インターナルコミュニケーション

問いの立て方とは?組織の課題を解決し議論を深める効果的な手法

組織内で議論やグループワークをする際、「なぜ、このような問題が起こるのか?」といった問いを立ててディスカッションをする場合がよくあります。しかし、犯人捜しのように原因を探ろうとしても根本的な解決には至りません。本記事では、大企業の人事部門長や研修企画担当者の皆様に向けて、参加者のモチベーションを高め、建設的な議論を促す「問いの立て方」を体系的に解説します。

どのような問いを立てるかが、組織やチームの雰囲気作りを左右する

どんな問いを立てるのかで組織やチームの雰囲気は変わります。議論やグループワークをするときも、問いの立て方次第で、発言しやすい雰囲気になったり、逆に発言しづらくなったりします。メンバーが議題を自分事として認識することができ、積極的に意見を出したくなるような問いを立てることができれば、メンバーのモチベーションの維持にもつながります。

また、議論が活発になると、それぞれの意見からそれまで気づかなかった発見があったり、新たな発想や取り組みが創発されたりして、協働・共創の文化につながっていくこともあります。このような効果を得るためには、いかに効果的な問いを立てるかが重要です。

通常、会議はメンバー同士が対面して行われ、コミュニケーション頻度が高く、業務上の権限や役割、責任が存在します。メンバー同士が慣れ合っている場合は深い人間関係が築かれ、議論もやりやすいでしょう。しかし、いくら関係が深く長かったとしても、メンバー同士では役割立場や業務目的と感情・精神状況の両方が現存しており、合理性と感情の二重構造からなるコミュニケーションが存在しています。合理と情理のバランスを崩れることは、どんな関係性であろうと存在します。実態の問題解決には合理性だけで解決できないものが含まれるため、問いを立てることは合理性と感情的側面の両方を含めた上で意思決定するためのキーワードを創造する活動であると言えます。

組織における会議という場は、通常、業務上の権限や役割、責任が存在する空間です。いくら関係が深く長くても、メンバー同士の間には役割・立場・業務目的と感情・精神状況の両方が現存しており、合理性と感情の二重構造からなるコミュニケーションが存在しています。合理と情理のバランスが崩れることはどんな関係性にも起こりうるため、実態の問題解決には合理性だけで解決できないものも含まれます。したがって、問いを立てることは、合理性と感情的側面の両方を踏まえたうえで意思決定するためのキーワードを創造する活動であると言えます。

さらに、問いの立て方はビジネスパーソンにおける「洞察力(Insight)」と「実行力(Execution)」のバランスを生み出す源泉となります。実行力は機会を成果に変える力ですが、そもそも解決すべき正しい課題や新たな可能性を見つける「洞察力」がなければ、的外れな行動を繰り返すことになります。優れた問いは、物事の抽象度を自在に操り、既存の枠組みにとらわれない洞察力をチームにもたらします。

効果的な問いの立て方の特徴

議論の質を高めるためには、単に質問を投げかけるだけでなく、参加者の思考を適切に導く問いを設計する必要があります。効果的な問いとは、参加者が自分の現状を正確に把握でき、具体的に考えられるような質問です。

会議の冒頭などで、「何をするためにここにいるのか?」という、自分が今置かれている状態に着目して考えると、これまでの経験や既存の事例にとらわれない発想が生まれるかもしれません。

このプロセスを理解するために、ある地域を活性化させるという課題を持ったプロジェクトでの会話を見てみましょう。

問1:「私たちはなぜこのプロジェクトを実施するのでしょうか?」

Aさん:「この地域が活性化していないからです」

Bさん:「活性化していないことが地域の課題だからです」

Cさん:「私たちの地域も、活性化に成功したA市のようにならなければ、いずれ消滅してしまう」

この最初の問いは、プロジェクトの存在意義を確認するためのものですが、回答は非常に抽象的であり、現状の解像度が低い状態です。そこでファシリテーターは、現状をさらに具体化するための問いを投げかけます。

問2:「地域が活性化していないとは、具体的にどのような状態なのでしょうか」

Aさん:「若い世代が進学で都市部に出てそのまま就職してしまうので、後継者不足で地域の主力産業も衰退し、市の財政基盤は衰える一方です」

Bさん:「古くから受け継がれてきた祭りや伝統工芸など、誇れるものもありますが、知名度は低く、観光客を呼べるほどではありませんし、担い手は高齢化しています」

Cさん:「UターンやIターンで移住してきた人の定着率が低く、大学などと連携して行った新しい名所や名物をつくる取り組みも、目立った成果は出ていません」

この問いによって、参加者は自らの感覚を具体的な事象として言語化し、課題の輪郭がはっきりと共有されるようになります。現状が把握できた段階で、次なる未来への問いを提示します。

問3:「では『地域が活性化している』状態とは、どのようなものでしょうか。例えば5年後に地域がもっと活性化しているとして、具体的にどんな風になっているか思い描いてみてください」

このように、「なぜ地域活性化が必要なのか?」という根本的な問いから、一人ひとりが現状と目指す姿を具体的に考えることで、お互いの考えの違いや、取り組むべき根本的な課題に気づけるようになります。次のように議論を展開していくことで、課題の本質を突いた議論になっていくでしょう。

①この問題を解決したい

②でも現状はこんな状態

③問題を解決することで、どのような状態にしたいのか。現状を目指す姿にもっていくためには、どのような取り組みをしていけばよいのか。

また、上位の概念として、問いには思考と行動の方向性を決定づける「3つの種類」が存在します。効果的な議論を生むためには、目的に応じてこれらの問いの方向性を使い分けることが重要です。

| 問いの方向性 | 具体的な問いの例 | 導かれる思考と行動 |

Why(抽象化) なぜ、顧客のニーズは変化しているのか? 俯瞰的な視点を持ち、問題の背景や全体像、トレンドなどの本質的な構造を理解する。
How(具体化) この変化に対して、どのような施策を打つべきか? 抽象的な課題を解決するための具体的な手段、プロセス、アクションプランを探索する。
What if(前提の転換) もし、このピンチが新しいビジネスチャンスだとしたら? 既存の前提や常識を疑い、状況を反転させることで、これまで見えなかった突破口を発見する。

 

日々の業務に追われていると、期限内にタスクを処理するための「How(具体化)」の問いにばかり偏りがちです。しかし、根本的な組織課題の解決には、「Why」で全体像を捉え直し、「What if」で前提を覆すような問いの設計が不可欠です。

組織における問いの立て方の具体的なステップ

ここまで、効果的な問いの特徴と方向性についてご説明してきました。では、実際のビジネスシーンやグループワークにおいて、どのように問いを構築していくべきでしょうか。ここからは4つの具体的なステップを通じて解説します。

ステップ1:イシューから始める

効果的な問いを立てるには、まずイシューを見極めることから始めます。イシューとは解決すべき課題やテーマのことです。似た用語としてプロブレムがありますが、これは直近に迫っている解決すべき問題を指しています。プロブレムに対してイシューは、より長期的に解決すべき本質的な課題のことを指します。

たとえば、新規事業を立案するプロジェクトで「企画案を上申してもなかなか承認されない」という問題があったとしましょう。この場合、再上申に向けて企画資料を修正しなければならないというのはプロブレムで、上申を通過する企画案とはどのようなものかというのはイシューです。表面的なプロブレムの解決に終始するのではなく、本質的なイシューを捉えることが問いの出発点となります。

ステップ2:議論のテーマを決める

イシューに基づいてグループワークのテーマを考える際は、問いの回答者であるグループワーク参加者が興味を持てるものであることが必要です。議論するメンバーが自分事として受け取れるイシューであれば、考えるための時間や労力を割いてもらいやすくなり、参加者の創造性も引き出しやすくなります。

もし、参加者が興味を持てないテーマを設定してしまった場合は、「議論する必要がない」あるいは「問題は生じていない」と考える人が出てきて、活発な議論にはならないことが予想されます。例えば上の例で、「企画の前提となっている課題設定が適切か否か」というイシューを設定した場合、上申を通らない原因が課題設定ではないと考えるメンバーにとっては議論の必要を感じられないでしょう。

グループワークのテーマを考える際は、参加者の年齢層や職種、業務内容も考慮することが必要です。例えば、役職が低いメンバーを中心としたグループで「会社の将来展望」をテーマに議論しようとしたら、「なぜ自分たちなのか」「経営のことはよくわからない」「議論の結果が何に活かされるのか」など、議論の前提そのものに疑問を感じる参加者が出てくるかもしれません。しかし、「10年後の自分のワークスタイル」であれば現実的なアイデアが出ることが期待できます。メンバーの知識や経験を踏まえて、興味を引き、意義のある議論ができる視点で考えましょう。

ステップ3:テーマを深掘りする

テーマが決まったら、グループワークの主催者は、関係者にヒアリングしたりテーマに関連する資料やニュースなどに目を通したりして、最近の事実やデータを参照しておきます。そのうえで、テーマを細分化してサブテーマを考え、そのテーマの持つ潜在的な価値を考えることで、より具体的な問いを導き出すことができます。

生活に関する新商品を開発するグループワークを例に挙げてみましょう。

 テーマ:自分や身近な人が生活の中で困っていること

 サブテーマ:スマートフォンによる視力低下

サブテーマに関する社会的出来事:文部科学省が公表した2020年度学校保健統計調査の結果で、小学生(37.52%)・中学生(58.29%)の裸眼視力が1.0未満の割合が過去最多

サブテーマの持つ潜在的な価値:小さい子の場合、子どもをあやすために親がスマートフォンを与え、それが子どもの視力低下に影響している可能性があるのではないか。ここから、「親が子どもの視力低下を懸念せずにあやせるものがあれば売れるかもしれない」という気づきがあります。

この潜在的な価値を深掘りしていくと、最終的に「子どもにとってスマートフォンよりも魅力的なものとはどのようなものだろうか」という流れになるような問いを考えることができます。

社内の結束を強めるためのグループワークの場合も同様です。

 テーマ:仕事で困っていること

 サブテーマ:テレワーカー

サブテーマに関する社会的出来事:テレワーカーの約40%が「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安」と感じており、同じく約40%が「非対面のやりとりは相手の気持ちが察しにくく不安」とも感じている

サブテーマの持つ潜在的な価値:組織の心理的安全性を確保すればテレワークがもっと捗るのではないだろうか

この潜在的な価値から、「業務をスムーズに進めるにはどんな風にコミュニケーションを取ればいいのか」という流れになる問いを考えていきます。

ステップ4:問いの言い回しを考える

問いの言い回しを考える際は、問いを立てる目的を念頭に置きましょう。テーマに対して、どのような議論に持っていくかを意識しながら、問いの言い回しを考えることが大切です。

たとえば、上の「社内の結束を強めるためのグループワーク」に関して、テーマの潜在的価値に基づいた問いを立てるとしましょう。いくつかの例を挙げてみます。

  • 対面で仕事をしている時と、リモートで仕事をしている時とで、「仕事の困りごと」に違いはありますか?共通点と相違点を挙げてください
  • テレワーク状況下においてチームで仕事をする中で、「他のチームメンバーとの距離を感じた時」「距離を感じずにコラボレーションできた時」のエピソードを教えてください
  • あなたにとって、テレワークにおける理想のチームコラボレーションとはどのようなものでしょうか
  • 理想のチームコラボレーションと比較して、現在のリモートワーク環境に足りないものは何でしょうか

沢山のアイデアを引き出したいのか、論点を絞り込みたいのか、意思決定したいのかなど、議論のどの段階で発する問いなのかによっても、問いの言い回しは変わってきます。議論の流れについてある程度の仮説を立てたうえで、事前にいくつかの問いを用意しつつ、議論の流れに応じて適宜アレンジして投げかけていきましょう。その際に、「なぜ、いまこの議論をしているのか?」を念頭に置くことで、より適切な問いを立て、議論を活発化させることができるはずです。

問いを立てる力を構成する3つのスキル

効果的な問いは、ある日突然ひらめくものではなく、日々の業務の中で鍛えられる「3つの基礎スキル」によって構成されています。いくら革新的な問題解決フレームワークを組織に導入しても、参加者自身にこの基礎スキルが備わっていなければ、ツールとスキルのミスマッチが起こり、効果的な議論は生まれません。

観察(Observation)

事実や現象を詳細に観察し、先入観を排して情報を収集するスキルです。質の高い問いは、質の高い「観察」から生まれます。現場で何が起きているのかを探偵のように観察し、表面的な課題の奥にある感情や、システムの矛盾を見つけ出す能力が求められます。

言語化(Verbalization)

観察した内容や、頭の中にある抽象的な事象を、誰もが理解できる適切な言葉で表現し、問題の本質を捉えるスキルです。複雑な状況をシンプルな言葉に変換することで、チーム全体が同じ課題(イシュー)を共有しやすくなります。

視点操作(Perspective Manipulation)

多角的な視点から問題を捉え直すスキルです。経営者の視点、現場の視点、顧客の視点など、立ち位置を自在に変えることで、「別の立場からはどう見えるか?」という相対化の問いを立てることができます。これが固定観念を打ち破るブレイクスルーの原動力となります。

さらに、これらのスキルを駆使して問いを深めるための実践的なツールとして、「Why-Howラダー(Why-How Ladder)」というフレームワークが存在します。これは、問題の本質(Why)と具体的な解決策(How)の間を、はしご(ラダー)を昇り降りするように行き来する思考法です。

  1. ラダーを昇る(Whyを問う):
    「なぜこの業務を行っているのか?」「なぜこの課題が発生したのか?」と問いを投げることで、視野を広げ、目的や根本原因に立ち返ります。
  2. ラダーを降りる(Howを問う):
    目的が明確になった後、「では、どのように実現するか?」「具体的に何をすべきか?」と問うことで、実行可能なタスクへと落とし込みます。

多くの会議では、すぐに「どうやって解決するか(How)」というラダーの下部だけで議論が終始しがちです。
ファシリテーターは、議論が局所的になっていると感じたら「なぜ(Why)」を問いかけてラダーを昇らせ、抽象論ばかりが続く場合は「どのように(How)」を問いかけてラダーを降りさせることで、効果的な議論のコントロールが可能 になります。

最新の社内コミュニケーション課題への問いの活用

現代の企業において「問いの力」がこれまで以上に求められている背景には、働き方や組織構造の急激な変化があります。

ここで、エビデンスとして弊社ソフィアの調査(「フル_IC実態調査2025」、調査時期:2025年10月、対象:従業員数1,000人以上の企業に勤める623名)では、現在の大企業におけるインターナルコミュニケーションに以下のような深刻な課題が浮き彫りになっています。

  • 対面を前提とした手法の限界:リモートワークをはじめとする働き方の多様化により、従来の「顔を合わせる」ことを前提とした情報共有や合意形成の手法が見直しを迫られています。

  • 組織の多層化と部門間の分断:縦割りのサイロ化現象が依然として根深く存在しています。
  • ナレッジの分散と活用不足:部署や個人に知見が散在しており、組織全体でのナレッジ共有が機能していません。

マネジメント施策の運用ばらつき:「1on1ミーティング」や「エンゲージメントサーベイ」といった施策の導入は進んでいるものの、現場での運用や活用度合いに大きなばらつきが生じています。

これらの課題に対しては、形式的にコミュニケーションツールを導入するだけでは解決しません。「どのような問いを通じて、情報を引き出し、関係性を構築するか」というアプローチが不可欠です。弊社ソフィアの調査結果に基づく課題と、それに対する「問いの活用法」を以下に整理します。

 

| 調査で判明したコミュニケーション課題 課題解決に向けた「問い」の活用例と戦略
1on1ミーティングの形骸化
(運用のばらつき)
上司が一方的に「進捗はどう?」とHowを問うのではなく、「この業務を通じて、あなた自身はどう成長したいですか?」というWhy(目的)や「もしリソースが倍あったら何に挑戦したい?」というWhat if(前提の転換)の問いを用い、本音を引き出す。
ナレッジの分散と活用不足 会議の場で「他部署では、似たような課題を過去にどう解決したか?」という視点操作の問いを意図的に設定し、社内に眠る暗黙知を言語化させる。
部門間の分断(サイロ化) 「自部署のKPI」だけでなく、「会社全体の顧客価値にどう貢献しているか?」というイシューを一段引き上げる問いを立て、対立する部門間での共通目標(自分事化)を醸成する。
インフォーマルコミュニケーション
(雑談等)の役割の再定義
「最近どう?」という漠然とした質問を避け、「先週のプロジェクトで一番面白かった瞬間は?」など、ポジティブな感情の言語化を促すオープン・クエスチョンを活用する。

 

エンゲージメントサーベイの結果を現場にフィードバックする際も、「なぜスコアが低いのか」と犯人捜しをするのではなく、「半年後、このスコアが改善した理想のチームとは、具体的にどんな状態か?」という効果的な問いに変換することで、組織の雰囲気を好転させることが可能です。

問いに行き詰まった時の対処法

プロセスを丁寧に踏まえ、練りに練った問いを用意していったのに、実際に議論してみると全く盛り上がらなかったり、本題からずれた意見ばかりが出てきたりして困ったという経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。議論を促進する「効果的な問い」には、いつでもどこでも万能のセオリーがあるわけではありません。議論の参加者や状況、段階によって柔軟に対応する必要があります。

問いを立てるプロセスにおいて行き詰まりを感じた場合は、以下のアプローチを試みることをおすすめします。

問いの形を変えてみる

最も実践的な対応策は、問いの形を変えてみることです。例えば、以下のようなバリエーションを意図的に使い分けます。

オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョン

オープン・クエスチョンとは、「なぜこの取り組みが必要なのでしょうか」「どのような方法が考えられますか?」「〇〇に関するあなたの経験を教えてください」など、回答を限定しない質問です。たとえば「品質向上」というひとつのテーマであっても、「なぜ品質低下の問題が起こっているのでしょうか」「品質向上を図るためには何をすればよいでしょうか」など、5W1Hを入れ替えることでさまざまなパターンを作り出すことができ、多くの意見を引き出したり、議論をより具体的にしていく際に活用します。

クローズド・クエスチョンは、「『トップダウンでの管理強化』と『ボトムアップのカイゼン活動』どちらにより注力すべきだと思いますか」「このチームとしての結論は、これで決定ということで異論ありませんね?」など、イエス・ノーや選択肢で回答を限定した質問です。議論のポイントを絞り込んだり、意思決定したりする際に有効です。

ポジティブな問いとネガティブな問い

「なぜ品質管理が徹底できないのか」という問いと、「より確実な品質管理をするにはどうしたらいいか」という問いでは、引き出したい情報は同じであっても、与える印象が大きく違います。前者の問いからは、参加者は責められているような印象を受けて萎縮してしまうかもしれませんが、後者の問いであれば、より前向きに意見を出すことができるでしょう。

一方で、議論が盛り上がって楽観的なムードになっているときは、押さえておくべき視点が抜けたまま安易な結論を出してしまうリスクがあります。そんなときはあえて「なぜその案が最善だと言えるのでしょうか」など、ネガティブな問いをさしはさむことで、より慎重にさまざまな可能性に目を向けるよう促すこともできます。

プロのサービスを活用する

自社内での議論の活性化や、効果的な問いの設計に限界を感じる場合は、プロのサービスを活用することも極めて有効な手段です。

私たちソフィアでは、人と組織の課題解決に対する包括的な支援を行っています。研修やワークショップの企画・運営を支援したり、プロの講師やファシリテーターを派遣したりすることも可能ですし、組織内に研修講師やファシリテーターを育成するための支援も行っています。

効果的な問いは、社内の議論を活性化させ、多様な意見から新たなアイデアを生み出したり、社員の成長を促したりする効果があります。社員の質問力を高めたい方や、一度プロの技術を見てみたいという方はぜひご相談ください。

まとめ

グループワークで議論をする場合、問いの立て方を工夫することで議論を活性化させることができます。そのためには、過去の実績や経験にとらわれない意見を引き出せるような、本質的な問いを考えることが大切です。

本質的な問いを立てるには「解決すべき課題やテーマ」であるイシューを設定し、決めたテーマを深掘りする必要があります。テーマに対して意見が明確になるような問いを投げかけることで、議論が活発になるでしょう。また、観察・言語化・視点操作といった基礎スキルを磨き、Why-Howラダーを活用して議論の抽象度をコントロールすることで、質の高い洞察を得ることが可能になります。

問いを立てることに行き詰まったら、問いの形を変えたり、プロのサービスを利用したりすることも有効です。弊社ソフィアの調査が示す通り、リモートワーク下での関係性構築や1on1の質向上が求められる昨今、問いの立て方を理解し、組織やチームでの議論やグループワークを有益なものにしていきましょう。

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よくある質問
  • 若手社員に対して「会社の将来」について問うても意見が出ません。どうすればよいですか?
  • 参加者がテーマを「自分事」として捉えられていないことが原因です。イシューの軸は変えずに、問いの言い回しを参加者の属性に合わせて変換してください。例えば「会社の将来展望はどうあるべきか?」ではなく、「10年後、自分はどのようなワークスタイルで会社に貢献していたいか?」と問うことで、当事者意識を持った活発なアイデアが出やすくなります。

  • 1on1ミーティングで上司が問いを立てても、部下が「特にありません」と答えてしまいます。
  • 日常業務の延長で「How(進捗や課題解決の手段)」ばかりを尋ねていないか確認してください。弊社ソフィアの調査でも1on1の運用ばらつきは大きな課題として挙がっています。打開策として、「What if(もし~だったら)」を活用し、「もし今の制約が全くなかったら、どんな仕事をしてみたい?」と前提を変える問いを投げかけることで、心理的安全性が高まり本音が引き出されやすくなります。

  • 問いの立て方(質問力)は、先天的なセンスなのでしょうか?
  • いいえ、問いを立てる力は後天的にトレーニング可能なスキルです。本記事でご紹介した「観察」「言語化」「視点操作」の3つの基礎スキルを意識的に鍛えること、そして「Why-Howラダー」のようなフレームワークを日常の会議に組み込むことで、組織全体のリテラシーとして定着させることが可能です。

  • チーム内で「Why(なぜ)」を繰り返すと、相手を追い詰めている雰囲気になってしまうのですが
  • 「なぜ(Why)」は事象の深掘りには有効ですが、使い方によっては「原因追及(犯人捜し)」と受け取られかねません。その場合は、問いを「ポジティブな形」に変換してください。「なぜ失敗したのか?」を「次回、より確実に成功させるには何が必要だろうか?」という未来志向のHowやWhatの問いに置き換えることで、建設的な議論の場を保つことができます。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。