INTERVIEW

お客様インタビュー

お客様インタビューvol.22
「三菱電機株式会社:パーパス浸透ワークショップ支援 現場で自走できる仕組みを実現」

三菱電機株式会社
生産システム本部変革プロジェクトグループ 兼 全社変革プロジェクトグループ
藤井 健太さん(写真中央)
畠山 剛さん(写真左)
株式会社ソフィア
津川 靖海(写真右)

インタビュー実施日:2024年1月26日

三菱電機株式会社(以下、三菱電機)では、社内公募で選ばれた有志メンバーからなる全社変革プロジェクトを中心に、全社的な組織風土改革に取り組まれています。組織風土改革は全社に加え各事業本部等の組織単位でも推進されており、生産システム本部でもプロジェクトグループ(以下、生産本変革プロジェクト)が設置されました。今回、取り組みの1つとして自分自身のパーパス「マイパーパス」を見つけるワークショップを開催。ソフィアがその設計および運営を支援しました。今回は生産本変革プロジェクトメンバーの2名に、取り組みの経緯や活動にかける想いを伺いました。

一人ひとりが仕事の意義を見つめ直す機会を作りたかった

ソフィアを選んだのは「一人の人間として向き合えるから」

藤井さん
私たちが所属する生産システム本部は約1000名、三菱電機のコーポレート本部のひとつです。ものづくりに関する全社の方針・施策を立案・実行する本部で、方針を立てる本社部門と、その方針を具体的な施策として製造拠点と共に実行していく3つの技術センター(設計システム技術センター、生産技術センター、コンポーネント製造技術センター)に分かれています。私たちは後者の設計システム技術センターにも所属しています。
畠山さん
また、私たちは全社変革プロジェクトのメンバーでもあり、約2年前から会社の変革に取り組んできました。そこで考えた変革のための施策を、いかに生産システム本部に落とし込むかを考え、先導する役割も担っています。
藤井さん
生産システム本部は当社の製造拠点の課題を見つけ出し、解決するための施策を考える、いわば社内コンサルのような立場なので、決められた業務をこなすだけではなく、もう一歩踏み込んだ姿勢が必要です。しかしながら目の前の業務に追われて、そこまで考える余裕が持てないのが実情でした。改めて一人ひとりが何をしたいのか、どのようなことで会社に貢献できるのか、考える時間を作りたいと考えていた中、ちょうど会社からマイパーパス(自身のパーパス)を考える活動を各職場で展開するように依頼があり、自分たちのやりたいことを言語化するためにも、生産システム本部の各職場により適した形で取り組みを行ってみたいと思いました。

津川
藤井さんとは社外コミュニティでお会いしたことがきっかけで情報交換をするようになりましたよね。
藤井さん
はい。お話しする中で、自分たちがやりたいことに対して、ソフィアさんが具体的なノウハウを持っていると感じて支援を依頼することになりました。またビジネスライクな対応ではなく、個性と熱量を持って接してくれるところ、ニュアンスを正確に拾い上げてくれるところが魅力的でした。
畠山さん
他社の方とお仕事をする際、どうしても心理的に「○○という会社の人」というフィルターがかかってしまうことが多いのですが、今回は「津川さん」と一緒にお仕事をしているという感覚があり、とても話しやすかったです。

多方面との密なコミュニケーションでリスクを減らし、約1000名へのワークショップを円滑に進行

各職場が自分たちでできるワークショップを設計

津川
今回はマイパーパスを見つけるためのワークショップを設計し、まずは課長層の方に実際に体験していただいた上で、自職場に持ち帰って実施してもらえるよう呼びかけました。課長主導でワークショップを自走できるようにしたことに加え、全5回実施した課長向けワークショップのうち2回目以降は藤井さんにファシリテーションをしてもらったことで、実施指導自体も自走できるようにした点がポイントです。

藤井さん
継続的に行っていくためにも、内製化の仕組みは重視しました。また円滑な実施のために、所長級や部長級とも前もって議論を重ね、あえてトップダウン気味で綿密に施策を展開しました。本来私たちがやっているのはボトムアップの活動なのですが、生産本変革プロジェクトのリーダーとして副本部長も参加しているので、必要な場合にはトップダウンの動きもできるのが強みだと思っています。
畠山さん
悩ましかったのは、全員対面必須にするのか、オンラインも可能にするのか等、ワークショップの自由度をどこまで持たせるかという部分でした。生産システム本部は世界中の製造拠点を回る仕事なので、出張や在宅の社員も多いんです。対面のほうが効果的である一方で、実現可能性とのバランスを取るのが難しかったです。
藤井さん
実際「本当にやるの?」というような声もありましたし、オンラインで事前説明会を行う際には「どんな反応が返ってくるんだろう」と不安でした。自分の仕事に対してダイレクトで反応がくる仕事というのはなかなかないので、緊張しましたね。結局はほぼ全ての職場が実施してくれ、予想以上に対面で実施してくれた職場も多くありました。生産システム本部の約8割が回答してくれたアンケートでは、ワークショップ参加前は6割以上の人が「興味がない」状態でしたが、参加後は8割以上の人が「参加してみて良かった」と回答してくれました。自分自身を見つめ直すよいきっかけを作ることができたと思います。
畠山さん
定型的な業務の通達ですら見過ごされることがあるのに、今回は期限内にほぼ全ての部署が取り組んでくれました。みんなができた、というのは何でもないように見えてすごいことだと思います。

コミュニケーションコストを惜しまないことが成功のカギ

藤井さん
やはりソフィアさんと本音で打ち合わせを重ね、密なコミュニケーションを取りながら、ワークショップが自走できるよう緻密に作りこんだことが生きたのではないでしょうか。
畠山さん
ソフィアさんが壁打ち相手になってくれて、わかりやすい言葉で言語化してくれたので、自分たちのやりたいことを整理することができてありがたかったですよね。
津川
こうした取り組みは、社内での合意が得られず躓く例が多いのですが、今回はお二人が躓きそうな点は事前に洗い出し、上層部から順にきちんと手順を踏んで合意を取ってくださったので、とてもスムーズに進めることができました。また当社がかかわる前から藤井さん・畠山さんが生産本変革プロジェクトとして活動されてきた結果、しっかり土台が固まっていたのも大きかったと思います。生産システム本部全体でお二人への信頼があり、多くの方が前向きに取り組んでくださいました。
藤井さん
多忙な中でも話し合いの時間を割いてくださる上層部の方々のおかげでもあります。また生産システム本部は常に改善を考えるのが職務なので、新しく何かをやることに比較的抵抗は少ないかもしれません。
津川
加えてお二人のこれまでの頑張りがあったからこそ、雰囲気が前向きになっているんだと思います。特にお二人の相性がすごくいいですよね。
畠山さん
考え方も専門分野もまったく違うのですが、なぜか上手くいっています(笑)根底に持っている信念が同じなので、議論はしても、大きく衝突はしないんです。お互い本当にいい仲間に出会えたなと感じています。

2年間を費やしてきた熱い思い―組織の“お作法”を超えて、本気で会社を変えていく

全社変革プロジェクトは「自分が自分らしく貢献できる場」

津川
お二人が全社変革プロジェクトメンバーという立場に自ら立候補し、2年もの間頑張ってこられた原動力はどこにあるのでしょうか。
藤井さん
面白そうだったから、というのが最初のきっかけです。もともと「大きな会社で大きな仕事をしたい」という思いがあり、エンジニアとして働きつつも「もっと何かやりたい」と感じていました。そんな中で全社変革プロジェクトの公募があり、「めっちゃ大きいことできるやん!」と思って手を挙げました。一介のエンジニアではなかなか経験できない仕事をできることにやりがいを感じていますし、特に生産システム本部の皆さんに本当に助けられて、楽しく取り組めています。
畠山さん
私の場合、生産システム本部として各拠点を回りながら、何となく現場が後ろ向きで元気がないなと感じていたとき、全社変革プロジェクトの公募がありました。当時、社会に何か役立ちたいと思いつつも、正直エンジニアとしては自分の限界を感じていて……「今とは違う仕事をやってみたら、新しい道が見えてくるかも」という思いで手を挙げました。全社変革プロジェクトをやりながら新しく勉強したこともたくさんあり、自分の努力が形になり始める中で「自分でもこの会社に役立てる場があるかもしれない」という気持ちが、頑張り続ける原動力になっています。

プロジェクトが解散しても火は消さない

藤井さん
実は、生産本変革プロジェクトは24年度末に解散する予定です。今までの取り組みや熱量が解散後に消えてしまうのでは、と懸念しています。あと1年かけてこれまでの熱をどう残していくか考えていきたいですし、残りの期間でもう一段生産システム本部を良くしていきたいと思います。また今までは社内のステップを律儀に踏むコミュニケーションしか知らなかったのですが、今回のプロジェクトを通して、必要であればステップを飛ばしてトップと直接の素早いコミュニケーションをとること可能だと分かりました。必要に応じてこうしたスピーディなコミュニケーションがとれる関係を、社内にもっと増やしていけたらいいですね。
畠山さん
藤井さんが上層部と直接コミュニケーションがとれるのは、同じ視座で話ができるからだと思います。そのためにたくさん勉強しているからこそ可能なことですし、プロジェクトを先導する人としての矜持があって、すごく頑張っているんですよ。
藤井さん
自分たちの意思で自由に動いている分だけ、責任を持ってやりたいという気持ちは大きいです。でも実は、上層部も現場が考えていることを知りたがっているんですよ。お互いに視座を合わせることができれば、Win-Winな形でコミュニケーションがとれるようになります。プロジェクトを通して上層部と話をする機会も増え、最近はしばらく顔を出さないと「たまにはうちにも来てよ」と言ってもらえるようになりました。その言葉が実はすごく嬉しいです(笑)

これからも面白く「尖って」いてほしい!

藤井さん
3月まで来期の戦略設計を行っているので、引き続き津川さんと一緒にしっかり議論をしたいです。議論の結果生まれた取り組みは、社内で必ず実施していきます。3月以降も困ったときには、ぜひ相談にのってください。最後に、津川さんを始め、面白い人がいるのがソフィアの強みだと思います。ぜひこのまま尖っていてください。

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