合意形成を行う場合のプロセスとポイントは?

ビジネスにおける合意形成の大切さを理解してはいるものの、うまくいかず悩まれている企業も多いのではないでしょうか。

合意形成は、単に話し合うだけで達成できるものではありません。踏むべき手順や押さえておくべきポイントをしっかりと理解しておきましょう。

この記事では、合意形成のそもそもの定義と、合意形成をスムーズに行うためのポイントについて解説します。

そもそも合意形成とは?

合意形成(consensus building)とは、議論などを通じて関係者の根底にある多様な価値感を顕在化させ、意思決定において相互の意見の一致を図る過程です。

組織を企業として成り立たせるためには、顧客と営業や、上司と部下、部門間など、あらゆる場面で合意形成が必要になります。

しかし、今日、ビジネスにおける合意形成はさらに難しくなってきていると言えるでしょう。顧客と営業の関係でも、議論する課題はより複雑になり、提案内容も多様化し、内容も技術的になっています。部下と上司の関係でも、世代間の違いや関係性のあり方の変化などによって、合意できない内容が増えてきています。

また、合意形成には「心理的な納得」と「論理的な納得」が必要です。論理的に納得していたとしても心理的に納得していなければ、表面上は合意形成したように見えても、アクションまでつながりません。面従腹背となってしまうため、「心理」と「論理」の両面から納得できるような議論が求められます。

合意形成のプロセスとは

合意形成が必要になるケースは、ステークホルダー間の利害が合わないときです。

物事にはメリットやデメリットのほかにも利害関係と呼ばれるものも存在しています。ステークホルダー間の利害関係が一致しないことは、よくあることです。このとき、すれ違いがあるにもかかわらず合意形成のプロセスをスキップしてしまうと、最終的に現実に落としこんだ際に問題が顕在化してしまい、どのような問題も丸く収めることはできません。

そのため、合意形成を行うには、議論の前提となるすべての意見が出揃っている必要があります。ここでは、実際に合意形成を行う際、具体的にどのような手順をとるべきなのかを解説します。

目的の共有と再確認をする

まず、チームメンバーや仕事の関係者の間で、会議やプロジェクト、業務などにおける目的を共有し、再確認することが重要です。長期的な目標などは、抽象的で曖昧なままにしがちですが、リーダーが明確に言語化して、全員に正式な形で伝えるようにしましょう。

ステークホルダーの状況を知る

次に、関係する人たちが今どのような状況にあるのか、どんな要望を持っているのか、どのような感情を持っているのかを知る必要があります。今ある問題を見つめ直すためには、視点を変えることが重要であるため、オープンクエスチョンの形式で、反対意見を募ることも効果的でしょう。

たとえば、事業のコスト削減のための具体策を議論する際に反対意見を募ると、「ほかにコストを下げる方法はないのか?」「効率性が下がってしまうのではないか?」など、色々な意見を聞くことができます。

このような、意見が表出しやすいアプローチをとって、ステークホルダーとの活発な議論を誘発しましょう。また、多様な意見が出てきた際には、なぜそのような意見を持っているのか、ステークホルダーの感情を理解することも重要です。

共通のゴールに立ち戻る

続けて、さまざまなステークホルダーと垣根を越えて団結できる「共通のゴール」を再確認しましょう。表面上は利害や立場が異なる者同士であっても、最終的には同じゴールを目指している場合もあります。 共通のゴールが見つけられれば、対立を和らげることができます。

合意形成のそもそもの目的は、意見を一方的に押し付けることではなく、異なる意見を持つ者同士で意見の一致を図ることです。多くの意見を聞いて、視点を変えたうえで、当初の目的に立ち返ることも重要です。さまざま意見を取り入れながら、合意形成を行うことで、合意できる範囲の解像度が上がるでしょう。

アクションプランを選択

長期的なゴールに関して合意がとれたら、より具体的なアクション(行動)について、ステークホルダー間の合意をとりましょう。仕事やプロジェクトの目的達成に直結する、具体的なアクションが合意できれば、すぐに実行に移すことができます。

合意形成のプロセスの中で、ここが一番難しいステージと言っても過言ではありません。なぜなら、長期的な合意が取れても、短期的なアクションで合意が得られるとは限らないため、総論賛成各論反対が起こることがあります。

ただし、企業側は具体的なアクションの詳細について合意できないからといって、「総論賛成各論反対は、いつものことだ」という思考停止に陥ってはいけません。このステージで合意が得られず、詰まったとしても、それは合意形成の破綻を意味するのではありません。いまだ組織が議論の過程にあるという事であり、合意形成の途中段階だと考えるようにしましょう。

合意事項の確認とアクションプランの共有

最後に、これまでの合意事項の確認とアクションプランやコミットメントの共有をしましょう。抽象的なプランでは行動に移すことが難しいばかりか、そもそもプランに関して合意がきちんととれていないケースもあるので注意が必要です。

合意形成したメンバーが、具体的な取り組みの実行者である場合は、問題になりませんが、実行者が別の場合は、コミュニケーションや情報共有のプランも一緒に作るようにしましょう。

合意形成を行う場合のポイント

スムーズに合意形成を行うには、押さえるべきポイントがあります。合意形成では多くの意見を引き出し、双方が納得のいく着地点を探すことが重要です。相手を論破して合意形成しても、心理的に納得していなければ面従腹背となってしまうでしょう。

また、議論の内容が浅い場合は、合意形成していても他の事由が起きてしまった場合に対処できない可能性もあります。そこで、ここでは合意形成において重要な視点を紹介します。

多様な視点から意見を出す

多くの意見を聞き、多様な視点を交えながら議論していきましょう。ここで役に立つのが、先ほども述べたオープンクエスチョン方式での対話です。

関係者らが問いを立てながら進めていくので、心理的な納得感が高いというメリットがあります。一方で、論理的におかしな議論や結論になることがあるため、その点は注意しましょう。

具体論から反対意見を出す

合意形成では、なるべく多くの意見を引き出すことが重要です。

多くの意見を引き出すには、意見を言い合える公平性や安心感のある場を確保することが前提です。議論の内容が陳腐である場合や逆に完成度が高すぎる場合、意見が全く出ない場合もあるため、ディベート方式やゲームを取り入れるなど工夫してみましょう。

反対意見は聞き苦しいものです。しかし、こうした反対意見は、合意形成後のプランや実行における、転ばぬ先の杖と考えることもできます。いろいろな意見をもらう事は、心理的には苦痛かもしれませんが、後々、必ずいい結果へと導いてくれるでしょう。

相手の意見を否定しない

多くの意見を聞く際には、相手の意見を否定しないようにしましょう。ステークホルダーに多くの意見を出してもらうためには、自身と意見が食い違ってしまった場合でも、まずは相手を尊重し、相手の話に耳を傾けることが大切です。

一致点と相違点を確認

会議や議論の中で立場の違うステークホルダーから出た意見を比較して、一致している点と相違している点について把握しましょう。相違点を明確に認識することで、双方の意見が食い違う原因を分析し、具体的な解決策を検討することができます。

双方が納得のいく着地点を探し出す

ステークホルダー全員が納得のいく着地点を探す際には、全員からの反対意見がない状態にまで、意見を落とし込むことが重要です。

しかし、全員が完全に納得できる着地点を見つけることは難しいため、ある程度の妥協をしなければいけない場合もあります。その際、面従腹背の状況にならないよう注意しなければなりません。また、内容はよく理解していないが、なんとなくよさそうだから合意してしまう、付和雷同といったケースもありえるので、この点においても注意が必要です。

合意形成とは何のために行うのか、迷ったら原点に立ち返りましょう。合意形成のゴールは、ステークホルダーをアクションに導くことです。心理や動機のレベルで、「なぜこのような合意に至ったのか理解できていない」の「合意する過程において納得いっていない」など、もし懸念が残るのであれば、それらも合意形成のテーマにするとよいでしょう。

最終的には「心理」と「論理」の両方において納得出来るかが重要です。そこまで落とし込むためにはあらゆる角度から意見を出し合い、相手の心情を踏まえた上で合意を形成していく必要があります。

まとめ

この記事では、合意形成の定義とスムーズな合意形成のために押さえておきたいポイントについて解説いたしました。

合意形成は一朝一夕にはいかず難しいですが、今回ご紹介した手順とポイントを踏まえれば、スムーズに実施することが期待できます。また、スムーズな合意形成には、適切なインターナルコミュニケーションが重要です。お困りごとがある際は、ソフィアにご相談ください。組織マネジメントを支援する専門家が貴社をサポートいたします。

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