あなたの会社は大丈夫?社内のコミュニケーションを円滑にする方法

#コミュニケーション#チームビルディング#ビジネススキル#組織開発

18.Jan.2021

従業員エンゲージメントが企業の業績に大きく影響することが近年のいくつか研究で明らかになり、その従業員エンゲージメントを左右する要素のひとつに社内コミュニケーションが含まれることもわかってきています。
企業においても社内コミュニケーションの重要性は認識されつつあるものの、「こうあるべき」という自社の社内コミュニケーションの理想像を定義したり、社内コミュニケーションの現状について定期的に調査を行ったりしている企業は多くありません。そのため、自社は大丈夫だと思っている企業が実はコミュニケーション不全に陥っている状態もしばしば見受けられます。
そこで本記事では、社内のコミュニケーション不全を解消し、円滑にする方法を解説します。

会社における社内コミュニケーションの重要性

会社での社内コミュニケーションについて、人事ポータルサイト「HR総研」がアンケート調査を行っています。

「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と認識する企業は9割を超える

「社員間のコミュニケーション不足が業務の障害になるか」という質問に対して、9割にものぼる企業が「そう思う」と回答をしています。さらに「大いにそう思う」回答が72%であったことからも、企業にとってコミュニケーション不足は死活問題である認識が芽生えていることがわかります。
なおこの結果は企業規模と関連がなく、社員1000名以上の大手企業から1〜300名の中小企業においても同様の認識であることがうかがえます。

社員と会社との関係性の変化

日本においては長い不況や人口構造の変化、企業のグローバル化により雇用環境が変化し、今や日本独自の終身雇用制度は事実上の終焉を迎えつつあります。人材が流動化し、転職という選択肢を取ることが珍しくなくなった昨今、日本企業における働き方の欧米化が進んでいるとも言えます。

しかしその影響で、社内におけるコミュニケーションコストが必然的に高くなってしまっています。コミュニケーションコストとは、「お互いが意思疎通できるようになるまでにかかる時間や心理的な抵抗」を意味する言葉です。お互いが既知で関係性の深い間柄であるほど、コミュニケーションコストは下がる傾向にあります。逆にいえば、未知の相手や関係性の浅い間柄の相手だとコミュニケーションコストは高くなります。

人材が流動化するほど組織内の人の結びつきは弱くなるため、社員間のコミュニケーションコストが高くなるといえるでしょう。意思の疎通が図りにくくなることから、会社のコミュニケーションに課題が生じやすくなるのです。

人が企業に対して優位な時代になりつつある

今でも「経営の神様」と称えられる松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)の社長、松下幸之助氏は「企業は人なり」という言葉を残しています。とはいえ、かつて製造業が日本の主力産業だった時代は、企業の持つ技術や設備が企業価値に大きく影響していました。しかし現在は、第3次産業が日本の産業全体における7割以上を占めており、また製造業のサービス業化も進んでいることで、「人」が企業価値に大きく影響するようになりました。まさに、松下氏の言葉を体現する状況となっているのです。

また、新卒採用では売り手市場が続き、人材の流動化によって転職市場も激化し、企業は「働く人を選ぶ側」から「働く人に選ばれる側」へと変わりました。新型コロナウイルス流行の影響で有効求人倍率は下がっている者の、2020年の時点でも1%を越えており、求職者に有利な状況と言えます。
こういった中で優秀な人材を迎え入れるためには、企業が求職者に「選ばれる会社」にならなければなりません。そのためには「エンプロイーバリューポジション(EVP)」、すなわち企業が従業員に提供できるなにかしらの価値が必要です。すぐに思い浮かぶのが給与などの報酬や福利厚生といった面ですが、それだけでは人材の確保は困難になっています。その会社でしか経験できないミッション、社員自身を成長させてくれる要素、円滑なコミュニケーション、そういったものがEVPとなり、求職者を引きつけるようになりました。

会社の社内コミュニケーション不足によって起こる問題

会社での社内コミュニケーションが重要であることはわかっていても、コミュニケーションが不足することがどのような事態を招くのかは想像しにくいかもしれません。単に空気が悪くなる、会話が減るというだけではなく、企業目線で見ると重大なリスクが潜んでいます。

生産性の低下

コミュニケーションが気軽にとれない環境では、指示や連絡がタイムリーに伝わらないため、仕事のスピードが落ちたり、業務上のトラブルの原因となったりします。すると、社員間ひいては部門間や事業所間の連携がとりにくくなることにつながります。情報共有にも不都合が生じ、会社そのものの動きが鈍くなるのです。

社員の帰属意識の低下(エンゲージメントが下がっている・社員が定着しない)

会社での人間関係は、プライベートな部分の情報もある程度共有がなされていると、お互いに安心感や共感を得やすくなります。しかし、社内コミュニケーションが不足するとこうした部分を開示することがなくなり、タスクの伝達に傾倒しがちです。結果、会社への帰属意識が低くなり、社員離れの一因となる可能性があります。

社員が能力を発揮できない

コミュニケーションコストが高くなると、自分の言動に対して周囲がどう反応するかを察しにくくなります。こうした状態では、周囲からの評価を気にしすぎてしまい自身の能力を十分に発揮できません。
もちろん社員によってはどこ吹く風で我が道を行くケースもありますが、協調性や和を重んじる社員は「出る杭」になることを嫌うため、実力にブレーキをかけてしまうのです。

イノベーションの創出がない(失敗を恐れる)

社内コミュニケーション不足により意思疎通がとれていない状況が続くと、部下は上司の顔色を気にするようになります。こうした状態では、部下が上司に叱られたり注意されたりすることを恐れ、萎縮して自身の能力を発揮できなくなるでしょう。また、「勝手にやってはいけない」というネガティブな社内風土に陥りやすくもなります。実際には「やりたい」と手を上げれば済む話に思えますが、同調圧力によってそうした能動的な言動が憚られる雰囲気が会社内に作られてしまうのです。

会社の社内コミュニケーションと成功循環モデル

マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した成功循環モデルという理論があります。
組織のコミュニケーションにはグッドサイクル(よい循環)とバッドサイクル(よくない循環)とがあります。グッドサイクルでは、「関係の質」すなわちコミュニケーションの質を高めます。相互理解を深めて意思疎通を円滑にし、他者尊重、協調を重んじることで、社員には仕事で気づく力や業務に面白さを感じる力が身につきます。すると「思考の質」が向上し、自分で考えて行動する力が身につき「行動の質」が向上します。そこから成功が生まれ、「関係の質」の高まりへと循環していくというものです。

一方、バッドサイクルではコミュニケーションを後回しにして「結果の質」を向上させようとします。先述の理由から成果は効率的に出ないため、命令や批判・非難、対立が生じて「関係の質」が悪化します。関係が悪くなると社員は仕事にコミットしなくなるため「思考の質」が下がり、付随して「行動の質」も下がり、「結果の質」はさらに低下するわけです。
成功循環モデル

会社の社内コミュニケーションを円滑にするには「心理的安全性を高める」ことが重要

心理的安全性とは、組織において自分が発言・行動する際に周囲からの反応を気にしすぎることなく、ありのままの自分でいることのできる状態を意味する概念です。組織行動学を研究している、ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が1999年に提唱しました。
さらに「成功するチームを構築するために、心理的安全性はもっとも重要なものである」と米Google社が発表し、注目を浴びています。
会社において心理的安全性を高めるには、健康で風通しのよい組織風土と円滑なコミュニケーションの状態が不可欠です。成功循環モデルでも触れた通り、相互理解、意思疎通、他者尊重、協調が心理性安全性向上の鍵となります。

会社の社内コミュニケーションを円滑にする方法:実践編

健全なコミュニケーションには主導者の存在が不可欠であり、それがリーダーやマネージャーです。彼らの振る舞いがチーム全体に影響を与えます。
リーダーやマネージャーは、コミュニケーションが円滑に行われているかどうか常にアンテナを張っている必要があります。「関係の質」が円滑かどうかに気づき、円滑でなければ質を変えていかなければなりません。逆にいえばこういったスキルがマネジメントには必須であるといえます。
また、「関係」は1対1とは限りません。組織対個人、複数人対個人の場合もあります。会社におけるさまざまな関係において「気づき」のスキルが求められることになるでしょう。そしてこの気づきを得る手段こそがコミュニケーションの活性化です。なおこの文脈でのコミュニケーションはタスク以外のコミュニケーションを指します。
以下に、社内コミュニケーションを円滑にするための実践的な方法を3つご紹介します。

会議の前にアイスブレイクの時間を作る

アイスブレイクは場の空気を和ませるのに最適です。社内会議や社外での商談に限らず、朝会や夕会などチーム全員が集まる場で少し多めに時間を割き、関係を深める機会を作るとよいでしょう。会社では能動的にならないとコミュニケーションをとれないこともあるので、こうして積極的に人とかかわる機会をリーダーやマネージャーが設けると効果的です。

社員がお互いを知るきっかけを作る(TGIF、懇親会など)

TGIF(Thank God It’s Fridayの略:金曜夜の対話会)や懇親会などを定期的に行うことも手です。強制参加にする必要はありません。アイスブレイクがうまく機能すればコミュニケーションのきっかけが芽生えるため、「もっとまわりを知りたい」という欲求から参加率は高くなるでしょう。ひと昔前のような「飲みニケーション」ではなく、会議室で軽食をつまみながら自身のキャリアや会社の今後について対話を重ねる会なども、さまざまな企業で行われています。

社員全員が発信できる場を作る(社内報、社内SNSなど)

社内ポータルサイトを使った社内報や社内SNSを導入している企業では、Web上でコミュニケーションを促すのも手でしょう。特に企業規模の大きな会社ではチーム単位でしか集まれず部門の垣根を越えたコミュニケーションが困難なため、Webとリアルとを融合させた施策の活用が有効です。 Webを利用したこうした情報発信の場づくりは、コロナ禍で在宅勤務が増えている中で一層重要性が高まっています。企業の規模に関わらず、前向きに導入を検討してみてください。

Web社内報や社内SNSは、特別なシステムがなくてもMicrosoft365などのデジタルワークプレイスに含まれている機能を利用して立ち上げることも可能ですし、クラウドサービスを使って単体で開発・制作・導入することも可能です。詳しくはソフィアまでお問い合わせください。

まとめ

多くの経営者やマネージャーは、会社にとってコミュニケーションは重要だということを認識しています。しかし、なぜ重要なのか、どういった状態がコミュニケーション不全なのか、どうしたらコミュニケーションがうまくいくのかを考え、リーダーやマネージャーを教育し、組織を変えていくことは実のところとても難しいものです。こういった課題に取り組む際は専門家の支援を受けることをおすすめします。組織風土改革を得意とするソフィアでもコミュニケーション活性化の実績を多数持っていますので、お気軽にご相談ください。

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