インターナルコミュニケーション

コアコンピタンスとケイパビリティの違いとは?強みを見極めるポイントを解説

変化が激しく先行きが不透明な現代、企業が成果を上げるには組織を動かす「センスメイキング」の知恵と力が欠かせません。弊社ソフィアの2024年調査では、大企業の約8割が社内コミュニケーションに課題を感じていることがわかりました。そこで、リーダーが背景や想いを明確な「ストーリー」として語り、組織に納得と共感を生み出すことが求められています。では、組織づくりで語るべきストーリーとはどのようなものなのでしょうか。本記事では、組織の強み(コアコンピタンス)や可能性(ケイパビリティ)に着目し、組織を動かすストーリーをどのように掘り起こしていけばよいのかを解説します。

コアコンピタンスとは?

COVID-19の流行やSDGsの推進など、2020年代に入り企業や市場を取り巻く環境は大きく様変わりしました。そして、今後の事業の方向性を改めて見直すため、古典とされている経営戦略理論の価値に再注目し、組織の力を強化しようという動きが盛んになっています。 ここでは、「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」に着目し、その有効な使い方を見ていきましょう。

コアコンピタンスの定義

コアコンピタンスとは「Core:中核、Competence:力量、能力、適性」の文字の通り、企業にとって中核となる能力、強みのことを指します。日本では1995年3月に日本経済新聞出版から邦訳された「コアコンピタンス経営」により広く認知された理論で、著者のゲイリー・ハメルとC.K.プラハラードが1990年にハーバード・ビジネスレビューに発表したものが元になりました。

同書ではコアコンピタンスを「顧客に対して、他社にはまねのできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」と定義しています。一例として、ホンダのエンジン技術やソニーの小型技術などが日本企業の事例としてよく挙げられます。さらには独自の技術や製造スキルにとどまらず、マーケティングにおけるバリューチェーン上の活動や、コカ・コーラのように価値が確立されたコーポレート・ブランドなどもコアコンピタンスに含めて考える場合があります。

コアコンピタンスに類似する概念として「ケイパビリティ」がありますが、平たく言うと、コアコンピタンスが企業にとって本質的・中核的な能力であるとするならば、ケイパビリティはそれを実際の展開に活かし顧客の元へ届けるまでの総合力である、と考えればわかりやすいでしょう。

コアコンピタンスを構築する重要なポイント

「自社にとってのコアコンピタンスは何か」を認識するにあたり、注意すべき重要な点が2つあります。

まず、競合との関係性を意識したうえで考えなくてはなりません。どれほど得意で高い専門性を伴った技術であったとしても、ライバル企業との差異がそれほどないのであればコアコンピタンスとはなりえません。たとえば、ファストフードやデリバリーピザ、コーヒーのチェーン店などは、多様なメニューを素早く調理し、顧客に低価格で提供するというバリューをビジネスのベースにしています。しかし、その内容には決定的な差が生じにくく、もっと他の部分で競合との明確な差異を見つけなくてはなりません。したがって、メニューやクイックな提供スタイルといった特徴は、コアコンピタンスにはなり得ないのです。単に「自社が得意だ」「自社にとって大事だ」という要素をアピールするのではなく、「ライバルに対してどのくらい強いか」という要素まで細分化して具体的に考える視点が重要と言えます。

しかしながら、現時点で十分力のあるコアコンピタンスであったとしても、市場環境の変化とともに陳腐化する恐れがあり、「いつまでその価値を保てるか」という点については確実ではありません。

具体的には、日本の富裕層を囲い込み、長く消費市場の頂点に君臨していた百貨店は、次々と閉館の憂き目にあっています。大都市や観光地を結ぶ幹線という地の利と、スピードやダイヤグラム管理のノウハウを誇る随一の鉄道であるJR東日本も、コロナ禍の影響による利用客減で2020年度の最終決算は民営化後初の赤字となりました。

持続可能な企業であるためには、現在のビジネスで中核となっている価値の独自性を大切にしながらも、時代の先を予測し、調査研究や新しい技術への投資を継続することによって、急激な変化に対応するコアコンピタンスを柔軟に設定する動きが必要不可欠と言えるでしょう。

コアコンピタンスやケイパビリティといった強みは、長年の試行錯誤を経てようやく築かれるものです。一朝一夕で真似できない強みだからこそ価値がありますが、強化には時間もコストも必要だと理解しておきましょう。

また、自社の強みを分析する際には自社内の視点だけに陥らないよう注意が必要です。社歴が長いほど自社の特徴が当たり前になり見えにくくなるものです。他社や顧客の声を取り入れ、客観的な視点から強みを再発見する工夫も大切ではないでしょうか。

 ポイントまとめ:

コアコンピタンスを見極める際は、競合他社と比較して「自社ならではの強さ」があるかどうかを具体的に検討することが重要です。

現在強力なコアコンピタンスでも、市場変化で陳腐化する可能性があるため、将来を見据えた継続的な投資と見直しが欠かせません。

コアコンピタンスやケイパビリティの構築には長い時間と大きな投資が必要であり、容易に模倣できないからこそ大きな価値を持ちます。

ケイパビリティとは?

ここまでコアコンピタンスについて解説してきました。では、似た概念である「ケイパビリティ」とはどのようなものでしょうか。

ケイパビリティ(Capability)は、一見コアコンピタンスと区別しにくい考え方です。言葉の本来の意味としても能力・素質といった抽象的な概念を指すため、経営戦略の面で用いる際には、コアコンピタンスとの違いや関係性を明確に定義しておく必要があります。

ケイパビリティの定義

ケイパビリティは、ボストン コンサルティング グループのジョージ・ストークス、フィリップ・エバンス、ローレンス E.シュルマンの3人が1992年に発表した考え方です。「コア・コンピタンスがバリューチェーン上における特定の技術力や製造能力を指すのに対し、ケイパビリティはバリューチェーン全体に及ぶ組織能力である」と定義づけました。

この2つの違いは多少難解に思えるかもしれません。しかし前述したように、

コアコンピタンス=企業にとって最も本質的で、他との差異を確立する中核的な能力
ケイパビリティ=自社だけでなく協力企業なども含めたバリューチェーンを通じて、組織の有機的な結合によりもたらされる総合力 を意味するため、視点を明確に分けて考えることが大切です。

換言すれば、ケイパビリティとは、取り扱う商品をその市場性や価値といった外的環境によって競争優位性を持たせることを意味し、特定の技術ではなく「ビジネスプロセス」にフォーカスした考え方と言えるでしょう。

ケイパビリティを構築する重要なポイント

コアコンピタンスは事業の根幹=独自の価値や強みを示すため、スタートアップの時点である程度の優位性を持っているケースもあります。一方で、ケイパビリティは商品・サービスを提供するビジネスプロセス全体に及ぶものであるため一朝一夕にはいかず、構築には困難を伴います

しかし、適切に構築することができれば、他社による再現性が難しくなり模倣されるリスクが減少するだけでなく、確立したケイパビリティの特性を活用して他の事業に応用できるなど、大きな価値を発揮するようになるでしょう。ケイパビリティの構築が難しければ難しいほど、他社との比較のなかで強みとしての価値が上がるといっても過言ではありません。

さらに、ビジネスプロセスの変革によって生産性の向上やスピードアップが期待できるだけでなく、コストやリスクの低減も可能になるため、プロセス的な視点で全体を見渡しながらケイパビリティを確立することも重要です。ケイパビリティが変わるということは、それに対応する「巨額の投資」や「従業員の意識変革」「ビジネスコンセプトの変更」などが必要になります。従来の組織や方針から大きく変わらなければいけないケースも考えられるため、コアコンピタンスに基づいてしっかりとしたビジネスモデルを設計し、それに即した組織作りと従業員の意識変革を行っていくことで事業としてのベクトルを合わせていきましょう。

一例として、国内3カ所で展開している子どもが主役のテーマパーク「キッザニア」の事例をご紹介します。キッザニアでは子どもたちの権利を掲げ、国旗や国歌、独立宣言書などのバックストーリーツールをいくつも持っており、子どもたちに楽しい職業体験の場を与えるそのサービスは他の追随を許していません。その理由は、以下の3点を結びつけた唯一無二のコアコンピタンスと、それを可能にするケイパビリティにあります。

親や祖父母から子へのエンジェル投資
次世代への広報
CSR効果を狙うスポンサー企業の利害

約100種類の仕事が体験できるパビリオンを建設し、理念を十分に理解・共有したスタッフを配置しました。スポンサー企業に対してはコンセプトを説明することで「一業種一社」の優位性をキーとして開拓を実施。来場者の勧誘は個人消費者へのアプローチだけでなく、学校や幼稚園などからの集団受注を意識した営業を展開しました。「体験を贈ろう」と銘打ってのギフト需要を掘り起こすことで、付き添う親はモニタールームで子どもたちの様子をあたたかく”観戦”するというエンターテインメント性も兼ね備えています。他に類を見ないテーマパークのケイパビリティ構築は苦労も多かった反面、2006年の開業から現在に至るまで代替する競合のない唯一無二の存在として地位を確立しているのです。

このように、ケイパビリティでは多大な金銭的・人的な投資を行い、それを軸にしたビジネスコンセプトやビジネスプロセスを構築していくことがポイントになり、ロジスティクスというなかなか目につきにくい場所の基盤も固めていくことが大切です。ユニークなケイパビリティを考えるためには、まず自社の強み(コアコンピタンス)をさまざまな観点から捉え直すことから始めましょう。

ケイパビリティを見極める際には、社内に蓄積された「暗黙知」に目を向けることも重要です。数値や言語で表せる形式知だけでなく、社員の熟練ノウハウや組織文化といった目に見えない力が競争優位の源泉になっているケースも多いからです。

 ポイントまとめ:

ケイパビリティの構築は一朝一夕にはいかず、困難なほど他社が模倣しにくい強みとなり得ます。

ビジネスプロセス全体を見渡し、生産性向上やコスト削減などの観点から組織横断的に強みを築くことが重要です。

ケイパビリティを分析する際は、数値化しやすい形式知だけでなく現場のノウハウや企業文化といった暗黙知にも注目し、隠れた強みを見逃さないようにしましょう。

「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」の違いとは?

ここまでコアコンピタンスとケイパビリティそれぞれについて解説してきました。では、この2つの概念はどのように異なるのでしょうか。

2021年7月、ついに東京オリンピックが開催されました。そこで活躍するアスリートたちの「驚異的なパフォーマンスを実現する強靭な身体・精神」を彼らのコアコンピタンスとすると、その能力を最大限に引き出し記録の樹立を可能にするコーチの指導能力や、所属チームの管理能力、またウェアやツールでサポートするスポンサーの技術力などの総体が、ケイパビリティに相当すると言えます。

一言で言うと、コアコンピタンスはバリューチェーン上のある突出した技術力や製造能力を指し、ケイパビリティはそのポテンシャルを最大限に引き出し、市場へ確実に行きわたらせる組織の総合力です。その意味でコアコンピタンスとケイパビリティは相互補完の関係にあり、どちらが欠けていても望ましい戦略構築が達成できないものとして意識しましょう。

別の角度から言えば、コアコンピタンスは「他社との差別化を行う戦略の策定」、ケイパビリティは「自社での業務に落とし込む戦略の遂行」という関係になります。確実に展開できるケイパビリティがあって初めて、市場で勝てるコアコンピタンスが発揮でき、逆にコアコンピタンスがあるからこそ、企業はそれを軸にバリューチェーン全体にわたるケイパビリティ開発への人的・経済的投資が可能になるのです。

以下にコアコンピタンスケイパビリティの主な違いを一覧表にまとめました。両者の違いを理解する参考にしてください。

項目 コアコンピタンス ケイパビリティ
視点・対象範囲 特定分野・プロセスの一部に見られる強み(企業の中核的な能力) バリューチェーン全体に及ぶ組織横断的な強み
(企業の組織的な総合力)
特徴・定義 他社には真似できない独自性・希少性の高い技術、スキル、ノウハウなど。競合との差別化の源泉となる中核能力。 市場で他社より優位性のある組織全体の能力や強み。複数の部署・プロセスにまたがり組織力で発揮される強み。
具体例 ホンダのエンジン技術、ソニーの小型化技術、強力なブランド力、優れたデザイン力 など トヨタのカイゼンを取り入れた生産方式、マクドナルドの標準化された店舗オペレーション、キッザニアの運営力 など

 

 ポイントまとめ:

コアコンピタンス: 他社には真似できない中核的な強み(技術力・ブランド力など)を指し、競争優位の源泉となる。

ケイパビリティ: 組織全体で発揮される総合力(プロセスや仕組みの優位性)を指し、強みの実行力となる。

コアコンピタンスとケイパビリティは車の両輪のように相互補完の関係で、どちらが欠けても戦略の立案・遂行は成り立ちません。

「コアコンピタンス」と「ケイパビリティ」を見つけるためには?組織を動かす強み(ゴールド)を見つけよう

コアコンピタンスとケイパビリティの相互関係について事例とともに理解を深めてきたあなたなら、自社の強みの強化と「組織風土」が密接な関係にあることにお気づきなのではないでしょうか。前述したキッザニアの例では「子どもが主役の街として、一人前の人間として扱い、その権利と安全を守る」サービスを展開するために、

子どもと接するスタッフ
メンテナンスや警備を担当するスタッフ
スポンサー企業や学校などと折衝する部署
魅力を伝える広報や予約システムを担う部署

などが例外なく一体となって、キッザニアの世界観を成立させることに携わります。このようなテーマパークでは、自社スタッフのみならず多くの協力会社もパークのテーマ(世界観)を共有し、来場者の期待する世界観の現実化を図ります。目指す世界観を実現していくためには、組織において十分な「理解・共感・納得」が必要となり、コアコンピタンスを体現するためのケイパビリティ構築に寄与する行動が生まれるのです。ここからも、企業として私たちは何を目指し、何のために誰に対しどのような価値を提供していくのか、というコアコンピタンスの前提となる理念が重要になるということが伺えます。

この章では、会社や事業、商材が生まれた背景、実現したい想いや理想像などを多くの関係者に「理解・共感・納得」してもらうためのソフィアならではの手法「ゴールドマイニング」をご紹介します。企業のなかに眠る理念を表し、それを伝えるパワーエピソードやストーリーを貴重な金鉱石(ゴールド)として掘り起こし、「センスメイキング」と「ストーリーテリング」を通して磨き上げることによって組織のダイナミズムにつなげていきましょう。

ゴールドマイニングによる「自社の特色探し」(何を語るか)

ソフィアのゴールドマイニングにおける具体的なプロセスとして、以下のような流れでストーリーを探し、組み立てることでお客さま企業の組織強化をお手伝いしています。

リーダーが内省の機会を作る

伝えたい・語りたいことがあるかなど自社の強みをより深めるために、リーダーが内省の機会を作るというのがおすすめです。新しくビジネスを創業したり、新規事業を立ち上げたり、新商品を世に問う機会となり、さまざまなエピソードが発掘できるでしょう。

そのためには、まずリーダー自身が伝えたいこと・語りたいことに関しての理解を深めることが大切です。たとえば、

ファウンダー(創業者)の夢

創業時から伝わるDNAが現場で発揮されたエピソード

現経営者の信念などにまつわるエピソード

などにまで掘り下げたストーリーは、ゴールドの宝庫です。場合によっては、当時を知る人への公式・非公式のインタビューや記録資料の収集を行い、第三者の視点を交えることでストーリーの奥深さを突き詰めていくというのもよいでしょう。

この部分をクローズアップしてエンターテイメント化した番組やドラマなどを連想する方も多いと思います。自社の「プロジェクトX」を掘り当てるつもりで、会社を擬人化したときに出てくる過去のエピソードを内省してみてください。

リーダーとの対話を通してストーリーを引き出す

それぞれの現場で活動する従業員は、リーダーとの対話を通して組織や活動に対する理解を深めていくため、リーダーはゴールドをストーリー化して現場に伝えるメディアの役割を担うことになります。そして、従業員側はリーダーからどれだけストーリーを引きだして自分のものとして消化できるかがカギです。リーダーへの質問会など話を聞く機会があったときは、より「具体的」で「エモーショナル」な内容を引き出すようにすることで、自分達だけでは気づけないような要素にも目を向けることができます。ただの昔話や一般論ではなく、そのエピソードが実際に起こったときの状況や人々の想い、そこから得られた成果などを頭の中で描けるように情報を引き出しましょう。

社員との対話を通し、自分たちの意図や目的を探す

リーダーだけではなく、さまざまな立場の方からヒアリングをすることもまた重要です。同僚だけでなく他の部署や他の地域、さらには関連会社や協力会社のスタッフからも多くの知見が得られます。現場が感じている強みはリーダーの視点だけでは気づけないことかもしれず、何より顧客と最前線で接する現場のエピソードは力のあるストーリーとなるでしょう。

自社の強みや特色を活かして事業を成功に導く「組織風土」を創るのは、会社の中で語られるストーリーです。自社の方針や具体的なイメージ、重要性を伝えてさまざまなステークホルダーに納得・賛同してもらい、協力関係を築くことが重要になってきます。次の記事で、事例とともに「ストーリーテリング」の重要性を理解し、「いかに物語るか」を押さえましょう。

また、ソフィアでは前述のようにストーリーを探し組み立てるだけではなく、それらを広く伝えるための各種ツール作成もお手伝いしております。詳しくはお気軽にお問い合わせください。

センスメイキングによる「腹落ちのためのプロセス作り」(どのように語るか)

ある経験や出来事に際し、そこに能動的な意味を与える思考プロセス作りを表す理論として「センスメイキング」という概念があります。そして、このセンスメイキングでもストーリーの要素が大きく関わってくるのです。

センスメイキングとは、トップマネジメント層が企業のビジョンや戦略に対する「意味づけ」を行い、それを従業員や関係者に伝えることで「なるほど、そういうことか」という納得感や腹落ち感を形成していくプロセスです。

ただ現実には、自社のビジョンや戦略に「共感している」と感じている社員は約1割にとどまっています。多くの社員がトップのメッセージを十分に腹落ちできていないのが現状であり、それだけに「何を語るか」「どのように語るか」という伝え方が重要になります。

しかし、社員や関係者が実際に納得して行動するかどうかは、従業員に伝える際に「何が語られるか」「どのように語られるか」というストーリーの組み方や受け手の印象によって変わってくるものです。前述したように、よくある過去のエピソードや、単なる事実・事象の羅列では共感感情は起こりにくいため、社内報などのインターナルコミュニケーションメディアを用いることで、心に響く具体的なストーリーを「均一な理念的情報(企業の方針や価値観、活動内容など)」として全員に伝達していく施策が有効になるでしょう。これにより、組織基準の浸透や社員モチベーションの向上が可能となり、会社の士気を向上させながら組織風土を構築していくことが可能となります。 センスメイキングを踏まえたインターナルコミュニケーションは、組織風土改善だけでなく、お客様や社会にとってより信頼を与える人材へと社員を育成する効果も期待できます。

組織とは?

ストーリーテリングによる「人の心の動かし方」(どのようにストーリーを伝えるか)

繰り返しになりますが、ソフィアでは「ストーリー」とは情報やファクト、データの羅列でなく1つの物語として、「人を感情的に惹きつける面白いもの(=エンターテイメント)」として考えています。相手のエモーションに働きかけて気づきや本心からの納得を引き出すことによって秘めたるパワーを発掘し、組織として無限の可能性を最大に切り開いていくことができるのです。

ビジネスの現場は、毎日の仕事における多くの人とのかかわりで成り立っているからこそ、現実のシーンすべてにストーリーが存在しています。背景と目標を併せ持ったストーリーは相手の心を動かし、強く印象付けるため、多くのストーリーを企業内に眠るゴールドとして発掘して共有することは大きな価値があると言えるでしょう。

また、ケイパビリティの構築は企業活動のすべての側面に関連します。商談やプレゼン、社員教育などのちょっとした会話のなかでストーリーテリングを意識できるようになれば、好ましい組織風土の構築を後押しできるでしょう。

まとめ

コアコンピタンスとケイパビリティの違いから始まり、それを現場で具体化し理解・共感を生むためのゴールドマイニングとセンスメイキング、ストーリーテリングまで解説してきました。結論から言えば、好ましい組織風土の構築には、コアコンピタンスやケイパビリティにもとづいて「ストーリーをデザインする」ことが重要であると理解していただけたのではないでしょうか。ぜひ貴社の組織づくりにお役立てください。

 ポイントまとめ:

コアコンピタンス(企業の核となる独自の強み)とケイパビリティ(組織全体で発揮される総合力)は視点は異なれど双方が揃って競争優位を実現します。

自社の強みを見極め強化するには、バリューチェーン分析やSWOT分析などのフレームワークを活用し、他社には真似できない独自の強みを特定することが有効です。

見つけた強みや理念は物語(ストーリー)として社内に共有し、従業員の理解・共感を得ることで初めて組織全体の力として活かされます。

強みを軸にしたストーリーテリングと継続的なコミュニケーションによって、社員のモチベーション向上や組織風土の強化につながり、ひいては持続的な競争優位を支える土台となります。

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よくある質問
  • コアコンピタンスの3つの要件は何ですか?
  • 一般的にコアコンピタンスと見なすための要件として、1) 顧客にとって重要な価値を提供できること_2) 他社が容易に真似できない独自の能力であること_>3) 複数の製品や事業に展開可能な応用性があること、の3つが挙げられます。これらを満たす強みが企業のコアコンピタンスと言えるでしょう。

  • ケイパビリティの具体例にはどんなものがありますか?
  • 例として、トヨタ自動車の生産方式(トヨタ生産システム)は組織全体で高い生産効率と品質を実現するケイパビリティです。また、マクドナルドの標準化された店舗オペレーションも世界中で安定したサービス提供を可能にするケイパビリティと言えます。これらはいずれも単一の技術ではなく、組織横断で築かれた仕組みによって競合に差をつけている例です。

  • 自社のコアコンピタンスを見つけるにはどうすればよいですか?
  • 全社的にブレインストーミングを行い、自社の強みや魅力、特徴をできるだけ多く書き出すことから始めましょう。その上で、書き出した強みをコアコンピタンスの要件(他社が真似できないか、顧客価値に貢献しているか、複数事業に活用できるか 等)に照らして絞り込んでいきます。分析にはSWOT分析マッキンゼーの7Sといったフレームワークを活用すると効果的です。これにより、自社ならではの中核的な強みが浮かび上がってくるでしょう。

  • コアコンピタンスとケイパビリティはどちらが重要ですか?
  • ちらも重要で片方だけでは不十分です。コアコンピタンスが競合に勝つための核となる強みだとすれば、ケイパビリティはその強みを実際のビジネスで発揮し結果に結びつける推進力です。例えるならコアコンピタンスが「武器」だとすれば、ケイパビリティはその武器を使いこなす「腕力」に相当します。強力なケイパビリティがあってこそコアコンピタンスが市場で活き、またコアコンピタンスがあるからこそケイパビリティへの大きな投資も正当化されます。両者は車の両輪のように互いを補完し合う関係で、経営戦略に欠かせない要素です。

  • 従業員に企業のビジョンや戦略を浸透させるにはどうしたら良いですか?
  • ビジョンや戦略は単なるスローガンではなく、具体的な物語(ストーリー)として伝えることが有効です。経営者自身の言葉で背景にある想いや誕生秘話、苦労話などエピソードを交えて語り、社員一人ひとりが自分ごととして共感できるメッセージにすることが大切です。また、社内報や社内SNS、全社集会や朝礼など様々な社内コミュニケーション媒体を通じて繰り返し発信し続けましょう。均一で継続的な発信によって従業員の理解度が高まり、ビジョンへの共感が深まることで、最終的には従業員自らが行動でビジョンを体現してくれるようになります。これはひいては強い組織文化の醸成にもつながっていきます。

株式会社ソフィア

コミュニケーションコンサルタント

廣井 和幸

社内報やビジョンブックなどインターナルコミュニケーションのためのコンテンツをつくることが多いですが、外向けも歓迎です。公開社内報「そふぃあと!」の責任編集長でもありますので、そちらもごひいきに!