業務改善で活用できるフレームワークとは?種類と活用方法をご紹介

#業務プロセス改善#コミュニケーション#ビジネススキル#組織開発

16.Jun.2020

現在、多くの企業が業務の非効率、属人化、人手不足の問題に直面しています。

この記事では、

  • 業務の生産性を上げたい
  • 膨大なデータやタスクを見える化・効率化したい
  • 多くの利害関係者と円滑にプロジェクトを進めたい

といった目的での業務改善に使える代表的なフレームワークを4つご紹介します。

参考記事:
業務改善に役立つおすすめツールをご紹介  

業務改善のカギとなるフレームワーク

そもそも、業務改善に用いられるフレームワークとはどんなものなのでしょうか。

業務改善フレームワークとは?

フレームワークとは「枠組み」という意味で、コンサルタント用語で「経営戦略において問題解決に活用する考えの型」を指します。IT業界でのフレームワークは、システムソフトウェアを構築していく上での「枠組み」や、ウェブサイトの「デザインフレーム」を指すことがあり、意味合いが異なります。
一方で、この記事で触れる「業務改善フレームワーク」は、効果的な業務改善を推進するための分析方法のことを意味しています。

フレームワークを活用する目的

業務改善を進める上で、なぜフレームワークが必要なのでしょうか?
それは、業務の進め方、関わる人、存在意義を見失っている業務がないかなどを可視化し、洗い出すためです。
実際に業務改善を進める際には、業務に関わる関係者個人にヒアリングし、可視化を行う必要があります。

生産現場の改善は、モノに着目して、モノ流れを可視化します。事務系・企画系などのデスクを持って働いている職場の業務改善は、情報に着目して、情報の流れを可視化します。生産現場で材料から製品がつくられるように、情報も流れていくにつれて価値が向上しなければなりません。

その際に、個人の最小単位の業務の可視化までは難しいのも事実ですが、現在行っている業務のプロセスが可視化できるかどうかが業務改善の前提条件です。可視化できない業務は改善の打ち手がないためです。

参考記事:
業務改善に立ちはだかる強敵! 社内にはびこる“ゾンビ業務”を退治するには?  

業務改善のフレームワークの種類

ここでは、4つのモデルのフレームワークを紹介していきます。

その前に、まず入門編としてパワーポイントのフローチャートを紹介します。
Microsoft Power Pointの中に組み込まれているフローチャートはシンプルで、個人の仕事や簡単な業務フローであればこのチャート図で完結できます。後述する各種フレームワークは、業務改善のコンサルタントなどが活用する難易度が高いもので、一般的にはあまり使いません。まずはパワーポイントを使って業務フローチャート作成(=可視化)することが、業務改善の第一歩と言えます。

早速、業務フローを作成してみましょう。

まず、パワーポイントのメニュータブから
挿入>図形>フローチャート
を選びます。

次にフロー作成の手順に進みます。

  1. 業務の出発点とゴール地点を明確にする
    どの工程から始まるのか、どの工程で終わるのかをはっきりさせましょう。
    ここがブレてしまうとフロー図全体がわかりにくくなります。
    よく使う図形
    ・端子(横長楕円形)…始まりと終わりを表す(例:横断歩道に来る、渡りきる)
  2. 業務の要素を配置するどのような処理と判断が発生するか、要素となる図形を配置します。
    ここで図形の中に簡単なテキストを入力しておきます。
    よく使う図形
    ・処理(長方形)…計算などの処理を表す(例:信号を見る)
    ・判断(ひし形)…条件分岐を表す(例:信号が青である)
  3. 要素を線と矢印で繋ぐ
    矢印の方向は統一するようにしましょう。
    上から下、右から左など、手順に沿って方向を揃えてください。上記が完成したら最後に配色やデザインを整えます。
     
パワーポイントを使ったフローチャートの一例

パワーポイントを使ったフローチャートの一例

参考記事:
Office 365(現 Microsoft 365)を活用して働き方改革!ツールや事例をご紹介  

BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)

BPMNとはビジネスプロセスモデリング表記法(英語: Business Process Model and Notation)のことで、業務プロセス(Business Process)の定義や描画法に関する国際標準です。
ビジネスプロセスモデリングは、手描きのシンプルな図から、充分な実装情報を記載するための拡張可能な要素を含む複雑なものまで多岐に渡ります。BPMNが国際基準になっている理由は2つあります。1つ目の理由は、BPMNは「言語」のように、図形の使い方や定義など独自の文法が存在します。文法が崩れると正しく機能しませんが、文法が正しければ万国共通で使用できます。
2つ目は業務をモデリングできる点です。前述のパワーポイントのフローチャートと違い、業務を分解して階層化することが重要になります。上位概念から下位概念へと業務を細分化していきます。

BPMNを使った業務モデリングの例として、コールセンターにおける電話の取次から対応終了までの流れを可視化するケースがあったとします。ユーザーが電話をかけて発注するところから、対応の開始、ユーザーが会員であるかどうか、など状況によった判断と対応をフロー図にします。
BPMNは、「国際的な標準であり、文法を正しく使わなければ正しく機能しない」と前述しましたが、大規模システム導入の業務分析や全社的な業務改革などではなく、自分や職場の業務の可視化であれば、文法や業務の階層化を定義通りやる必要はありません。自分の仕事を可視化するフレームワークの1つとして使ってみてください。

参考:ビジネスプロセス改革推進室「業務プロセスモデル図ってどう作るの?世界一わかりやすいBPMN解説」

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、事業を主活動と支援活動に分けて、ビジネスのどの工程でバリュー(付加価値)を創出しているかを分析するためのフレームワークです。バリューチェーン分析を行うメリットは2つあります。1つ目は各活動におけるコストを把握してその削減を行えること。2つ目は自社の強みと弱みを整理し、競合との差別化戦略を導き出せることです。

バリューチェーン分析の一例

バリューチェーン分析の一例

実際にバリューチェーン分析をする際には、まず事業活動を主活動と支援活動に分けます。
主活動は、購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービス
支援活動は、全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動
などに分かれます。
次に、どこの活動に自社の強みと弱みがあるのか、どこにどのくらいのコストが発生しているのかを分析していきます。このプロセスを通して、競合戦略とコスト戦略に落とし込んでいきます。

ECRS(イクルス)

ECRS(イクルス)の原則とは、英語でEliminate(排除)、Combine(統合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の略で、業務改善の手法です。
イクルスは、業務フローを可視化するフレームワークではなく、業務改善するフレームワークとして使われます。個人や組織の業務フローを可視化した後、その業務を止める、簡素化するなどの作業を行います。無駄な業務を客観的な判断軸で指摘することで、業務上の無駄な重複や対立を防ぎます。

例えば、工場の稼働効率化を図る場合を考えてみましょう。

  1.  排除(無くせないか)
    不要な工程・無くせる作業がないかを検討します。(例:個包装の手順を廃止する)
  2. 結合(1つにまとめられないか)
    複数の業務を同時に処理できないかを考えます。(例:複数のラインで別々に検品していた作業を1つのラインにまとめる)
  3. 交換(変更できないか)
    業務のプロセスを変更して、効率化できないかを考えます(例:部品の接合と検品の順序を逆にする)
  4. 簡素化(単純化できないか)
    業務の一部を省略することができないかを検討します。(例:不良品の修正を一部ロボットで行う)

KPT

KPTとはKeep、Problem、Tryの頭文字で、アジャイル開発でよく使われる振り返りのフレームワークです。
Keep(維持すること)、Problem(改善すべき問題)を個人またはチームで出し合います。

KPTの一例

KPTの一例

Keep: アポイントが2件獲得できた
Problem: クロージング中の案件の進捗がよくない

Problemに対するTry(新しく試してみること)を設定します。
例えば、上長からクライアントの上層部にアプローチしてもらうよう依頼する、などです。

KPTは比較的簡単に始められるがゆえに、マンネリ化しやすいデメリットもあります。
目的をしっかりと考えて、業務改善に繋げることを意識して実践しましょう。

参考記事:
業務改善の事例と進め方 成功するためのポイントとは  

その他のフレームワーク

下記の2つのフレームワークは、前述した専門的なフレームワークのように、実際の業務改善のシーンで広く使われているわけではありませんが、業務を整理するフレームワークとして活用できますので、合わせてご紹介します。

ロジックツリー(決定木分析)

参考:ムービン・ストラテジック・キャリア「コンサルタントが使う思考法(フレームワーク)・問題解決方法『ロジックツリー』とは」

ロジックツリーとは、問題の原因を論理的に分解して真因を特定する手法です。問題や課題をツリー状に書き出してモレなくダブりなく分解していきます。
課題の原因を特定するWHYツリー、問題解決の手段を分解するHOWツリーなどがあります。

ここでは、「売り上げが上がらない」という問題でWhyツリーを活用するシーンをイメージしてみましょう。

ロジックツリー作成の手順

  1. ツリーのフレームを描きます
  2. ツリーを構成する要素を、左から右に順に書いていきます。
    左に抽象的なものを書き、右に行くほど具体的な内容にしていきます
    例:利益が上がらない→コストが多くかかっている/売り上げが増えていない→人件費が嵩んでいる/営業リソースが足りていない
  3. MECEになっているかを確認します(モレがあれば追加、ダブりがあれば削除)
  4. 最後に各要素が論理的に繋がっているかを確認します(論理的に矛盾していないか、飛躍がないかなど)
    最終的に右端に並んだ要素群が、最初に設定した課題に対する具体的な真因となります。

PDCA(デミング)サイクル

参考:デジタルマーケティングブログ「PDCAとは何か?とても簡単に説明します!」

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)をサイクル化して繰り返すことで、業務を継続的に改善する手法です。

例えば、中途入社者採用の業務でPDCAの活用を想像してみましょう。
現状、ウェブサイトからのエントリー者は多いが面接通過者が20%しかいないとします。
ここで、エントリーする応募者の質を変えることを計画します(P)。
その次に、採用媒体の担当者に募集要項原稿の改善を依頼します(D)。
原稿改善から2週間経過して、応募者の面接通過率がどう変化したかを確認します(C)。
面接通過率が上がっていたものの、目標とする数字には届いてないことがわかったので、原稿内容だけでなく出稿する媒体を変更改善します(A)。
こうしたサイクルをぐるぐる回しながら、改善を進めていきます。

まとめ

以上、6つのフレームワークをご紹介しました。
すでに社内資料で活用しているものもあるかと思いますが、フレームワークには絶対的な正解がありません。複数のフレームワークでアプローチしてみて、プロジェクトの内容やメンバーの仕事の進め方にしっくり来るものを採用していきましょう。目的は業務の効率化であり、綺麗にフレームワークを描くことではありません。
フレームワークを扱うメンバーの考え方や仕事の進め方も考慮して、実際に行動につながる業務改善のフレームワークを利用するようお勧めします。

参考記事:
業務改善のためのコンサルティングとは?  

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