Copilot StudioにSharePointを追加するのは簡単?方法・活用・注意点を徹底解説
最終更新日:2026.10.13
目次
「Copilot StudioにSharePointをナレッジソース(知識源)として追加するのは簡単なのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。結論から言えば、追加する操作そのものは数分で終わるほど手軽です。ただし、業務で安定して回答できる状態にするには、いくつかの準備が欠かせません。
この記事では、追加操作の手軽さと、実務で使うために必要な前提条件を対比しながら解説します。追加の手順やできること、メリット、注意点、相談先の選び方まで、社内文書をナレッジソースとして活用したAI導入を検討する経営層や業務推進担当者に向けて整理しました。ぜひ最後までご覧ください。
Copilot StudioにSharePointを追加するのは簡単?
まず、多くの方が最初に気になる「簡単にできるのか」という点から見ていきましょう。追加操作そのものの手軽さと、実務で使うために必要な準備を分けて捉えると、進め方の全体像がつかめます。
ナレッジソースとして追加する操作自体は簡単
結論として、SharePointをナレッジソースに追加する操作は、とても手軽です。Copilot Studioでエージェントを開き、ナレッジのセクションからSharePointのサイトURLを登録し、名前と説明を入力して保存するだけで完了します。ファイルを一つずつ指定する必要はなく、サイトのURL単位で登録できる点も特徴です。プログラミングの知識も不要で、画面の案内に沿って設定を進められます。
この操作だけを見れば、数分で終わる作業といえるでしょう。「まず触ってみる」という段階のハードルは、決して高くありません。
実務で使うには前提条件の準備が必要
一方で、業務のなかで安定して回答できる状態にするには、いくつかの準備が求められます。追加操作が簡単だからといって、そのまま実用レベルで使えるとは限りません。たとえば、次のような準備や確認が必要になります。
- SharePointリストを利用する場合は、Dataverse検索が有効になっていることを確認する
- 利用者の認証方法の設定
- 誰がどの文書を見られるかというアクセス権の設計
つまり、「追加する操作」と「実務で使える状態にする準備」は別物として捉えることが大切です。この二段構えを理解しておくと、導入の見通しを立てやすくなります。
そもそも「ナレッジソースとして追加する」とは
ここで、ナレッジソースとして追加するとは何かを整理しておきましょう。これは、SharePointに保存した社内文書をAIのナレッジソースとして登録し、その内容をもとに回答を生成させることを指します。
ポイントは、フローのように処理を実行するのではなく、あくまで「回答の根拠」として使われる点にあります。AIは登録された文書を検索・参照し、質問に対する答えを組み立てます。
社内規程やマニュアルを土台にすることで、汎用的なチャットボットとは違い、自社の情報にもとづいた回答が得られるようになります。
Copilot StudioにSharePointを追加する方法
「簡単」とお伝えしましたが、実際の流れをイメージできると安心して進められます。ここからは、SharePointをナレッジソースとして追加する具体的な手順を、順を追って紹介します。いずれもコードを書かずに操作できます。
1. エージェントを開いて「ナレッジ」を選択する
まず、Copilot Studioで対象のエージェントを開きます。知識ソースはエージェント単位で管理されるため、追加したいエージェントを特定することが最初の一歩です。
概要(Overview)またはナレッジのページから「ナレッジの追加」を選びます。ここが、Webサイトやファイルなど、さまざまなナレッジソースを一元管理する入口になります。
2. SharePointを選択してURLを入力する
追加できるナレッジソースの一覧からSharePointを選択します。表示された欄に、ナレッジソースにしたいSharePointサイトのURLを入力しましょう。URLは、sharepoint.comドメインのものが対象です。入力の際は、先頭の「https://」を省いて登録しましょう。
3. 名前と説明を入力する
続いて、そのナレッジソースの名前と説明を入力します。この「説明」は、あとで回答精度に関わる重要な項目になるため、中身が伝わる内容にしておくと安心です。
たとえば「就業規則・休暇・退職に関する規程」のように、どんな情報が含まれているかを具体的に書いておきましょう。
4. 「エージェントに追加」を選択する
最後に「エージェントに追加」を選べば、登録は完了です。設定した内容が保存され、そのナレッジソースをもとにAIが回答できるようになります。
追加後は、テスト用のチャットで実際に質問を投げかけ、意図どおりに回答されるかを確認しておくとよいでしょう。
Copilot StudioにSharePointを追加するとできること
追加の手順が分かったところで、実際にどのような業務に役立つのかを見ていきましょう。ここでは、Q&Aなどの一次対応から、その後の業務処理の自動化まで、代表的な活用例を紹介します。
社内規程・手続きのQ&A対応
SharePointに置いた就業規則や旅費規程などをもとに、社員からの質問にAIが回答する活用例です。「育児休業の申請はどこに出すのか」といった問い合わせに、規程にもとづいて即座に案内できます。
人事や総務には、規程を見れば分かる定型的な問い合わせが集中しがちです。一次対応をAIに任せることで、担当者はより本質的な業務へ時間を回すことができるようになります。
ITヘルプデスクのナレッジ検索
SharePoint上のマニュアルやFAQをもとに、社内システムの問い合わせに答える活用例です。「パスワードを再設定したい」といった頻出の質問に、蓄積された情報から回答します。
情報システム部門は、日々の問い合わせ対応に多くの時間を割かれがちです。ナレッジ検索をAIが担うことで、担当者は障害対応や基盤整備といった専門性の高い仕事に集中できます。
Power Automateと連携した実行までの自動化
知識をもとにした回答だけでなく、通知や登録といった実行までつなげることも可能です。Copilot StudioはPower Automateと組み合わせることで、業務の流れの中にAIを組み込めます。
たとえば、AIが整理した内容をTeamsに通知したり、SharePointのリストへ登録したりする一連の流れを自動化できます。「調べる」だけで終わらず、その先の作業までつながる点が大きな利点です。
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Copilot StudioにSharePointを連携する3つのメリット
活用例を踏まえたうえで、追加によって得られるメリットを整理します。SharePointをナレッジソースに追加することで、主に3つのメリットが生まれます。それぞれ見ていきましょう。
社内に散らばる情報を探す手間が減る
規程やマニュアルが部署ごとに分散していると、社員は必要な情報になかなか自力でたどり着けません。「どこに何があるのか分からない」という状態が、日々の小さなストレスになっているものです。
ナレッジソースをAIに集約すれば、社員は質問するだけで答えにたどり着けます。情報を探し回る時間を減らし、迷子になりがちな社内文書を活用しやすくできる点は、大きな魅力といえるでしょう。
既存のSharePoint環境をそのまま活かせる
新たに文書を作り直す必要はなく、すでにSharePointにある社内文書をそのまま土台にできます。日常的に使っている環境を活かせるため、活用場面をイメージしやすい点もメリットです。
大がかりな移行作業を伴わずに始められるため、心理的なハードルも下がります。慣れた環境の延長で取り組めることは、社内に受け入れられやすい要素にもなります。
定型的な問い合わせ対応の負担を軽減できる
『引っ越し時の手続きはどうすればよいですか』『有給休暇の申請方法は』といった規程やマニュアルを確認すれば回答できる質問が、担当部署に集中する状況は多くの企業で見られます。こうした定型的な問い合わせを、AIの一次対応で受け止められます。
問い合わせ対応に追われていた担当者が、本来注力すべき業務に時間を使えるようになります。結果として、部門全体の生産性向上にもつながっていきます。
Copilot StudioにSharePointを追加する前に確認したい注意点
手軽に始められる一方で、追加する前に確認しておきたい点もあります。あらかじめ押さえておくことで、実務で使える状態にスムーズにたどり着けます。4つの観点で確認しておきましょう。
Dataverse検索や認証などの前提条件を確認する
現在のCopilot StudioでSharePointサイト(ドキュメントライブラリ)を通常の方法でナレッジソースとして利用する場合にはDataverse検索の有効化は必要ありませんが、SharePointリストを利用する場合、 Dataverse検索を有効にする必要があります。事前に管理者と確認しておくと安心でしょう。
Microsoft 365 Copilotライセンスと検索設定によって対応範囲が変わる
同一テナントにMicrosoft 365 Copilotのライセンスがあると、「Tenant graph grounding with semantic search(検索結果の拡張)」を利用でき、SharePointの検索・回答品質や処理できるファイルサイズが変わります。
Microsoft社の公式ドキュメント「SharePoint Knowledge Sources Don’t Return Results」によると、生成回答で処理できるファイルサイズは次のように整理されています。
- 同一テナントにMicrosoft 365 Copilotライセンスがなく、該当設定がオフの場合:7MBまで
- 同一テナントにMicrosoft 365 Copilotライセンスがあり、Tenant graph grounding with semantic searchを有効にした場合:200MBまで(検索結果の拡張をオン)
上限を超える大きなファイルは、検索では返っても生成回答には使われない場合があります。自社の環境でどこまで対応できるのかを、あらかじめ把握しておくとよいでしょう。
アクセス権と情報管理を設計する
SharePointをナレッジソースにした場合、利用者がアクセス権を持つコンテンツのみが回答に利用されます。サインインしたユーザーの権限に応じて、参照できる範囲が絞り込まれる仕組みです。
だからこそ、Copilot Studio側だけでなく、元データであるSharePointの権限設計が重要になります。なお、機密ラベルで暗号化されたファイルなどは、そもそも回答の生成に使えない点にも留意しておきましょう。
ナレッジソースとして利用できる範囲と制限を確認する
ナレッジソースとして使える範囲には、いくつかの制限があります。たとえば、クラシック形式のASPXページは回答の生成に使われません。また、登録した文書内のハイパーリンク先は自動では辿らないため、必要なら個別にナレッジソースとして登録します。また、対応しているファイル形式は、
- Word documents (DOC/DOCX)
- PowerPoint (PPT/PPTX)
- PDF files
の3つとなっており、ExcelファイルやCSV、テキストファイルなどは現在対応外です。想定していた文書が参照されない、といった行き違いを防ぐためにも、対応するファイル形式やサイズを含む制限を事前に把握しておくことが大切です。詳細はMicrosoft公式の「SharePoint web app limits」で確認できます。
Copilot StudioとSharePointで回答精度を高めるコツ
追加できたら、次は「いかに的確に答えてもらうか」が課題になります。
実は、少しの工夫で回答の質は大きく変わります。精度を高めるための2つのコツを紹介します。
ナレッジの「説明」を工夫する
知識ソースを登録する際に付ける「説明」は、単なるメモではありません。生成AIの利用をオンにしたエージェントでは、AIがそのナレッジを参照するかどうかの判断に、この説明が使われます。
そのため、どのような内容が含まれているのかを具体的に書いておくことが重要です。「就業規則・休暇・退職に関する規程」のように中身が伝わる説明にすると、AIが適切な場面でその知識を呼び出しやすくなります。
実際の利用状況を見ながら継続的に改善する
一度追加して終わりにせず、実際の質問と回答を見ながら調整していくことが大切です。うまく答えられなかった質問は、ナレッジソースや説明を見直すヒントになります。精度は運用しながら少しずつ育てていくものです。次のようなサイクルを回すと、着実に改善が進みます。
- 実際に使われている質問と回答を確認する
- 意図した回答が出ない原因を探る
- ナレッジソースや説明を見直して調整する
- 対象とする業務を少しずつ広げる
こうした地道な改善の積み重ねが、社員に信頼される回答へとつながっていきます。
Copilot StudioとSharePointの導入を支援会社に相談するメリット
ここまで見てきたとおり、追加操作は簡単でも、実務で使うには設計と準備が欠かせません。自社での対応が難しい場合は、専門会社への相談も選択肢になります。
前提条件の整備や設計には専門知識が必要
Dataverse検索や認証、アクセス権の設計など、確認すべき項目は少なくありません。追加操作そのものは簡単でも、実務で使える状態に整える設計は自社だけでは迷いやすい部分です。
生成AIを導入したものの「ツールは導入したが、具体的な活用方法が分からない 」という状態は、多くの企業が陥りがちです。自社の複雑な業務をどう変えるべきか設計できる人材が社内にいないと、導入だけでは課題は解決しません。ここに、外部の専門家を頼る意味があります。
見極めから運用・定着まで伴走支援を活用する
支援会社の伴走を得るメリットは、対象業務の洗い出しから構築、回答精度の改善までを一貫して支えてもらえる点にあります。効果の高い業務を見極め、小さく始めて育てていくアプローチが有効です。
たとえば、次のようなサイクルを回しながら精度を高めていきます。
- 選ぶ:効果の高い業務を1つに絞る
- つくる:ナレッジソースを追加し、エージェントを構築して展開する
- 集める:現場の使われ方や声を収集する
- 磨く:ナレッジや説明を改善し、対象業務を広げる
作って終わりにせず、現場の声を反映しながら育てることで、社内AIは定着していきます。評価の物差しを「作った数」ではなく「実際に使えた人数」に置く視点も大切です。
情シスと現場の橋渡しを支援する
活用がうまくいかない一因に、情報システム部門と事業部門で目的がそろっていない問題があります。片方が技術やセキュリティを重視し、もう片方が現場の使いやすさを求める、というすれ違いです。
支援会社は、両者の間に立って要件を整理し、目的をそろえる役割も担います。現場のプロジェクトチームに直接入り込み、要件定義から回答精度の調整までを共に進めることで、全社で足並みのそろった活用が実現します。
まとめ
Copilot StudioにSharePointをナレッジソースとして追加する操作自体は簡単で、社内文書をナレッジソースにしたAIを手軽に作れます。サイトのURLを登録し、名前と説明を入力するだけで、コードを書く必要もありません。
ただし、実務で安定して回答できる状態にするには、Dataverse検索や認証、アクセス権の設計、ライセンスによるファイルサイズの違いといった前提を押さえる必要があります。「追加する操作」と「実務で使える状態にする準備」は、分けて考えることが大切です。
まずは社内手続きのQ&Aなど、身近で効果の見えやすい業務から小さく始めてみましょう。自社だけで進めにくいと感じたときは、支援会社に相談しながら進める方法もあります。



