中小企業のSDGsメリットと事例|進め方・補助金・共創のポイント
目次
サプライチェーン全体でSDGs対応が求められる今、大企業の経営企画・事業部門は、取引先である中小企業の取り組み状況を把握し、共に推進する必要があります。本記事では中小企業のメリットと事例、進め方、社内浸透の勘所を整理します。
SDGsと中小企業の現状はどうなっている?
SDGsと中小企業の現状
SDGsには、2030年を期限とした17つのゴールが定められています。
簡潔に説明すると、「経済・社会・環境の3つの側面において、持続可能な開発に取り組んでいくこと」が世界において求められているということです。
日本政府は、SDGs達成に向けた取り組みの中で、大企業に比べて中小企業のSDGsの浸透が遅れていることを課題とし、日本の企業数で見ると全体の99.7%を占める中小企業の取り組みが、SDGsへの取り組みを加速する上で欠かせないとしています。
実際、中小企業がSDGsに取り組むことがどのように重要なのか、見ていきましょう。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として整理され、17ゴール・169ターゲットで構成されます。
また「中小企業」の範囲は、中小企業庁が中小企業基本法等に基づき、業種ごとの資本金・従業員数で定義しています(例:製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下など)。
なお、関東経済産業局の調査(2018年・中小企業500社)では「SDGsについて全く知らない」が84.2%と報告され、当時は浸透が限定的だったことが示されています。
一方で、別の全国調査では「認知」は約9割でも、「理解(十分/やや)」は約4割にとどまるなど、“知っている”と”腹落ちして動ける”の間にギャップがあることが示唆されています。
SDGsへの取り組みが中小企業にとって大切な理由は?
SDGsへの取り組みは中小企業こそ大切!
「地球を考える」ことの重要性
SDGsに企業が取り組まなければならない背景には、地球規模で自然災害による被害が増えていることが挙げられます。具体的には地震、洪水、火山の噴火、森林火災、干ばつ、嵐などです。
自然災害は産業革命以降の急激な経済成長による温暖化が大きな原因の一つとなっていて、 CDP2019年レポートの「215大企業の気候変動関連財務リスクが総計約107兆円とも言われており、企業にはその深刻さを認識することが求められています。
金額の推計は前提条件で幅が出ますが、少なくとも「環境・社会課題は事業継続リスクに直結する」という認識は、脱炭素(気候変動対策)を含め公的ハンドブックでも繰り返し強調されています。
特にグローバルに展開する企業ほど、自社排出だけでなく原材料・部品調達等も含めた排出削減(=サプライチェーン全体の視点)へ動いており、この流れは中小企業にも波及します。
SDGsに則さない産業を続けていると事業の存続が危ぶまれる
2018年に関東経済産業局が中小企業500社を対象に実施した調査では、「SDGsについて全く知らない」と回答した企業は84.2%でした。中小企業への浸透度はまだ低く、知っていてもボランティアのような社会貢献活動の一貫というイメージが強いかもしれません。
しかし、大企業の多くはすでにSDGsの取り組みを加速させているため、環境や人権問題を疎かにする中小企業は、サプライチェーンから排除され、ビジネスのチャンスを失い、事業の存続自体が難しくなる可能性があります。
大企業側も「取引先に丸投げ」ではなく、取引先と一緒に”測れる形”へ落とし込むことが重要です。
なぜなら、気候変動対策では取引先の取り組み状況が、融資判断や取引判断に影響し得ることが公的資料でも整理されているためです。
優秀な人材の採用に効果的
SDGsに取り組むことは、企業の社会的責任という側面もありますが、企業にとって有利に働く点も見逃せません。
就職情報を扱う企業の調査では、2017年卒の理系学生の就職先選択理由として「社会貢献度が高い会社」が1位となっており、これからの社会を担っていく層のSDGsへの関心度の高さが伺えます。言い換えると、SDGsを意識しない中小企業では、優秀な人材を採用し、定着させることが難しくなっていくと言えるでしょう。
採用面の訴求では、単に「SDGsをやっています」と伝えるだけでなく、「どんな課題に取り組んで、何が改善したか」をセットで示す方が、候補者にも社内にも伝わりやすくなります。
後述の「測定・発信(KPI)」と「社内浸透(インターナルコミュニケーション)」を先に設計しておくと、採用広報が”あとづけ”になりにくいです。
地域社会への貢献につながる
国内におけるSDGsの取り組みにおいて、地域社会への浸透は必要不可欠です。日本国内の地域において、人口減少、地域経済の縮小などが課題となっており、地域を支える中小企業がSDGsに取り組むことで、地方創生の視点から地元を活気づけることにもつながります。
自治体×民間の連携は、内閣府の「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」でも、課題登録・提案・マッチングの仕組みとして提供されています。
SDGsに中小企業が取り組むメリット
SDGsに取り組むには時間もコストもかかるため、後回しになってしまっている中小企業は多いのではないでしょうか。前述した以外にも、中小企業がSDGsに取り組む上でのメリットが存在します。ここでは中小企業がSDGsに取り組むことで見込めるメリットについて、大きく4つに分けて見ていきましょう。
経済面
ビジネスのネットワークが広がる
日本政府が定めたSDGsのアクションプランには、ESG投資を後押しすることが盛り込まれています。ESG投資とは「Environment・Social・Governance」の頭文字からつくられた言葉で、環境・社会・企業統治を重視した投資を意味しています。投資が受けやすくなるというのは、これから事業の拡大を目指す中小企業にとって大きなメリットと言えます。
またSDGsに取り組むことで、SIB(Social Impact Bond=行政の成果連動型支払契約と民間資金の活用を組み合わせた仕組み)などの新しい資金調達手段へのアクセスも広がります。
ここで大企業側の実務に落とすと、「取引先のSDGsは”調達条件”と”共創テーマ”の両面を持つ」と整理すると動きやすいです。
脱炭素の分野では、金融機関の融資判断に取り組み状況が加わるケースや、サプライチェーン全体の排出削減へ波及していることが公的ハンドブックでも示されています。
つまり大企業にとって取引先のSDGs推進は「安定調達」「リスク低減」「共同提案の幅」が広がります。
売り上げ利益の向上
SDGsに取り組むことで、社会貢献への関心が高い企業との新規取引の増加、売り上げの増加が期待できます。
SDGsの大きな課題である環境問題への関心は消費者の間でも高まってきているので、SDGsに取り組むことで、より消費者に選ばれやすい商品・サービス展開が可能になります。
上位記事で多い補足として、「売上につながる道筋」を具体化すると理解しやすくなります。
例えば、①既存顧客の調達基準に適合→②入札・提案の参加資格が増える→③共同提案で単価ではなく価値で選ばれる、という流れです。
イノベーションの創出
政府はSDGsアクションプランの中で、バイオエコノミー(化石資源を基盤とする社会・経済からの脱却を目指す概念)や、ロボットやICTを活用するスマート農業など、企業のイノベーション技術を後押しする方針も示しています。さらにSociety5.0(仮想空間と現実空間を融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を目指す社会)の実現にも取り組んでいく考えです。SDGsに取り組むことで、IOT、AI、ビッグデータなど最新のテクノロジーを用いたイノベーション技術の開発に積極的に取り組んでいくことができます。
重要なのは「SDGsを掲げる」より先に、「自社の強みで解ける社会課題」を見つけることです。
中小企業基盤整備機構(中小機構)のガイドブックでも、SDGsを”本業に取り込み”、組織活性化や生産性向上につなげる狙いが示されています。
PRコスト、マーケティングコストの削減
自社の取り組みがSDGsの目標と合致しているかを伝えることが、そのまま企業のPRへとつながります。SDGsに取り組むことはコストのかかることですが、社会に貢献する企業として注目されることで、PRコストとマーケティングコストの削減につなげていくことができます。
発信の際は「実態の裏付け(データ・根拠)」を必ずセットにし、誤認を招く表現を避けるのが基本です。
環境配慮をうたう表示についても、環境省が環境表示に関する考え方・留意点を整理しています。
環境面
エネルギー使用量削減
SDGsには、気候変動の抑制、生物多様性の保全、資源循環への貢献など、環境面への課題が多く盛り込まれています。エネルギー使用量を見直して削減したり、太陽光発電や再生可能エネルギー比率の高い電力を使用することで、環境負荷の低減と付加価値の高い持続可能な生産の両立が可能になります。
環境省の中小規模事業者向けハンドブックでも、温室効果ガス削減の取り組みが「光熱費・燃料費削減」だけでなく、「売上拡大」や「融資獲得」につながり得る”攻め”の要素を持つと整理されています。
大企業側は、ここを「取引先支援(省エネ投資・設備更新の後押し)」のテーマとして設計すると、サプライチェーン全体の改善に結びつきます。
資源の使用削減/再利用
SDGsの目標として、地球環境と天然資源の永続的な保護・確保が重要な課題となります。具体的には、食品廃棄や産業廃棄物などの抑制が挙げられます。企業として、生産やサービスなどの業務を循環型にシフトすることができ、持続可能な生産消費形態を確保することにつながります。
上位記事で差がつくのは、「どの工程を、どう見直すか」の具体です。
例えば“ムダの可視化→小さく改善→標準化→横展開”は、業務改善の基本として整理されており、SDGsも同じ運び方が有効です。
社会面
地域貢献
政府はSDGsの達成に向けて優れた取り組みを進める都市を「SDGs未来都市」として選定し、特に先導的なモデル事業には補助金を交付しています。さらにアクションプランでは、企業、自治体、NGO・NPO、大学、研究機関との連携を進める「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」を促進していく方針です。SDGsに取り組み始めることで、企業として地域の地方創生に参加することが可能となります。高い専門性を持った外部の機関や自治体と連携することで、新たな価値の創造にもつなげていくことができます。
自治体によっては、企業のSDGs宣言・登録制度を設け、地域のネットワーク形成や発信支援を行う例もあります。
大企業の立場では、こうした自治体の枠組みと調達・事業連携をつなぐと、”地域課題×事業”の案件化が進めやすくなります。
企業イメージ/信頼度の向上(ブランド力アップ)
SDGsへの取り組みは、企業内外のあらゆるステークホルダーに対するアピールポイントとなります。グローバル競争に勝ち抜くために、大手企業はSDGsへの取り組みを強化しています。SDGsへの取り組みは優良企業であることの証明にもなり、ブランド価値を高めることにもつながるため、ブランド力をアップさせるために有効な手段となります。
ただし、ブランド価値を上げるには「取り組みの事実」と「社内外の理解」がセットです。
後述するように、社内浸透の設計が弱いと、取り組みが”知っている人だけの活動”になり、ブランドとして一貫しません。
企業内面
経営ビジョンの見直し
SDGsに取り組むことは事業・経営資源を振り返ることにもつながります。事業とSDGsの関係性を整理することで、経営ビジョンを見直すためのツールとして活用することができます。
中小企業で成果が出るケースは、SDGsを「別枠のCSR」ではなく、「経営課題の再定義」に使っています。
SDG Compassでも、優先課題の定義→目標設定→統合→報告という流れで、経営に組み込む道筋が示されています。
ロイヤリティの向上
SDGsを通して従業員の社会貢献への意識が高まります。組織に一体感が生まれモチベーションの向上が期待できます。また、従業員に対して研修などを通して、SDGsの取り組みを自分ごと化させることで、社会貢献に対する意識づけを強化することが可能です。
ここでボトルネックになりやすいのが「社内コミュニケーション」です。
弊社ソフィアの調査では、社内コミュニケーションに問題があると感じる人が約79%(「大いに」「多少」)にのぼり、部門間・上司部下・経営層と従業員の間など、多方面で課題が認識されています。
つまりSDGsを”自分ごと”にするには、研修単発ではなく、継続的に理解と納得を積み上げる設計が必要です。
人材不足解消
SDGsへの取り組みは人材確保にも貢献します。
大手広告代理店が2019年2月に全国10〜70代の6,576人を対象に実施したSDGsの認知度調査では、全体平均が16%だったのに対し、若年層では高い認知度を示しており、若年層の社会貢献に対する意識が高まっていることを示しています。SDGsに積極的に取り組んでいるかどうかは、優秀な学生が企業を選ぶ判断基準の一つになると言えるでしょう。
採用に効果を出すには、SDGsを「採用候補者が理解できる言葉」に翻訳することが大切です。
たとえば”脱炭素(省エネ)””働きがい(安全・人材育成)””地域共創(教育・雇用)”のように、職種や現場が想像できる単位に落とすと理解が進みます。

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中小企業はSDGsを何から始めればいい?
上位記事では「まず何をするか(手順)」の説明が厚く、ここが不足すると”やる気はあるが前に進まない”状態になりがちです。
そこで本記事では、国連グローバル・コンパクト等が整理した「SDG Compass」の5ステップを、中小企業・サプライチェーン実務向けに噛み砕いて紹介します。
ステップ1:SDGsを理解し、自社の現在地を把握する
最初にやるべきは、17ゴールを丸暗記することではなく、「自社が今、何をしているか/何に困っているか」を棚卸しすることです。
事業のバリューチェーン(調達→製造→物流→販売→廃棄)を書き出すだけでも、エネルギー・廃棄物・労働安全などの論点が見えてきます。
やること
電力・燃料・廃棄物など、既にデータがあるものを整理する(ゼロから集めない)
顧客・自治体・金融機関・従業員からの要請を整理する
現場が困っている”ムダ・ムリ・ムラ”も同時に拾う(業務改善と一体化)
ステップ2:優先課題を決める(全部やらない)
SDGsは広いので、優先順位がないと形骸化します。
「重要度×実現可能性×取引・採用への影響」の3軸で、まずは3テーマ程度に絞るのがおすすめです。
ステップ3:目標(KPI)を設定する
目標が「取り組む」だけで止まると測れません。
「いつまでに/何を/どれだけ」まで定義し、月次・四半期で追える形にします。
例
電力使用量を前年比◯%削減(光熱費=経営メリットにも直結)
廃棄物の再資源化率を◯%へ(工程改善のKPIにもなる)
安全教育の受講率◯%/ヒヤリハット件数の報告率◯% など
ステップ4:業務に統合し、担当を決める
「担当者の頑張り”にすると続きません。
既存の業務ラインに組み込み、会議体と責任者を明確にします。
ポイント
まずはスモールスタートで実施し、効果が見えたら横展開する
部門間連携を強め、情報を透明化・共有する仕組みを作る
ステップ5:測定し、報告とコミュニケーションを行う
「社外向け発信」より先に、「社内の理解」が必要です。
そして社外へは、根拠(データ・取り組み内容・範囲)を添えて、誤認を招かない形で発信します。
大企業は中小企業のSDGsをどう支援・共創すべき?
大企業の経営企画・事業部門にとって重要なのは、「要求事項の提示」だけでなく、「取引先が実装できる形に落とす」ことです。
脱炭素領域では、サプライチェーン排出削減や融資判断への波及が整理されており、中小企業の実装支援は調達安定にもつながります。
求める基準を”翻訳”して伝える
大企業で使っている基準(人権・環境・安全など)を、そのまま中小企業に渡しても運用できないことがあります。
「最低限(must)」と「推奨(should)」に分け、チェック項目を少数に絞って伝えると進みます。
データ取得の負担を下げる
温室効果ガスやエネルギーなど、求めるデータを「どの単位で」「どの頻度で」「どのツールで」集めるかを一緒に設計します。
最初は完璧を求めず、まず”測れるようにする”が現実的です。
共創テーマを作り、地域・自治体も巻き込む
地域課題と結びつくテーマは、案件化しやすく、社内外の納得も得やすいです。
内閣府のプラットフォームでは、地域課題登録と民間からの提案をつなぐ仕組みが用意されています。
SDGsの取り組みを社内に浸透させる方法は?
上位記事で不足しがちな論点が「社内浸透」です。
特に大企業では、方針が現場に届かず、施策が”やらされ感”になりやすいため、インターナルコミュニケーションの設計が重要になります。
社内浸透が難しい理由は何?
弊社ソフィアの調査では、社内コミュニケーションに問題があると感じる人が約79%にのぼりました。
また、社内コミュニケーションの課題は「部門間」が最多(58%)で、上司部下(51%)、経営層と従業員(42%)が続きます。
さらに、コーポレート部門の施策が「十分理解されている」と感じる人は10%にとどまり、”発信したつもり”になりやすい現実も示唆されます。
浸透させるために何を設計すべき?
ポイントは「一度伝える」ではなく、「理解→納得→行動→定着」を前提に設計することです。
業務改善の文脈でも、部門間連携・情報共有・PDCAが成功要因として整理されており、SDGs推進も同じ構造です。
浸透の設計図
経営メッセージ(なぜ今やるか/やらないと何が起きるか)
現場言語への翻訳(部署別に「自分たちの仕事で何が変わるか」)
対話の場(ワークショップ、部門横断の改善会議)
可視化(KPI、取り組み事例、良い行動の称賛)
継続コミュニケーション(社内報・動画・全社集会・上長の巻き込み)
SDGsの成果をどう測定・発信すればよい?
大企業が取引先に求めるのは「宣言」ではなく「証跡」です。
環境省のハンドブックでも、脱炭素の流れがサプライチェーンや金融判断に波及している点が整理されており、測定の重要性が高まっています。
最小構成のKPIから始める
最初から網羅的な指標をそろえる必要はありません。
まずは「コストに効くKPI(電力・燃料)」と「信頼に効くKPI(廃棄物・安全・労務)」を数個持つのが現実的です。
KPI例
エネルギー使用量(kWh、L)/エネルギー原単位
廃棄物総量/再資源化率
労災件数/安全教育受講率
採用応募数/離職率(人材テーマの効果指標)
発信で注意すべきこと
環境・社会配慮の発信は、誤認を招くとレピュテーションリスクになります。
環境省は環境表示の考え方・留意点を整理しており、根拠のない表現や誤解を生む表現を避け、合理的根拠を持つことが重要です。
中小企業が活用できる支援制度や外部パートナーは?
上位記事には「参考にできる公的ガイド・相談先」がまとまっていることが多く、実務ではここが最短ルートになります。
本記事でも、公的・準公的の導線を整理します。
公的ガイドブックを使う
中小機構は「中小企業のためのSDGs活用ガイドブック(全国版)」を公開し、実践的な方法や取り組み事例をまとめています。
近畿経済産業局でも同趣旨のガイドブックを案内しており、地域の支援ネットワークと接続しやすいのが利点です。
自治体の枠組み・マッチングを使う
内閣府の「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」では、課題の登録や提案を通じて官民連携を後押ししています。
自治体のSDGs宣言・登録制度(例:兵庫県)も活用できます。
実際にSDGsに取り組んでいる中小企業の事例は?
実際にSDGsに取り組む日本の中小企業を紹介します
大川印刷
神奈川県横浜市の大川印刷は2018年に第2回ジャパンSDGsアワードで「SDGsパートナーシップ賞」を受賞しました。
全社員へのSDGs教育を実施して、ボトムアップでSDGsの経営戦略を策定したことが大きく評価されました。パートを含む全従業員を対象にワークショップを開催して、各自の問題意識とSDGsを関連づけ、従業員主体で問題解決に向けたプロジェクトチームを立ち上げています。
策定されたSDGs経営戦略に基づいて、カーボンオフセット、森林認証紙・間伐紙、ノンVOCインキ(石油系溶剤0%)、電気自動車を利用したエコ配送など、営業から納品に至るまで一貫して環境への負荷を軽減する取り組みを実施しています。
大企業側の視点では、この事例の学びは「教育→腹落ち→現場起点のプロジェクト化」という流れです。
これは、SDG Compassで示される”統合(Integrate)”と”報告・コミュニケーション(Report)”の要点にも合致します。
石坂産業
埼玉県入間郡の石坂産業は、産業廃棄物を資源に変える取り組みを進めています。
リサイクルが困難なガラスや木片などが混ざった混合廃棄物を積極的に受け入れ、全てのゴミを再び資源に戻すことを目標にリサイクル率98%という高い水準を維持しています。
資源再生プラントは全天候型で、太陽光発電、雨水循環システム、省エネ設備などを導入して地球温暖化対策にも取り組んでいます。
業界初の電動式油圧ショベルをメーカーと共同開発して取り入れるなど、CO2削減への取り組みが注目され、国内外からの見学者が多く訪れる企業です。
この事例の強みは「プロセス改善」と「設備・技術」と「発信」が一体化している点です。
大企業が同様の取り組みをサプライチェーンに広げる際は、まず”どの工程の改善が最も効くか”を共同で特定し、スモールスタートで横展開するのが現実的です。
まとめ
SDGsは世界の共通言語になりつつあります。世界規模での課題が示されることはスケールの大きな話に聞こえますが、これからは中小企業においても取り組みが求められてきます。
SDGsを課題ではなく潜在的なマーケットと捉えることで、経営の見直しやイノベーション開発を進めるチャンスに変換させていくことができます。加えて、SDGsを潤滑油にして地域の地方創生に参加し、自治体や専門機関との連携を深めていくことで、持続的に企業価値を高めていくことが可能となります。
大企業の経営企画・事業部門にとっては、「取引先のSDGs=コスト増」ではなく、「調達安定・共同提案・人材・金融の観点での競争力」として捉えると、施策設計が進みます。
そして成否を分けるのは社内浸透です。弊社ソフィアの調査が示す通り、コミュニケーション課題は顕在化しており、SDGsも”伝え方・巻き込み方”を設計することが重要です。
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