コミュニケーションスキルとは?ビジネスで重要とされる11の理由とメディア選択について解説

コミュニケーションスキルは、仕事をスムーズに進める上で重要な能力です。コミュニケーションスキルが高い人は相手の状況や情報を瞬時に掴んで対処できるため、仕事においてより良い結果を引き寄せることができます。

この記事では、ビジネスにおけるコミュニケーションスキルとはどのようなものなのか、その定義と、相手やシチュエーション、解決したいテーマに合わせたコミュケーション手法について解説します。

コミュニケーションスキルとは

コミュニケーションスキルの明確な定義はありませんが、一般的に次のような能力を指す場合が多いでしょう。

  • 対人的なやりとりにおいて円滑に意思疎通できる能力
  • 仕事で必要な対人関係を円滑かつ良好に保つ能力
  • 日常生活での対人関係を円滑かつ良好に保つ能力
  • 組織においてビジネスパーソンが成果を出すために必要な能力

コミュニケーションはそれ自体が目的になることはなく、あくまで何らかの“目的を達成する”ために行うものです。その目的とは他者の態度や行動の変容を促すことであり、つまりCommunicating for Actionで必要であると、ソフィアは考えています。

「他者へ行動変容を促すためのコミュケーション」とは、具体的にどのようなものでしょうか。ビジネスの場面に当てはめて考えると、「相手(上司、顧客、社員など)に対し、ある特定の状況や場(会議、面談、商談など)で、自分または相手が持っている欲求(不安解消、問題解決、関係構築、協力要請、合意形成など)の充足を目的に、コミュニケーション(意見交換、議論など)を行う」この一連の流れのことを指します。

組織において仕事は一人で行うものではなく、他者と協力、連携し、相互に影響を及ぼし合いながら遂行するものです。だからこそ、組織に属するビジネスパーソンにとってコミュニケーションスキルは非常に重要なのです。

この章では、「組織に属するビジネスパーソンにとって、コミュニケーションスキルが必要である理由」について、目的別に解説していきます。

目的別に見る!コミュニケーションスキルが必要な11の理由

「誤解によるミス」、「暗黙の了解から生まれる不正」、「パワハラ」など、コミュケーションスキルの不足が原因で生じる組織の問題は枚挙に暇がありません。ここでは、ビジネスパーソンにとってコミュニケーションスキルが必要である具体的な理由を11個挙げて解説します。

問題解決のため

日々の業務において生じる問題や、企業業績アップを阻む問題を解決するためには、さまざまな関係者との調整や、意思決定者の説得などが必要です。「問題に対する議論展開」を行ったり、挙げられた選択肢を検討した上で「最適な意思決定」を行ったりするには、ディベートやディスカッション、対話などの議論をスムーズに進めることのできるコミュケーションスキルが必須となります。

タスク管理のため

経営者はもちろん、チームリーダーなどの管理職に就く者は、部下たちにタスクを伝え、ビジネスの目的を果たす必要があり、指示出しや目標管理を行う中で部下に対して影響力を与える立場です。日々の業務の目的や目標を組織に浸透させて確実なタスク管理を行うためには、ターゲットごとに適切なコミュニケーション方法を選択し、情報を論理的に整理して共有する必要があり、そのためのコミュニケーションスキルが重要となります。

信頼を得るため

あらゆるビジネスシーンにおいて、相手の信頼を得ることは最大の武器となります。信頼関係を築くためには、コミュニケーションの「量」が重要であり、コミュケーション不足は信頼の欠如につながります。電話やメール、対面の営業活動などを通じて積極的なコミュニケーションを行う上では、それぞれの目的や手段に合わせたコミュニケーションスキルが必要です。また、特に相手を説得したり、合意形成を行ったりするシーンにおいては、レトリックスキルが非常に重要です。

ミスコミュニケーションを防ぐため

「言ったつもり」「伝えたつもり」のような、勘違いや認識の相違を防ぐためにもコミュニケーションスキルは重要です。

主語を省かない、5W1Hの要素を明確にするなど基本を守ることはもちろんですが、会話や文章に使う一つひとつの「言葉」の解釈が人によって違うという前提を押さえておくことも大切です。その言葉の一般的な定義として正しいかどうかではなく、コミュニケーションする同士にとってその言葉の定義が一致しているかどうかを重視しましょう。

コミュニケーションに対してポジティブな姿勢とプロ意識を持つリーダーであれば、部下としてもコミュニケーションを取りやすくなるものです。リーダー自らが的確かつ円滑な意思疎通をリードすることで、職場でのミスコミュニケーションは起きにくくなります。

対立を防ぐため(コンフリクトマネジメント)

職場での対立や衝突を相互利益に変容させることを「コンフリクトマネジメント」と言います。職場には対立がつきもので、社員が冷静かつタイムリーに対立を解決するのは難しいものです。そのため、ストレスの多い職場では、戦略的なコンフリクトマネジメントが不可欠です。

対立の原因は感情的なものなのか、それとも利害の不一致なのか、どちらの要因も含んでいるのか、明確に整理した上で、双方の納得する落としどころを見つける。解決に向けた一連の流れは、対人コミュニケーションを通して行われます。ネガティブな状況でこそ、リーダーには高いコミュニケーションスキルが求められるのです。

キャリア開発のため

日本経団連が調査した「企業が社員採用時に求める資質」によると、2004年から16年連続で「コミュニケーション能力」が第1位となっています。近年の企業が採用活動の際にもっとも重要視する要素が「コミュニケーション能力」となっているのです。ビジネスパーソンにとって、希望の就職先に採用されるためにも、組織内で希望のポストに就くためにも、高いコミュニケーションスキルは大きな優位点になります。

また、組織側の立場から言えば、従業員の対人コミュニケーション能力を継続的に向上させることが、その後のキャリア開発の推進力につながります。多くの企業がグローバル化し、バリューチェーンも複雑になっている状況において、社員はさまざまなステークホルダーと関わりながら課題を解決し、業務を推進することが求められています。もちろん個々の専門性を高めることも大切ですが、コミュニケーションスキルのトレーニングは、社員が活躍する場を確実に広げるために有効な投資となるでしょう。

マネジメント力とリーダーシップを発揮するため

管理職には、対人関係・信頼関係の構築が求められます。経営者やリーダーの対人コミュニケーション能力が低いと、「指示がわかりにくい」「こちらの話を聞いてくれない」など、社員を苛立たせる原因となり、現場の混乱を招くでしょう。管理職が部下と日々コミュニケーションする上では、基本的なコミュニケーションスキルに加えて、複数のチームメンバーを動機付けしたり、大勢の部下に対してメッセージを届けるという能力が必要です。企業が将来的に、優秀な管理職やリーダーを育てるためは、管理職に高度なコミュニケーションスキルが必要とされることと、そのためのトレーニングを行う重要性をしっかりと認識しておく必要があるのです。

好ましい組織文化の醸成のため

企業のビジョン実現に資するような好ましい組織文化は、生産性の向上や、企業の成長促進につながります。逆に、企業のビジョンに反するような組織文化は、業務の非効率や、組織変革における抵抗勢力の形成などにつながり、成長の障壁となることがあります。

経営層や管理職が高いコミュニケーションスキルを持っていれば、企業のビジョンに関する効果的なメッセージ発信につながり、ビジョンに対する社員の理解・共感を促進します。また社員のコミュニケーションスキルが高ければ、社内における建設的なフィードバックや活発な意見交換につながり、相互理解につながります。これらのコミュニケーションが、ビジョンの浸透や、従業員同士や上司・部下間の信頼関係構築を促進し、業務効率の向上や、事業環境変化への素早い対応を可能にするのです。つまり、企業内に好ましい組織文化を醸成するためにも、社員のコミュニケーションスキルを継続的に高め続けることが必要であると言えます。

チェンジマネジメントのため

時代の変化や変革の波をとらえて戦略的に組織を変化させ、効率良く成功に導くことを「チェンジマネジメント」と言います。組織内に変化をもたらすためには、変化の意味や必要性について経営層が明確なメッセージを発信することができ、そのメッセージに対する社員の理解・納得につながるようなコミュニケーションが現場で行われることが必要です。ここでもコミュニケーションスキルが問われます。

所属する組織やコミュニティが変化する際には、「これまでのやり方が通用しなくなる」「新しいことを憶える必要がある」「新しい人と関係構築しなければならない」など、一時的に業務負荷や精神的な負荷が増えることで、大抵の場合は社員にとってデメリットであると受け取られます。変化に抵抗感を憶えるのは、働く人にとって自然なことです。だからこそ、「デメリットを超えるメリットがある」「変化は組織にとっても自分にとっても良いことである」と社員が納得できるような、効果的なコミュニケーションが必要なのです。

危機管理のため

組織内の危機管理において、ただ単にやるべきことやルールを一方的に社員へ押し付けても、社員の危機意識は育ちません。なぜそれをやるべきなのか、やらなかったらどうなるのか、本当の意味で社員が納得し、自分ごととして腹落ちしなければ、表面上だけ「やっているふり」をして、実際はやっていない「面従腹背」に陥ってしまうでしょう。

経営陣や管理職と従業員のそれぞれが高いコミュニケーションスキルを持ち、活発なコミュニケーションが行われていれば、危機管理に関する情報の浸透や、現場からの事案報告、リスク対応の検討などがスムーズに行われ、高いレベルで意思決定をすることができます。危機管理においても、コミュニケーションスキルは重要な役割を果たすのです。

リモートワークを円滑にするため

リモートワークを取り入れる企業が増え、対面でのコミュニケーション機会が減りました。仕事の合間のちょっとした雑談が生まれにくく、要件のみになりがちな画面越しでのやり取りだからこそ、チームの良好な関係性を維持するために、管理職やリーダーをはじめとする個々人のコミュニケーションスキルが重要性を増しています。

気軽に声を掛け合い、相手の状況を知ることが、チームワークの発揮と円滑な業務推進につながります。そして、離れた場所で働く社員が孤独感を感じることなく、オープンで透明なコミュニケーションが日常的に行われる組織文化を作るためには、管理職やリーダーが率先してチームメンバーに声を掛け、チームメンバー間の会話が生まれるような仕組みや仕掛けを作っていく必要があるのです。

コミュニケーションにおいて重要な「メディアの選択」

従来の電話やFAX、メール、対面ミーティングに加え、クラウド型Web会議ツールやボイスメールなど、コミュニケーションメディアは多様化しています。

また、コンピューターネットワークを活用したグループウェアを導入することで、コミュニケーションの活性化と情報共有の促進、業務効率の向上を目指す企業も増えてきました。

さまざまな世代が働く社内のコミュニケーションを活発化するには、メディアの選択も重要なポイントです。メディアを選択する際は、次のような点に留意するとよいでしょう。

  • 企業規模にマッチしているか
  • 伝える内容にマッチしているか
  • 社員属性にマッチしているか
  • メディアの操作は容易か
  • 業務以外の雑談ができるか
  • コミュニケーションが取りやすいか
  • 適切に情報共有を行えるか

同世代ばかりの社員で構成された企業であれば、比較的コミュニケーションが取りやすく、各種コミュニケーションツールの操作能力におけるギャップも少ないでしょう。しかし、幅広い年代の社員がいる企業では、世代間での情報格差が生じないよう、メディア・ツール選定時に配慮する必要があります。

例えば、PCやスマートフォンの操作に苦手意識のある人の多い職場でビジネスチャットをコミュニケーションの中心に位置づけるなど、メディア・ツールの選定や導入方法を間違うと、組織内でのコミュニケーションが取りにくくなるばかりか、業務効率低下や信頼関係の崩壊、従業員のモチベーション低下などを引き起こし、ひいては企業全体の活性化を妨げかねません。

新たなメディアやツールを導入した場合は定期的に利用者の声を集め、不安や不満が溜まっていないか、改善する余地はないかなど、細部まで確認することをおすすめします。

さらに、電話やメールなどによるコミュニケーションからデジタルツールへの切り替えなど、コミュニケーションのあり方を大きく転換する場合は、全員が気後れせずに参加できるよう、事前にマニュアル作成や実践指導を行うことが大切です。組織におけるコミュニケーションの充実度合いや業務効率の状況を見極めながら、デジタルツールを上手に活用しましょう。

まとめ

ビジネスにおいてコミュニケーションスキルは非常に重要です。そして、コミュニケーションに使用するメディアやツールによって求められるスキルは少しずつ異なるため、メディアが変わることでと組織内のコミュニケーションが促進されたり、逆に滞ったりすることもあります。そのため、自社においてどのようなメディアが必要なのか、慎重に検討する必要があります。

社員全体のコミュニケーションスキルを高めたい、新たなコミュニケーションメディア、ツールの導入や定着に課題があるなど、組織のコミュニケーションに関するお悩みは私たちソフィアにお気軽にご相談ください。

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