ディベートとディスカッションの違いとは?違いや効果について解説!

議論や討論を指す言葉として、ディベートとディスカッションがあります。どちらも同じような意味を含んでいることから、混同されがちな言葉ですが、このふたつの言葉は意味や用途が異なります。

本記事では、ディベートとディスカッションの違いについて解説していきます。

ディベートとディスカッションの違い

ディベートは一つのテーマに対して「賛成」「反対」に分かれてそれぞれの主張を展開し、論理的な正しさを競うゲームです。ゲームなので当然勝ち負けがあります。

ディベートをすると、与えられたテーマに関してさまざまな角度から考えることで、そのテーマに関する言葉の定義や、テーマに内在している課題などを、炙り出すことができます。ディベートでは、賛成・反対それぞれの立場から、相手の主張に対して「本当にそうなのか?」「なぜそう言えるのか?」「根拠は何か?」「エビデンス・データは正しいか?」など、徹底的に検討し、敢えて批判的な立場をとって反論するプロセスを通して、本質的な課題や論点を明確にしていきます。これは、そのテーマの「本質」について「探求」する活動であるとも言えるでしょう。

ディベートを行う意義は、相手を論破して勝ち負けを決めることよりもむしろ、一つのテーマについて参加者が「探求」の状況を作り出すゲーミフィケーションである事がわかります。さらに、批判的に考え、論理的に主張することを求められるため、クリティカルシンキング(批判的思考)やロジカルシンキング(論理的思考)、レトリックの能力も育まれていきます。

一方でディスカッションは「すっかり、徹底的」を意味するdisと、「打つ、たたく、ゆさぶる」を意味するcuss、そして名詞を作る接尾辞の「-ion」が組み合わされてできた言葉で、直訳すると、「徹底的に打つ・たたく」という意味になります。「議論を徹底的にたたきあげる」という意味が、discussionには含まれているのです。よく「そもそも」という発言で議論がひっくり返す。壊す人がいます。壊された側は腹が立つかもしれません。しかし、「そもそも」という前提条件を批判する行為はディベートで活用される初歩的なアプローチです。「そもそも」という発言から、議論が壊れることは腹が立つかもしませんが、壊れる内容やテーマだったかもしれません。つまり、ディスカッション前段階の精査されていない内容やテーマかもしれませんので、論点課題やデータなどしっかり精査する必要があるかもしれません。只、「そもそも」を乱用し悪戯に議論をかき回すことを避けましょう。建設的な議論がディスカッションです。

広義のディスカッションは、ブレストや意見共有、さまざまな議論を含みますが、基本的には、何らの課題や論点に対して、具体的な解決方法を探したり意見交換したりする活動を指します。ビジネスにおいては、日々の会議や合意形成の実務などにディスカッションが取り入れられています。ディスカッションを行う際に注意が必要なのは、ディスカッションのテーマに関して論点や課題が明確でなかったり、議論の中で使われている言葉の定義が曖昧な場合は、議論をしても結論に至らなかったり、議論自体が成立しない場合もあるということです。

会議や意思決定の場で、「総論賛成各論反対」「決まらない会議」「意見がでない」など日本的な会議問題は、「会議の雰囲気」などの風土や「声の大きい人」などの属人的な権力やパワーの問題を原因として問題視することが多いです。しかし、「会議のテーマや内容が不明確「「前提や言葉の定義が曖昧」「意思決定や議論の材料がそろっていない」「何を取捨選択し意思決定や合意形成に至ったのか?が不明」など、雰囲気や関係性などの前に、議論として成り立っていない場合も非常に多いです。もちろん両方同時並行的に発生しますので両方とも言えます。しかし、日本人のコミュニケーションや会議体は独特かもしれませんが、議論や会議内容の整理整頓がされてない問題とコミュニケーションスタイルの問題をごっちゃにすることは、お勧めしません。

ディベートとディスカッションの役割を比較すると、この会議や議論において、ディベートは問題提起や課題形成や調査分析に有効な複数の視点による「探求行為」であり、ディスカッションは建設的な「問題解決策を案出する合意する手段」であると分けることもできるでしょう。実務においては、議論は紆余曲折しますので、重要なものはファシリテーター役を置く事も1つの方法です。

ディベートとは?流れや効果について解説

次に、ディベートの意味やルール、効果について解説していきます。

ディベートの意味

日本ディベート協会では、ディベートの定義を以下のように謳っています。

  1. 集会や議会において、何らかの論点・課題について
  2. 対立する複数の発言者によって議論がなされ
  3. 多くの場合、議論の採否が議論を聞いていた第三者による投票によって判定される

つまりディベートとは、与えられたテーマを異なる立場に分かれて討議することあり、その目的は自身の意見を第三者に認めてもらうことです。そのため、相手の意見を否定し、自分の意見が正しいと論理的に説明することが求められています。

ディベートの流れ

ディベートは一般的に、以下の流れを繰り返しで進めます。

  1. 立論
    肯定・否定それぞれの立場の者が、自分たちの意見を説明します。
  2. 反対尋問
    相手の意見に対する矛盾点を指摘します。このとき、相手の発言を遮っても問題ありません。
  3. 反駁(はんばく)
    相手の反対尋問に対して反論します。
  4. 最終弁論
    これまでの流れを整理したうえで、自分の意見が正しいことをアピールします。このとき、新しい主張や根拠を出すことは認められていません。

ディベートのルール

ディベートをする際は、参加者が前提条件やルールを理解することが大切です。「これはあくまでもゲームである」ことをしっかり共有し、以下のようなルールの下、ディベートを行いましょう。

  1. テーマは論争可能なもの
    論争可能なテーマを選ぶことで、意見がわかりやすくなります。なるべく正反対の意見が出るようなテーマが良いでしょう。
  2. 制限時間を決める
    時間を決めることも必要です。立論や反対尋問といった工程ごとに制限時間を設定しておくことで、簡潔に意見を話すよう促します。
  3. 理由や根拠と共に主張する
    意見を述べる際は、客観的なデータと自身の意見を結びつける理由が必要です。これは「三角ロジック」とも呼ばれ、論理的思考の基本ですので、あらかじめ理解しておきましょう。
  4. 発言の記録を取る
    意見や発言内容の記録を取ることも必要です。ディベートでは議論の応酬が短時間で展開されるため、記録がなければそれぞれの主張をきちんと理解することができません。ディベートを成立させるためにも記録を取ることは忘れないようにしましょう。
  5. 意見と人格を切り離して考える
    ディベートはそこで扱われているテーマに関して相手チームの意見を否定するものであり、相手の人格を否定するものではありません。意見と人格は異なるものであることを十分に理解したうえで、ディベートをすることがなによりも大切です。

ディベートの効果

ディベートには、「コミュニケーションスキルの育成」と「思考力の育成」という2つの効果があります。また、これらの能力を育成するために重要なのが、ディベートのテーマ設定です。以下に詳しく説明します。

コミュニケーションスキルの育成

ディベートを社内教育のひとつとして活用することで、言葉の定義や資料の解釈に注意を向けて議論の前提を相手と揃えたり、適切なレトリックを用いて相手を説得したり、相手のレトリックを見抜くといった「短時間でものごとの本質を把握するためのコミュケーション能力」を養うことが可能です。

思考力の育成

立論や反駁を設計する際には、論理的な整合性がなければならないため、ロジカルシンキング(論理的思考)が必要とされます。また、相手の主張を崩すために、クリティカルシンキング(批判的思考)を活用しなければなりません。クリティカルシンキングやロジカルシンキングは業務において議論したり、相手を説得したりする際にも必要となる考え方です。ディベートの実践を通して、これらの思考法を活用する練習を行うことができます。

効果を得るためのポイント:リアルなテーマの設定

企業内における研修や能力開発の場でディベートを実施する場合は、「自社の○○はやめるべきである」など、リアルなテーマを設定することが効果的です。ディベート参加者は、否定または肯定の主張をするために、その根拠について調べる必要が出てきます。自社の経営課題などをディベートのテーマとして設定すると、主張の根拠を考えるプロセスを通じて、参加者が自社の経営課題をよく理解する機会につなげることができます。また、ディベートでのやり取りを通じて、これまで顕在化されていなかった経営課題が洗い出される可能性もあります。

ディスカッションとは?

ディスカッションとは、与えられたテーマに対する議論の総称です。効果的なディスカッションを行うには、その目的や意義を理解した上で実施することが大切です。ここではディスカッションの意味や種類、効果について解説していきます。

ディスカッションを行う意味

ディスカッションとは、与えられたテーマに対して参加者が議論を交わすことです。あくまでも議論や討論の総称であり、明確な定義はありません。ディベートやブレインストーミングも、ディスカッションの手法のひとつです。

前述のとおり、ディスカッションとは一般的に、何らの課題や論点に対して、具体的な解決方法を探したり意見交換したりする活動を指します。その大きな目的は「意思決定」と言えるでしょう。ディスカッションのテーマとなった課題や論点に対して、今後「いつ・どこで・誰が・何をするのか」といった具体的な対策を決めるために、参加者がそれぞれの意見を出し合って、論理的にも心理的にも納得した状態を作り出すことが、ディスカッションをするひとつの意味であると言えます。

ディスカッションの種類と進め方

ここでは、ディスカッションのテーマの設定や方法、進め方について解説します。

ディスカッションのテーマ

ディスカッションの大前提となるものが、テーマです。組織内の課題、仕事上の問題など、関係者の意見・アイデアが必要なことや、関係者の合意形成が必要となること、今後に向けたなんらかの意思決定が必要なことが、ディスカッションのテーマとなります。

ディスカッションの方法

ディスカッションの方法には以下のような種類があります。

  • ディベート
  • ブレインストーミング
  • ミーティング

どのようなテーマを扱うかによって、ディスカッションの方法も変わります。たとえば問題点を洗い出したいのであれば、ディベートをしたほうが良いかもしれません。とにかくアイデアを出したいのであればブレインストーミングが効果的です。

ディスカッションの進め方

ディスカッションは一般的に、以下のような流れで進めます。

  1. テーマ決め
  2. ディスカッション方法の選択
  3. 役割分担
  4. 形式に沿ったディスカッション

ディスカッションの方法が決まったら、参加者の役割を決めます。全員が同じポジションで参加するのではなく、進行役やファシリテーターといった役割を決めると、スムーズにディスカッションを進めることができるでしょう。

ディスカッションの方法と役割が決まれば、形式に沿ってディスカッションを進めます。このときに忘れてはならないのが、ディスカッションの目的です。ディスカッションの目的を「意思決定」と置くのであれば、漠然とした結論を出して終わらせるのではなく、「いつ・どこで・誰が・何をするのか」といった具体的なアクションを決めるところまでやり切りましょう。

ディスカッションの効果

ディベートと同じく、実生活やビジネスで必要なコミュニケーション能力や思考力はディスカッションからも得ることができます。ディスカッションでは、コミュニケーション能力や論理的思考力はもちろん、ラテラルシンキング(多角的視点)も養うことができます。異なる立場から議論を戦わせるディベートでは、相手の主張を崩して自分の主張を通すために批判的な立場をとる必要性がありますが、意思決定を目的とするディスカッションにおいては建設的な立場をとる必要があり、固定観念にとらわれない多角的な視点が求められるためです。

また、議論を具体的な計画や施策へと落とし込んでいくためには、参加者の合意形成が必須となるため、複数の意見をまとめたり調整したりといった能力も求められます。さらに、論理だけでは合意形成できない場合には、参加者や関係者の感情など、心理面にも配慮する必要があります。こういった経験を積み重ねることが、傾聴力、観察力、洞察力といったスキルの開発にもつながるのです。

ディベートとディスカッションの使い分け

ディスカッション方法を選択する上で、厳密な決まりがあるわけではありません。しかし前述のように、ディスカッションのテーマによって適した方法があるため、うまく使い分けることでより効果的な議論を展開することができます。例えば、問題を深掘りしたい場合に、ディベートは有効な手段と言えます。しかし、ディベートでは対応できないテーマも存在します。

ディベートではできないこともある?

ディベートは賛成派と反対派に分かれて議論を交わす手法です。そのため2つの意見を交わすことしかできません。多様な視点からの意見が必要となるテーマや、今後の具体的なアクションを決めなければならないテーマについて、ディベートを使って議論することは難しいでしょう。

ディスカッションでは合意形成や意見交換などがテーマになることもあります。例えば、問題を洗い出す段階ではディベートを行い、問題解決のアイデアを数多く出したい場面ではブレインストーミング、アイデアを絞り込んで最終的な活動に落とし込む段階では建設的なディスカッション、といったように場面に応じて手法を使い分けましょう。

まとめ

ディベートは意見の異なる立場に分かれて議論を交わすディカッションの手法で、自分の意見を第三者に認めさせることを目的としています。ディスカッションは本質的な課題や論点に対して、具体的な解決方法や意見を交換する活動です。ディベートはあくまでもディスカッションの手法のひとつであり、どんなテーマでも適用できるわけではありません。与えられたテーマを理解し、適切な方法でディスカッションを進めることが大切なのです。

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