Copilot StudioとPower Automateは連携できる!違い・方法・活用例を徹底解説
最終更新日:2026.10.13
目次
「Copilot StudioとPower Automateは連携できるのだろうか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。結論から言えば、2つは連携でき、AIが内容を読み取って整理する工程から、実際の処理の実行までを一連の業務フローとして自動化できます。
この記事では、両者の違い、連携方法、活用例、メリット・注意点をまとめて解説します。AI活用を回答生成や情報整理だけ で終わらせず、実務の負担軽減につなげたい経営層や業務推進担当の方に向けて、実践的な視点で整理しました。ぜひ最後までご覧ください。
Copilot StudioとPower Automateの違い
連携の話に入る前に、まずは2つのツールがそれぞれ何を得意とするのかを押さえておきましょう。役割の違いが分かると、なぜ組み合わせると効果的なのかが自然と見えてきます。ここでは、それぞれの概要と根本的な違いを整理します。
Copilot Studioとは

Copilot Studioは、自社の業務や目的に合わせてAIエージェントを構築できるプラットフォームです。単に質問へ答えるチャットボットではなく、社内文書や業務ルールをもとに、要約・分類・文案作成といった作業を任せられる点が特徴といえます。
知識ソースとしては、SharePointやOneDriveに保存した社内文書などを利用できます。自社の規程やマニュアルを土台にした、業務に特化したAIを作り込めるわけです。
構築したエージェントは、TeamsやMicrosoft 365 Copilotなどから利用できるよう公開できます。社員が普段使っている環境から、そのまま利用できる点も魅力です。
Power Automateとは

Power Automateは、通知・登録・承認・メール作成といった処理を自動化するツールです。あらかじめ組んだフローに沿って、決められた作業をシステムが自動で実行してくれます。
ローコードでフローを作成でき、基本的な自動化であればコードを書かずに構築できます。 たとえば「フォームが送信されたら担当者に通知する」「ファイルが保存されたら台帳に転記する」といった定型作業を、人手を介さずに実行できるようになります。
すでにMicrosoft 365環境で業務効率化を進めてきた企業にとっては、なじみの深いツールかもしれません。日々の繰り返し作業を減らす基盤として、幅広く使われています。
Copilot StudioとPower Automateの違いは
「対話・推論・オーケストレーション 」と「ワークフロー実行・システム連携 」
2つのツールの違いは、担う役割にあります。Copilot Studioは、入力された自然言語から「何をしたいのか」「どの業務に該当するのか」を読み取り、意図をくみ取る役割を担います。
一方のPower Automateは、その結果を受けて、通知や登録、承認といった処理を実際に動かす役割です。整理すると、次のように分けられます。
- Copilot Studio:対話・推論・オーケストレーション を担う
(AIが意図をくみ取り、内容を要約・分類する) - Power Automate:ワークフロー実行・システム連携を担う
(決まった処理を安全に動かす)
「考える」部分と「動かす」部分を分担していると捉えると、両者の関係がイメージしやすくなります。この役割分担こそが、連携を理解するうえでの前提になります。
Copilot StudioとPower Automateは連携できる|仕組みと方法
役割の違いを踏まえると、両者を組み合わせる意味が見えてきます。ここでは、Copilot StudioとPower Automateが実際にどう連携するのか、その仕組みと方法を具体的に解説します。連携でできることも、あわせて紹介していきます。
Copilot StudioとPower Automateを連携する4ステップ
2つを組み合わせた自動化は、大きく4つのステップで組み立てられます。「対話・推論」と「実行」がどうつながるのかを、流れで確認してみましょう。
- 入力・起点:Power AppsやForms、Teamsなどから業務が始まる
- 処理開始:フローが自動で実行される
- AI処理:Copilot StudioのAIが入力内容を要約・分類し、必要な情報を整理する
- 出力・反映:Teams通知やSharePoint登録、Plannerへの反映まで自動でつなぐこのように、業務の入口から結果の反映までを一本の流れにできる点が、連携の核心です。AIが整理した内容が、そのまま次の処理へ引き継がれていきます。
エージェントフローとクラウドフローの違いと使い分け
ここでは代表的な構成として、エージェントフローとPower Automateのクラウドフローを比較します。
エージェントフローもPower Automateの基盤で動作しており、エージェントとの会話を起点にした処理を、Copilot Studioの中でそのまま組めます。別画面を開かずに構築できるため、会話の流れに沿った自動化にはこちらが手軽でしょう。
一方、次のようなケースでは、独立したクラウドフローとして作成し、エージェントから呼び出す構成が向いています。
- 毎朝決まった時刻に自動実行するなど、スケジュールを起点にしたい場合
- Power Appsのボタンなど、エージェント以外からも同じ処理を使い回したい場合
- 権限管理をより細かく行いたい場合
まずはCopilot Studio内で完結させ、再利用や権限管理といった要件が出てきた段階でクラウドフローの活用を検討する、という進め方が実務的です。
Copilot StudioからPower Automateを呼び出す方法
実装のイメージもつかんでおきましょう。エージェントからPower Automateのフローを呼び出す基本的な流れは、次のとおりです。エージェントからフローを呼び出す場合は、
- 「When an agent calls the flow」トリガーと「Respond to the agent」アクションを備えたフローを用意する
- Copilot Studioの「ツール」から対象のフローを追加する
- エージェントから渡す入力値や、フローから返す出力値を設定して動作を確認する
これらはローコードの画面上で設定でき、コードを書く必要はありません。会話の流れの中から、必要なタイミングでフローを呼び出せるようになります。
連携でできること(活用例)
では、実際にどのような業務を自動化できるのでしょうか。ここからは代表的な活用例を紹介します。いずれも、人が確認する前の一次対応をAIに任せ、その先の実行までをつなげる使い方です。
休暇・経費などの申請チェックと通知
Power Appsで受け付けた休暇や出張の申請について、不足項目や規程上の注意点をAIが整理し、その結果をTeamsに自動で通知する事例です。申請者への差し戻しや確認のやり取りを、スムーズに進められます。
月末や月初に集中しがちな確認作業を平準化できるため、担当者の負担軽減につながります。入力不備の差し戻し対応に追われる、といった状況の改善にも役立つでしょう。
問い合わせの自動分類と担当部署への振り分け
Formsやメールで受け付けた問い合わせを、AIが内容ごとにカテゴリに分類し、回答案の作成や担当部署への通知まで自動化する事例です。一次対応の手間を大きく減らせます。
「この問い合わせはどの部署が対応すべきか」という振り分けを人が毎回考える必要がなくなります。対応漏れや引き継ぎのミスを防ぐ効果も期待できます。
契約書・提案書の確認ポイント整理とリスト登録
アップロードした契約書の重要条項や確認すべきポイントをAIが整理し、法務確認用のリストへ自動登録する事例です。提案書についても、不足点や想定される質問の洗い出しに活用できます。
もちろん、最終的な法的判断は人が担うことが前提となります。あくまで確認観点の整理をAIに任せることで、レビュー前の準備を効率化できます。
商談メモの要約とSharePoint・Plannerへの登録
入力した商談メモから、決定事項や課題、次のアクションをAIが抽出し、SharePointのリストやPlannerへ自動登録する事例です。記録づくりと共有の手間をまとめて減らせます。
議事メモを整理するだけで一日が終わってしまう、という悩みの解消にも役立ちます。抽出した内容がそのまま次のタスク管理へ引き継がれる点も便利です。
メール返信案の作成と下書き反映
OutlookメールをトリガーにAIへ内容を渡し、返信案を作成して下書きに反映する事例です。問い合わせへの一次回答や各種 案内など、定型的なやり取りで力を発揮します。
担当者は用意された文案を確認して整えるだけで済むため、返信にかかる時間を短縮できます。カスタマーサポートや営業連絡、社内連絡など、応用範囲は広がっていきます。
Copilot StudioとPower Automateを連携するメリット
活用例を踏まえたうえで、2つを連携させることで得られるメリットを整理します。単体利用との違いを見ることで、連携の価値がより明確になります。ここでは3つの観点から見ていきましょう。
情報の生成と実行の分断を解消できる
生成AIを使っても、回答や文案を作った先の転記・登録・通知が手作業のままでは、負担は本質的に減りません。AIが回答や文案を作る工程と、その先の実行の工程が分断されたままでは、成果につながりにくいのです。
Copilot StudioとPower Automateの連携は、この分断を解消します。AIが整理した内容が、そのまま実際の処理へと流れていくため、業務が一気通貫でつながります。
総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、生成AIを活用する方針を定めている国内企業の比率は約50%にとどまっています。関心の高さに実行が追いついていない今だからこそ、実務まで踏み込める連携の価値は大きいといえます。
既存のMicrosoft 365環境と組み合わせやすい
すでにMicrosoft 365を利用している企業であれば、SharePointやTeams、Outlookなど既存の環境と組み合わせて自動化を検討できます。日常的に使う仕組みを土台にできるため、活用場面をイメージしやすい点はメリットです。
新しいツールをゼロから覚える負担が小さく、現場にも受け入れられやすくなります。慣れた環境の延長で始められることは、定着を後押しする要素にもなります。
ローコードで現場主導の自動化ができる
基本的な仕組みであれば、専門的なプログラミング知識がなくても構築できます。これにより、情報システム部門だけでなく、現場や事業部門が主体となって業務改善を進められます。
小さく作って試し、うまくいけば横展開する、という現場発の改善が回りやすくなります。全社規模の大きな取り組みだけでなく、チームや個人単位の自動化を後押しする点も見逃せません。
Copilot StudioとPower Automateを連携する際の注意点
多くのメリットがある一方で、連携にあたって押さえておきたい注意点もあります。あらかじめ理解しておくことで、失敗を防ぎやすくなります。3つの観点で確認しておきましょう。
AIに最終判断を委ねない
承認や意思決定、対外的な交渉、例外対応など、責任と判断を伴う業務は人が担うべき領域です。AIは一次対応に位置づけ、最終的なチェックは必ず人が行う運用を徹底してください。
生成AIの回答には、誤りや不適切な表現が含まれる可能性もあります。出力をそのまま流すのではなく、確認の工程を挟むことで、安全に自動化を進められます。
必要なライセンス・コネクタを確認する
Copilot StudioとPower Automateは、利用する機能や接続先によって、必要なライセンスや管理者設定が異なります。特に外部サービスとの連携やプレミアムコネクタの利用には、追加の設定が求められる場合があります。
検討の際は、Microsoft 365内で完結する範囲と、追加のライセンスや外部連携が必要な範囲を切り分けて考えることが大切です。要否は契約状況によって変わるため、早い段階で確認しておくと安心でしょう。
アクセス権と情報管理を設計する
社内文書を知識ソースとして扱う以上、アクセス権や情報管理の設計は欠かせません。SharePointを知識ソースにする場合、利用者がアクセス権を持つコンテンツだけが回答に使われる仕組みになっています。
だからこそ、Copilot Studio側だけでなく、元データであるSharePointの権限を適切に設計することが重要です。誰がどの情報にアクセスできるかを整理したうえで運用を始めましょう。
Copilot StudioとPower Automateの連携は支援業者への相談がおすすめ
ここまで見てきたとおり、連携には大きな可能性がある一方で、設計や運用には見極めが必要です。自社だけで抱え込まず、支援業者の力を借りることも有効な選択肢になります。その理由を整理します。
連携の設計には専門的な判断が必要になる
どの業務を、どこまで自動化するか。フローをエージェント側で組むか、独立させるか。こうした設計には、業務とツールの両方への理解が求められます。
生成AIを導入したものの「すごいツールは入ったが、何をしていいか分からない」という状態は、多くの企業が陥りがちです。自社の複雑な業務をどう変えるべきか設計できる人材が社内にいないと、導入だけでは課題は解決しません。ここに、外部の専門家を頼る意味があります。
見極めから運用・定着まで伴走支援を活用する
伴走支援を活用するメリット は、対象業務の洗い出しから構築、運用改善までを一貫して支えてもらえる点にあります。効果の高い業務を見極め、小さく始めて育てていくアプローチが有効です。
たとえば、次のようなサイクルを回しながら精度を高めていきます。
- 選ぶ:効果の高い業務を1つに絞る
- つくる:Q&Aやエージェント、連携フローを構築して展開する
- 集める:現場の使われ方や声を収集する
- 磨く:ナレッジやプロンプトを改善して回答精度を高め、対象業務を広げる
作って終わりにせず、現場の声を反映しながら育てることで、自動化は定着していきます。評価の物差しを「作った数」ではなく「利用者数・利用率・削減時間など、実際の業務成果 」に置く視点も大切です。
情シスと現場の橋渡しを支援する
自動化がうまくいかない一因に、情報システム部門と事業部門で目的がそろっていない問題があります。片方が技術やセキュリティを重視し、もう片方が現場の使いやすさを求める、というすれ違いです。
支援業者は、両者の間に立って要件を整理し、目的をそろえる役割も担います。現場のプロジェクトチームに直接入り込み、要件定義から回答精度の調整までを共に進めることで、全社で足並みのそろった活用が実現します。
まとめ
Copilot StudioとPower Automateは連携でき、AIによる対話・判断と、通知・登録・メール作成といった実行を、一連の業務フローとしてつなげられます。会話と密接に連携する処理はエージェントフロー、汎用的な業務自動化や他アプリからの再利用、詳細な管理が必要な場合はクラウドフロー、と使い分けることがポイントです。
AI活用は、個人が「使う」段階から、業務を「任せる」段階へと移りつつあります。問われているのは「どう使うか」よりも「どう任せるか」です。その第一歩として、手順書に落とせる小さな業務から試し、効果を確かめながら広げていくことをおすすめします。
自社だけで進めにくいと感じたときは、見極めから定着まで支える伴走支援を活用する方法もあります。まずは「社内手続きのQ&A」など、身近で効果の見えやすい業務から着手してみてはいかがでしょうか。




