在宅勤務の進展とともにインターナルコミュニケーションをアップデートすべき理由

#コミュニケーション#働き方#多様性

17.Jul.2020

〈目次〉
“オフィスで働く”という前提が変化。それってコロナのせい?
仕事の価値を感じ「求心力」を高める機会をつくる
会社と社員がインターナルコミュニケーションを「共創する」時代へ

“オフィスで働く”という前提が変化。それってコロナのせい?

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、数カ月の間に、私たちの働き方が大きく変化しました。 テレワークの一つである在宅勤務を導入する会社が増え、“オフィスで働く”という前提が崩れました。緊急事態宣言の解除後も在宅勤務を導入し続けているところも多く、大手企業のなかには、コロナ終息後も週2〜3日の在宅勤務を継続する方針を打ち出したところもあります。

在宅勤務を経験した人の多くは、「通勤ストレスが減少した」「会議の効率化が図られた」など、ポジティブにとらえているようです。一方で、日本生産性本部がおこなった勤労者の意識調査によると、在宅勤務に満足していると答えた人が約6割いるなかで、同じく約6割の人が、効率が下がったと回答しています。そこには、在宅勤務に好意的でありながらも、パフォーマンスの低下を自覚しているという矛盾があります。

このパフォーマンス低下の一因として考えられるのが、コミュニケーションの変化です。“オフィスで働く”ことが前提だった頃、私たちは時間と空間を共有することで、非言語のメッセージを受け取ったり、自然に発生する雑談や周囲の会話から、仕事や個人的な情報をキャッチしたりすることができました。しかし、今回、オンライン上での“目的ありき”のコミュニケーションが中心となったことで、無意識に得られていた情報が入りにくくなり、それぞれの前提が揃わなくなっています。これまでのように“阿吽の呼吸”を頼りにした仕事のやり方が通用しなくなっているのです。

この問題は、実はコロナ禍特有のものではありません。副業解禁やテレワークなど、人々の働き方が多様化していく中で、遅かれ早かれ必ず私たちがぶつかるはずのものだったのです。それがたまたま、今回を機に表出しただけにすぎません。「コロナ禍の応急処置」で終わらせず、これを機に時代に合わせて組織運営やコミュニケーションを変えていかなければ、個人においても組織においても、パフォーマンスが低下していく危険性があります。

仕事の価値を感じ「求心力」を高める機会をつくる

働き方の多様化は、すなわち組織に属する個々人の自律性が高まっていくことを意味します。これは同時に、組織に対する「遠心力」が働き、帰属意識が薄れてバラバラになっていく危険性をはらんでいます。終身雇用時代のような愛社精神が必要だというわけではありませんが、少なくとも、個々人がそこで働く意義や意味を感じ、力を尽くそうという「求心力」(エンゲージメント)が、今後の組織運営にとって重要な要素です。

では、働き方も考え方もさまざまな社員たちの「求心力」を高めるには、どうしたらいいのでしょうか?
そのポイントとなるのが、インターナルコミュニケーションです。社員と会社の双方が理想とする方向性をすり合わせ、共通点を見いだすために、社員との接点を積極的につくることが必要です。社員一人ひとりが、自分の仕事が社会課題の解決にどうつながっているのか、個々人が自分の目指すものと会社の目標にどのような接点があるのかを理解し、会社や組織に所属しているからこそ、それを成し遂げられるのだと実感してもらうことが、エンゲージメントを高め、結果として組織のパフォーマンスを高めることにつながります。

ここで気を付けたいのは、多様化された社会では、何がベストなのかはそれぞれの組織によって異なり、決まった答えはないということです。会社がいくら細やかな方針や施策を用意しても、それが各現場で正解になるとは限りません。会社側から提供すべきなのは「正解」ではなく、それぞれの現場や個人が考え、意思決定するための「場」や「機会」なのです。

たとえば、部門単位でコロナ禍での仕事の「振り返り」をして、今後のコミュニケーションの仕方や業務の進め方などについて、各現場で話し合ってみてはいかがでしょうか。オフィスで顔を合わせる機会が減ったことによって、何が起こったのか。「得たもの」「失われたもの」や「元に戻すべきこと」「無くしても困らないこと」について意見を出し合うことで、自分たちがパフォーマンスを高めて価値を生みだしていくために何が必要か、社員たち自身で模索しながらつくっていくよい機会になると思います。

会社と社員がインターナルコミュニケーションを「共創する」時代へ

前述のように、「求心力」を高めるためのカギはインターナルコミュニケーションにあります。これはこれまでの時代でも同じでした。しかし、その形は少しずつ変化してきています。

かつて、終身雇用が前提で、会社に無条件に忠誠心を求められた時代のインターナルコミュニケーションは、社員同士の連体感を高めることを目的としていました。その主な手段は、社員旅行や運動会などのイベント。そして社内報は、社員の結婚や出産の報告、行事などの情報が掲載された“コミュニティ誌”のような存在でした。

終身雇用の維持が難しくなってくると、会社への忠誠心や社員同士の連体感が薄れていき、会社の成長のために、社員一人ひとりのモチベーションや組織力を高めることが経営課題となりました。現在、インターナルコミュニケーションの役割は、ビジョン浸透や経営戦略の伝達、エンゲージメント向上などを目的としたものへと変化しています。

そして今後は、ますます個人の自主性・自律性が尊重され、会社と社員がより対等な関係になっていくことが予想されます。このコロナ禍での変化が、さらにこうした動きを加速させていくでしょう。会社から一律の正解を提示することは非常に難しくなり、同時に社員には自律的に自分たちのパフォーマンスを高める責任が生じます。インターナルコミュニケーションも、会社主導で取り組むものから、会社と社員が共に創る「共創型」へと変わっていくのではないでしょうか。

どうあれば社員も会社もおたがい高いパフォーマンスを発揮し続けられるのか。社員がこの命題に積極的に向き合い、会社と社員がともに成長のために貢献し合う関係を築いていくことが求められています。

 

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