
2025.05.27
Microsoft 365を活用して働き方改革!ツールや事例をご紹介

目次
働き方改革への関心が高まる中、Microsoft 365(旧Office 365)は注目のクラウドサービスです。
場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を可能にし、業務効率や生産性を劇的に向上させる「デジタルワークプレイス」として、多くの企業が導入を進めています。
本記事では、Microsoft 365に含まれる主なツールの役割や、実際に導入して働き方改革に成功した事例をご紹介します。
さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代におけるセキュリティ・BCP(事業継続計画)の観点や、社内ポータル担当者にとっての導入メリットにも触れながら、成功のポイントを解説します。
Microsoft 365は働き方改革に劇的な効果
冒頭でも述べたように、Microsoft 365(旧Office 365)は「時間や場所に縛られることなく自由に仕事ができる」という働き方改革と極めて親和性の高いクラウドサービスです。
オンライン上に業務に必要なあらゆるツールを集約し、一つのプラットフォームから利用できるデジタルワークプレイスを実現します。
これにより、社員はインターネット環境さえあれば自宅や出先からでも会社と同じ業務をこなすことが可能となり、時間・場所の制約を取り払った柔軟な働き方が可能になります。
例えばオフィスワークに欠かせないファイル編集も、クラウド上で常に最新版を共有しながら複数人で同時編集できるため、効率的かつスピーディーです。
メール、スケジュール共有、チャット、オンライン会議、社内ポータル、ファイル共有などがすべてクラウド上で安全に提供されるため、Microsoft 365にアクセスするだけで業務が完結し、生産性向上に大きく貢献します。
さらにMicrosoft社製サービスである強みとして、高度なセキュリティ対策が施されている点も安心です(後述するように情報漏えい防止や多要素認証などエンタープライズ向けの機能を標準搭載)。
いつでもどこでも安全に仕事ができる環境を実現 -
Microsoft 365はクラウド・マルチデバイス対応で、社員はPCでもタブレット・スマートフォンでも同じ社内環境にアクセスできます。
自宅待機や出張中でも必要なデータやアプリケーションにセキュアに接続できるため、突然の在宅勤務や移動中の業務継続も容易です。
実際、2020年の新型コロナ禍においてMicrosoft Teams(Microsoft 365に含まれるコラボレーションツール)の利用は急増し、わずか数ヶ月で世界の1日あたり利用者数が2倍以上に増加して4,400万人を突破しました。
この爆発的な普及が示すように、Microsoft 365によるクラウド環境整備は、多様な働き方を受け入れる上で今や不可欠な基盤となっています。
特に日本企業でもテレワーク推進やBCP対策の切り札として捉えられており、国内大手企業の多くがMicrosoft 365を採用しています。
日本マイクロソフト社の先進事例 -
働き方改革の旗振り役とも言える日本マイクロソフト社は、自社戦略「働き方改革 NEXT」の一環でMicrosoft 365(当時Office 365)を全面的に社内導入し、デジタルワークプレイスを活用した先進的な働き方改革を実践しました。
その結果、同社では「削減」「向上」「満足」の3軸で大きな成果が出ています。
具体的には、前年同月比で月あたり就業日数を25.4%削減し、紙の印刷枚数58.7%削減・電力消費23.1%削減といった業務効率化に成功。
また、30分以内で終える会議(30分会議)の実施が46%増、リモート会議の実施が21%増、社員間の日次デジタルコミュニケーションが10%増といったコラボレーション活性化(「向上」軸)の効果も出ました。
さらに社員アンケートによると、これら取り組みに対する社内満足度は94%に達し、働きやすさの向上に大きく寄与しています。
このように、自社でMicrosoft 365をフル活用した日本マイクロソフト社の事例は、働き方改革の可能性を示す象徴的な成功例と言えます。社員の満足度向上やエンゲージメント強化にまでつなげた点は、デジタルツール導入効果を最大化する上で示唆に富むでしょう。
ポイント:
Microsoft 365を導入すると、社内の情報やツールがクラウドに統合されます。これにより社員はインターネット接続さえあれば場所を問わず安全に業務を行えるため、テレワークやハイブリッドワークを円滑に実現できます。
実際に新型コロナ禍でTeamsの利用者数が急増したように、Microsoft 365は事業継続性(BCP)の観点からも有効な基盤です。
また、常に最新バージョンの機能が提供されるサブスクリプション型サービスのため、新しい便利な機能(例:AIを活用した支援機能など)もすぐに活用でき、生産性向上に役立ちます。
高度なセキュリティ機能(情報漏えい防止策や多要素認証等)も標準で備えており、柔軟な働き方とセキュリティ強化を両立できる点も大企業に選ばれる理由です。
Microsoft 365の主なアプリケーションと役割
Microsoft 365には、働き方改革を支える様々なクラウドアプリケーションが含まれています。
それらは単体でも高機能ですが、相互にシームレスに連携するよう設計されており、組み合わせて活用することでデジタルワークプレイスとしての真価を発揮します。
ここでは主要なツールとその役割を簡潔に紹介します。
Officeアプリ(Web版)
Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど従来おなじみのOfficeアプリケーションのクラウド版です。
インストール不要でブラウザから利用でき、どのデバイスでも同じ編集作業が可能です。従来のようにPC内にファイルを保存・メール添付する必要がなく、最新のドキュメントを常に共有できます。
また複数人によるリアルタイム共同編集にも対応しており、チームで同じ資料を同時編集して効率的に仕上げることができます。
例えば会議用資料の作成でも、メンバーがOneDrive上のファイルに同時アクセスして分担編集し、最新内容を即座に共有できます。
Microsoft Teams
ビジネス向けのチャット&オンライン会議ツールです。
テキストチャット、音声・ビデオ会議、ファイル共有、画面共有などコミュニケーションに必要な機能が統合されています。
社内外のメンバーと手軽にリアルタイムコラボレーションできるツールとして、大企業を中心にWeb会議や在宅勤務の必須インフラとなりました。
TeamsはSharePointやOneDriveとも連携し、会議中に共有された資料は自動でクラウド保存されメンバーに共有されます。
マイクロソフトはこのTeamsをデジタルワークプレイスの「入口」(ハブ)と位置づけ、将来的には他の機能もTeamsから一括で利用できるよう強化を進めています。
実際、従来Skype for Businessとして提供されていた機能も順次Teamsに統合され、コミュニケーション機能の一本化が図られています。
Viva Engage(旧称Yammer)
社内SNS(ソーシャルネットワーク)です。Facebookに近い使い勝手で、社員が自由に投稿・コメントし合える場を提供します。
部署や役職を超えたゆるやかなつながりを生み、情報交換やナレッジ共有を活性化させるのに役立ちます。
興味・関心に基づくコミュニティを形成し、業務上の知見やノウハウを共有したり、社内イベントの告知・感想を語り合ったりと、企業文化の醸成にもつながります。
従来「Yammer」という名称でしたが、現在はMicrosoft Vivaの一部となり「Viva Engage」として提供されています。
これにより従業員エンゲージメント(意欲や愛着心)の向上を目的とした各種機能(社内情報の発信・称賛機能・アンケート等)とも統合されつつあり、社内コミュニケーションのハブとして進化しています。
OneDrive for Business
クラウドストレージサービスです。
個人およびチームのファイルをクラウド上に保管し、どこからでもアクセス・編集できるようにします。
高度なセキュリティで保護されており、社外とのファイル共有も安全に行えます。
ファイルのバージョン管理も自動で行われ、誤って上書きしても以前の版に戻せるため安心です。
Officeドキュメントはもちろん、PDFや画像、動画など様々な形式に対応しており、1ユーザーあたり1TB以上の大容量ストレージが利用できます。
これにより紙の資料やUSBメモリでの受け渡しが減り、テレワーク下でも必要なファイルへ迅速にアクセス可能となります。
SharePoint Online
社内ポータルサイト構築や文書管理に適したプラットフォームです。
豊富なテンプレートやパーツを組み合わせて自社専用のサイトを作成・運用できます。
社内向けのお知らせ、掲示板、リンク集、ドキュメントライブラリ、ワークフロー申請フォームなどをコード不要で実現でき、部門ポータルや全社ポータルとして幅広く活用されています。
SharePointから他のアプリ(TeamsやOneDriveなど)をシームレスに起動できる点もデジタルワークプレイスとして大きな強みです。
SharePoint Onlineを活用した社内ポータルの導入メリットは非常に大きく、多くの企業が成果を上げています。
例えば、三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社では、散在していた社内データをSharePointで一元化し、社員がまずポータルサイトを開けばメールや経費処理、承認作業などあらゆる業務が開始できる環境を実現しました。
その結果、情報を探す手間が大幅に減り、社内規程や手続きに関する問い合わせ対応工数も劇的に削減されています。
また、株式会社東横インではクラウド型社内ポータル「T-net」を構築し、各種申請書類の検索、マニュアル動画の共有、ワークフローの一元管理を行ったところ、毎月600〜700件発生していたFAX送信をゼロにできたといいます。
このように、社内情報を一箇所に集約して誰もがすぐアクセスできるようにすることで、紙やメールに頼った非効率な業務をデジタルに置き換え、業務スピード向上やペーパーレス化、問い合わせ削減によるバックオフィス負荷軽減といった効果が得られます。
社内ポータル担当者にとっても、SharePoint Online上で統制の取れた情報発信基盤を構築できることは大きな利点でしょう。
Power Automate(旧称Flow)
業務プロセスの自動化ツールです。
複数のアプリやサービス間の連携をトリガーとアクションで設定し、繰り返し作業を自動化できます。
プログラミング不要で使えるよう数百種類のテンプレートが用意されており、たとえば「Outlookで受信したメール添付を自動でOneDriveに保存」「フォーム入力を受けたらTeamsで通知」といった処理を簡単に実現できます。
サードパーティ製のクラウドサービスとも連携可能で、SlackやGoogleカレンダー、Salesforceなどとも繋げられる柔軟性があります。
単純作業のRPA的な自動化から、複雑な社内承認フローの電子化まで幅広く活用されており、うまく使えば人的ミス削減や処理時間短縮に大いに貢献します。
Power Apps
ノーコード開発で業務アプリを作成できるプラットフォームです。
専門のエンジニアでなくとも、ドラッグ&ドロップで画面UIを設計し、Excelのような関数感覚でロジックを組むことで、簡易な業務アプリを短期間で開発できます。
作成したアプリはPCブラウザはもちろん、スマホやタブレット用の専用アプリとして社内配布することも可能です。
例えば、紙やメールで行っていた申請受付をPower Appsでアプリ化し、提出状況を一覧管理する、といった現場に寄り添ったDXを実現できます。
なお基本的にプログラミング知識は不要ですが、ある程度ITリテラシーが求められるため、活用にはユーザー教育もポイントになります。
しかし一度使いこなせば、現場主導で次々と業務改善アプリを生み出せるため、ボトムアップのデジタル改革を推進する強力な武器となります。
ポイント:
Microsoft 365には上記のように多彩なツールが含まれています。
クラウド上で互いに連携する統合基盤であるため、単なる便利ツール寄せ集め以上の価値を発揮します。
たとえば、Teamsを中心に据えることで「チャットで会話 → OneDrive上のファイル共同編集 → SharePointポータルで情報発信 → Yammer/Viva Engageで社内フィードバック収集 → Power Platformで自動処理」といった一連の流れをシームレスに実行できます。
これは従来バラバラのツールでは成し得なかった生産性の飛躍的向上につながります。
さらに常時最新機能へアップデートされるため、例えば近年追加されたMicrosoft Vivaによる社員エクスペリエンス向上機能や、今後提供予定の「Microsoft 365 Copilot」のような生成AIアシスタント機能まで、順次活用できるのも大きなメリットです。
これらにより業務効率化やナレッジ共有、人材育成まで幅広くカバーし、企業のデジタルトランスフォーメーションを強力に推進できるでしょう。
Microsoft 365導入で実現した働き方改革の事例
続いて、実際にMicrosoft 365をデジタルワークプレイスとして導入し、働き方改革に成功した企業の事例を紹介します。
コミュニケーションの改善、業務効率化、事業継続性の確保、人材育成のDXなど、さまざまな切り口での効果が報告されています。
自社の課題に近いケースがないか、ぜひ参考にしてみてください。
事例1:社内コミュニケーション改革(情報共有の円滑化とセキュリティ強化)
実際のケース①:
「社外メンバーを含むプロジェクトで、円滑かつ漏れのない情報共有を実現したい」という要望に対し、Microsoft Teamsを活用した事例です。
導入前はメールのCCで全員に情報共有していましたが、誰が内容を確認したか把握できない問題がありました。
そこで導入後は社内外の全メンバーをTeamsのチームに招待し、投稿に対する「いいね」機能やスレッド型の会話機能を活用することで、誰が情報を確認済みか可視化できるようになりました。
結果、見落としのない正確でスピーディーなコミュニケーションがプロジェクト内で実現し、メールベースでは難しかった確実な情報共有と迅速なレスポンスが可能になりました。
特に社外パートナーも含めて一つのTeams上で議論できるため、一元的で透明性の高いコラボレーション環境が構築されています。
実際のケース②:
「社内の限られたメンバーだけで秘密裏に進めるプロジェクトがあり、クローズドなコミュニケーション手段がほしい」という要望に対するTeams活用事例です。
導入前は、当該プロジェクトのメンバー間の情報共有は対面の会議に限られ、メール送信時には重要度を「高」に設定して注意喚起するなど煩雑な運用でした。
また機密保持のため書類管理にも細心の注意が必要で、メンバーはストレスを抱えていました。
そこで導入後、高度なセキュリティで保護されたTeamsの「プライベートチャネル」(招待されたメンバー以外アクセス不可の閉じた空間)を利用し、限られた関係者だけでメッセージやファイル共有を行えるようにしました。
これにより機密プロジェクトでも安心して迅速に情報交換ができ、メンバーのストレスが大幅軽減されました。
さらに副次効果として、OfficeドキュメントもSharePoint/Office Online上で共同編集するためファイルのバージョン管理が不要になり、プロジェクトのスムーズな進行に寄与したという報告もあります。
ポイント: 社内外問わずMicrosoft Teamsを活用した情報共有により、プロジェクト内の円滑で確実なコミュニケーションが実現しました。
特に「いいね」などのリアクション機能で情報確認状況を可視化し、見落としを防止できた点は大きな効果です。
また、Teamsのプライベートチャネル機能によって限られたメンバーだけのセキュアな情報共有空間を簡単に構築可能であり、機密プロジェクトでも安心してデジタルコラボレーションが行えます。
これらの施策により、メールや対面中心だった従来のコミュニケーションに比べてスピード・正確性・安全性が飛躍的に向上し、メンバーの負荷軽減にもつながりました。
事例2:事業継続性の確保・業務効率化(テレワークによる移動時間削減と伝達力向上)
実際のケース①:
在宅休暇中の社員が急遽社内会議に参加しなければならなくなったケースです。
導入前は、その社員は会議のためだけに片道1時間かけて出社し、会議後にまた1時間かけて帰宅せざるを得ませんでした。
これは本人の私用時間を圧迫するだけでなく、移動時間分だけ業務効率も低下する問題です。導入後はTeamsのビデオ会議によって出社せず自宅から会議に参加できるようになりました。
資料も事前にTeams上で共有しておくことで、準備のために出社する必要も解消されています。
結果、移動に費やしていた時間がゼロとなり、社員の私用時間を尊重しつつ緊急会議に対応できました。
テレワーク環境の整備が働き方改革とBCP両面で効果を発揮した好例です。
実際のケース②:
オフィスから離れて働く社員への指示伝達に関するケースです。
導入前はメールや電話で指示を出していましたが、内容がうまく伝わらず業務に支障をきたす場面がありました。
複雑な指示ほど文章や口頭だけでは誤解が生じやすく、結果としてチーム内で摩擦が生じたり、社員が不満・ストレスを抱える原因ともなっていました。
導入後はTeamsのビデオチャット+画面共有を活用し、複雑な指示も画面を見せながら具体的に説明するようにしました。
これによりお互いの認識をすり合わせやすくなり、業務が遅滞なく正確に遂行されるようになりました。
対面でなくとも「百聞は一見に如かず」を実践できる環境を整えたことで、指示漏れ・誤解による手戻りが減り、人間関係の不和も解消しています。
ポイント: オンライン会議やビデオチャットの活用により、地理的制約を超えて業務を継続できる体制を構築しました。
これにより緊急時でも出社せず業務対応(BCPの強化)が可能となり、社員の移動時間を削減して私生活との両立を支援しています。
また、画面共有を使った対話で遠隔指示の伝達精度が向上し、誤解によるミスやチーム内の軋轢を防ぐ効果もありました。
テレワーク環境下でも対面に近いコミュニケーション品質を担保することで、生産性を維持・向上しながら柔軟な働き方を実現した好例と言えます。
事例3:人材育成のDX推進(研修オンライン化とコミュニティ活用)
実際のケース:
社員研修のオンライン化によって効果を高めたケースです。
従来、該当者を一堂に集めて1〜3日間の集合研修を行っていましたが、詰め込み過ぎで知識の定着率が低く、研修効果が一過性に留まる課題がありました。
そこで研修を見直し、期間を半年に延長して研修カリキュラム自体を小分けにし、すべてオンライン上で提供する形に切り替えました。
具体的には、SharePoint Online上に研修専用の「グループコミュニティ」サイトを立ち上げ、研修資料や課題の提示・提出、参加者同士や講師とのディスカッション、追加情報の共有などをそこで行えるようにしました。
また研修コンテンツをスマートフォンでも受講可能にするなどマルチデバイス対応し、学習履歴を記録して一定の研修完了ごとにデジタル認定証を発行する仕組みも導入しました。
その結果、社員からは「1回あたりの受講時間が短く集中力を保てる」「SharePoint上で他の参加者とディスカッションできたおかげで学んだ内容をすぐ現場で使えた」「他の人の研修修了証を見て自分も頑張ろうと思えた」といった好意的な声が多く寄せられました。
オンライン化によって現場で実践しながら学ぶラーニングカルチャーが醸成され、経営層にも納得感のある研修施策となったのです。
ポイント: 研修のデジタル化とコミュニティ活用により、従来型集合研修の課題を克服しました。
短時間のオンライン講座を積み重ね、合間にSharePointでディスカッションや情報共有を行うことで、学んだ内容をすぐ実務に応用しやすい環境を整えています。
参加者同士がコミュニティ上で交流することでモチベーションも高まり、学習定着率と現場適用率が向上しました。また、研修をマルチデバイス対応することでスキマ時間の活用が可能となり、忙しい社員でも無理なく参加できています。
これらはまさにMicrosoft 365のデジタル基盤を活用した人材育成DXの成功例であり、働き方改革の一環として社員のスキルアップとエンゲージメント向上につながったケースです。
Microsoft 365導入・活用を成功させるためのポイント
Microsoft 365は企業規模を問わず働き方改革を推進する上で有力なサービスですが、ただ導入するだけで魔法のように効果が出るわけではありません。
自社で十分に活用し成果を上げるためには戦略や工夫が必要です。最後に、Microsoft 365を導入してデジタルワークプレイスを社内に根付かせるためのポイントを紹介します。
企業ビジョンとの整合性をとる
働き方改革ツールの活用によって実現したい業務変革が、会社の理念・ビジョンや経営方針に沿ったものか確認しましょう。
単に「業務効率化したい」「従業員満足度を上げたい」だけでは不十分で、会社全体の発展につながるストーリーに落とし込むことが重要です。
デジタルワークプレイスをどう活用すれば企業の成長戦略に合致するのか、トップの意思とも照らし合わせて導入目的を明確化しましょう。
現場にもメリットを提供する
働き方改革は会社の生産性向上が目的とはいえ、現場の従業員にとって明確なメリットが感じられなければ定着しません。
使えばこのように便利になること、負担が減ることを具体的に説明し、導入目的を腹落ちさせることが不可欠です。
「使えばわかる」ではなく、使えばこう良くなると明示しましょう。
もし従業員よりも会社都合のメリットの方が大きい場合は、利用促進のためインセンティブ(景品や表彰など)を用意することも検討すべきです。
現場の課題解決からスタートする
特に大企業では「手段であるツールの導入が目的化」しがちです。
すなわち本来解決したい課題や目的が定まらないうちに、「とりあえずOffice 365を入れよう」というトップダウン決定が起きてしまうケースがあります。
これを避けるには、まず現場の困りごとを徹底的にヒアリングし、その課題解決の手段としてMicrosoft 365をどう活用するか設計することが重要です。
現場発のボトムアップ的アプローチを取ることで、導入後に「現場で使われない」リスクを減らせます。
小規模な部署・チームからトライアル導入
デジタルワークプレイスのような全社的に影響する施策は、最初から全社一斉に始めると失敗リスクが高まります。
まずは意欲的な部署やプロジェクトチームなど限定範囲で試験導入し、ノウハウや成功体験を積みましょう。
そこで得られた知見をもとに徐々に展開範囲を広げていくのが成功のカギです。小さく産んで大きく育てる戦略で、社内抵抗を最小限にスムーズな定着を図ります。
リスクマネジメントを徹底する
クラウドツール導入に際しては、社内規程やセキュリティポリシーとの整合も事前確認が必要です。
例えば社外アクセスの制御や情報ガバナンスのルール策定など、想定されるリスク要因をすべて洗い出しておきましょう。
Microsoft 365自体は高度なセキュリティ機能を備えていますが(前述のDLPや多要素認証など)、自社としての利用ルールを明文化し、従業員が安心して使えるように整備することが大切です。
必要に応じて管理部門や情報システム部門で利用ガイドラインや問い合わせ窓口を設け、運用中の不安点を解消していく仕組みも検討しましょう。
テレワーク環境などリソース面の計画
Microsoft 365導入によってテレワークが可能になる反面、各社員の自宅環境によっては業務に支障が出る可能性もあります。
在宅勤務に必要なネットワーク帯域やPC性能、周辺機器の整備状況などを把握し、不足があれば会社として支援策を検討しましょう。
例えば自宅用のWi-Fi環境整備補助や、必要機器(Webカメラやヘッドセット等)の貸与などです。働きやすい環境を提供することが、結果的にツール活用の促進につながります。
導入後も効果測定と継続改善
ローンチして終わりではなく、導入後も定期的に活用状況や効果を測定し、フィードバックをもとに改善を続けましょう。
利用率の低い機能があれば研修を実施したり、逆に現場から新たなニーズが出てきたら追加アプリの展開を検討するなど、PDCAを回す運用体制が重要です。
必要に応じて現場の質問・相談を受け付けるサポート窓口(デジタルワークプレイス推進事務局など)を設置するのも有効です。
継続的な改善活動により、働き方改革ツールの効果を最大限引き出せるでしょう。
導入成功のポイントまとめ
- 経営ビジョンとの合致: ツール導入目的を会社の戦略と結びつける(単なる効率化ではなく企業成長に資するストーリーを描く)
- 従業員メリットの明示: 現場にもたらす具体的利点を提示し、抵抗感を低減する(必要ならインセンティブ施策も活用)
- 現場課題起点の計画: 机上の理想より現場の困りごと解消を出発点にツール活用策を考案する
- スモールスタート: 小規模部署やチームで試行し、成功パターンを横展開する(いきなり全社導入は避ける)
- リスクとルール整備: セキュリティやガバナンスのリスクを洗い出し、運用ルール・ガイドラインを策定する
- リソース確認: テレワーク実施に必要なネット環境や機器類など、物理的リソース面の不足がないか事前チェックする
- 効果測定と改善: 導入後も利用状況の分析やユーザーからの声収集を行い、研修実施や機能追加など継続的に改善する
まとめ
普段使う業務ツールが一ヶ所に集約され、そこにアクセスしさえすれば場所や時間を問わずすべての業務が行えるデジタルワークプレイスは、企業の働き方を大きく変える可能性を秘めています。
Microsoft 365(旧Office 365)はまさにその実現を支援するサービスであり、働き方改革やテレワーク推進の文脈で今後も重要性が増していくでしょう。
しかし、便利なツールも導入しただけでは十分に活用されません。
働き方改革が一朝一夕に成らないのと同様、デジタルワークプレイスの定着には経営層から現場まで関係者の理解と協力が不可欠です。
また利用できるツールの機能やメリットをきちんと把握し、自社のどんな課題をどう解決できるか想定しておくことも重要です。
それらを怠ると、どんなにに優れたツールでも使われなくなってしまいます。
昨今のDX推進やコロナ対応も相まって、社内情報共有の効率化は今後も大きなトレンドとなるでしょう。
またDXの観点からもクラウドベースの社内ポータルやデジタルワークプレイスの導入はほぼ必須と言えます。
Microsoft 365のような信頼性の高いプラットフォームを上手に活用し、自社の働き方改革を着実に前進させていきましょう。
その際は本記事で述べたポイントを念頭に置き、戦略的かつ段階的にプロジェクトを進めることが成功への近道です。
社内の誰もが安心して柔軟に働ける環境を整備し、ぜひ貴社の生産性向上と従業員エンゲージメント向上につなげてください。
関連サービス
関連事例
よくある質問
- Microsoft365を活用した働き方改革とは何ですか?
近年のテレワーク環境下における多くの企業では、TeamsやSharePointのようなビジネスチャット&コミュニケーションツールについても利活用が推し進められています。これまで時間を要していた定型業務を簡素化し、デジタルを活用することで、現代に即した業務のあり方を実現します。
- Microsoft 365で働き方改革の事例とは?
一例として、社外のメンバーを含むプロジェクトで円滑かつ漏れなく情報を共有できるようにしたい」という社内の要望に対し、社内外の全メンバーをTeamsに招待し、「いいね」機能や「会話」機能を活用することで、それぞれが内容を確認しているかどうかを可視化できるようになり、正確でスピーディーなコミュケーションをプロジェクト内で実現できました。

株式会社ソフィア
コミュニケーションコンサルタント
小野寺 貴俊
業務改善を基軸とした、ITツールの調査・実践・応用が得意です。データ分析と組み合わせたDX(Digital Transformation)を推進していきます。
株式会社ソフィア
コミュニケーションコンサルタント

小野寺 貴俊
業務改善を基軸とした、ITツールの調査・実践・応用が得意です。データ分析と組み合わせたDX(Digital Transformation)を推進していきます。