営業部門の組織力強化をする方法は?属人化におけるデメリットを解説

企業の成長のために、営業部門の組織力強化は不可欠です。営業部門のパフォーマンスは利益に直結するからこそ、組織として力を入れるべきポイントといえます。

日本ではトップダウン式に指示がおりていく企業が多い傾向にありますが、ときにはボトムアップ式の方が現場の人間が能動的に動き、生き生きした強い組織になることも考えられます。

この記事では、営業の組織力強化の方法を解説するとともに、業務が属人化することによるデメリットも紹介します。従来の慣習や文化にとらわれない組織改革のヒントとして参考にしてみてください。

営業部門の組織力強化が難しい理由とは

まず前提として、営業部門の組織力強化は簡単な作業ではありません。というのも、多くの企業の営業部門に、以下の3つの阻害要因が存在すると考えられるからです。

ブラックボックス化・属人化

最初に紹介する阻害要因は、ブラックボックス化・属人化したノウハウです。ハイパフォーマーとされる営業社員であっても、そのノウハウを言語化できないという人は大勢います。また、なかには、自分の付加価値を高めたいがために、業務のノウハウを人に教えることを嫌がる人もおり、周囲がそのノウハウを把握できていないケースも少なくありません。

よくよく考えてみると、大学や専門学校には基本的に「営業」の専門科目は存在しません。組織として手法を体系化することは難しく、専門的・科学的に営業を教えることは難しいのです。よって、何も手を打たなければ営業ノウハウは自然とブラックボックス化してしまいます。

マネジメントが難しい

前述のように、営業は専門的・科学的な分析がされていないので、確固たる方法論を持ちません。そして、方法論のないことが組織マネジメントをより難しくさせています。また、担当者が独自のやり方を持って進めているケースも多く、マネージャーが各担当者のやり方を踏まえてマネジメントしなくてはなりません。紋切型で業務が進まないため、マネジメント効率を上げることが非常に難しく、結果的に気合や根性の精神論に基づくマネジメントとなってしまうケースも散見されます。

売上が個人に依存してしまい安定しない

科学的に整理されていない営業の業務は、ノウハウをまとめて体系化することが困難です。そのため、組織内にノウハウを蓄積することが難しく、企業によっては個人の営業スキルに頼りすぎてしまうことも多くあるでしょう。業績が好調だったとしても、一部のトップセールスが売上のほとんどを稼いでいるという場合、組織としての安定性には不安が残ります。

営業部門で組織力強化をする準備

ここからは、営業部門の組織力強化に本気で取り組みたいという場合の準備について解説します。どのような準備が必要なのか、外せないポイントを2つピックアップしました。

現状を把握する

まず重要なのは、現状を把握することです。訪問件数や受注件数などの定量的なデータを取りつつ、現場の課題をヒアリングして集めた定性的データも整理するようにしましょう。さらには、お客様から実際に寄せられた声などのデータも課題の特定に役立ちます。

組織としての課題を解決するために、把握したデータは組織内で共有しましょう。

目標の設定

何年も変えていない訪問件数と売り上げというような目標値だけを元に漫然と業務にあたるのではなく、組織内での新たな目標を設定することも重要です。目標の設定は、営業部門のトップだけでなく、できるだけ多くの社員で合意形成したのちに行いましょう。

特に売上が下がっているときに問題は発生しやすくなります。今の状況にどう取り組むのか、なぜやるのか、また何を指標に判断するのか、何が重要なポイントになるのかなどを一つひとつ考えます。具体的な問いを重ねながら対話するように考えを深めていくことがポイントです。多くの社員を巻き込んでKPIを作ることで、押し付けられて嫌々追いかける目標ではなく、納得して追いかける活きた目標になります。

営業部門の組織力強化をする方法

営業部門の組織力強化をする方法にはどのようなものがあるのでしょうか。組織力を強化するにはコミュニケーションを促進する方法や、環境づくり、成功体験を積み重ねるなどの方法があります。

ここでは、組織力強化における具体例な方法を解説します。

営業ナレッジを共有

営業ナレッジを積極的に共有することで、各営業担当のスキル向上や実績向上を促進しましょう。前述の通り、営業という業務は一般的に体系化が難しく、それ故に確定的な成功法則はありません。営業に関する実用書は毎年数多く出版されていますが、その多くは「自社とは違う組織の、自社とは違う商品・サービスの、自社とは違う顧客への営業成功談」になっています。

そのため、自社なりの成功ナレッジを共有することが非常に重要かつ有効です。もちろん、自社の事例であっても、営業担当が持っている個々の顧客はそれぞれ事情が異なりますが、少なくとも同じ武器(商品・サービス・販促物・組織力)で同じ市場へアプローチした結果のため、すぐに各自が営業活動に活用することができます。

組織内の連携を強化

コミュニケーションの場を作り、組織内の連携を強化していきましょう。現在は、社内SNSやオンラインツールが普及しているため、積極的に活用していくと便利です。社内のメンバーと気兼ねなくスムーズにやり取りできる環境づくりをすることで相互援助を促します。昨今、リモートワークが増え、タバコ部屋での情報交換や、夕方の営業所でのコミュニケーションがなくなってきているので、オンラインでも環境を作ることは強く求められています。

社員の働く動機付けを行う

人が働く理由は、報酬や人事評価など、外発的な動機だけではありません。「成長したい」などの内発的な動機を胸に努力している人も多くいます。

そのため、組織力の向上を図る上では、個人の持つビジョンと企業ビジョンとを紐づけていき、従業員が「貢献したい」と能動的に思えるような動機付けを行なっていくことが大切です。

失敗を許す環境を作る

失敗を許容できない風土は、社員を萎縮させてしまいます。営業の場合は一般的に3割バッターがハイパフォーマーです。つまり、ハイパフォーマーでも7割は空振りするということです。そのことを念頭に、従業員が失敗を恐れず、安心して発言したり、行動したりできる組織を目指しましょう。

しかし、どうしても大口顧客や大きなチャンスに対しては「何で仕事を決められないんだ」「どうして失注するんだ」とマネージャーが詰問しがちです。しかも、その言葉は、言葉通り理由を聞いて次に生かそうという姿勢で発せられるのではなく、「お前は気合と根性が足りない」という意味合いを含んで叱責の意図で発せられるケースがほとんどです。

このような組織では改善は進んでいかないでしょう。失敗したとしても、何が良くて何がダメだったのかを冷静に話し合い、分析し、次に生かす施策を考え、失敗をナレッジとして組織に共有していくことが必要です。

成功体験を積み重ねる

営業の組織力を強化し、稼ぐ力をアップさせるためには、組織としての学習能力が必要不可欠です。

特に、なにか新しい手法を導入する場合は、全社でいきなり大きく始めると反発が大きく頓挫しがちです。一部の部署やチームで始め、失敗と改善を繰り返して実績を作りましょう。強烈な成功体験や、インパクトのある数字があがれば、組織全体として推進する大きな後押しになります。個人商店的営業組織だとしても勝ちパターンは誰もが探していますので、自然と組織内にその手法は伝播していきます。

まとめ

今回は、営業部門の組織力強化について解説しました。営業部門の業務は、体系化することや、ノウハウとして整理することが難しい領域です。しかしながら、丁寧にコミュニケーションを重ねることでノウハウを組織として言語化し、部門を越えて共有し、それを元にして失敗と改善を繰り返し、成果を積み上げていくことで、確実に営業組織は強くなります。

そのためには、ボトムアップ型のマネジメントスタイルで現場を活発化させ、生き生きと働ける環境を提供することも重要です。ソフィアでは、組織開発を得意とするコンサルティング会社としてお客様企業をサポートしております。組織の風土改革や組織力強化をお考えの際は、ぜひお問い合わせください。

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