職場に潜む「見えない偏見」をあぶりだす! 参加型演劇の手法を取り入れたワークショップ「REVERSE」を開催しました

#コミュニケーション#多様性#研修・ワークショップ

25.Oct.2019

2019年9月1日(日)、ソフィア本社にて、職場における「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」に気づくことを目的とするワークショップ、「REVERSE(リバース)」の体験イベントを実施しました。

アンコンシャス・バイアスとは、誰もが潜在的にもっている偏見(十分な根拠なしに偏った見解をもつこと)。育った環境や所属している集団によって、知らず知らずのうちに私たちの脳に刷り込まれています。

たとえば、
・有名大学出身だと聞くと、仕事でも優秀だと思ってしまう
・女性が怒ると、「女性は感情的だから」と思う
といったもの。

こうした偏見は日々の何気ない言動に表れ、コミュニケーションでのトラブルにつながります。

そこでソフィアが開発したのが、参加型演劇という新しい手法を使って、頭ではなく“体感”によってアンコンシャス・バイアスへの理解を深めるワークショップ「REVERSE」。前半は、職場を舞台にしたイマーシブ(没入型)演劇の体験。舞台と客席の境目がなく、役者と参加者が双方向のコミュニケーションを取りながらストーリーが進められます。後半は、インプロ(即興演劇)の手法を取り入れて、立場を入れ替えたコミュニケーションを疑似体験します。

部長と女性社員の立場がREVERSE(逆転)したらどうなる?

会場となったのは、ソフィアの社員が実際に使っているオフィス。
受付で「リバース商事」の社員証を渡され、くじ引きで決められた席に着いた参加者は、

あなたは、リバース商事 営業部の社員です。
リバース商事の社員として、
ここでおこる出来事に参加していただきます……

と、謎のメッセーが書かれた1枚の用紙を目にします。
プログラムや資料などは何も置かれていません。
「これから何がおこるのだろう……」と、みなさんやや不安げ。

開始時間になると突然、男性が大きな声で「おはよう!」と言ってオフィスに入って来ました。
イマーシブ演劇の始まりです。
彼は、営業部の部長という設定。

劇の登場人物は、産休から復帰したばかりのマリと、営業部の部長、課長、営業成績優秀な女性社員と、新入社員の男性。この5人が、アンコンシャス・バイアスが盛り込まれたコメディーを展開していきます。

次第に参加者は、オフィスで繰り広げられる“職場あるある”なストーリーに引き込まれていった様子。役者からいきなり「君、資料を配るのを手伝って」などと話しかけられた参加者が、笑いをとりながらアドリブで返す場面もありました。

劇のポイントは、部長とマリの体が入れ替わり、相手の立場になって考えてみることで、気づきを得るところ。と同時に、職場のさまざまなアンコンシャス・バイアスがあぶり出されていきます。たとえば、お茶を入れるのは女性社員という偏見。部長になったマリは、女性社員にお茶をいれさせようとした課長に対し、「どうして女子ばっかりにお茶を入れさせるの? 男子がやってもいいでしょ?」と言って、男性の新入社員にお茶をいれるように指示します。

劇の終盤でマリが言った、「大変なのは自分だけじゃない、ということがわかった」という言葉が印象的でした。

参加者がそれぞれ劇中で発見したアンコンシャス・バイアスを共有する時間では、
・長時間オフィスにいる人は仕事がデキる
・新人は元気がよくなければならない
・お茶は女性が出すもの
といったものが挙げられました。

インプロ(即興演劇)で、身体的な行動と偏見の関係を体感

後半は講師を迎えて、インプロの手法を使ったワークを実践。

「インプロは日常のコミュニケーションと同じで、相手がどんなことを言ってくるかわからないので、不安がつきまといます。だから、失敗してもOKという空気をつくります」(講師のコメント)

ということで、自己紹介を兼ねたウォーミングアップからスタートしました。

円陣を組んで時計回りに拍手を回していくワーク→ランダムに拍手をパスしていくワーク→相手のニックネームを呼びながらテンポよく拍手をパスしていくワーク、といったように、徐々にレベルアップ。

相手のニックネームがわからなくなったら、両手を挙げて潔く「もう一回!」と言うのがこのワークの流儀です。
初の「もう一回!」が出ると会場が笑いで溢れ、参加者の肩の力が一気に抜けた様子。
このワークで、「わからないこと、間違えたことをオープンにすることはチームの雰囲気を良くする」という、場の空気ができあがりました。

次に「お菓子会社の交流会に参加している」という設定で、二人一組になってインプロを体験。一人は肩を開いて、片方の腕を前に伸ばして相手の肩に触れながら、相手の目をじっと見て話す。もう一人は、肩を内側に入れて体を縮め、自分の体をさすりながら、相手から目をそらして話す。これを、立場を入れ替えて体験。

このインプロによって体感したことを共有すると、ほとんどの参加者が、
・肩を開いている人は業績がいい(立場が上)、肩を内側に入れている人は業績が悪い(立場が下)というイメージがある
・肩を開くとポジティブな発言をしたくなり、肩を内側に入れるとネガティブな発言になってしまう
・体勢が変わると、相手が別人に見える
ということを実感していました。つまり、身体的な行動(姿勢)と言葉が連動している、行動(姿勢)で印象や感情がコントロールされる、ということになります。

さらに、二人の参加者が、「イベント会社に勤めている先輩と後輩」という設定でインプロしたところ、見ていた参加者から「先輩=デキる、後輩=デキないという偏見がある。本当は無関係なものが紐づけられて、自分の中にインプットされていることに気づいた」などの感想が聞かれました。

こうして、2時間のワークショップはあっという間に終了。

「イマーシブ演劇によって、記憶に残る体験になった」
「最初の演劇での入り込みは緊張したが、自然と入り込んで、一気に世界に入った感じがあった」
「自分自身や自分の組織を見直すきっかけになった(楽しみながら!)」
「日常生活の中で、ふと『あれ、これは本当に当たり前のことなのか?』と、自分に疑問を投げかけてみようと思う」
など、参加者はそれぞれに気づきを得たようです。

「REVERSE」では、こうした気づきを“感覚として”持ち帰ることができるので、日常の場面での実践に結びつけやすいのではないでしょうか。

イマーシブ担当:Out of theater
インプロ担当:IMPRO KIDS TOKYO
(文:小笠原綾子 撮影:児玉聡【@kodamaaaa10】)

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