社内コミュニケーションを円滑にする手法11選 実際の事例もご紹介

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06.Apr.2020

社内コミュニケーションのあり方は時代ともに変化してきました。
かつては対面でのコミュニケーションが中心でしたが、現在はICTツールの進化により遠隔でもコミュニケーションがとれるようになっています。

このような急速な変化の渦中、快適なコミュニケーションの手法に関して世代ごとに大きなギャップが存在することに気づかない企業も多くあります。
組織は社員同士のコミュニケーションによって成り立っていますので、コミュニケーションのあり方が組織の今後に大きく影響するといっても過言ではありません。
そこで今回は、社内コミュニケーションを円滑にする方法について事例を交えながら解説します。

社内コミュニケーションとは

社内コミュニケーションは、普段行われる日常会話やプライベートのコミュニケーションと何が違うのでしょうか。

大企業ほど課題感を強く感じやすい

HR総研の調査によれば、8割の企業が社内コミュニケーションに何らかの課題を抱えている意識があることが明らかになりました。
特に中小や中堅企業と大企業では、大企業のほうが課題感を強く感じています。
また最もコミュニケーションに課題のあるシーンは、「部門間や事業所間のコミュニケーション」で全体の8割近く、続いて「経営層と社員」を課題に挙げる企業も半数以上と、大企業におけるコミュニケーションの課題感が見てとれます。
従業員規模や組織規模が大きい大企業では部門や事業所の数も多くなるため、物理的な距離がコミュニケーションの取りづらさに影響を及ぼしているのでしょう。

世代間のコミュニケーションの認識の違い

近年における人材の多様化がコミュニケーションの課題にも現れています。
特に、労働人口の中心となる40代〜60代と30〜20代との間で、それぞれが円滑なコミュニケーション手段と感じる方法にギャップが存在し、それが組織運営に影響を及ぼしていることにはあまり気づかれていません。
では、各世代のコミュニケーションの特徴について具体的に解説します。

・40代〜60代のコミュニケーションの特徴
この世代は対面のコミュニケーションが前提です。
メールやチャットのない時代に社会人人生の大半を過ごしたため、近年主流になったICTツールには慣れていません。
また、非公式なコミュニケーションは飲み会や喫煙所で行われることが当たり前だったことから、会社の外の方が率直に話せる場合があります。

・20代〜30代のコミュニケーションの特徴
20代~30代はITが急速に発達しコミュニケーションのあり方が変わった世代です。
特に20代前半はデジタルネイティブとよばれ、物心ついた時には携帯電話やインターネットが存在していました。
またSNSやチャットツールなどのコミュニケーションのインフラが急速に発展したため、簡単なコミュニケーションは「いいね」などのボタンやスタンプなどの絵文字で行うことが常識です。
そのため、なにか分からないことがあったら人に聞く前に自分で検索したり、簡単な内容のメールであれば返信をしなかったりすることもあります。

2018年の経団連の新卒採用調査で、選考で重視する点として「コミュニケーション能力」が16年連続で1位となっており、企業がどれだけコミュニケーションを重視しているかがわかります。
しかし、上記のようなコミュニケーションにおけるギャップを理解しないまま「最近の若い人は…」「うちの管理職は…」と不満を溜め込んでいては、理想と現場の実態の溝は深まるばかりです。

参考記事:
「世代によってキャリア観ってだいぶちがうよね」組織のお悩みぶっちゃけ劇場 vol.4  

社内コミュニケーションが経営に与える影響

世代間コミュニケーションのギャップは、組織の生産性に大きく影響を与えます。

例えば、20代の社員はわからないことを自己解決しようとします。
一方、上司である40代以上の社員は対面で直接的な報連相を求めます。
上司が部下に指示を与えた後、成果物がなかなか上がってこない理由を部下に確認してはじめて、わからないことがありつまずいていたことと判明する場合もあります。
こうした場合、上司は「なぜ相談しにこないのか」と部下を叱りますが、反対に20代の部下は「なぜ教えてくれないのか」と反発するギャップが起きているのです。

このような場合には、若手社員に寄り添った指導方法を上司が習得することで、業務効率が上がり、組織生産性の向上につながります。
さらには若手社員の仕事への満足度も高まり、社員の定着率の向上にも効果があるでしょう。

また、縦のコミュニケーションだけでなく、横のコミュニケーションが活発になると、今まで関わり合いのなかった事業部間で新規事業へのアイディアが生まれやすくなり、会社規模でのメリットが生まれます。
企業単位での一体感が生まれることで、企業ブランド向上にもつながります。

参考記事:
コミュニケーション不全が組織を蝕む~うちの会社は大丈夫?~  

社内コミュニケーションの方法

社内コミュニケーションと一口にいってもさまざまな方法があります。
どのような方法があるのかをまとめました。

メディアコミュニケーション

メディアコミュニケーションは、メディア(媒体)を通じたコミュニケーションです。
それぞれどのような目的と役割で使用することが最適なのでしょうか。

・社内報

中期経営計画や経営方針のような社内に広く浸透させたいメッセージに向いています。
社内に一貫したメッセージを届けられるほか、社内の活動をお互いに共有することもできます。

社内報は紙媒体と電子媒体(WEB)に分けられます。
紙媒体のメリットはじっくりと読めることです。
デザインの自由度も高いため、印象に残りやすい傾向にあります。
また、電子媒体(WEB)はニュース性に優れており、修正もしやすく、過去のアーカイブも簡単に読めることが利点です。

・サンクスカード

「褒める文化」を醸成するために用いられています。
サンクスカードは、普段面と向かって感謝を伝えづらい相手とのコミュニケーションの手段として役立ちます。
日ごろあまり関わりのない部署間や、次に会えるのがいつになるかわからない営業所間など、全社的な社員同士のコミュニケーションに効果を発揮します。

・イントラネット

社内の最新の動きが一覧できるだけでなく、発信したい情報をすぐに掲載できる速報性があります。
また、掲示板機能を利用すれば社員の情報共有・討論の場にもなるでしょう。
社内のファイルやデータを集約するのにも便利です。

・社内SNS

最近では社内SNSを導入している企業も増えてきました。
お互いの取り組みや業務の進捗を簡単に共有でき、気軽に利用できるため若年層に受け入れられやすい傾向にあります。
「いいね」ボタンや絵文字など共感性の高い機能を活用すれば、社員間のコミュニケーションの円滑化にもつながるでしょう。

・社内YouTube

動画はテキストと比べると、短時間で圧倒的な情報量を伝えることができます。
若年層は欲しい情報をYouTubeで検索し、得ようとする時代となっており、これまではネットワーク負荷が高く社内導入が困難だった大容量の動画も技術的進歩によって再生が可能となりました。
そういった背景もあり、現在は社内コミュケーションのスタンダードな方法になりつつあります。

・社内チャット

スピード感のあるコミュニケーションの方法です。
グルーブで複数名に送ることができるため、チーム間での報連相に向いています。
メールと異なり宛名やタイトル、あいさつなどの形式的な文面が必要ないため、簡単な相談や確認がしやすくなります。

こうした社内でのSNSやチャットの活用は、日本でも徐々に増えてきました。
しかし、ビジネスICTツールの利用状況(総務省調査)によると、アメリカやイギリス、ドイツに比べると日本は導入状況・利用状況ともに低いことがわかっています。

対面コミュニケーション

間接的なコミュニケーションであるメディアコミュニケーションに対し、対面コミュニケーションが重要になるシーンもまだまだ存在しています。
それぞれどのような活用方法がよいのでしょうか。

・1対1(面談)

社員個人に関わる重要な話は、対面コミュニケーションがよいでしょう。
身振りや手ぶり、表情をみながらのコミュニケーションにより互いの共感性が高まり、相手の悩みや課題に強く寄り添うことができます。
部下の能力を引き出すために、上司と部下の定期的な対話の機会として活用しましょう。

・タウンホールミーティング

経営陣と現場の社員との直接対話の場です。
経営陣がボトムアップで意見の吸い上げを行うだけでなく、社員が意見を経営陣にダイレクトに伝えることで会社へのロイヤリティを高めることができます。

・現場訪問

経営陣が現場を直接訪問する方法です。
経営層と現場の社員の結びつきを強化し、経営層が現場の真の問題に耳を傾けることができます。
現場の士気高揚にもつながるでしょう。

・社内表彰

企業として社員にどう行動して欲しいかを示すことができ、全社的に個人の取り組みについて認め合える風土を醸成することができます。

・ワークショップ

普段の職場から離れ、社員同士の本音を引き出す場として最適です。
自由に意見を言い合うことで、経営層や社員の垣根を超えて会社の成長につながる共通認識を得ることができるでしょう。

なお、これらのコミュニケーションは対面で行うに越したことはありませんが、直接会うことが難しい場合は、ビデオ会議システムを利用して画面越しに対面することで、直接会うのと近いコミュニケーションを実現うることも可能です。大規模なオンラインタウンホールミーティングや、小グループに分かれてのワークショップなどそれぞれの目的に適したツールを活用し実践してみてください。

参考記事:
働く人のいきいきとした笑顔のために PRアワードグランプリ2018受賞レポート  

社内コミュニケーションの事例をご紹介

では、社内コミュニケーションを円滑にするためにどのような方法が用いられているのでしょうか。
企業の最新事例を紹介します。

風土改革の事例:株式会社ニチレイフーズ

株式会社ニチレイフーズでは一時期売上の横ばい状態が続き、業績に影響されてか、部門間の壁が見受けられ、社内の雰囲気も沈みがちだったといいます。
こうした風土を改革すべく同社が実施したのが「ハミダス活動」です。
活動の根幹となったのは従業員向けの2つの活動で、ひとつは「対話の促進」を目的とした「あぐら」、もうひとつが情報発信を活発にする「動画メッセージの内製化」です。

あぐらは経営者と社員との間で双方向のコミュニケーションを生み出す施策です。
経営者はミッション・ビジョンやトップメッセージを、参加した従業員は現場の生の声を互いに伝え合います。
階層別のメンバー構成で1回10人程度の少人数制とし、議事録も非公開にすることで、結果として自発的な対話を促すことに成功しました。

動画メッセージはもともとトップメッセージを発信するための動画でしたが、これを従業員が参加するように変更しました。
テーマ選定から原稿作成、撮影、編集、ウェブ掲載、配信までハミダス推進グループ内で行っており、外注ではないからこそ自考の意識が芽生え、スピード面・コスト軽減・スキル蓄積などコミュニケーション活性化以外でもメリットが生まれています。

サンクスカードの事例:SanSan株式会社

SanSan株式会社の社内制度「見つカッチ」は、メンバーの一体感を醸成するために行われたコミュニケーション施策です。
見つカッチは、毎週月曜日に400pt(1pt=1円)のチップが付与され、メンバーへのコメントとともに、任意でチップを贈るというものです。
たまったチップは給与に上乗せ支給されますが、チップ(お金の支給)はあくまで表現方法のひとつに過ぎず、そこに至る意味づけが重要だと同社は捉えています。
この見つカッチによって、メンバーへの称賛をきっかけに新たなコミュニケーションが生まれるなど、より一体感が増しているとのことです。

1対1(面談)の事例:株式会社サイバーエージェント

これはいわゆる「1on1ミーティング」で、サイバーエージェントでは「月イチ面談」と呼ばれています。
実施の背景として、評価制度のバージョンアップがありました。
「人事評価に納得している部署ほど上司と部下がよく話をしている」という自社の調査結果を踏まえ、「推奨」という形式で実施しています。
面談では「先月の成果に対する振り返り」「今月どうするのかという議論」「中長期のキャリア」の3つを重視して部下と話し合うようマネージャーに伝え、マネージャーに対しては「面談の勉強会」も設けました。
結果、社内で離職率が大きく下がったほか、「びっくり退職」と呼ばれる、退職の意思を見せていなかった社員が突然退職を願い出ることが減ったそうです。

社員ネットワークの事例:日本ヒューレット・パッカード株式会社

日本ヒューレット・パッカードでは、「しなやかに活き活きと働きつづけられるようになる」ことを目的として社員によるネットワーク「Women at Work Japan(WAWJ)」を立ち上げ、経験やノウハウを共有しています。
ネットワーキングツールと他のITツールとを組み合わせて、アサーティブ・コミュニケーションやタイムマネジメントの勉強会、マネジメントチームや先輩社員との対話、部署の壁を越えた社員同士の交流・情報共有を実現しており、デジタルをうまく活用した例といえるでしょう。

メディアコミュニケーションの事例1

ある10,000名以上の社員を持つ企業では、グループ企業を経営する一環として掲げていた「グループの総合力を高めて新しい価値を生み出す」という戦略が思うように活性化していませんでした。
解決方法として、目的やゴール別に伝える媒体を冊子、WEB、SNSに分け、グループ共通のメディアを立ち上げました。
具体的には、グループ企業の情報をタイムリーに共有するツールとしてWEB、グループ企業が協働した結果どんな成果や効果が出たのかの紹介を冊子で、グループ社員の意見交換やディスカッションの場としてSNSをそれぞれ活用してもらうというものです。
結果、グループ企業全体で新しい価値を生み出していく風土の醸成に成功しました。

メディアコミュニケーションの事例2

こちらも、社員数10,000名以上の企業の事例です。社内報(紙冊子)、WEB社内報、社内SNS、社内動画サイトと4つの効果測定分析(ログ解析、アンケ―ト分析、導線分析など)を実施。その中で、各メディアで発信しているコンテンツにばらつきがあること、ターゲットとする社員にリーチしていないこと、そしてそれら広報活動に関わる人員および投資予算に対して効果が十分でないことなど、数々の問題が判明しました。さらに社内広報のコンテンツの承認フローも多く、労働時間にも無駄が生じていました。
これに対し、現状の人員と予算を変えずに効果を創出することを目的とし、エンプロイージャーニーマップを設計しました。各メディアの役割を再設定し、コンテンツを整理しながらコンテンツマップを作成。1年後に効果測定を再度実施し、インターナルコミュニケーションの効果を確認することができました。

社内イントラ・メディアの事例

5,000名以上の従業員を持つ同社では、グローバル化に伴って海外従業員や中途採用者が増加しており、事業部間や各部門間のコミュニケーションやグループ内の一体感を促進・醸成することが課題となっていました。
現状把握のためグループコミュニケーションに関する調査、既存社内システムの活用調査を行った結果、グローバル共通の情報基盤が欠けていることがわかりました。
そこで、中期経営計画の策定に合わせて、部署を超えたつながりを醸成する双方向コミュニケションツールとして、グローバルイントラとWEB社内報を整備しました。
継続的な運用をすることで課題改善につながっています。

まとめ

社内コミュニケーションを円滑にするには、社内コミュニケーションの阻害要因を明らかにすることが必要です。組織は価値観の異なる人と人とで構成されているからこそ、コミュニケーションでトラブルが起きます。
自社で課題感を抱えている方は、まず具体的な課題の洗い出しから検討してみてはいかがでしょうか。

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