どの状態かを一目で把握できます。海外産のツールながら日本語化もしっかりしており、利用者も多いため導入ハードルは低いでしょう。まずは無料版で実際に使ってみることをおすすめします。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額5ドル〜
Backlog
Backlogは、株式会社ヌーラボが提供する国産のタスク管理ツールです。チャット機能も備わっており、料金体系がユーザー数ごとではないので、アルバイトや派遣社員なども含め全社で利用する際に力を発揮するでしょう。タスクは担当者や進捗状況、対応期限が一覧で表示されるため俯瞰しやすく、ガントチャート表示もできるほか、期限が近づくとリマインドメールも自動送信されます。ヘルプセンター、ユーザーコミュニティ、お問い合わせ窓口がすべて国内にあるというのも大きなメリットであり、海外産のツールはたとえ日本語化されていても浸透が不安…という場合に安心です。
無料プラン:なし(30日間の無料トライアルあり)
有料プラン:月額2,640円〜(ユーザー数無制限で利用可能)
Asana
Asanaは、Facebookの共同創業者と元Googleエンジニアが立ち上げたタスク管理ツールです。2015年にフルリニューアルを行ってから国内でも人気が高まっています。タスク管理画面はTrelloのようなカンバン形式にも、Backlogのようなリスト形式にも切り替え可能です。各タスクにはコメント欄があり、タスクごとに議論やフィードバックを蓄積できます。ガントチャートはありませんがカレンダー(タイムライン)形式には対応しており、Googleカレンダーとの連携も可能です。自由度が高いぶん初心者にはやや難しい面もありますが、「痒いところに手が届く」カスタマイズ性がAsanaのウリなので、ほかのタスク管理ツールで物足りない方は試してみる価値があるでしょう。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額1,200円〜
Web会議(テレビ会議・ビデオ会議)のおすすめツール
テキストではなく動画で社内コミュニケーションをとりたい場合に便利なおすすめツールをご紹介します。
Google Meet
Google MeetはGoogle社の無料ビデオ会議サービスです。有料のGoogle Workspaceと併用すれば1回あたりの会議時間を延長できます(無料プランの会議時間上限は1時間)。GoogleカレンダーやGmailと連携しており、カレンダーやメールから直接ビデオ会議を開ける点が便利です。会議の招待もURLを発行して参加者に送信するだけなので手軽であり、社外の人もリンク経由で参加できます。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額7.99ドル〜
ビデオ会議ツールを世界的に広めた立役者といえばZoomでしょう。2020年初頭から急速に普及し、一時期は業界シェアNo.1を獲得しました。初期にはセキュリティ面の懸念から多くの企業が離れたものの、問題はすべて解決され、現在では安心してWeb会議に利用できます。機能面ではGoogle Meetとほぼ同様ですが、背景を仮想化できる「バーチャル背景」はZoomならではの人気機能です。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり年額20,100円〜
Microsoft Teams(会議機能)
Microsoft TeamsもMicrosoft 365(旧Office 365)に含まれるツールで、Web会議に対応しています。特筆すべきはOfficeツールとのシームレスな連携で、会議中にその場で全員が共有のWord議事録を編集したり、Excelのグラフを一緒に参照したりといった使い方ができます。また、Zoomに続いてバーチャル背景機能も導入されており、自宅の様子を映したくないテレワーク時にも便利です。こちらも単体というより他のMicrosoft製品(Outlook予定表やOneDrive共有など)と併せて活用すると効果的でしょう。
無料プラン:あり
有料プラン:1ユーザーあたり月額約430円〜
無料ツールと有料ツールの違い
社内コミュニケーションツールには無料のものと有料のものがあります。無料で使えるオープンソースのツールも存在しますが、一般にセキュリティ面の課題や利用人数の制限があるため、一定のITリテラシーがある社員向けの限定的な用途にとどまる場合もあります。有料の商用サービスはベンダー企業によるサポートがあり、セキュリティ面が堅牢で利用人数も大規模に設定されています。また、無料版と有料版では広告の有無、保存できるメッセージ履歴の長さ、ファイルアップロード容量などに違いが出てきます。社内で本格的に利用する場合は、無料ツールでは機能面で不足を感じるケースも多いでしょう。安心して長期的に使うためには、多少コストをかけてでも信頼性の高い有料サービスを導入することを検討すべきです。
社内コミュニケーションツールを利用する際の注意点
コミュニケーションツールはこうして一覧で見ると非常に便利に思えますが、実際にビジネスで社内導入するときには注意すべき点があります。それは、「導入しただけでは意味がない」という点です。詳しく見ていきましょう。
ツールが社内に浸透するよう働きかけが必要
こうしたツールを導入した際、勉強会やレクチャーを行う企業はまだ少ないのではないでしょうか。ITリテラシーの高い社員であれば特に説明がなくてもすぐに使いこなせるようになりますが、人によっては使い慣れず放置してしまうこともあります。そして使えない人が増えてくると、せっかく導入したツールも次第に利用されなくなってしまいます。コストや労力はかかるかもしれませんが、「なぜ導入するのか」「導入するとどんなメリットがあるのか」「どうやって利用するのか」「困ったときはどうすればよいのか」を明らかにし、全社に浸透させるよう積極的に働きかける活動が不可欠です。どんなに便利なツールでも、使われなければ意味がありません。なお、経営層自らが率先して新しいツールを活用し模範を示すことや、現場の声を定期的にヒアリングして改善に活かすフォロー体制も重要です。導入後も利用状況のモニタリングや追加トレーニングを行い、社内定着を継続的に支援しましょう。
ツールに頼りきりにならない
チャットツールが浸透してくると、オフィスが静かになりがちです。人によっては息が詰まると感じることもあるようです。コミュニケーションツールは既存のコミュニケーション手段の完全な代替というわけではなく、あくまでコミュニケーション手段のひとつとして捉えましょう。顔を合わせられる場面ではこれまで通り口頭でのコミュニケーションも大事にしつつ、簡単に済ませられる用件であればチャットツールを使ったり、在宅勤務の社員とはWeb会議を活用したりと、ツールに頼りきるのではなく上手く使い分けることが重要です。
コミュニケーションを整理する
さまざまな社内コミュニケーションツールを紹介しましたが、これらを自在に使い分けるためには、まず「コミュニケーションの整理」が必要です。コミュニケーションの目的と手段が整理されていないと、どの場面でどのツールを使えばいいかがわからなくなってしまいます。社内で共有する情報の種類や緊急度に応じて、「何をどのツールで伝えるか」のルールを明確に定め、適切にツールを活用できるようにしましょう。
まとめ
社内コミュニケーションツールは、情報の迅速な伝達やチャットによる気軽なやり取り、ファイルの共有やタスク管理などビジネスに必要な機能が集約された便利な仕組みです。しかしその恩恵を最大限に受けるには、社員同士の信頼関係やコミュニケーションの土台が社内に築かれていることが前提であり、便利な機能だけを目的に導入しても上手く機能しません。ツールはあくまでも業務自体を効率化するものです。ツールが人と人とのコミュニケーション課題を自動的に解決してくれるわけではなく、ツールの機能にのみ頼った機械的なやり取りは、かえってコミュニケーションを悪い方向へ向かわせてしまう場合もあるでしょう。社内の人間関係に根本的な課題がある場合は、意見交換などのアナログな手法によってまずは向き合うことも大切です。とはいえ、適切な設計と運用のもとでイントラネットや各種社内ツールを活用すれば、場所や時間にとらわれない情報共有基盤として組織の生産性向上に大きく寄与します。特に、SharePoint OnlineやTeamsを含むMicrosoft 365を基盤に構築すれば、従業員同士が安心してコラボレーションできるモダンなイントラネット環境を実現できるでしょう。各企業は自社の状況に合わせて最適なイントラネット戦略を立て、ツール導入と組織運用の両面から社内コミュニケーションの活性化に取り組んでいくことが重要です。
関連サービス
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よくある質問
- インターナルコミュニケーションとは何ですか?
社内やグループ会社内など、同一の組織内における広報活動のことです。「社内広報」や「インナーコミュニケーション」とも呼ばれ、社内報や社内セミナー、対話集会などを通して、社内におけるコミュニケーションを活性化する活動全般を指します。
こうした活動は、組織の価値観や文化に対する社員の知識・理解を深めることにつながります。会社のビジョンを外部に向けて主体的に発信することのできる社員を育成し、組織全体を良い方向へと導く取り組みとして、インターナルコミュニケーションが行われます。
- イントラネットとは何ですか?
イントラネットは企業や学校といった組織の限られたユーザーだけが接続可能なネットワークを意味します。したがって「社内イントラ」とは「社内」に限定した通信網ということになります。
- イントラネットのリスクは?
社内の誰かが意図的にセキュリティを侵害する可能性があります。例えば、内部者による情報漏洩や不正アクセスなどが挙げられます。また、パスワードやアカウント情報が漏洩した場合にも、イントラネットは攻撃されやすくなってしまいます。
さらに、ITシステムの一点障害や停止が発生した場合、イントラネットは全体が影響を受ける可能性があります。そのため、バックアップシステムや障害発生時の類似サービスを用意しておく必要があります。
最後に、インターネットと同様に、イントラネットでも不正コード、ワーム、スパイウェア、ウイルスの侵入などが発生することがあります。これらに関しては、定期的なウイルスチェックやアップデート、システムのセキュリティ対策を徹底する必要があります。

株式会社ソフィア
先生
ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。
株式会社ソフィア
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ソフィアさん
人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。