社内コミュニケーションのあり方は時代ともに変化してきました。かつては、会議や飲み会などの対面コミュニケーションが中心でしたが、現在はメールやビデオ会議の発達により遠隔でもコミュニケーションがとれるようになりました。また急速にITが発達した現代では、世代によってコミュニケーション方法に関する大きなギャップが存在していることに気づかないままでいる企業も多いといいます。
組織は社員同士のコミュニケーションによって成り立っていますので、コミュニケーションのあり方が組織の今後に大きく影響します。今回は社内コミュニケーションを円滑にする方法について解説します。

社内コミュニケーションとは

ところで、社内コミュニケーションとはどのようなものなのでしょうか。
普段行われる日常会話やプライベートのコミュニケーションとはどう違うのでしょうか。

社内コミュニケーションにおいては、大企業ほど課題感を強く感じやすい

HR総研の調査によれば、8割の企業が社内コミュニケーションに何らかの課題を抱えている意識があることが明らかになりました。
特に中小や中堅企業と大企業では、大企業のほうが課題感を強く感じています。また最もコミュニケーションに課題のあるシーンは、「部門間や事業所間のコミュニケーション」で全体の8割近く、続いて「経営層と社員」を課題に挙げる企業も半数以上と大企業におけるコミュニケーションの課題感が見て取れます 。
従業員規模や組織規模が大きい大企業では部門や事業所の数も多くなるため、物理的な距離がコミュニケーションの取りづらさに影響を及ぼしているのでしょう。

世代間のコミュニケーションの認識の違い

近年における人材の多様化がコミュニケーションの課題にも現れています。
特に労働人口の中心となる40代〜60代と、30〜20代とでは「コミュニケーション」の形式が異なることが組織運営に影響を及ぼしていることを気づかないままでいる企業も多くあります。
具体的に世代間のコミュニケーションの特徴を見ていきましょう。

・40代〜60代のコミュニケーションの特徴

ITが発達していないころに会社に入社した40代~60代は対面のコミュニケーションが前提です。メールやチャットのない時代に社会人人生の大半を過ごしたため、対面のコミュニケーションが中心です。また、非公式なコミュニケーションは飲み会や喫煙所で行われることが当たり前の時代を過ごしたため、会社の外の方が率直に話せる場合があります。

・20代〜30代のコミュニケーションの特徴

20代~30代はITが急速に発達しコミュニケーションのあり方が変わった世代です。特に20代前半はデジタルネイティブとよばれ、物心ついた時には携帯電話やインターネットが存在していました。またSNSなどのコミュニケーションのインフラが急速に発展したため、簡単なコミュニケーションは「いいね」などのボタンやスタンプなどの絵文字で行うことが常識です。そのため、なにか分からないことがあったら人に聞かず、自分でインターネット検索をし、簡単な内容のメールであれば返信をしないこともあります。

2018年の経団連の新卒採用調査で、選考で重視する点「コミュニケーション能力」が16年連続で1位となっており、企業がどれだけコミュニケーションを重視しているかがわかります。
しかし、上記のようなコミュニケーションにおけるギャップを理解しないまま「最近の若い人は…」「うちの管理職は…」と不満を溜め込んでいては、理想と現場の実態の溝は深まるばかりです。

参考記事:
「世代によってキャリア観ってだいぶちがうよね」組織のお悩みぶっちゃけ劇場 vol.4  

社内コミュニケーションが経営に与える影響

世代間コミュニケーションのギャップは、組織の生産性に大きく影響を与えます。例えば、20代の社員はわからないことは自己解決します。一方で40代以上の上司は、対面での相談により直接的な確認を求めます。上司が指示を与えた後、なかなか成果が上がってこない理由を部下に確認したところ、わからないことがあって躓いていたことがわかる場合もあります。こうした場合、上司は「なぜ相談しにこないのか」と部下を叱りますが、反対に20代の部下は「なぜ教えてくれないのか」と反発することが起きているのです。
このような場合には、若手社員に寄り添った指導方法を上司が習得することで、業務効率が上がり、組織生産性の向上につながります。さらには若手社員の仕事への満足度も高まり、社員の定着率の向上にも効果があるでしょう。
また、縦のコミュニケーションだけでなく、横のコミュニケーションが活発になると、今まで関わり合いのなかった事業部間で新規事業へのアイディアが生まれやすくなり、会社規模でのメリットが生まれます。企業単位での一体感が生まれることで、企業ブランド向上にもつながります。

参考記事:
コミュニケーション不全が組織を蝕む~うちの会社は大丈夫?~  

社内コミュニケーションの方法

社内コミュニケーションと一口にいっても様々な方法があります。どのような方法があるのかをまとめてみました。

メディアコミュニケーション

メディアコミュニケーションは、メディア(媒体)を通じたコミュニケーションです。それぞれどのような目的と役割で使用するのが最適なのでしょうか。

・社内報

中期経営計画や経営方針のような社内に広く浸透させたいメッセージに向いています。社内に一貫したメッセージを届けられるほか、社内の活動をお互いに共有することもできます。
社内報は紙媒体と電子媒体(WEB)に分けられます。紙媒体のメリットはじっくりと読めることです。デザインの自由度も高いため、印象に残りやすい傾向にあります。また、電子媒体(WEB)はニュース性に優れており、修正もしやすく、過去のアーカイブも簡単にみられることが利点です。

・サンキューカード

「褒める文化」を醸成するために用いられています。サンキューカードは、普段面と向かって感謝を伝えづらい相手とのコミュニケーションの手段として役立ちます。日頃関わりのない部署間や、次に会えるのがいつになるかわからない営業所間など、全社的な社員同士のコミュニケーションに効果を発揮します。

・社内イントラ

社内のニュースサイトとして一貫性のある情報を与えられるだけでなく、発信したい情報をすぐに掲載できる速報性があります。また、掲示板機能を利用すれば社員の情報共有・討論の場にもなるでしょう。社内のファイルやデータを集約するのにも便利です。

・社内SNS

最近では社内SNSを導入している企業も増えてきました。お互いの取り組みや業務の進捗を簡単に共有でき、気軽に利用できるため若年層に受け入れられやすい傾向にあります。「いいね」ボタンや絵文字など共感性の高い機能を活用すれば、社員間のコミュニケーションの円滑化にもつながるでしょう。

・社内You tube

圧倒的な、情報量を短時間で、伝える事ができ若年層は検索エンジンではなく、You Tubeで検索する時代になる中で、今まで容量の大きさからネットワーク負荷が高く、社内導入が困難だった動画も技術的進歩により、社内コミュケーションのスタンダードなりつつあります。

・社内チャット

スピード感のあるコミュニケーション、グルーブで複数名に送ることができるため、チーム間の連絡・報告手段にとても有用です。メールと異なり、宛名や挨拶などの形式的な文面が必要ないため、簡単な相談や確認がしやすくなります。

こうした社内でのSNSやチャットの活用は、日本でも徐々に増えてきました。
しかし、総務省の「ビジネスICTツールの利用状況」によると、アメリカやイギリス、ドイツに比べ導入状況、利用状況ともに低いことがわかっています。

参考記事:
「Share Point Online」「Yammer」などMicrosoft 365(旧 Office365)から始める社内コミュニケーション活性化  

対面コミュニケーション

間接的なコミュニケーションであるメディアコミュニケーションに対し、対面コミュニケーションが重要になるシーンもまだまだ存在しています。
それぞれどのような活用方法がよいのでしょうか。

・1対1(面談)

社員個人に関わる重要な話は、対面コミュニケーションがよいでしょう。身振りや手ぶり、表情をみながらのコミュニケーションにより互いの共感性が高まり、相手の悩みや課題に強く寄り添うことができます。部下の能力を引き出すために、上司と部下の定期的な対話の機会として活用しましょう。

・タウンホールミーティング

経営陣と現場の社員との直接対話の場です。経営陣がボトムアップで意見の吸い上げを行うだけでなく、社員が意見を経営陣にダイレクトに伝えることで会社へのロイヤリティを高めることができます。

・現場訪問

経営陣が現場を直接訪問する方法です。経営層と現場の社員の結びつきを強化、経営層が現場の真の問題に耳を傾けることができます。現場の士気高揚にもつながるでしょう。

・社内表彰

企業として社員にどう行動して欲しいかを示すことができ、全社的に個人の取り組みについて認め合える風土を醸成することができます。

・ワークショップ

普段の職場から離れ、社員同士の本音を引き出す場として最適です。自由に意見を言い合うことで、経営層や社員の垣根を超えて会社の成長につながる共通認識を得ることができるでしょう。

参考記事:
働く人のいきいきとした笑顔のために PRアワードグランプリ2018受賞レポート  

まとめ

社内コミュニケーションを円滑にするには、社内コミュニケーションの阻害要因を明らかにすることが必要です。組織は価値観の異なる人と人とで構成されているからこそ、コミュニケーションでトラブルが起きます。こうした阻害要因を取り除くとともに、目的に応じて最適なコミュニケーションツールを選びましょう。 まずは自社でどのような取り組みができるかを検討してみてはいかがでしょうか。

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