目的で選ぶ、ナレッジマネジメントにおすすめのツール4選

#業務プロセス改善#ICTシステム活用支援#コミュニケーション#ビジネススキル

26.Oct.2020

ナレッジマネジメントは、企業において社員が持つ知識や技術、ノウハウなどを社内で共有し、企業の資産にしながら経営へ生かすマネジメント手法です。
社員が持つ個々の知識や技術、ノウハウを一ヶ所にまとめて管理するとなると、膨大な量の情報になります。ナレッジマネジメントにおいては、この情報に社員がアクセスしやすい環境を構築する必要があり、そのために「ナレッジマネジメントツール」が存在します。ナレッジマネジメントにおいては、このツール選定と運用までも視野に入れて取り組むことが求められます。
昨今のナレッジマネジメントツールは、「資料や情報をいかに整理して必要なときにすぐ取り出せるようにするか」が選定のポイントとしてフォーカスされています。ツールの機能を含んだ全体の仕組み・運用・用途が重要となるのです。今回の記事では、ナレッジマネジメントに適したツールを4つ紹介します。

ナレッジマネジメントツールの種類

はじめに、ナレッジマネジメントツールの種類について、「情報へのアクセスの方法」の観点から大きく4つに分類して解説します。

・ドキュメント管理型

ドキュメント管理ツールの機能をナレッジマネジメントに応用させたものです。ドキュメント管理型のナレッジマネジメントツールは、情報をマニュアルなどの文書で管理し共有する際に有用です。ファイルの保管や共有といった基本的な機能に加えて、オンラインでの共同編集や編集時に変更履歴が残る機能を持ったものもあります。

・グループウェア型

グループウェア型のナレッジマネジメントツールはドキュメント管理型のツールよりも管理機能が豊富で、会社のさまざまな情報を一元管理できます。ドキュメント管理機能に加えて、ワークフロー機能、レポート共有機能(議事録やメモを関係者内に共有できます)、タスク管理機能などを備えており、業務全体の業務効率化を主軸に置いていることがポイントです。

・ヘルプデスク(Q&A)型

BtoCのWebサイトに設置されている「よくある質問」をベースに設計したナレッジマネジメントツールです。情報を一問一答式で引き出すことができ、カテゴリ分類やワード検索もできる特徴があります。マニュアルとは異なり「逆引き辞典」のように利用されます。情報の粒度が細かく、必要なときに必要な部分だけ参照したいという場合に重宝されるでしょう。

・検索特化型

検索特化型は、散在したデータやファイルをさまざまな方法で検索し抽出するという、強力な検索機能をもって情報を集約するナレッジマネジメントツールです。こうしたツールでは検索対象がファイル名に限らず、本文やファイルに加えたコメント、添付ファイルの中身までも検索が可能です。またこうしたツールはワークスペースを内包していることも多く、そこでの情報一元化もできるようになります。

ナレッジマネジメントツールの選定ポイント

ナレッジマネジメントツールを選ぶ際には、種類に加えて機能面でのポイントも押さえておきましょう。

・誰でも操作できるか

こうしたツールはマニュアルを読み込まなくても直感的に使えるインターフェイスになっていることが重要です。あるいは、初回起動時にチュートリアルを設けているかどうかもポイントとなります。
ナレッジマネジメントは部門単位だけではなく最終的には全社で実施すべき取り組みですが、こうしたITツールへのリテラシーにはどうしてもばらつきが生まれてしまいます。そのため、ある部門では使いこなせても別の部門ではまったく手に負えないということも珍しくありません。
極力、説明がなくてもすぐに始められるシンプルなインターフェイスのものを選びましょう。

・マルチデバイス対応か

昨今はテレワーク化が進んでいることもあり、オフィス外でスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末から業務情報にアクセスすることも多くなってきました。こうした背景から、パソコンだけでなくすべての端末で、閲覧・編集できるツールが望ましいでしょう。自社でまだテレワークが導入されていないとしても、長い目で見て考えるといざというときにツールを移行するのは手間でもありますしコストもかかりますので最初からマルチデバイス対応のものを選ぶことをおすすめします。

・セキュリティは万全か

上記に関連して、社外からのアクセスなども踏まえて情報漏えい防止の仕組みが万全かどうかも重要なポイントです。例えば、ログイン時に二段階認証を求めたり、端末紛失時に該当端末からのアクセスロックをかけたり、特定のネットワークを経由しないと接続できないなどの仕組みがあると安心です。ツールの種類によってセキュリティに関する仕組みが異なるので、事前に確認しておきましょう。

・費用対効果が見込めるか

多くのナレッジマネジメントツールは、人数に応じてかかる費用が異なる場合が多いので、自社の規模と選んだツールがマッチしているかどうかも重要な選定のポイントです。また、導入しても入力に時間がかかるなどの理由で使われなかったりしては意味がありませんので、無料のトライアルなどを活用して、導入前に費用対効果を測定することも大事です。

ナレッジマネジメントツールの紹介

集約した情報をどのように取り出したいかによって、ツールの選び方も変わってきます。ここではパッケージ化され販売されている製品を情報の管理手法ごとに紹介します。

ドキュメント管理型

プロジェクトなど、グループで作業する際に情報をメンバー間で活用したいという場合に最適なツールです。

・SharePoint

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/sharepoint/collaboration

Microsoft SharePointは、マイクロソフト社が提供する、ファイルやドキュメント管理ツールです。WordやExcel、PowerPointなどのOfficeアプリケーションと親和性があるほか、社内SNSであるYammer、オンライン会議ツールのTeams、メールソフトOutlookなど、同社の豊富なソフトウェアと連携します。
SharePointはOfficeと組み合わせてドキュメントの管理・検索・共同編集ができ、OneDriveでクラウド上に保存し…と、オンラインの一ヶ所にすべての情報を集約できるデジタルワークプレイスとしての側面も持っています。大規模なプロジェクトにも耐えうる強力なツールです。

グループウェア型

会社の情報を一元管理するなら、GaroonやQiita Teamなどが最適です。

・Garoon(ガルーン)

https://garoon.cybozu.co.jp

社員の勤怠管理からタスク管理まで行える「サイボウズoffice」などを手がけるサイボウズ株式会社のツールです。Garronはドキュメント管理だけでなく、ワークフローをはじめ業務効率化を目的としたさまざまな機能が備わっています。

・Qiita:Team

https://teams.qiita.com
Qiita:Teamは、プログラマ向けサービス「Qiita」を運営するIncrements株式会社が開発した、クラウド上で全員が共有できるメモ帳のようなツールです。直感的に操作できるため迷うことがなく、議事録やマニュアル、社内ポータルなど、すべての文字情報を一元化できるという特徴があります。そしてこちらも効率性と生産性を目的として開発されたグループウェアです。。

ヘルプデスク型

社内Q&Aツールを導入して、「質問する・される手間」を省くこともナレッジマネジメントの観点では効果的でしょう。

・Qast

https://qast.jp
Qastは社内Q&Aを簡単に作成できるツールです。テキストだけでなくOfficeドキュメントの添付の可能なため、情報を集約する場所として活躍します。またキーワード検索機能を活用すれば先述の「逆引き」が実現するため、Q&Aを細かくブレイクダウンしても、瞬時に必要な情報へアクセスできます。

検索特化型

強力な検索機能で、必要な情報をすぐに引き出したいのであればこの型を推奨します。

・flouu

https://flouu.work
flouuは社内に散らばるさまざまな情報を検索機能によって集約するオールインワンツールです。Officeを含めさまざまなドキュメントを、flouuを通じて共同編集できるほか、slackやChatworkと連携できるチャットサービスも統合しており、これらを横断的に検索できる機能でまとめあげています。

ツールの導入には社内コミュニケーションが必要

せっかくナレッジマネジメントツールを導入しても、ツール単体でナレッジマネジメントが実現するわけではありません。ツールを使用する上での難しさや、注意すべきポイントがあります。

SECIモデルを導入する難しさ

ナレッジマネジメントのフレームワークとして「SECIモデル」というものがあります。個人の持つ感覚的な「暗黙知」を言語化し具現化することで「形式知」へと変換し、形式知同士を組み合わせて新たな形式知を生み、形式知は個人の中で深化した暗黙知へ還元する、これらのサイクルを通して人材のレベルアップや企業の資産価値向上を図るものです。
ナレッジマネジメントツールはこのSECIモデルを支援するものではありますが、ツールを導入したからといって形式知が勝手に生み出されるということはなく、ツールを含めてSECIモデルの循環を推進するための社内コミュニケーションが必要です。
こうしたツールを導入することは、既存の社内コミュニケーションのあり方を大きく変えることにもつながります。これまでの口頭伝承の機会が失われたり、一時的に不便さを感じられたりすることから、現場からの不満が上がりやすいところでもあります。決して現場を置き去りにすることなく全社を挙げて取り組みを推進していきましょう。

導入の目的を明確にし納得してもらうこと

こうしたツールをトップダウンで導入することによってしばしば起こる問題が、「意図が現場に伝わらない」「現場で浸透しない」というものです。これは、上からすると「わかって当然だ」という意識があり、下からは「なんのために導入するのか」「十分な説明がなく納得がいかない」という感覚のすれ違いによって生じます。しかもナレッジマネジメントツールは先述のとおり一時的な不便さを招くことから、社内の雰囲気や上下関係を悪くしかねません。
ツールを導入する際は「どんな目的・意図で導入するのか」「現場にはどんなメリットがあり、どんな課題を解決するのか」「どうやって使えばよく、どんな場面で活用することが適切か」といった説明を行い、現場の納得と共通認識を持った上で開始しましょう。また、使用後のフィードバックにも耳を傾けてチューニングを行うことで、利用離れ防止につなげることもできます。

まとめ

一口にナレッジマネジメントツールといっても性質は大きく異なるため、情報の取り出し方や用途など、さまざまな視点から自社に最適なツールを比較して選ぶことが重要です。また最後に述べたとおり、ツールを導入することでめでたくナレッジマネジメントが完了するということはなく、むしろそこからが本番であるといえます。もし、社内のナレッジ共有がうまくいっていないとお困りのようでしたら、ぜひご相談ください。

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