Microsoft Teams完全ガイド: 機能・メリット・導入方法を徹底解説
最終更新日:2025.10.06
目次
Microsoft Teamsは、チャットや会議で知られるコミュニケーションツールですが、単なる連絡手段ではありません。プロジェクトの情報を集約するハブとして、業務効率化やテレワーク推進に欠かせない存在です。Teamsとは何か、その特徴や活用法を解説します。
Teamsとは
Teamsとは、Microsoftが提供するコミュニケーションツール です。メンバーとのチャット機能や資料共有、通話やビデオ会議の機能を備えており、Microsoft 365と連携できます。テレワークの増加に伴い、オンライン上での会話や共同作業が必要となりましたが、これらすべてTeamsで完結します。過去のやり取りも検索でき、必要な情報にいつでもアクセス可能です。また、モバイルアプリも提供されており、場所を問わず利用できます。
さまざまな業界の企業もTeamsを活用しており、職場の最新化やビジネスプロセスの向上に成功しています。一体感を生む企業カルチャーを築くこともできます。Teamsを活用し、効率的なコミュニケーションと共同作業を実現していきましょう。
Teamsの特徴とメリット
Teamsにはチャット、ビデオ通話やオンライン会議などの機能が備わっており、遠隔地にいるメンバーともリアルタイムで迅速かつ簡単にコミュニケーションが取れます。PCの稼働状況によって相手の在席状況(連絡可能、離席中、取り込み中)も把握できるため、状況を考慮した連絡が可能です。
また、TeamsはMicrosoft 365との連携により、WordやExcel、PowerPointなどのOffice製品と結びついて業務の生産性を向上 させます。ファイル共有機能も備わっているため資料や文書を効率よく共有でき、メンバー同士で同時に編集することも可能です。
このように多様なツールが統合されていることで、複数のアプリケーションを切り替える必要がなくなり、作業の合理化や時間の節約につながります。さらに、Teamsには言語の壁を越えるメッセージ翻訳機能や、文字を読み上げてくれるイマーシブリーダーなどの機能もあり、誰にとっても使いやすいコラボレーション環境を提供します。
セキュリティにも重点が置かれており、データの暗号化やアクセス制御などによって機密性やプライバシーの確保が図られています 。また、管理者はTeams管理センターを通じてユーザーやチームの設定、セキュリティポリシーを一元管理できます。組織全体でガバナンスを効かせながら安心してTeamsを活用できる点も大企業にとって大きなメリットです。
Microsoft Teamsの利用シーン
Teamsを活用した情報共有の具体例をご紹介します。
部や課内の情報共有
まず、部や課ごとにチームを作成し、メンバー同士のチャットやビデオ通話を活用して仕事の進捗状況や相談事項を共有します。ファイル共有機能で文書やプレゼン資料を共有すれば、リアルタイムで共同編集やコメントが可能です。また、Teamsのカレンダー機能(Outlook連携)を利用すると、参加者全員のスケジュールを把握でき、会議やイベントの日程調整が容易になります。
さらに、メンバー同士でナレッジや情報を共有したり、Teams内でブログ・ニュースを発信したりすることで、部や課内の情報伝達を円滑に行うことができます。
新入社員研修の運営
新入社員研修でもTeamsが役立ちます。まず、新入社員・教育担当者・メンターなど役割ごとにチームを作成することで、個別のサポートやフィードバックが可能になります。チーム内で教材や資料を共有すれば、学習の進捗状況を把握するとともに新入社員の自主学習を促し、効果的な研修につながるでしょう。また、ビデオ会議機能を利用したオンライン研修により、場所や時間に制約されないコミュニケーションと協働が実現します。
研修期間中はチャット機能で気軽に質問や相談ができます。さらに、新入社員同士の交流を深めるためグループ活動にTeamsを活用するケースもあり、同期同士のコミュニケーションを通じてお互いの信頼関係構築にも役立ちます。
経営会議の運営
次に、経営会議でのTeams活用方法です。事前に経営会議の予定をTeamsのカレンダーに登録し、参加者を招待します。会議資料や議題はファイル共有機能でアップロードし、必要な資料を参加メンバーと事前に共有します。
会議当日はTeamsのビデオ会議機能を使用し、参加者とリアルタイムにコミュニケーションを図ります。画面共有機能で資料を表示しながらプレゼンテーションを行うこともできます。会議の進行中にはチャット機能で質問やコメントを送信できるため、円滑な議論を促進します。
さらに、ライブイベント機能を活用すれば大規模な経営方針発表会などをオンライン開催することも可能です。参加者はビデオ会議形式でイベントに参加し、プレゼンテーションや質疑応答を行えます。加えて、会議の議事録や共有ドキュメントをTeams内のチャンネルに保存しておけば、参加者全員が後から確認できる環境が整えられます。
Teamsの概要
Teamsは、Microsoftが提供する業務用のチャットやWeb会議ツールです。Microsoftの各種アプリとシームレスに連携できるのが特長です。2010年代に入りビジネス向けグループチャットが普及した中で、MicrosoftもTeamsの提供を開始しました。
現在、TeamsはサブスクリプションサービスであるMicrosoft 365の対象プランで利用するか、単独の無料プランとしても利用できます。
Teamsと並んで人気のビジネスチャットにはSlackやChatwork、Asanaなどがあります。これらはいずれもプロジェクトやタスク別にチャンネルを分けて効率的にコミュニケーションを図れる点で共通しています。Teamsも同様にチャンネルによる情報整理が可能で、他ツールに引けを取らない利便性を持っています 。
メールとの違い
Teamsはメールよりカジュアルで、グループチャット特有の機能と効率性を備え、ファイル共有においても優位性があります。Teamsとメールの主な違いとして、次のような点が挙げられます。
•件名や定型文、署名が不要
•チャットにおける既読確認機能がある
•返信不要の絵文字リアクションが使える
•スレッド内で目的別にチャネルを作成できる
•大容量ファイルの添付が可能
チャット形式であるTeamsでは、メールのように件名を毎回書いたり定型挨拶や署名を入れたりする手間を省略できます。
また、LINEのような既読表示や、Slackのように投稿へのリアクション機能も備わっており、多くの人に馴染みやすい操作感です。投稿メッセージが誰に読まれたか可視化できるため、情報伝達の抜け漏れも防げます。
グループチャットでは基本的に決められたチーム内(チャネル内)で会話するため、過去の議論を追いやすい という利点もあります。件名違いのメールが複数飛び交って「どこに何の情報があるかわからない…」という事態も、Teamsなら防げます。
さらに、Teamsなら大型ファイルの共有も問題ありません 。メールでは通常添付25MB程度が上限ですが、Teamsでは1人あたり最大1TBまでファイルを共有可能です(無料版は1人あたり5GBまで)。クラウド上にファイルを保存して共有するため容量制限が大幅に緩和されるのです。
Yammerとの違い
TeamsとYammerはどちらも社内向けコミュニケーションツールですが、用途が異なります。Teamsが特定プロジェクトやタスクの遂行に使われ、社外ユーザーをゲスト招待できるのに対し、企業内SNSであるYammerは社内メンバーのみの全社的なナレッジ共有や意見交換に適しています 。※なおYammerは現在「Viva Engage」へ名称が変更されています。
Yammerではチャットに加え、社内向けオンラインイベントの開催やビデオ配信も可能です。たとえば全社員参加のライブイベントを開催し、質疑応答やディスカッションを行うこともできます。参加可能人数は最大10,000人に上り、ライブ配信だけでなく後からオンデマンド視聴することも可能です。
補足:自社に複数のコミュニケーションツールが存在する場合、Microsoft 365が提供する各ツールの役割と自社のコミュニケーション文化を整理し、用途に応じて使い分けることが重要です。適切に設計しないとせっかくのツールも活用しきれず、業務効率が下がる恐れがあります。自社の状況に合わせたツール設計とルール策定が効果的です。
他ツールとの比較(SlackやZoomなど)
TeamsはSlackやZoomといった他の人気ツールともよく比較されます。それぞれ専門特化したサービスですが、Teamsはオールインワンである点が強みです。たとえばSlackは高機能なチャットツールですがビデオ会議は他サービス連携が必要です。一方Teamsはチャットから会議まで一つのアプリで完結 します。
また、ZoomはWeb会議に特化しており大規模会議に強みがありますが、TeamsでもMicrosoft 365連携により会議の予約から資料共有・録画までシームレスに行えます。Slackとの連携も可能で、SlackからTeams会議に参加することも設定次第で実現できます 。
このようにTeamsは他ツールの利点を取り込みつつ、Microsoftプラットフォーム上で統合的に利用できるのが利点です。既にMicrosoft 365を使っている企業なら追加コストなく利用できる点も優位と言えるでしょう。各ツールの強みを理解した上で、自社に最適な活用方法を検討すると良いでしょう。
Teamsの便利な機能
Officeアプリとの連携
Teamsの特長の一つに、OfficeアプリやMicrosoft 365各サービスとスムーズに連携できること が挙げられます。Teamsのチャット・通話・ビデオ会議機能に加え、Officeアプリによる文書作成や資料共有などMicrosoft 365のサービスをTeams上でまとめて扱えます。
さらにTeamsではプロジェクトなど特定業務の遂行目的ごとに「チャンネル」を分けてコミュニケーションできます。つまり、Teamsがプロジェクトやタスクに関する情報を集約するハブの役割も果たすのです。具体的な活用例としては以下のようなものがあります。
共同編集:
WordやExcel、PowerPointで作成したファイルをTeamsのメンバー全員で同時編集できるため、生産性高く作業できます。ファイルはTeams内(実体はSharePoint/OneDrive)で管理されるため、個人PCに保存して紛失する心配もありません。
会議のスケジューリング:
Teams上で会議日程を決める際、Outlook予定表の空き状況を参照できます。各人に候補日を聞いて調整する手間が省けます。Outlook連携によりTeamsのカレンダーから直接会議招集し、相手の予定に予定を入れてメール通知まで行えます。OneNoteと連携すれば簡単に議事録を残すことも可能です。
ファイル共有
Teamsのファイル共有機能を使えば、クラウド上でチームメンバーとリアルタイムにファイルを共有・共同編集できます。チーム内のファイル閲覧や編集がスムーズに行えるため、常に最新の資料をメンバー全員で参照できます 。必要に応じて共有対象者を柔軟に変更することも可能です。個人チャット内やビデオ会議中にもファイル共有ができます。
ファイル共有を利用する際はセキュリティに注意が必要です。機密情報など重要ファイルを共有する際にはアクセス権限の設定やパスワード付き共有リンクの利用など、適切なセキュリティ対策を講じましょう。
便利なチャット機能
Teamsではテキストチャットによるコミュニケーションが可能です。1対1の個人チャットはもちろん、複数メンバーでのグループチャットもできます。使い勝手はLINEやFacebookメッセンジャーに近く、Teamsで最もよく使われる機能 と言えるでしょう。
チャットには引用返信やメッセージの編集、下書き保存、リンクプレビュー挿入など細かな便利機能も豊富です。また、自分だけが閲覧できる「自分用チャット」(プライベートノート代わり)もあり、メモやToDoリストの管理に活用できます。
通話・ビデオ会議が可能
少し込み入った話をしたい場合には音声通話、打ち合わせにはビデオ通話(オンライン会議)機能が便利です。Teamsの通話機能では、画面共有により特定のファイルやアプリ画面を相手に見せながら話せます 。また、テレワーク中に自宅の様子など背景を隠せる「背景ぼかし」や「バーチャル背景」機能も備わっています。
さらに、会議を録画する機能(予約開始も可能)や、自動で文字起こしする機能まで搭載 されています。会議内容を後から確認したり議事録として残したりできるため非常に便利です。(※以前はSkypeやSkype for Businessとの併用モードも存在しましたが、現在は基本的にTeamsへ統合されています)
外部招待ができる
Teamsは契約形態に関わらず社外ユーザーをゲスト招待できます 。通常、他社のメンバーと共同作業する場合はメールや電話が主になりがちでシームレスな連携が難しいですが、Teamsでは必要に応じて外部の協力メンバーを自身のチームに招待できます。これにより、社外を含むプロジェクトチーム全体で単一のプラットフォーム上に情報共有・コミュニケーション基盤を作ることが可能 になります。招待したゲストも社内メンバーとほぼ同様にチャットや会議に参加でき、一体感を持って取り組んでもらえるでしょう。
補足: 外部ユーザーのゲスト招待機能は強力ですが、安全に利用するために管理者はゲストアクセスを許可するドメインや権限を制御できます。プロジェクトに応じて必要な範囲で外部連携機能を活用しましょう。
有料版と無料版での違いは?
TeamsはMicrosoft 365サブスクリプションに含まれており、基本的に有料プラン加入で追加費用なく利用できます。一方で、小規模チームや個人向けには無償で使えるTeams無料版も提供されています。企業プロジェクトによっては、社外ユーザーがSLA(サービス品質保証)のない無料版Teamsで参加するケースもあるでしょう。ここではTeamsの有料版と無料版の主な違いを押さえておきます。
連携できる外部サービスの豊富さ
TeamsではMicrosoft 365各サービスのほか、サードパーティ製Webサービスやアプリとも連携可能です。しかし無料版では利用できる連携に制限があります。有料版であればSharePointやYammer、PlannerなどMicrosoft 365標準サービスに加え、サードパーティ製の多数のアプリをTeams内部に追加して使えます 。無料版 ではこうした連携機能が限定的であり、利用できるアプリが限られています 。
会議の予定調整機能が使えない
TeamsではOutlookのスケジュールアシスタント機能を使って、メンバーの予定の空きを確認しながら会議時間の設定や招待 送信ができます。しかし無料版のTeamsではOutlook予定表との連携(Exchange Online)がないため、このスケジュール調整機能を利用できません。無料ユーザーの空き時間を自動的に確認したり、Teamsから会議招集メールを送信したりできない点に注意が必要です。
その他にもオンライン会議の規模やストレージ容量、管理機能などに違いがあります。主な相違点を以下の表にまとめました。

※無料版Teamsは個人用途だけでなく企業でもアカウント登録すれば利用可能です。ただし既にMicrosoft 365を契約中の企業テナントでは無料版を新規利用できない場合がありますので注意してください。
Teams導入のポイントと管理
新たにTeamsを導入する際は、段階的な展開を意識することが成功の鍵です。いきなり全社で全機能を使おうとするのではなく、まずは主要メンバーでチャット連絡を始める、小規模プロジェクトでTeams上での情報共有を試すといった形で小さくスタート しましょう。現場からのフィードバックを踏まえながら徐々に利用範囲を広げることで、現場にも定着しやすくなります。
また、メールとTeamsの使い分けやファイル命名ルールなど運用ルールを整備し周知しておくと、混乱を防ぎスムーズな定着につながります。
IT管理者の視点では、Teams導入時に管理とセキュリティ体制を整えることも重要です。先述のとおりTeamsには専用の管理センターがあり、組織内のTeams利用状況をモニタリングしたり、ガイドラインに沿った各種ポリシー設定(チャットの保存期間やファイル共有の制限、データ損失防止ポリシー=DLPの適用など)を行えます 。外部ユーザー受け入れの可否や許可するドメイン設定、利用できる機能のポリシー(たとえば全社で会議録画を禁止する等)も管理可能です。導入前に運用ポリシーを定め、管理機能を活用して統制することで、安全かつ効果的にTeamsを活用できるでしょう。
まとめ
Teamsは社内向けのチャットやビデオ会議を中心としたコミュニケーションサービスです。必要に応じてプロジェクトやタスク単位でチーム(グループ)を作成し、情報を一元集約して業務を能率的に進められます。Microsoft 365各サービスとの親和性が高く、サードパーティー製アプリもTeams上に追加して利用できる拡張性も備えています。また、Teamsのゲスト招待機能を使えば社外の人々との協業も可能です。総合的なコラボレーション基盤として、Teamsは現代の働き方にフィットしたツールと言えるでしょう。
社内の連絡ツールにはさまざまな種類がありますが、Teamsを適切に導入・活用すれば情報共有の円滑化と業務効率向上に大きく寄与します 。ぜひ自社のDX推進施策の一環としてTeamsの活用を検討してみてください。



