社内コミュニケーションを活性化させるには?方法と事例をご紹介

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14.May.2020

社内コミュニケーションを活性化させることは、企業がビジネスを円滑に進めていくうえでとても重要な取り組みです。

社内コミュニケーションとは、「社員同士がお互いのスキルなどを共有し、タテとヨコの関係性を深めることによって、企業の利益に貢献するためのあらゆる取り組み」のことを指します。

しかし企業活動を考えるときには、つい取引先など外部とのコミュニケーションにばかり目を向けがちで、社内コミュニケーションに力を入れている企業は残念ながらまだ多くはありません。

社内コミュニケーションの活性化には、きっかけづくりが重要です。
きっかけ作りに効果的な社内コミュニケーション方法をご紹介します。

社内コミュニケーション活性化のメリット

社内コミュニケーションを活性化させることで、企業にどんなメリットをもたらすのかを具体的に見てみましょう。

社内コミュニケーションがもたらす効果

社内コミュニケーションを活性化させることで考えられるメリットは、おもに以下の6つが考えられます。

  • 社員エンゲージメントの向上
  • 業務生産性の向上
  • イノベーションの創出
  • 企業文化の変革
  • 情報共有の活性化(社内コミュニケーションコストの軽減)
  • 企業ブランドの向上と企業リスクの低下

それぞれを詳しくご説明していきます。

・社員エンゲージメントの向上

「社員エンゲージメント」というのは、働いている企業に対して社員がどれだけの信頼を寄せ、貢献したいと考えているのかといった「愛着」を表す言葉です。

社内コミュニケーションを活性化させることで社員同士の結びつきが強くなると、社員エンゲージメントが向上し、社員は企業に対する帰属意識が強くなります。

帰属意識が高まることで、社員は自ら進んで所属している部署、ひいては企業に貢献したいと考えるような、企業へのロイヤルティ(=忠誠心)が高い人材になるのです。

当たり前のことのようですが、昨今の日本企業では大きな問題になっているにも関わらず、対処ができている企業は多くはないのではないしょうか?

参考記事:
社内広報担当者が組織を変える日 ~「時間がない!」「評価されない!」を昔話にするために~  

・業務生産性の向上

社内コミュニケーションを活性化させ、社員同士のコミュニケーションが活発になり帰属意識が高まると、個々の社員のやる気を引き出すことに効果があり生産性が向上します。

また社内のコミュニケーションが活性化されると、タテとヨコの風通しがよくなるため、お互い率直に意見が出し合えるようになり、安心して業務に取り組めるようになることから自然とミスが減るともいわれています。

もしミスやトラブルが発生したときでも、お互いカバーし合って乗り越えていく雰囲気が生まれるのもメリットです。

一方で雇用形態の多様化や業務分業化が進む中で、社員同士のコミュニケーションは、取りづらい状況になりつつあることも事実です。

参考記事:
コミュニケーション不全が組織を蝕む~うちの会社は大丈夫?~  

・イノベーションの創出

社内コミュイケーションはイノベーションの創出にも一役買います。

社内コミュニケーションが活発ではない企業では、会議などでも上司や周りに気を遣い、自由な発言ができないことが多々あります。

しかし社内コミュニケーションが活性化されると、自由に意見を出し合う雰囲気が生まれ、前向きで活発な意見の交換ができるようになるのがポイントです。心理的な安全性のある社内では、自由な発想のなかから、企業にとって価値のある新しいアイデアや技術の創造が期待されます。

参考記事:
若手社員が積極的にアイデアを出せる組織とは?~正解のない問いと心理的安全性~  

・企業文化の変革

企業文化というのは、企業と社員が共有している「価値観」や「行動様式」のことをいいます。企業の歴史のなかで自然と育ってくる「企業風土」とは異なり、「企業文化」は一般的に、経営理念・戦略などを通して企業が明確な意図をもって創り出すものです。

社内コミュニケーションが活性化すると、企業文化が社員へ浸透するスピードや深度が増し、変革を促進します。統一した価値観や行動様式がしっかりと共有されていれば、現場で何かを判断するときなどにも迷いが生じません。一体感が生まれ、企業がひとつの強いチームとなるのです。

一方で、「企業風土」としてコミュニケーションそのものが停滞してしまっている企業からは、スピーディなコミュニケーションスタイルを「企業文化」として根付かせたいという要望も増えてきています。

参考記事:
組織が内側から変わり、継続的な成長へ動き出す ~「組織変革」成功のポイントとは~  

・情報共有の活性化(社内コミュニケーションコストの軽減)

社内コミュニケーションが活性化すると、情報の共有もスムーズに行われるようになり、コミュニケーションコスト、つまり意思疎通にかかる時間や心理的な抵抗を軽減できることもメリットです。

一般的に日々の業務はひとりで行うものではなく、グループや部署全体などの組織で行うもので、それがさらに他の部署と連携することで進んでいきます。しかし社内コミュニケーションがうまくいっていない場合には、意思疎通や認識の共有に時間がかかります。

社内コミュニケーションを活性化することで、各社員の社内エンゲージメントが高まり、企業文化が醸成される結果的、社員が同じ方向を向いて進むため、意思の疎通がスムーズになるのです。

しかし、「部門の壁」「サイロ化」などを組織の課題として抱える企業は依然として多いのが実態です。例えば、部長同士が仲が悪いために、部長同士で話をすればすぐに解決するようなことを、その下の課長同士がひたすら会議で議論している。あなたの会社でもそんな場面を見たことがありませんか?

参考記事:
企業の業績は、インターナルコミュニケーションで向上するか?  【世界のInternal Communicationから~Vol2. 目的編~】

・企業ブランドの向上と企業リスクの低下

社内コミュニケーションが活性化すれば、社員は会社の居心地がよくなり満足度が上がります。

社員の満足度向上は社員の定着率につながり、離職が減ることで社員が安定します。揺るぎない人材基盤は企業の経営安定に不可欠であることを考えると、離職が減り定着率が上がることは、社内コミュニケーション活性化のもっとも大きなメリットといえるでしょう。

ほかにも企業文化が醸成されて社員の意識が統一されることにより顧客対応などに対する一貫性がでる、またロイヤルティが向上することにより、自らが所属組織を守ろうという意識が芽生えます。従って情報漏洩などのコンプライアンス違反が抑制されるなど、さまざまな企業リスクの低下が見込めるのも社内コミュニケーション活性化のメリットです。

参考記事:
「社員アンケートって本音で回答してる?」組織のお悩みぶっちゃけ劇場 vol.3  

社内コミュニケーションを活性化させるには、きっかけづくりが重要

社内コミュニケーションにはさまざまな方法がありますが、どの方法を選ぶのか自体は実はそれほど重要ではありません。

社内コミュニケーション活性化の取り組みを行うときにもっとも重要なことは、企業はコミュニケーションのきっかけを創ることと、コミュニケーションを取りやすい環境をしっかりと整えることです。

そして結果を出すためには、短期で瞬発的な効果のある取り組みと、長期的に効果がでる取り組みを組み合わせた社内コミュニケーションの活性化を進め、社員エンゲージメントの向上や、企業文化をじっくりと育てていくようにしましょう。

社内コミュニケーションの取り組み方法

それではここからは、社内コミュニケーションを活性化させる取り組みを、具体的にご紹介していきます。

・社内イベント

社内イベントは、社員が業務以外の目的で集まりコミュニケーションを取る取り組みで、たとえば社内旅行や花見などの季節イベント、あるいは社内ボウリング大会などの単発イベントなどが考えられます。

社員同士が業務とは離れた場所で交流することで、普段とは違ったお互いの一面を知る、あるいは普段はあまり交流のない部署の人と知り合うなどのきっかけになるのがメリットです。

参考記事:
社内コミュニケーションを活性化させるイベントとは?成功事例に学ぶポイント

・社内報

社内報は、社外向けのオフィシャルな情報だけではない、社内の出来事や取り組みなどを、企業と社員が共有するために発信される情報です。

冊子や社内新聞を配る、あるいは社員食堂や休憩室などに社内報を貼りだすなどの方法が考えられます。また近年ではこうした紙媒体だけでなく、社員だけが閲覧できるイントラネット内のページや、メルマガなどの電子媒体が主流になってきています。

大企業などでは社員同士の面識があまりなかったり、他部署がどんなプロジェクトに取り組んでいるのかが分からなかったりするでしょう。そういった情報を社内報で共有することで、企業でなにが起こっているのかの情報を社員全体で共有し、帰属意識を高められるメリットがあります。

参考記事:
会社と社員を元気にする 「社内報」は企業のビタミン!?

・社内部活動

社内で同じ趣味などを持った社員が、業務時間以外でその趣味に関する活動をする社内部活動も、社内コミュニケーション活性化に役立ちます。

部活動の内容は、囲碁や将棋などの文化系からテニスや野球などのスポーツ系までさまざまです。社外で活動するという点では、社内イベントにも似ていますが、共通の趣味を持った社員が定期的に、かつ継続して集まることで、より長く深い交流ができることがポイントです。

また部署や職種が違う社員同士が顔を合わせることにより、新たなアイデアやプロジェクトにつながる可能性があることも大きなメリットといえるでしょう。

・社員食堂

社員食堂は、今も昔も変わらない社員のコミュニケーションの場として人気です。会社のなかに食堂の形で設けられていることもあれば、最近では簡易なカフェスタイルを取り入れる企業も増えています。

おいしい食事を食べていると自然と会話がはずむため、コミュニケーションに役立ちます。またおいしい食事を提供すると社員満足度が上がることも、社員食堂を会社に取り入れるメリットのひとつでしょう。

・フリーアドレス制度

社員の席を固定せず、仕事の内容や状況に応じて社内の空いている席や、用意されたオープンスペースで業務を行うことをフリーアドレス制度といいます。

一般の企業では、部署ごとに上長のデスクが部下に対面する形で配置されることが多いですが、フリーアドレスを採用することで、上下関係や部署間の障壁が取り除かれ、コミュニケーションが活発化するのが特徴です。

また部署間をまたいだプロジェクトに取り組みやすく、コミュニケーションコストを下げられるのも、フリーアドレス制度のメリットといえるでしょう。

参考記事:
フリーアドレスを、社員21人の小さな会社でやってみた。 〈企画・実践編〉  

・サンクスカード

サンクスカードは、社員同士が感謝の気持ちをカードに記し、相手に渡すコミュニケーションツールです。自由書式にするとなかなか浸透しないため、名前と感謝する内容を、「○○してくれてありがとう」とひと言記入すればよいだけの、定型カードを用意するのがサンクスカードの取り組みを成功させるポイントです。

お互いに感謝の気持ちを伝え、また伝えられることでコミュニケーションが深まるだけでなく、「社内で役に立っている」喜びを感じて社員の帰属意識が強くなる効果があります。

・社内通貨制度

社内だけで通用するポイントなどを利用した社内通貨制度も、社内コミュニケーションを活性化させる取り組みとして有効に活用できます。

たとえば先ほどご紹介したサンクスカードと併せてポイントを付与し、ポイントに応じて食事券や商品と交換する制度などを導入すると、さらに活発なコミュニケーションが期待できるでしょう。

またこうした社内通貨制度を導入することで、社員のモチベーションが上がり、同時に社員満足度も向上できることがメリットです。

・社内SNS/社内コラボレーションツール

TeamsやChatwork、Slackなどの、社内SNSツールを取り入れるのも、社内コミュニケーション活性化の取り組みとして有効です。

これまで社内での連絡というと電子メールが主流でしたが、電子メールは件名を入れ、宛名やあいさつから始めて形式を整えるなど、本来の「要件を伝える」以外の部分で時間がかかってしまいます。特に普段からLINEなどのSNSツールに慣れた若者には、電子メールは面倒なことから敬遠されがちです。

会社でもSNS形式のコミュニケーションツールを使うことで、必要なことだけを端的に伝えられるようになり、コミュニケーションコストの削減につながります。また1対1になりがちのメールとは違い、グループで気軽に意見を出し合えるようになるのも社内SNSツールを使用するメリットです。

参考記事:
「Share Point Online」「Yammer」などMicrosoft 365(旧 Office365)から始める社内コミュニケーション活性化

・1on1

1on1とは、上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングのことです。1on1では一般的に、仕事で困っていること、あるいはうまくいっていることを部下が上司に報告することで内省し、上司はそれに対するフィードバックを行います。

1on1を行うことで、部下の成長を促し、また1対1で向き合うことで上司と部下の信頼関係が深まることが大きなメリットです。定期的に話を聞くことにより、トラブルの芽を小さなうちに摘み取る効果も期待できるでしょう。

・社員研修・ワークショップ

人事や人財開発部が主催する集合研修やワークショップです。企業の事業戦略や人事制度から、社員の能力開発の要件を決めて、社外の講師を招聘するような一般的な社員研修から、イベント的に実施されるワークショップまで、さまざまな種類があります。目的は、新たなスキル・知識の習得や、キャリアアップに向けた気付きの機会として設定されることも多いですが、社員同士の関係性向上にも大きく寄与しています。

参考記事:
研修は、経営から社員へのメッセージ  

社内コミュニケーションの取り組み企業事例

最後に、社内コミュニケーションの取り組みをしている企業事例をご紹介します。

株式会社VOYAGE GROUP

株式会社VOYAGE GROUPでは、会社の規模が大きくなって社員の人数が増えたことから、社内で熱く議論できる場、コミュニケーションが生まれる場として社内バー「Ajito」をオープンしました。社員が思わず利用したくなるように内装にもこだわり、定時の18時30分以降には無料でお酒が楽しめるようにしています。

社内バー「Ajito」は、今では終業後の社員が気軽に立ち寄ってお酒を楽しむ以外にも、会議や勉強会を開くなど、社内コミュニケーションの場としてもさまざまな活用がされているそうです。

セレンディピティ、日本語にすると「偶然のひらめき」を大切にしているVOYAGE GROUPにとって、「Ajito」はまさしく偶然のひらめきを自然に引き出す大切な場所となっているのです。

株式会社西武ホールディングス

株式会社西武ホールディングスは、グループビジョンのなかで「でかける人を、ほほえむ人へ」をスローガンに掲げ、さまざまな事業を展開しています。

そんな西武グループでは、グループビジョンに基づいて優れた取り組みを表彰する「チームほほえみ賞・大賞」や、グループのこれからの課題や施策を社員が自ら検討して、経営層にプレゼンを行う「ほほえみFactory」など、さまざまな取り組みをしています。

またグループビジョンを浸透させるために、年に一度職場内でグループビジョンについて考える機会を与える「グループビジョン推進月間」の開催や、職場の風通しをよくするためのサポートツール「Good Jobカード」の採用なども行ってきました。

こうした取り組みを通して社内のコミュニケーションを活性化させることで、社員同士や部署間の信頼関係を築くことに成功しています。

参考記事:
働く人のいきいきとした笑顔のために PRアワードグランプリ2018受賞レポート  

まとめ

社内コミュニケーションを活性化させることは、業務を効率化し、社員のエンゲージメントを高めるなど、企業が事業を行っていくうえで大きなメリットがあります。

企業の規模やオフィスの形態、社員の人数などによって、社内コミュニケーションを活性化させるためにできることは異なりますが、導入目的を明確にしたうえで、企業にあった取り組みやツールを選ぶことがポイントです。

また導入したあとにはきちんと効果を測定し、改善を進めていくようにしてください。

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