「眠っている課題解決のスイッチを押す 株式会社中外臨床研究センター 体感型オンライン研修」
- 株式会社中外臨床研究センター
- 業務部 人財育成担当
- 河村 浩一さん(写真左上)
- IMPRO KIDS TOKYO
- 我妻麻衣さん(写真右下)
インタビュー実施日:2020年11月13日
中外製薬グループにおいて、新薬臨床開発のためのスタディマネジメント、モニタリング、データマネジメント、データ解析、品質管理等の高度専門業務を担う中外臨床研究センター。新型コロナウイルスの感染防止対策としてオンラインで話す機会が増える中で、社員間のコミュニケーション不足や会議の停滞感が課題となっていました。ソフィアは2020年8月に、IMPRO KIDS TOKYOとともにインプロ(即興演劇)の手法を用いて体感的にオンラインコミュニケーションを学ぶ研修の実施を支援しました。今回のインタビューでは、出会いから研修当日の様子までをご担当者とともに振り返り、オンラインとは思えない和やかな笑い声に包まれた時間となりました。
体感型研修で社員が笑顔になる
河村さんがソフィアと出会ったのはどのようなきっかけでしたか
- 河村さん
- 最初は2016年に人事系のイベントでお会いしました。その後、当社の課題に適したご提案を何度かいただく中で、ご相談させていただくようになり、OJTの研修をお願いしたり、オフィス移転に伴うアドバイスをいただいたりしていました。今回の研修は、たまたまソフィアさんのメールマガジンでオンラインコミュニケーションに関するセミナーの案内をいただいたのがきっかけです。「面白そうだな」という軽い気持ちで参加してみたところ、内容が当社の課題にぴったりだったので、すぐに当社でも同じような内容の研修ができないかご相談しました。
御社ではどのような点に課題を感じていましたか
- 河村さん
- コロナウイルス感染拡大により在宅勤務中心の働き方となり、オンライン会議が大幅に増加する中で、どのようにオンラインでのコミュニケーションをとることが良いのか手探りとなっており、経営層からも社員からも「何とかしたい」という声を聞いていました。体感型の研修はいままで当社にはない試みで面白いと思いましたし、ソフィアさんの「オンラインコミュニケーションの課題は、もともと対面の頃から根深く残っていた課題が表出しただけだ」という考え方に共感しました。
私は研修担当として、そうした古くから残る課題も解決するチャンスを探していたので、ソフィアさんのお話を聞いて、「このやり方なら解決できるかもしれない」と自分の中でスイッチが入りました。
- 古川
- 今回の研修では、インプロ(即興演劇)の手法を使って、オンラインの場で意見が出ない、会議等が滞ってしまう原因を体感していただける設計にしました。オンラインでは対面以上に相手の反応を捉えにくく、発言することに対するハードルが無意識に高くなってしまいます。今回はそんな人間の無意識のハードルの存在に気づいてもらうワークに加えて、その解決のために意見が言いやすい場を、発言者だけでなく参加者全員でつくることに挑戦していただきました。
実際に研修を実施してみて、いかがでしたか
- 河村さん
- 手挙げ制の研修だったため、どれくらい参加者が来てくれるのか、最初は不安でした。今の状況では会社で直接声をかけるようなことができないので、案内の文面には特に気を遣いました。しかし、実際には社員の約3分の1にあたる50人程度が参加してくれ、「楽しかった」「実際にミーティングでも使ってみた」という声ももらっています。
- 我妻
- 河村さんから遠慮がちな社員の方が多いと聞いていましたが、実際にやってみるとまったくそんなことはありませんでしたよ!
- 古川
- 最初は「カメラをオンにするのが嫌だ」という方もいらっしゃいましたが、ワークを進めるうちに「普段はみんなに話してもらいたいから自分は黙っているようにしている」という上司の方に「いや、黙っていると皆も話しづらくなります」と他のメンバーからはっきりフィードバックがあるような場面も生まれていました。参加者の方の頭と心に刺さる内容になったのではと思います。
- 松本
- 本当に笑顔が多くて、見ている側も元気をもらえる研修でしたよね。
研修で終わらず学びを社内のスタンダードに
研修について、社内からの評価はいかがですか
- 河村さん
- 先日、社内の人財育成定期報告の中で、社長、部長に対してこの研修について報告した際、実際に参加していた部長から「体感できた」「明るく場を回してくれた」「検閲※の部分が勉強になった」などの感想をもらいました。経営側もそれなりに評価していると感じます。
- 我妻
- 今回はインプロ(即興演劇)の手法を使ったワークを行いましたが、演劇と聞くと身構えてしまう方も多いと思ったので、いかに一般の方が参加しやすくなるかを意識してワークを工夫しました。
- 古川
- 役者さんたちは舞台上で意図的にコミュニケーションを行っている、いわばコミュニケーションのプロなので、そういう方たちと組むと面白い研修ができると考えました。また、その場で体感するだけでなく、それぞれの職場での実践につながるよう、できるだけ持ち帰っていだけるワークや資料を用意しました。
- 河村さん
- たくさんの社員が受けてくれたので、今回学んだことがもっと社内に広がって、オンライン会議のスタンダードになるといいなと思います。
今後の展開について、どのようにお考えですか
- 河村さん
- 当社では業務上、医師の方や医療関係者とお話をする機会が多いのですが、現在ではそれも多くがオンラインに置き換わっています。今回の研修は社内のコミュニケーションがテーマでしたが、今後は対医師・医療関係者のオンラインコミュニケーションについても学びたいという要望があり、検討していきたいと思います。また、オンラインではどうしても社内の気軽な雑談や、偶発的な会話から生まれるイノベーションが起きにくいので、その部分を改善・サポートできるツールや運用も検討したいです。
- 松本
- 今年度の新入社員の方々は同僚とコミュニケーションする機会がほとんどなく、「今さら声を掛けられない」という状況になっている会社が多いです。そうした方々の横や縦のつながりを築くお手伝いもできたらいいなと思います。
- 我妻
- 今は世界中が経験したことのない事態にありますよね。私たちIMPRO KIDS TOKYOは普段子どもと関わる事業をしているからこそ、その強みを生かして少しでも働く皆さんが楽しくコミュニケーションを取れる仕組みを考えていきたいです。
最後に、今後ソフィアに期待する点があればお聞かせください
- 河村さん
- 数ある研修会社の中でも、ソフィアさんはカスタマイズが上手で、ITツールやインプロの活用など新しいことに積極的にチャレンジしていく点に特徴があると感じています。これからも何か新しい挑戦をするときに、アドバイスをいただけたら嬉しいです。
※検閲とは:自分が発する言葉を「おかしくないか」「普通ではないか」「卑猥ではないか」と考え、制限すること。
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