組織開発コンサルティングはどんなことをしてくれる?

21.Dec.2020

組織開発コンサルティングは、企業に対するさまざまなコンサルタンティングサービスの中でも、あまりなじみがなくピンとこない分野かもしれません。組織開発コンサルティングは、組織開発という大きな枠組みの中で、さまざまな役割を担います。コミュニケーション不全の改善や組織風土の変革、場合によっては社内への定着化の企画〜運営〜効果測定といった中・長期的な伴走支援をも含みます。
本記事では、この組織開発コンサルティングがどのようなものかを詳しく解説していきます。

組織開発コンサルティング会社が行う組織開発とは?

組織開発は、1950年代の終わりにアメリカで生まれ、欧米を中心に発展してきた手法で、英語では「Organization Development」(略してOD)と呼ばれています。

ここで言う組織とは職場・部門や会社組織で「共通の目的に向かって活動している集団」を指します。その組織が例えば「コミュケーションが少ない」、「言いたい事が言えずモヤモヤすることが多い」「全体的な元気がない」が「現状よりも良い状態にできる」という開発の余地があると感じる場合に組織開発を行います。

組織開発の目的は、組織を健全な状態に導き、組織の構成員それぞれが持つ能力を発揮できるようにすることです。組織開発では、社員個人の持つスキルや経験、ノウハウだけでなく、価値観やコミュニケーションの仕方などに着目し、これらの差異を可視化していきます。そしてこの差異をマネジメントすることで組織全体をよりよくしていこうと取り組んでいきます。

組織開発自体は、組織内の人間が行うこともできますが、どのような場合に組織開発コンサルティングが有効なのでしょうか。

まず、当事者同士の問題を当事者自身で解決することが難しい問題などにおいては、組織開発コンサルタントのような外部の人間のほうが、客観的で当事者が納得しやすい解決方法を立案し実行することができます。

また、中長期的に組織が成長するためには組織文化・組織風土をよりよいものへと変化させ、進化させていく必要があります。それには経営者からマネジメント層、社員一人ひとりの考え方を深く知る必要があります。その際、社内の人間がヒアリングを行うより、ヒアリング対象者と利害関係のない組織開発コンサルタントが行ったほうが本音を引き出しやすいでしょう。

さらに、「自社の可能性をもっと引き出したい」「優秀なメンバーがいるのにチームとしてパフォーマンスが上がらない」というような漠然とした問題や危機感にもとづいた組織改革にも組織開発コンサルティングが有効です。課題の洗い出し、解決案の立案、伴走支援、これらを経て組織をありたい姿に変革させていきます。その結果として業務効率や生産性が向上することもあります。意思決定がスムーズになることや、コミュニケーションが活性化することも組織開発コンサルティングの目的に含まれています。

組織開発の目的や人材開発との違い

組織開発の目的は、組織における人材の関係や環境を変えることによって、組織のパフォーマンスを上げること、組織をありたい姿へと変革させていくことです。
似たような概念として人材開発コンサルティングが挙げられますが、人材開発コンサルティングは組織の個人に着目し、それぞれの能力をしかるべき水準まで向上させていくことが目的であり、組織全体のコントロールは行いません。

なぜ組織開発コンサルティングを依頼すべきなのか

組織開発においては社員同士の関係や雰囲気を改善しますが、同じ会社の社員がそれを行おうとすると、どうしても当事者同士の元々の利害関係から不安や反発などさまざまな感情が生まれ、うまくいかない、もしくは遅々として進まないケースがよく見られます。このような場合は外部の人間がコンサルタントとして介入した方が、社内における関係性の影響を受けることなく、当事者の納得感を得ながら組織開発を進めていくことができます。

組織開発コンサルティングは、人材の流動化によって近年需要が高まっています。タレントマネジメントシステムを用いて人の能力や履歴をマネジメントすることが容易になってきましたが、チームや組織の中の相互関係や感情をマンジメントするピープルマネジメントは未だ大部分は人が行うべきものであり、そのノウハウを自社で有している企業は少ないでしょう。組織開発コンサルタントは、その組織に合ったマネジメント手法を提案し、フィードバックまで行います。

組織開発を自社で実行するのは難しい

組織開発は、当事者同士による課題の解決が極端に難しい分野です。そのため、前述のとおり外部のコンサルティング会社にコンサルティングを依頼した方がうまく進みやすいと言われています。また、専門的な技術や知識が必要になるため、自社で模索するよりも組織開発コンサルティングが専門分野として有するノウハウを採用したほうが効率的であるという理由もあります。この理由について、以下に詳しく解説します。

組織形態(モデル)が多い

組織はその目的によって「構造」が異なります。経営層を上位として業務内容を職能別に編成するスタンダードな組織が「機能別組織(職能別組織)」です。下位は営業や総務、企画などに分類されます。そのほか、複数の事業を持つ場合には経営層の下にA事業部、B事業部、C事業部…と連なり、その下に職能別の組織が存在することもあります。このほかに、社内分社制である「カンパニー制」、「マトリクス組織」や「プロジェクト組織」といった形態もあります。
組織開発に取り組む際、組織構造や業務のあり方がコミュケーションや関係性の障壁になっているケースもありますが、組織開発という手法は組織構造や業務のあり方自体を変えるものではありません。従って、組織形態の仕組や業務のあり方を深く理解し、考慮した上で、組織の現状に最適な打ち手を考えることができなければ、組織開発は成功ないのです。こういった組織構造の長所短所に配慮して組織を変革するのは組織開発を専門とするコンサルティング会社の得意とするところです。

組織開発の手法が多い

組織開発の手法もさまざまで、組織開発を専門に行う人員を社内で育成するには時間と労力がかかるため、外部の専門家に依頼するのが現実的です。対話型組織開発の手法の一例を挙げると、肯定的な質問を用いることで組織の真なる価値を見出し、可能性を押し拡げる手法である「プロセスアプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)」、立場や意見の相違を超えてオープンに話し、聞く対話を大規模に行うことで相互理解や共通認識の醸成を行う「ワールド・カフェ」、組織開発を8つのフェーズに分けて進める「OD Map(Organization Development Map)」、カウンセリングの手法であるゲシュタルト療法を応用した「ゲシュタルト組織開発」などがあります。どの手法を用いるか検討する際も、各手法の良し悪しを見極めて自組織に最適な手法を選択し正しく実施できる専門家に任せるべきでしょう。

人事や介入者に求められるスキルが多い

組織開発を行う際、実施者(人事や介入者)には高度なスキルが求められます。例えば、組織内の情報を取集する能力、コーチング能力、ファシリテーション能力など、日常業務で常に必要とされるとは限らず、意識しなければ修得できないスキルばかりです。とくに、対話の空気を読んで個人の特性を見抜く力や、関係性を察知する力といったスキルセットは、身に着けるために多くの経験が必要なため、組織開発のプロでなければなかなか持ち合わせていないものです。

成果が見えにくい

会社として何らかの施策を展開する際には、実施前後で効果を測定しその成果を測るものですが、組織開発は目標とすべき指標の設定が難しいものです。そのため、ぼんやりと始まってぼんやり終わってしまうこともあります。目に見えない成果があったとしてもそれを感じられなければ成功とはいえません。組織コンサルティング会社が介入することにより、正しく目標設定を行い、効果測定、改善施策の立案・実行までを一貫して依頼することができるので、組織開発の成果が可視化しやすくなるでしょう。

組織開発コンサルティング会社に依頼できること

組織開発コンサルティング会社には、大きなプロジェクト以外にも依頼できることが多くあります。細かな施策を積み重ねて大きな変革をもたらすこともできますので、自社の状況に合わせて検討するとよいでしょう。

職場の人間関係・コミュニケーション・組織風土における課題の解決

人間関係やコミュニケーションの不全は、表面化していないものも含めるとほとんどの企業において存在します。またこれらが深刻化すると、組織風土にもよくない影響が出る可能性があります。組織開発コンサルティングを専門とする会社は、コミュニケーションが健全に機能しているかどうかのチェックも行います。「もしかしたら」の段階から相談したほうが重症に至らずに済みますので、気軽に依頼してみましょう。

研修やイベント・ワークショップの依頼

組織内のコミュニケーション改善や組織風土の改善に向けた研修を行いたい、社内活性化のためにイベントやワークショップを行いたいという場合も、組織開発コンサルティング会社に相談することができます。多数の実績を有している会社に相談すれば、自社でやみくもに取り組むよりもコストも時間もかかりません。さらにこちらも一般企業では難しい効果測定まで行ってくれるので、経営層への実施報告もしやすくなります。

組織開発の取り組みの社内定着

組織開発は一度行えばそこで終わりではありません。組織文化も組織風土も、人材も移りゆくものですから、定期的に状況を確認し、軌道を正していく必要があります。そのため、ただ実践するのみでなく、自社にとって必要不可欠なものとして社内に定着させることが重要です。そういった定着の支援も組織開発コンサルティングが担います。同時に、長きにわたって自社を支えてくれるよきパートナーとなってくれるでしょう。

組織開発コンサルティング会社を選ぶポイント

組織開発コンサルティング会社は戦略コンサルティング会社や採用コンサルティング会社と比べると数は少ないものの、それでもいくつかの企業が存在します。最後に、組織開発コンサルティング会社を選ぶポイントについて解説します。

課題にあったソリューションを持っているか

組織に関する課題は企業によってさまざまです。前章で「依頼できること」をまとめましたが、それぞれ得意とする分野は異なります。自社の課題感と、各企業が得意とする分野を見極めて依頼をしましょう。

実績

やはり実績は重要です。ここでは、クライアントの企業規模ではなく「どのような指標で効果測定を行い、クライアントにどういった成果をもたらしているか」を重視しましょう。ここがはっきり見えるかどうかも選定のポイントのひとつです。

デジタルに強いか

組織開発の手法の多くはデジタルツールを利用しません。しかし、現実的には企業組織の情報の大半がデジタル上に存在しています。例えば、給与管理システム、出退勤管理システム、タレントマネジメントシステムなどには、数値で可視化された従業員の情報が蓄積されています。また、業務をクラウド上で管理することが一般化していることや、社員同士のコミュニケーションがチャットツールなどのデジタルツールに依存していることからも、組織の情報を得るために、それらのデジタル上のデータを分析・活用できるかどうかが、これからの組織開発コンサルティングにおいて重要であることがわかります。

長期的に伴走できるかどうか

組織開発は「定着させるもの」と解説したとおり、長期かつ定期的な実施が必要となります。そのため、タスクの遂行だけでなくメンテナンスのプロセスまで伴走してくれる会社を選ぶべきでしょう。また、社会の状態や状況の変化、組織のあり方の変化に合わせて、組織開発の手法も刻々と変化していきます。その変化に対応できる能力を持ったコンサルティング会社であることも重要です。
さらに、中長期的に組織風土や文化の変革に取り組んでいく際は、社内へのノウハウ蓄積や人的コストの面でも、外部のコンサルティング会社に全面的に依存するのではなく、社内ファシリテーターの育成が必要となる場合もあるでしょう。その際には、組織開発の内製化に理解があり、社内ファシリテーターの育成も依頼できるかコンサルティング会社かどうかが重要になってきます。

まとめ

「コンサルティング会社へ依頼する」というとそれだけで敬遠される企業もありますが、外部の人間が介入するからこそ成功する分野があることはぜひ理解していただきたい部分です。組織開発はまさにその典型例といえるでしょう。その上で自社の課題感に合わせてうまくコンサルタントを活用し、長期的には内製化も視野に入れて考えることが組織開発を成功させる秘訣です。ソフィアも組織開発の支援を行っておりますので、ぜひお問い合わせください。

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