アニメから読み解く、若者が求めるリーダー像とは?(資料)

30.Apr.2020

表1)アニメに描かれたチームやリーダー像の傾向と、時代背景(詳細版)

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年代 時代背景 コンテンツの傾向 集団やリーダーの傾向
1950年代 戦後、まだまだ貧しく、人々は困窮 代表的な作品は、SFロボット「鉄腕アトム」など。戦う存在を見い出し、正義をなすために戦っていきその中で成長していくストーリー 仁義礼智信と儒教的な精神が強い、人を思いやり、我欲にとらわれず、道理を知り、友情に厚い、その強力なリーダーシップが引っ張っていく
1960年代 高度経済成長の最盛期。東京オリンピック開催の一方、四大公害病などの社会問題が発生 スポ根マンガの流行。スポーツは人々が努力によって栄光を目指せる分野でもあった。巨人の星、あしたのジョー、アタックNo.1、サインはVといった作品。 熱烈に指導してくれるコーチへの信頼と根性によって成長し逆境を乗り越えていく姿。この時リーダーとはある意味コーチであり、コーチの叱咤激励に耐え忍ぶことで結果を出していく
1970年代 貧困から少しずつ脱却。アイドル、スペースインベーダーのブーム、モータリゼーションの定着など 宇宙戦艦ヤマトが流行。そのほかにも、科学忍者隊ガッチャマン、コンバトラーVといった博士の元侵略者と戦うアニメが根強くある。サーキットの狼、750ライダーといった作品が出てくる。また戦隊シリーズは、それまでと違い複数人のヒーローが登場する 宇宙戦艦ヤマト等のSFものでは、優れた指導者とともに戦う姿が見て取れる。スーパー戦隊シリーズでは、個々の個性を生かしてチームとして戦っていく姿
1980年代 世代ギャップ「新人類」が流行語。人々はバブルに向かいながら、消費と恋愛を楽しんでいった うる星やつら、タッチを代表したラブコメブーム。また一方、ガンダムが放送しているのはこの時代。戦争と人間が自然を破壊している事実は変わらず、世紀末を題材にした作品が増える。AKIRA、風の谷のナウシカ、北斗の拳など。 ガンダムでは、軍隊式の上下関係と現代的若者のいらだちが見て取れる。尊敬できる上司に従うことで未来をつかむ構造に陰りが見え始め、90年代のバブル崩壊後の作品の流れへとつながっていく
1990年代 冷戦が終わり、バブル崩壊。華やかさからの落差は大きく永遠の成長に頼れなくなった時代 代表的な作品はエヴァンゲリオン。ここでは、社会・組織・父という支配層、そもそも正義に対する不信・限界が強く見える。冷戦という、二項対立が消えた時代、悪を倒すだけでは正義はなせないということもあるかもしれない。ワンピースも入れる?女性の活躍が増えていることもあってか、美少女戦士セーラームーンが登場する。 ガンダムの時点で父とは溝が発生していた。しかし、エヴァンゲリオンでは父との対立構造が、組織との軋轢にも直結している。以前は、押し付けられる成長像に納得できたが、この時代では若者は付いていけなくなっている
2000年代 2001年アメリカ同時多発テロ事件。格差は拡大、自殺者も90年代後半から上昇。ネットカルチャーが急成長を見せる。1999年2ちゃんねる、2005年youtube、翌年ニコニコ動画。新しい生活スタイルが定着 ループというジャンルが生まれる。繰り返されるつらい世界という閉塞感からどうやれば打破することができるかを表現。また知性・知識が重要性を増しいきデスノートやコードギアス、データを取り入れたテニス漫画ベイビーステップ等。後半になると、日常系という作品も前面に。涼宮ハルヒの憂鬱、けいおん!によって日常を楽しむという今までメインストリームではなかった作品が急上昇。成長神話が失われ、今のすごさを再確認する、楽しむといった風潮がこれ以降強くなる 日常の中で、快適さや楽しさ享受できる場こそが重要であり、そういった場を大切にできることがグループとして重要。また、とくに、結果を出すためにどう精神的に変化していくかというなかで、押し付けるだけではないアプローチをしている。また、一方コードギアスでは、知力によってまず結果を出して引っ張っていく。このどちらも今につながるだろう。
2010年代 コト消費へと消費者行動の変化が強く出た。スマートフォンが普及、ツイッターやフェイスブックといったSNSの影響力は大きくなる。売り手市場ともいわれる就職市場や、ネット社会という若者文化に大人がより興味を示している現状もある。 英雄一人の正義の限界と近代技術の力、世界を変えるために多くの人に知恵や力を布教して行く必要があり、最終的には英雄は必要されない、といった要素は悪を英雄が倒すだけではない正義のあり方を物語を通して形にしていった。この、一人の英雄ではなく人々が力を合わせて英雄的行動をとる姿は、シンゴジラにも見られているし、英雄的力を持っているから何なんだという疑問は、ONE先生のワンパンマンやモブサイコ100は投げかける。 リーダーとなるためには、やはり結果を出さないといけない部分はもちろんある。それは進撃の巨人であっても、キングダムであっても変わらないし、50年代から変わらない部分としてある。しかし、より何かをなすために集団となることの必要性を感じているのが現代。独りよがりにならず、仲間を多く作り、支配するのではなく力を借り、技術を活用する、そういったあたりまえともいえるリーダー像をこそ、求められているのかもしれない。

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