【2026年最新】組織の「言い出せない」原因と対策|本音で話せるチームの作り方
最終更新日:2026.06.17
目次
「言い出せない」空気はなぜ生まれるのでしょうか。職場に発生するモヤモヤや適応課題、そしてそれらと向き合うための対話の重要性については、これまでもさまざまな場面で議論されてきました。本記事では、その発展編として、対話に取り組む以前に会話のない職場になってしまう原因と、そこから生まれるモヤモヤを解消するための方法をお届けします。
組織で「言い出せない」原因
モヤモヤは「ありたい姿」と「現実」のギャップから生まれます。ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授(2022年逝去)のシーガル・バーセイドとジョージメイソン大学准教授のオリビア A. オニールは、組織のなかで醸成される文化を「認知的文化」と「情緒的文化」の二つに分けることができると述べています。
「認知的文化」は、明文化された理念やルールなど、言葉によって伝えられ共有されるものです。一方、「情緒的文化」は、言葉ではなく表情や身振り手振りを通して伝えられるものです。たとえば、チームが目指すミッションよりも「体面」や「人間関係」を重視する情緒的文化を持った組織であれば、何か気になることがあっても言い出せなくなる危険性があります。
具体的には、「いまさら、こんなこと聞いたらバカにされるかもしれない」「これを言ったら、チームワークや人間関係を壊してしまうのでは……」という不安や恐れから本音を言えなくなることがあります。また、「それを言ったら、不都合になる人が出てくるかもしれない」「このことはうやむやにして、責任の所在を曖昧にしたほうがいいのでは……」と、忖度や遠慮が生まれてしまうこともあるでしょう。
さらに、変化よりも安定を良しとする情緒的文化を持った組織では、新しい取り組みを始める際に、変化への期待よりも失敗への不安が勝って「できない理由」探しに終始してしまいがちです。こうした状態が続けば、企業としての成長は確実に阻害されます。
現代はVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれ、予測困難な未来に対して複数のシナリオを描く「シナリオプランニング」や、理想の未来から逆算する「バックキャスティング思考」を取り入れる企業が増加しています。しかし、「言い出せない」組織では、こうした前向きな議論や自由な発想を生み出す土壌が欠如しているため、環境変化に柔軟に適応する変容型の組織をつくることが極めて困難になります。
さらに、「こうしたい」「こうすべき」という自分の理想と、組織やチームから求められていることにギャップがある場合も、モヤモヤを感じるでしょう。たとえば、「時間をかけて着実に顧客の信頼を得たいのに、短期的な成果ばかりを求められてしまう」といったケースです。自分の理想か組織から求められていることのどちらかに振り切ることができればよいのですが、どっちつかずの状況にいると、モヤモヤしてしまいます。
ミッションに全くコミットしていない人には「こうしたい」「こうすべき」という理想も存在しようがないため、現状とのギャップを感じてモヤモヤすることはないでしょう。一方、ミッションに100%コミットして成果を出すためにわき目もふらず突き進んでいる人、あるいは「結果を出さないと先がない」という崖っぷちに立たされている人は、躊躇したり忖度したりする余裕はなく、やはりモヤモヤを感じることはないはずです。
つまり、「組織やチームが目指すミッションにある程度コミットしている人」が、ミッションと組織の文化や、ミッションと自分の理想との間に齟齬を感じてモヤモヤしやすいことがわかります。そして、モヤモヤするということは、あれこれ考えるだけの”余裕がある”とも言えます。この余裕を建設的な提案に向けられるかどうかが、組織運営の鍵を握っています。

言い出せない職場の特徴
では、モヤモヤしている人が多く潜む組織やチームとはどのようなものでしょうか。あなたの職場でも、次のようなことからモヤモヤを感じたことはないでしょうか。
- メンバーに相談したいことがあるが、話しかけるタイミングがつかめない
- 本当は反対したいのに、まわりに流されて賛同してしまう
- うまくいっていない現状について報告したいが、なかなか切り出せない
自分の発言によって周囲がどんな反応を示すのか、よからぬ展開になってしまうのではないかといった不安から、「今、言うのはよしておこう」「誰かが言ってくれるまで様子を見よう」などと自分に言い訳して、言いたいことを飲み込んでしまう。そして、モヤモヤを解消できないまま時が過ぎていき、モヤモヤがモヤモヤを呼ぶ”モヤっとスパイラル”に陥ってしまうのです。その結果、「あのとき、話しておけばよかった…」と後悔することになりかねません。
また、コロナ禍でテレワーク導入が進み、オンライン上でのやり取りが増えたことで、コミュニケーションの不安からモヤモヤしている方も多いのではないでしょうか。パーソル総合研究所が行った、テレワークに関する不安感や孤独感についての調査によると、テレワーカーの約40%が「非対面のやりとりは、相手の気持ちが察しにくく不安(39.5%)』、また約38%が『上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安(38.4%)』だと感じているようです。
視点を変えれば、本質的な問題はテレワークという環境にあるのではなく、オフィスで顔を合わせていた頃から存在していたコミュニケーション上の課題が顕在化したと考えることもできるでしょう。さらに、テレワークで顔を合わせる機会が減ることで、画面越しにやりとりされる言葉の微妙なニュアンスが読み取れずに不安が増す人が出てくることも想像に難くありません。
モヤモヤした人が多く潜むチームや組織には、こんな傾向がみられます。あなたの職場に当てはまるものはありますか?
- 新入りのメンバーに対して、非公式に伝えられる制約事項・留意事項が多数ある
- 事務的な連絡以外の会話をしにくい雰囲気がある
- 質問をしてはいけない雰囲気がある
- 大きな声で叱られる人を見たことがある
- 新しいことを始める際の動きがものすごく鈍い(立ち消えになることもしばしば)
これらの特徴は、組織心理学における「心理的安全性の欠如」という概念で論理的に説明することができます。心理的安全性とは、自分の考えや率直な意見を言っても、人間関係が壊れたり罰を受けたりするリスクがないと感じられる状態を指します。心理的安全性が低い職場では、主に以下の「4つの不安」が蔓延しており、これが社員の口を閉ざす原因となっています。
無知だと思われる不安:「こんな基本的なことを質問したら、能力が低いと呆れられるのではないか」と恐れ、業務上必要な確認すらためらってしまう状態です。
無能だと思われる不安:自分のミスや失敗を報告すると評価が下がることを恐れ、トラブルを隠蔽したり、上司への報告を意図的に遅らせたりしてしまいます。
邪魔をしていると思われる不安:上司や同僚が忙しそうにしていると、「今話しかけたら業務の進行を妨げてしまう」と遠慮し、相談のタイミングを逃し続けます。
ネガティブだと思われる不安:会議で反対意見や懸念点を述べると「いつも批判的でチームの和を乱す厄介な人物」と捉えられることを恐れ、不本意ながらも同調してしまいます。
表面上は波風が立たず、予定調和のまま穏やかに会議が進行しているように見えても、実は水面下で「考えること」や「問いを立てること」が放棄されているのが、言い出せない職場の最大の特徴です。こうした静かな停滞は、中長期的に組織の活力を奪い、イノベーションの芽を摘むことになります。
言い出せない組織が抱えるリスクと実態
「言い出せない」組織を放置することは、単なる「職場の雰囲気が悪い」というソフトな問題にとどまらず、企業の競争力を根底から揺るがす重大な経営リスクに直結します。ここでは、大企業が直面している構造的な課題と、インターナルコミュニケーションの現状について、データを用いて解説します。
「情報の三重苦」とサイロ化の進行
リモートワークの普及やDXの推進により、チャットツールや社内ポータルなどのデジタルツールの導入が急速に進みました。しかし、ツールの導入が必ずしも社内コミュニケーションの改善に直結しているわけではありません。弊社ソフィアの調査では、デジタルツールの乱立によってかえって情報が分断され、「情報の三重苦」と呼ばれる現象が多くの大企業で発生していることが明らかになっています。
この「情報の三重苦」は、現場の業務効率を著しく低下させています。弊社ソフィアの調査「フル_IC実態調査2024_材料」および「フル_IC実態調査2025」では、以下のような具体的な事象が確認されています。
- ない(共有されない):業務や戦略に関連する重要な情報や、他部署の成功事例などの暗黙知が、そもそも発信・共有されていない状態です。
- ・遅い(タイムラグ):経営層の意思決定や重要な通達が現場の末端に届くまでに多大な時間がかかり、アクションを起こす最適なタイミングを逸してしまいます。
- ・見つからない(検索難):情報がイントラネットや複数ツールのどこかにあるはずだが、整理されておらず検索性が低いため、必要な時にすぐに見つけられません。
さらに深刻なのが、部門間の断絶です。弊社ソフィアの調査では、社内コミュニケーションにおいて最も課題を感じる対象として「部門間(58%)」が最多となり、横のつながりが分断される「サイロ化」が深刻なボトルネックになっていることが示されています。次いで「部門内の上司と部下(51%)」となっており、縦横両方のコミュニケーションに支障をきたしています。現場での小さな異変や有益な知識が部門を超えて共有されないため、業務の属人化や連携ミスによるトラブルが多発する温床となっています。

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経営戦略への共感が「わずか1割」という実態
「言い出せない」という受動的な姿勢は、会社に対するエンゲージメントや戦略への共感度にも直結します。弊社ソフィアの調査では、自社の経営目標や戦略に心から「共感している」と回答した社員は、わずか1割程度にとどまるという衝撃的な実態が明らかになりました。
経営層がどれほど高尚なパーパスやSDGsへの取り組みを掲げても、現場の社員にとっては「頭では理解しているが、日々の業務に追われてそれどころではない」という温度差が存在します。トップダウンで降りてくる情報をただ受け止めるだけの「言い出せない」環境では、戦略が自分事化されず、「やらされ仕事」として処理されてしまいます。その結果、組織全体の推進力(ベロシティ)が著しく低下し、変革が遅れる要因となります。
「1on1のパラドックス」とマネジメントの機能不全
こうしたコミュニケーション不全を解消するために、多くの企業が「1on1ミーティング」を導入し、上司と部下の対話機会を増やそうと試みています。しかし、ここでも深刻な矛盾が生じています。弊社ソフィアの調査では、社内コミュニケーション促進の取り組みとして「1on1」が実施率の上位に挙げられている一方で、「効果を感じない施策」としても「1on1」がトップクラスに挙げられるという「1on1のパラドックス」が確認されています。
このパラドックスの原因は、制度という「形」だけが先行し、そこで行われる対話の質が伴っていないことにあります。本来、部下の想いや悩みを引き出し、キャリアを支援すべき場が、単なる「業務進捗の管理」や「問い詰め」の場と化しているケースが少なくありません。結果として、部下はさらに本音を「言い出せない」状態へと追い込まれ、上司との心理的距離を一層広げてしまっているのです。
組織で言い出せない状況を改善する個人レベルの対策
もしあなたが、組織やチームのなかでモヤモヤしているのであれば、次のことを実践されることをおすすめします。あなた個人のモヤモヤが緩和されるだけでなく、「情緒的文化」をあぶり出したり、組織のコミュニケーションのあり方を変えることにもつながるかもしれません。
1. セルフリフレクションの実践
自分のなかにある「こうすべき」という想いと、組織やチームから求められていることを整理して、俯瞰して眺めてみましょう。それとともに、感じるモヤモヤの根っこにあるのが「不安」なのか「不満」なのかを掘り下げ、自分の感情とじっくり向き合ってみる。これが最初の一歩です。
セルフリフレクションを通じて、自分が抱えている感情が単なる業務上の不満なのか、それとも自身のキャリア観と組織の方向性のズレによる不安なのかを言語化してみましょう。感情を客観視することで、感情的な反発を抑え、次に取るべき建設的なコミュニケーションの形が見えてくるはずです。
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2. 本音で対話する機会の創出
自分の理想にも求められている方向にも振り切ることができず、どっちつかずの状況のなかでモヤモヤしていることを、組織やチームのメンバーに話してみることをおすすめします。もしかしたら、ほかのメンバーも違う理由でモヤモヤしているかもしれません。
互いの考えに耳を傾け、対話しながら解決策を見いだすことで、本音で語り合える組織やチームをつくることができるのではないでしょうか。
この対話の際、組織心理学における「コンフリクト・マネジメント」の視点を持つことが有効です。業務の進め方や意見の相違といった「タスク・コンフリクト」は、組織の成長にとって必要なものです。しかし、それを放置したり感情的にぶつけたりすると、人間関係の対立である「リレーションシップ・コンフリクト」に発展してしまいます。意見の違いを人格の否定と捉えず、純粋に業務上の改善点として対話するスキルが求められます。
3. 第三者の意見を聞く
自分の理想にも求められている方向にも振り切ることができず、どっちつかずの状況のなかでモヤモヤしていることを、そのチームや組織から離れたところにいる社内の人などに話して、客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
直属の上司や同じチームのメンバーには言い出せないことでも、他部署の先輩やメンター、あるいは人事部門の担当者であれば、冷静に状況を分析してくれる可能性があります。第三者の視点を入れることで、自分自身が陥っていた思い込みに気づき、状況を打開するための新たなアプローチを発見することができます。
心理的安全性とアサーティブコミュニケーションの高め方
個人レベルの対策だけでなく、組織全体として「言い出せない」文化を払拭するためには、多様な価値観が尊重される風土づくりが必要です。その鍵となるのが、「心理的安全性」の確保と「アサーティブコミュニケーション」の組織的な実践です。人事部門や研修担当者は、これらを全社的なスキルとして定着させる役割を担っています。
心理的安全性と多様な意見を歓迎する仕組みづくり
心理的安全性の構築は、現場の努力だけでなく、全体のマネジメント手法を見直すことから始まります。リーダーや管理職は「自分の意見が常に正しいわけではない」という姿勢を示し、失敗を恥ずかしいものではないと公言することが求められます。トップダウンで指示を下すだけでなく、ボトムアップの意見を積極的に吸い上げる体制が必要です。
会議の場においても、「違う意見を歓迎する」と言葉で伝えるだけでは不十分です。あらかじめ「最初に懸念点を出し合う時間」を仕組みとして組み込んだり、「探究する姿勢で相手の話を聴く」という会議ルールを導入したりすることが効果的でしょう。これにより、「意見を言うと仕事を押し付けられる」「言ってもどうせ変わらない」といった学習性無力感を払拭し、イノベーションの創出に向けた学習能力を組織全体に根付かせることができます。
アサーティブコミュニケーションの体得
心理的安全性という「土壌」を整えた上で、社員一人ひとりが身につけるべきスキルが「アサーティブコミュニケーション」です。日本企業の多くは、ハイコンテクストな文化(阿吽の呼吸)に依存しがちであり、論理的かつ適切に意見を表明することが文化的に苦手な傾向にあります。人事研修を通じて、このスキルを体系的に学ぶ機会を提供することが重要です。
コミュニケーションのスタイルは、大きく分けて以下の3つのタイプに分類されます。組織内では、アサーティブな対話手法を共通言語として定着させる必要があります。
ノン・アサーティブ(非主張的):自分の意見や感情を押し殺し、相手に合わせてしまう状態。不満が内に溜まり、主体性の低下や突然の離職(びっくり退職)につながる危険性があります。
アグレッシブ(攻撃的):自分の意見ばかりを主張し、相手の気持ちを軽視する状態。周囲に威圧感を与え、職場の心理的安全性を破壊する要因となります。
アサーティブ(自他尊重):自分の意見や感情を大切にすると同時に、相手の立場も尊重する状態。誠実かつ率直に、対等な立場で意見を伝えることで、建設的な議論を生み出します。
アサーティブなコミュニケーションを実践するためには、「私はこう考えますが、あなたはどう思いますか?」と、「私(I)」を主語にしたIメッセージで伝えることが有効です。人事・研修担当者は、階層別研修などにアサーティブコミュニケーションのロールプレイングを組み込むことで、誰もが「言いたいことを、関係を壊さずに伝えられる」組織を目指すべきでしょう。
経営層や管理職が取り組むべきマネジメント施策
個人のマインドセットやスキルを向上させるだけでは、現代の複雑な組織課題を完全に解決することはできません。大企業においては、双方向性を担保し、行動変容を継続的に促進するための「制度設計」が不可欠です。弊社ソフィアでは、コミュニケーションの断絶を修復し、戦略への共感を高めるためのアプローチとして「対話・教育・ツール」の三本柱を提唱しています。
対話:バックキャスティング思考を取り入れた場の創出
第一の柱は、意図的な「対話の場」の創出です。日常業務の枠組みを超え、タウンホールミーティングや部門横断のワークショップを通じて、経営層と現場、あるいは部門間でフラットに意見を交わす機会を設計します。
ここでは、競合先進企業も取り入れている「バックキャスティング思考」や「シナリオプランニング」の手法を活用することが有効です。予測困難な未来に対して、現状の延長線上で考えるのではなく、「ありたい理想の未来」から逆算して今なすべきことを議論します。こうした未来志向のワークショップは、正解のない問いに向き合うため、役職に関係なく自由な発想や前向きな議論を引き出しやすくなります。結果として、組織内に「自分の意見を発信してもよいのだ」という成功体験が蓄積されていきます。
教育:管理職のアップデートとEI開発
第二の柱は、「教育」による管理職のアップデートです。弊社ソフィアの調査で明らかになった「1on1のパラドックス」を解消するためには、管理職に対する継続的な支援が欠かせません。プレイングマネージャーとして日々疲弊している管理職に対し、単なる精神論で「もっと部下と対話しろ」と迫るのは酷です。
必要なのは、具体的なスキル教育です。部下の本音を引き出すための「傾聴」や、納得感を与える「フィードバック」の手法を体系的に学ばせる必要があります。また、相手の感情を理解し、適切に働きかけるためのEI(感情的知性:Emotional Intelligence)開発を取り入れることで、1on1を「管理の場」から本来の「成長支援の場」へと転換させることができます。さらに、これらの対話活動が正当に評価されるよう、人事評価制度の見直しも並行して進めるべきでしょう。
ツール:デジタルワークプレイスによる双方向性の確保
第三の柱は、「ツール」を活用した双方向性の確保です。リモートワーク下での「情報の三重苦」を解消するためには、社内報やイントラネットを単なる「情報を置く場所(掲示板)」から、「交流する場所」へと進化させる必要があります。
具体的な施策としては、社内ポータルにコメント機能や「いいね」ボタンを実装し、経営層の発信に対する現場のリアクションを可視化することが挙げられます。また、パルスサーベイ(高頻度で実施する短いアンケート)を導入し、リアルタイムで社員のエンゲージメントや心理状態を定点観測する仕組みも有効です。こうしたデジタルワークプレイスの構築により、情報の血流を改善し、組織全体のベロシティ(推進速度)を高めることができます。
まとめ
ここまで見てきたように、モヤモヤする原因は組織文化などの環境要因にも、自分自身のコミュニケーションスタイルにもあると言えます。さらに、無意識のうちにあなた自身がアグレッシブな態度をとり、誰かのモヤモヤを生んでいる可能性すらあります。
要するに、組織やチームのリーダーだけでなく、そこにいるメンバー一人ひとりがそれぞれの考えを認め合い、納得感をもって業務に取り組める環境をつくろうと努力する必要があるのではないでしょうか。それが、モヤモヤする人がいない、”爽やかな”チームをつくる近道なのかもしれません。
現代の企業経営において、インターナルコミュニケーションへの投資は決してコストではなく、企業の競争力や変化適応力を左右する重要な「人的資本への投資」です。弊社ソフィアの実態調査が示すように、現場のモヤモヤや「言い出せない」空気を放置すれば、離職率の高まりやコンプライアンス違反の温床となり得ます。人事部門や研修担当者の皆様は、今回ご紹介した「対話・教育・ツール」の三本柱を軸に、個人のマインドセットだけでなく、組織のシステムそのものを変革する一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。






