社内コミュニケーションが不足する原因は?活性化の方法を紹介

社内コミュニケーションは、企業の運営に欠かせないものです。コミュニケーションがうまくいっていないと、非効率な業務や離職率の増加など、企業にさまざまな問題が生じてしまいます。

そこでこの記事では、社内コミュニケーション不足の原因について分析します。さらに、コミュニケーション活性化のための方法についても紹介していきます。

社内コミュニケーション不足で起こること

昨今の日本は、欧米や中国のように、転職をしながら給与をあげていくキャリアスタイルが一般的なものとなりつつあります。実際、多くの企業がJOB型の人事制度を導入し始めており、今後もこの傾向は加速していくでしょう。このような場合、各企業の従業員は数年で入れ替わることになります。そのため、これまで以上に、社員に対するコミュニケーションが経営上必須のものになるでしょう。

海外の先行事例から見えるコミュニケーション不足による問題

社内コミュニケーションの重要性を後押しする「Staffbase」の調査によると、社内コミュニケーションにコストをかけていない企業では、従業員が意欲を失い、結果、企業が支払っている給与の35%が無駄になっているという結果が出ています。また、業務効率が落ちるため、平均12%の労働時間が浪費されていることもわかりました。
このようにコミュニケーションが不足すると、さまざまな問題が引き起こされます。例えば対話が少ないことでビジネス上のやりとりに誤解が生じ、現場に不信感が広がるケースが考えられます。

また、議論ができないことで意思決定が遅れたり、前例のないことに挑戦しづらくなったりすることも考えられます。さらに、黙認や忖度をしながら各々が行動をとるようになり、不正が発生しやすい企業風土が芽生える懸念もあります。コロナ禍によってデジタル化が進んだ今の世の中では、対面でのやりとりが減っています。その弊害として、業務中の質問がしにくい環境になってしまうなど、コミュニケーション不足に陥っている企業が多いです。

部門同士で情報を共有し合うためのツールやプラットフォームが整っていない企業では、部門と部門の間に情報の壁が立ちはだかるようになっています。

コミュニケーションさせる内容そのものが複雑怪奇

昨今では、コミュニケーションそのものの難易度も上がっていると言えます。世の中の変動性が高まり、企業が戦略として掲げるテーマは「DX」「SDGs」など毎年のように変わります。また、社会が急速に変化していくため、かつてよりも世代間のギャップが深刻化しています。コミュニケーション難易度の高い今の世の中では、社内コミュニケーションツールの導入だけでは、一定の解決にしかならないでしょう。要因をしっかり分析し、解決策を導き出す必要があります。

社内コミュニケーションが不足する3つの要因

では、社内コミュニケーションが不足する要因には何があるのでしょうか。ここでは、社内コミュニケーションが不足する3つの要因を解説していきます。

互いの理解不足

1つ目のコミュニケーション不足を引き起こす要因は、互いの理解不足です。シンプルにコミュニケーションの量を増やすことが近道です。各々の理解が浅くわからないことや、知らないことが多い場合、情報はスムーズに伝わらなくなり、次第に相手との距離が広がってしまいます。

だからこそ、意識的に業務連絡をとり、情報や意思を丁寧に伝え合う姿勢を持つことが重要です。たとえば、新しい社員が来た際に、すぐに仕事に取り組めるように、具体的な業務内容や情報をしっかり揃えることや、データを可視化する必要があります。またその際、コミュニケーションする相手との「情報接点」にも気を配ります。単に物理的な接点を持つことだけでなく、言語レベルに差はないか、またコミュニケーションレベル(ハイコンテクスト・ローコンテクスト)に差はないかにも注意しながら、コミュニケーションをデザインしましょう。

このように「何かを発信し、それを受信者が受け取って理解する」という一連の流れには当然労力や時間がかかります。しかし、これは「コミュニケーションコスト」と言われる必要なコストなのです。これを怠ってしまうと、理解不足の連鎖が生じてしまいます。

ただし、必要以上にコミュニケーションコストをかけてしまうことには注意しましょう。もし過度に時間や労力がかかる場合は、システムを見直すことも重要です。たとえば会議の回数やチャットの件数は、ログ解析によって簡単に可視化することができます。コミュニケーションの履歴をとり、コミュニケーションコストを企業として把握することで、改善策をとることも可能になります。

互いの関係不足

2つ目のコミュニケーション不足の要因として、関係不足という理由が考えられます。上記で挙げた理解不足が「知らないから動かない」という感情だとすると、関係不足は「知っていても動きたくない」という感情だと言えます。こうなってしまうと、いくらコミュニケーションをとろうとしても動いてもらえないでしょう。

もちろん「動きたくない」という感情は、主観的な認識です。個人同士の関係、組織と個人の関係、上司・部下の関係、部署同士の関係などによって変動します。ここにアプローチするためには、どのような問題があるのかを可視化することが重要です。アンケートやヒアリングなどを重ねてアプローチしていきましょう。心理学や組織論などのフレームワークを活用することも効果的です。ただし心情の問題である以上、簡単に可視化できる性質のものではありません。診断ツールで一人ひとりについて認識しつつ、相互関係についても気を配るなど、手法を工夫する必要があります。

理解不足と関係不足が複合している

3つ目は上記の「理解不足」と「関係不足」が複合しているというケースです。実際のビジネスシーンで、理解不足と関係不足、どちらが要因なのかを明確に線引きすることは難しいでしょう。

もし線引きをして判断したい場合は、問題となっている集団のサイズによってアプローチをします。たとえば同じ職場で一緒に業務を行っているような対面式・小規模集団の場合は、ヒアリングやアンケート、ワークショップの実施によって、理解不足なのか関係不足なのかがおおよそ可視化できるはずです。

一方で、エンタープライズと呼ばれるような、分業の組織構造を持ち、システムやルールによって運営されている集団の場合、メディアやトラフィックデータ、また従業員満足度調査を行うのが効果的でしょう。状況によっては、追加で個別にヒアリングをかける必要があるかもしれません。ソフィアのPCFコミュニケーションを行うと、問題点の大枠を把握しやすくなります

社内コミュニケーションは、常に不足している

社内コミュニケーション不足を問題として捉えるケースにおいて、発生頻度が高いのが、ミスコミュニケーションの発生です。ミスコミュニケーションは、誤解を生んで社内の人間関係を悪化させたり、手違いや勘違いによって業務を滞らせたりしてしまいます。ミスのレベルによっては、企業や職場に大きな損害を与える場合もあるので、常に脇を締める必要はあるものの、完全に防ぐことは実務上不可能です。

ポストモダンの思想家であるジャック・デリダは、人と人の間のコミュニケーションを「郵便」にたとえました。郵便と聞いて、どのようなイメージが湧くでしょうか?まず、発信者と受信者の間には必ず時間的な差異が生じます。郵便物が届くのには2~3日の時間的な遅延があります。現代のでは、電子メールやチャットは時間的差異をなくなり、既読未読の誤解を産むように発展しています。デリダはこれを「遅延」と表現しました。そしてもう1つ、郵便には配達人の手違いにより誤って住所へ届けられる可能性もあります。デリダはこれを「誤配」と呼びました。

デリダ哲学を通じて言えば、「遅延」と「誤配」によって、人と人とのコミュニケーションが成り立っているのです。ここでは解釈としては、コミュニケーションは、伝える側から受け手側へと完全に「伝わる」ということはないという不可能性の話をしています。常に遅延や誤配が伴い、それを解消することは不可能です。そこで、デリダは私たちに遅延や誤配の意識を持ちながらコミュニケーションを行うよう促しています。言い換えれば、コミュニケーションの不可能性を常に頭に置いておくことなのです。それぞれの社員が誤解が生じる可能性を意識することで、誤解を最小限に抑えることができるのではないでしょうか?逆に、自分のメッセージが必ず理解されるという傲慢さから、対立や葛藤が生じることも言えます。誤解がつきものであるということを社員が心に留めることは、優れたコミュニケーションの基盤であり、社内コミュニケーションは不足していることが前提であるということをデリダ哲学が教えてくれることです。

社内コミュニケーション活性化の方法

コミュニケーションに関する課題が見つかったら、さっそく改善策を講じましょう。以下では、社内コミュニケーションを活性化するための具体的な方法を紹介します。ただし、これらはあくまで一例です。自社で課題を整理し、必要な対応策をとることが大切です。

コミュケーションの状態を可視化する

まずはコミュニケーションそのものを調査します。詳しい調査方法はこちらに記載しています。所属部署や職種などの属性による差異や、ハイパフォーマーの特性などを分析しましょう。組織におけるコミュニケーションの停滞箇所や、従業員の意識・行動レベルの高低に影響する要因を抽出していきます。

コミュケーション戦略を立てる

    要因を洗い出したら、コミュニケーション戦略を立てていきます。まずは社員の考えや行動、環境に合わせ、短期的かつ柔軟に取り組むべき施策を決めます。同時に、目指す状態に向けた中長期的な取り組みも描き出します。それぞれにKPIを設定し、PDCAサイクルを回しながら臨機応変に取り組みを推進します。

従業員へのアプローチを図る

    戦略に合わせて、実際にプロジェクトを動かしていきます。たとえばカルチャー変革を狙う場合、ワークショップや研修など直接的な従業員へのアプローチを実施しましょう。同時に、組織全体に対するメディアを通じた情報発信も実施します。社員の新しい行動を成功体験へとつなげ、それを組織全体に広げていくことで新しいカルチャーとしての定着を図りましょう。

魅力的なインターフェースやコンテンツを創る

    社員に刺さるような制度や社内報、各種クリエイティブの整備もしていきましょう。従業員が主体的に取り組める雰囲気を作っていくことで、コミュニケーションに参加する人数を増やしていきます。

コミュケーションインフラを整える

    ポータルサイトや社内SNSなどのコミュニケーションインフラを導入するのも効果的です。利用ルールや運用ガイドラインを作成し、リスク管理体制の構築をした上で、運用していきましょう。

場をデザインし、コミュケーションスキルをつける

    コミュニケーションの環境を整えても、いつも発言する人が一緒だったり、若手社員が萎縮してしまったりという問題が出てくることがあります。その場合は、コミュニケーション研修などの場を設け、各々のコミュニケーションスキルを高めていきましょう。トレーニングを行うことで、より円滑なコミュニケーションが実現するでしょう。

社内コミュニケーションの方向性が違ってしまったら

過去・現代で共通する社内コミュニケーションの問題は、声の大きな人間、影響力のある人間の言葉が重視されてしまうことです。コミュニケーション環境が複雑化し、なかなか可視化できない現代で、誰かの主観や感情論が通ってしまうと、判断を誤る可能性が高くなります。防止策として、社内コミュニケーションの状況を構造的に整理し、社内に喚起することが大切です。フレームワークを用いたり、パルスチェックで記録を取ったりして、科学的に分析するのが効果的となります。

まとめ

社内コミュニケーションが不足すると、企業は大小さまざまなトラブルを抱えやすくなります。コミュニケーションの重要性を再認識し、現状を整理しながら対応策を練っていきましょう。コミュニケーションの問題を解決するためには、フレームワークを用いたり、パルスチェックで記録を取ったりして、科学的に分析する方法もあります。自社に必要な対策が分からない場合はぜひソフィアまでお問い合わせ下さい。

よくある質問
  • インターナルコミュニケーションとは何ですか?
  • 社内やグループ会社内など、同一の組織内における広報活動のことです。「社内広報」や「インナーコミュニケーション」とも呼ばれ、社内報や社内セミナー、対話集会などを通して、社内におけるコミュニケーションを活性化する活動全般を指します。
    こうした活動は、組織の価値観や文化に対する社員の知識・理解を深めることにつながります。会社のビジョンを外部に向けて主体的に発信することのできる社員を育成し、組織全体を良い方向へと導く取り組みとして、インターナルコミュニケーションが行われます。

  • 社内コミュニケーション不足で起こることとは具体的に何か?
  • 社内コミュニケーションにコストをかけていない企業では、従業員が意欲を失い、結果、企業が支払っている給与の35%が無駄になっているという結果が出ています。また、業務効率が落ちるため、平均12%の労働時間が浪費されていることもわかりました。
    このようにコミュニケーションが不足すると、さまざまな問題が引き起こされます。例えば対話が少ないことでビジネス上のやりとりに誤解が生じ、現場に不信感が広がるケースが考えられます。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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