INTERVIEW

お客様インタビュー

お客様インタビューvol.15
「株式会社NTTデータ:議論できる文化を醸成する中堅社員向け研修」

株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部企画部
東矢努さん(写真中央)
株式会社 ソフィア
古川貴啓(写真左)
近田真樹(写真右)

インタビュー実施日:2022年3月23日

NTTデータ 社会基盤ソリューション事業本部では2021年、中堅社員を対象に、ディスカッションを通して中期経営計画策定への提言を考えるワーキンググループ型のプログラムを実施しました。目の前の課題に対応するだけの課題達成思考から抜け出し、前提を疑い、問題の本質を見抜いて議論する本プログラムを、ソフィアは企画から運営まで全面的に支援しています。ご担当の東矢さんとともに、プロジェクトの全容を振り返りました。
※写真撮影時のみマスクを外しています

優等生を抜け出し、問題解決思考を身に付けるために

東矢さん
もともとソフィアさんには働き方改革のプロジェクト時にお手伝いをいただきました。その後なかなか一緒に仕事をする機会がなかったのですが、現在の部署で中堅社員の育成が課題として上がり、パートナーを探すことになったとき、ソフィアに声を掛けたいと思ったんです。
現場での経験を積んできた中堅社員たちは、課題達成に長けた人が多いんです。目の前の課題に対し適切に効率よく取り組む、いわゆる優等生。しかし将来のミドルマネージャーになるためには、それらの能力に加えて「抽象的な問題に対していかに早期にアプローチ・解決できるか」という思考能力が必要です。今までとはまったく違う思考を要求されるわけですから、生半可なことではないですし、だからこそ「受けておしまいの研修では意味がない」「型にはまっていない、面白くて真面目なプログラムをやりたい」という想いがありました。
実は社内ではすでに他の研修会社が候補として上がっていたのですが、ソフィアさんにも提案の機会を作りました。ソフィアさんならそういうプログラムを作ってくれるという自信があったんです。
近田
お声掛けいただいたのが、〆切の2~3週間前でしたね。時間のない中でしたが、企画段階から東矢さんとお話をして、一緒に作り上げていきました。
東矢さん
今回は、経営層が策定する「新中期経営計画」を中堅社員(30歳前半)にも真剣に考えてもらうチャレンジングな機会を提供しました。これまで現場で疑う余地のなかった経営方針や目標そのものを自分たち目線で改めて検証し再考させる内容です。かなり難易度の高いテーマを設定するため、普段使わない脳みそをフル回転させるハードな研修(修行)になりました。具体的には、これから起こり得る不確実な未来(10年後の未来)を考えさせるところからスタートし、その未来から直近3年間に焦点を当て、自社の強みや戦略を徹底的に考えさせる。そして、自分たちがこれから何をなすべきかを明らかにさせました。
その3年間を「新中期経営計画」とし、独自のプランを策定させました。最終的に、経営層に対してプレゼンした後、「ガチで」ディスカッションさせることにより、様々な気づきを得ること(経営マインドの向上やエンゲージメントの向上)を目的としました。
参加対象である中堅社員たちは現場の最前線で鍛え抜かれた精鋭の社員ですから、日々の業務で忙しく、かつ研修期間も5か月間で内容も難しかったので、いかにこのワークへの動機づけを行っていくかが課題でしたね。

近田
その対策のひとつとして、参加者全員に事前ヒアリングを実施しましたよね。
東矢さん
はい、ヒアリングでは参加者に「10年後、自分は何をしていると思う?」と想像力を働かせてもらいました。不安や問題意識を聞くとともに、10年後の自分と会社のことをリアルに想像してもらい、このワークの趣旨を理解してもらう場としても活用しました。

受講者に合わせて、アジャイルに研修を組み立てる

東矢さん
一番難しかったのは、ワークの内容を都度調整することでした。参加者たちはこれまでの経験から、ついつい「正解を探す」思考になりがち。だからフレームワークを示しすぎると、そのフレームワークの穴埋めをする思考になってしまいます。とはいえ、慣れない課題を前に何の手掛かりもないままでは、参加者たちが路頭に迷ってしまうので、どこまで情報を出すべきか、個別に参加者の情報を踏まえながら古川さんと一緒に毎回調整をしていました。
古川
研修期間中は毎日のように東矢さんとお話していましたね。約3週間ごとにワークが開催されるので、1回終わるたびに、参加者の反応を踏まえて次のワークを考え、調整し……ということを3カ月ほど繰り返していました。
近田
1~2時間のワークのために十数人の状況を踏まえ、適切なレシピを考えていくというのは、地味だけれども、とても重要なとことじゃないかと思っています。通常は確実で緻密なプランが求められる研修という分野で、そういうアジャイルなやり方を許してくださったことも、とてもありがたかったです。
古川
正直、今回は参加者にとっては大変な研修だったと思います。誰かが「この研修はミステリートレインですよね」と表現していました。今回は議論の基礎トレーニングとしてディベートのフレームを使ったので、正解のない状態で「~すべきである」という立場を取った上で、それを徹底的に証明しあわないといけなかったんですよね。どこに行くか知らないまま電車には乗らなくちゃいけなくて、乗ったら乗ったで「何でお前はこの電車に乗ったんだ」と問い詰められるという(笑)
それでも、参加する中で「言われたことを早く解決する」というやり方ではなく、自分の意見・疑問を発言していいんだということに気づき、だんだんとモチベーションを持ってくれるようになりました。

東矢さん
一方でそう簡単にはいかなくて、自分の意見を盛り込んだ提言は、結果としてたいそう独りよがりになる。それを上司でもなく、同じレベルの相手チームにぼこぼこに叩かれて、脆さが露呈するわけですから、参加者はかなり大変だったと思います。でもそういう期間を経ながら、参加者同士の関係性が深まり、講師や仲間の手を借りながらぼんやりしていた課題がだんだん具体化していく様子がよかったです。アウトプットの内容よりも、そういう過程こそがミドルマネージャーになってからも活きると思います。参加者からも「これは我々だけでなく上司にもやってもらったほうがいい」という声があり、苦労しつつも意義を感じ取ってもらえたんじゃないでしょうか。

ソフィアを経験したら「ここじゃなきゃ」と思うはず

東矢さん
今回、最終日に経営層に対してプレゼンを行った際に、どうしても先生と生徒の図に収まってしまい、議論が白熱しなかったのがひとつ残念な点です。ヒアリングの際に「経営幹部と直接話せるのが楽しみ」という人がいるほど、普段は雲の上のような存在なので、反論をするのは簡単ではないと思いますが、次年度はより少人数で実施するなど、立場の垣根を下げる工夫をしていきたいですね。いま当社はグローバルの取引シーンも増えているので、海外の取引先に引けを取らずに議論・判断できる力を養うためにも、こういう場は今後たくさん作っていきたいです。
近田
構造も複雑で、非常に難易度の高いプログラムでしたが、参加者の立場も理解しつつ、人事的な目線を持って意見をくださる東矢さんがいてくださったからこそ実現できたと思います。リスキーな取り組みにも二人三脚で取り組んでくださるご担当者がいることは、とても心強かったです。

東矢さん
こちらこそ、ソフィアさんだからこそできた取り組みだと思っています。ソフィアさんは決まった研修の型がないからこそ、アメーバのように色々な形になれるから、毎回難しいお題に対してどんな変化球を投げてくるか楽しみです。一見似たような研修会社はたくさんありますが、他の会社も経験してみたら「ソフィアじゃなきゃできない」と実感するはずですよ。今後、もっと世間に広く認知され、必要とされる存在になってほしいですね。期待しています。

(文:岡田耶万葉 写真:宮坂恵津子)

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