社内コミュニケーションを活性化させるイベントとは?成功事例に学ぶポイント

#イベント企画運営#インナーブランディング#コミュニケーション#チームビルディング#研修・ワークショップ#社内イベント

14.May.2020

企業がビジネスを進めていく上で従業員同士の良好な社内コミュニケーションは必要不可欠な要素です。しかし、「どうやって社内コミュニケーションを活性化させるか」という手段に関して具体的なノウハウはあまり知られていません。
今回は、社内コミュニケーションを活性化させる手段とその中でも効果的な施策である「イベント」に関して、実際の成功事例を交えながら解説します。

社内コミュニケーションとは

社内コミュニケーションとは、社員同士の関係性を深めることで知識や技能の共有を図るとともに、各々が組織を構成する一端を担う構成員であるという自覚を促すための「有意義な」交流を意味します。単なる日常会話やメッセージのやりとりではない点に注意してください。また、社内コミュニケーションは必ずしも、対面での交流に限りません。近年では在宅勤務やリモートワークが増加していることも追い風になり、チャットなどのICTツールを活用して社内コミュニケーションを強化する企業も増えています。

参考記事:
インターナルコミュニケーション(社内広報)とは?  

社内コミュニケーションの活性化による効果

社内コミュニケーションが活性化すると、以下のような効果が生まれます。

  • 企業やチームの掲げるビジョンやミッションが社員に浸透する
  • 業務効率や生産性が向上する
  • 健全な社内風土や企業文化が醸成される
  • タテ/ヨコの信頼関係が強化される
  • 社員の定着率が向上する(優秀な人材の流出を防止できる)

逆に社内コミュニケーションが不活性・不健全な状態では、ネガティブな影響が生じることになります。

参考記事:
コミュニケーション不全が組織を蝕む~うちの会社は大丈夫?~  

社内コミュニケーションを活性化させる手段

社内コミュニケーションを活性化させるためには、大きく分けて4つの手段があります。

① 経営トップ層と社員との交流

例1:ボードメンバーと社員との直接対話
例2:社長と社員との親睦会

② 社員研修・ワークショップ

例1:ディスカッションやグループでの課題解決
例2:研修後の意見交換会兼懇親会

③ 社内プロジェクト

例1:部署を横断した企画(ダイバーシティ推進プロジェクト、新規事業コンテストなど)
例2:委員会やクラブ活動

④ イベント

以降は4つ目の「イベント」について解説します。

社内コミュニケーションイベントの目的と効果

社内コミュニケーションイベントは、実際どのような効果をもたらすのか、ご紹介します。

企業のビジョンや目標を共有できる

社内イベントは経営者の声を社員一人ひとりに届ける効果的な手段です。日頃関わりの少ない経営層から企業のビジョンや目標を社員に直に伝えることで、それらをブレなく共有することができます。
企業のビジョンや目標を共有できるようになると、社員それぞれが組織の構成員であり企業経営に欠かせない存在だという意識を持つようになります。その意識は企業に対する社員のエンゲージメントを強化し、優秀な社員を定着させ業務における意欲を引き出します。

参考記事:
インナーブランディングとは?インナーブランディングの定義、成功事例をご紹介  

社内コミュケーションコストを下げる

コミュニケーションコスト(意思疎通や認識共有、情報伝達に要する時間)は、相手が自分にとって既知か未知かの違いによって大きく変化します。
メールや内線では何度もやりとりしているのに実際に顔を合わせたことはない「未知の同僚」は、大企業においては珍しくない存在です。
社内イベントは、未知の同僚たちと対峙することができる貴重な機会です。普段の業務におけるやりとりから推察する相手の個性や価値観に直接触れることで相手の人間性についてより深く知ることができ、その後のコミュニケーションコストを大きく下げること、ひいては業務効率や生産性の向上につながります。

参考記事:
リモートワーク時代のチーム術「まず顔を合わせてお互いを知る」  

普段関わり合いのない人同士でのイノベーションを起こす

企業が発展し続けるためにイノベーション創出に向けた活動は欠かせない存在です。しかし、日常業務においてチームメンバーの中だけで斬新で画期的なアイディアを生み出すことは決して容易ではありません。
そんなとき、業務上まったく接点のない社員の視点や意見がヒントをもたらすことがあります。社内イベントという場を提供し普段関わり合いのない人同士の交流を促し、イノベーションを起こす最良の機会となります。

社内コミュニケーションイベントは共体験のアプローチ

組織が高いパフォーマンスを維持しながら協働していくためには、社員間での「共感」や「共鳴」「共振」、そしてそれらを生み出す「共体験」の機会を作ることが重要です。
共感とは、相手と自分とが同じ感覚を持つ関係です。共鳴とは、エネルギーの強い方にもう一方が影響を受ける関係です。共振は共鳴に似ていますが、お互いのエネルギーが干渉しあいながら同じ波長に乗り、強まっていく関係です。
共感をベースに共鳴が生まれ、やがて共振していきます。このベースとなる共感を生むものが共体験、すなわち組織内で共通の価値を共有するということです。
一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏は、上記の一連を総合した「共同化」が組織内の関係性構築において重要であると述べています。共同化は共体験によって生まれます。組織の構成員が共通の体験をすることで、個人のナレッジが組織のナレッジとなり、再び個のナレッジへと還元されていき、結果として組織全体のパフォーマンスが向上します。社内イベントという共体験はこのようなナレッジの好循環を生み出すきっかけとなります。

詳しくは、野中郁次郎氏の著書『知識創造企業』をご参照ください。

参考記事:
まるでオーケストラ!? 1+1を10にする「場の力」とは何か  

社内コミュケーションイベントに必要な「非日常の場」のデザイン

各社いろいろと試行錯誤して、社内コミュケーションイベントを企画運営していると思います。しかし、いくら評判の良い社内コミュケーションイベントであっても、マンネリ化は避けられません。企画の意図や目的を整理することはもちろん重要ですが、いかに社員を飽きさせないかということはさらに重要です。とはいえ、アイディアのみで目的が伴っていないイベントを行っても、参加者には「これを会社で行う意味があるのか?」という疑問が生じます。ここでは、社内コミュニケーションの目的を踏まえながら従業員をワクワクさせる、「非日常の場」のデザインについて、ご紹介します。

非日常の空間をデザインする

ここでいう「空間」とは、場を構成する物質的なものを指します。例えば、会社の会議室でイベントを実施するのと、外の青空の下でイベントを実施するのでは、参加者の体験は全くちがうものになります。参加する社員の服装や、会場の装飾、イベントで使用するファシリティ、イベント中に流れる音楽に至るまで、さまざまな要素で普段の業務とは異なる「非日常」を演出しましょう。

非日常の規範や雰囲気をデザインする

社内コミュケーションイベントの規範や雰囲気を作り出す上で、空間のデザインはもちろん大切ですが、最も影響が大きいのは「そのイベントに誰が呼ばれているのか?」という点です。イベントを通じて何かしらの変化を起こしたいと考えて非日常の空間を演出しても、参加するメンバーが日常業務と同じ規範や雰囲気を持ち込んでしまっては、狙う効果が得られないかもしれません。非日常のイベントには、その目的に応じて「主役」を決めておく必要があります。イベント全体の進行や演出において「主役」と「それ以外」の役割が明確にわかるように設計しましょう。また、イベントの規範や雰囲気にはリーダーの行動が強く影響し、イベント冒頭の短い時間で雰囲気は8割決まります。イベントの演出、主役の盛り上げにリーダーの行動をうまく使うことも重要です。

参考記事:
働き方改革推進のヒントをメディア研究者に聞いてみた~言いにくいことはポエムで語れ!? ~

非日常の内容をデザインする

イベント企画者が最も悩むのは「イベントで何をするのか」ということではないでしょうか。マンネリ化を避けるためには新しいアイデアが欠かせません。ここで、発想のヒントをひとつご紹介します。それは、日常の業務運営や日常の関係をなど、何かを別のシチュエーションに「置き換える」という手法です。例えば、日常業務においてチームは「協力するもの」という前提がありますが、実際にはチーム内で仲間割れしていたり、コミュニケーション不全が発生していることが多々あります。ところが、社内運動会で他のチームと対抗するとなると、普段それほど協力的でないメンバーも一致団結して活躍するかもしれません。プログラム次第では、そういった非日常の体験から、仕事におけるチームワークに関する本質的な気付きにつなげることもできるのではないでしょうか。イベントの目的に合わせて、日常の体験を非日常の場に「置き換える」手法を、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

参考記事:
心理的安全性を高め、いきいきとしたチームをつくるには? インプロ(即興演劇)の視点から考えてみた【課題編】  

社内コミュニケーションイベントの導入成功事例

ここからは、実際に社内コミュニケーションの活性化に成功したイベントの導入事例を3つ紹介します。

社内運動会

1つ目は、株式会社ヤオコーが導入している「社内運動会」です。社内運動会は近年あらためて注目を浴びるようになった社内イベントです。
同社の社内運動会は全店舗総数10,000人以上の従業員が一堂に会する年1回の一大イベントで、さいたまスーパーアリーナを貸し切って有名アーティストをゲストに迎えるというその豪華さから、大きな話題となりました。
ここまでの規模でなくとも、運動会には楽しみながらチームワークを向上させるという効果があります。実はこの「楽しみながら」が社内イベントにとって重要なポイントです。
社内イベント成功の鍵は社員の満足度です。「やらされている」という受動的な感覚が社員の心に芽生えると、満足度は著しく低下します。そのため、社員が楽しみながら能動的に参加することのできる社内運動会は、社員からの満足を得やすい施策です。
また、運動会はヤオコー社の「チャレンジ」「健康」という経営方針や「チームで仕事」という運営方針に沿ったイベントであり、企業のメッセージを従業員に浸透させている好例でもあります。

毎日席替え制度

2つ目はカルビー株式会社が導入している「毎日席替え制度」です。同社は2010年の本社移転に伴ってフリーアドレス制度(固定席を持たずに自由な席で作業ができる制度)を全面導入しましたが、人は無意識に自分がお気に入りの席を確保したり、知り合いとの距離が近い席に集まったりしてしまうものです。
そこで、ダーツシステムによって毎日ランダムに席を変えることで、従来のフリーアドレス制度を新たなコミュニケーションが生まれやすくなるように進化させました。フリーアドレス制度には経営層も参加するため、一般社員のとなりに執行役員が座ることもあり、ヨコだけでなくタテの関係においても物理的・心理的な距離を縮める効果を生んでいます。

参考記事:
フリーアドレスを、社員21人の小さな会社でやってみた。 〈企画・実践編〉  

TGIF

3つ目はアナグラム株式会社が導入した「TGIF(「Thank God, It’s Friday.」の略語)」です。これはGoogle社でも導入されている社内イベントで、隔週金曜日の午後16時~17時ごろを「フリータイム」と称して会社がケータリングやアルコールを社内で振る舞い、自由に意見交換ができるほか、回によっては新入社員の自己紹介を行ったりボードゲームを開催したりと、部署や役職の垣根を越えて社内交流を深める有意義な時間を実現している社内イベントです。

まとめ

冒頭でもお伝えしたとおり、社内コミュニケーションの活性化は企業において貴重な人材を有効活用するために重要となる要素の一つです。企業の理念や社風を反映した社内イベントはコミュニケーションの活性化を促す効果的な手段であり、今回紹介した3つのイベントはその良い例です。
決して忘れてはいけないポイントは、自社にとってどのようなイベントが適切であるかを徹底して見極め、創意工夫を凝らすことです。
社内イベントに決まりきった型はありません。自社に適したイベント施策は何かをじっくり考えてみてください。

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