リモート研修を行う具体的な方法やポイントを解説

コロナ禍が拍車をかけたこともあり、ウェビナースタイルやコンテンツ学習スタイルなど、リモート環境を活用した研修も増えてきました。しかし、リモート研修を効果的に行うことができている企業は多くありません。
この記事では、集合研修とリモート研修の違いをはじめ、リモート研修の具体的な方法やポイントをご紹介します。ぜひ、リモート研修の導入・実施にお役立てください。

従来型の集合研修をリモート化すれば良いわけではない?

リモート研修は、従来型の集合研修を単純にオンライン化したものではありません。まずは集合研修とリモート研修におけるスタイルの違いを説明していきます。
また、リモート研修についての詳細については、こちらの記事をご覧ください。

従来の研修とリモート研修の違い

以下の図をもとに、従来の研修とリモート研修の違いについて説明していきます。

  • A=従来型集合研修スタイル
  • B=OJTスタイル
  • C=ウェビナースタイル
  • D=コンテンツ学習スタイル

従来の研修とリモート研修の最も大きな違いは、集合研修と比べると、リモート研修は空間や環境の制限がないという点です。リモートに適した研修は、従来の集合研修をオンライン化したCや、Eラーニングや動画教材などを個人が自由に視聴するDです。Aの従来型集合研修では、会議室や研修会場など同じ空間に受講生たちを集め、講師が受講者と対面する形で、直接研修を行います。
一方、CのウェビナースタイルやDのコンテンツ学習スタイルでは、受講生は自宅などのインターネット回線・パソコン・モバイル・Web会議システムなどを活用して遠隔で研修に参加します。
Cのウェビナースタイルで使用する、ZoomやGoogle meets、TeamsなどのWeb会議システムには、同時に大人数が参加できるというメリットがあります。研修の内容としては、CはAと同様に、「これを学べばこの業務ができるはず」という、受講者に必要なスキルをインプットする発想から指導内容が組まれています。
Dのコンテンツ学習スタイルでは、Web上にあるすべてのものが教材になる点が大きなメリットです。また、Dにおいて受講生に何らかの問題解決タスクを与えることで、「できるための方法を自ら学び、実践にいかす」というB(OJTスタイル/実践学習)へ変化させていく流れを作ることもできます。
また、A、B、C、Dは以下のように、研修の主体に違いがあります。

  • A(従来集合研修スタイル)→講師や事務局が主体の研修方法
  • B(OJTスタイル)→受講者主体の研修方法
  • C(ウェビナースタイル)→講師が主体の研修方法
  • D(コンテンツ学習スタイル)→受講者主体の研修方法

リモート研修では扱いにくいテーマもある

大手から中小企業までリモート環境が整いつつある一方で、やはりリモートでは行いにくい研修もあります。例えば、会社の理念教育や選抜研修など、参加者の共感醸成を目的としたプログラムや、社員同士のコンフリクトを生み出す可能性のある教育プログラムは、リモートで実施しても十分な成果につながらないリスクがあります
また、活躍中の社員に対するリーダーシップ研修や営業力向上研修など、より高度なコミュニケーションが必要な研修プログラムも、リモート研修では扱いにくいものの一つです。ほかにも、上司と直接会話したことがない、新入社員同士が一度も顔合わせをしていないなど、主催する会社側と参加者の人間関係や信頼関係が構築される前の状況であれば、集合研修を先に行うのが理想です。
一方で、リモート研修は従来の集合研修よりも空間や環境の制限がなく、好きな時間に受講できるなど多くのメリットを持っています。そのため、上記のようなリモートでは扱いにくい研修プログラムも、できればリモート研修に移行したいというニーズ場合もあるでしょう。そこで、次の章からは「リモート研修を成功させる方法」についてを解説します。

リモート研修実施のポイント

ここでは、C(ウェビナースタイル)やD(コンテンツ学習スタイル)などを融合させて、リモート研修を成功させるための方法を、3つ紹介します。

ラーナーエクスペリエンスを設計する

ラーナーエクスペリエンスとは、「学習者の体験」という意味で用いられます。リモート研修では受講者がどのような学習体験をするかが、受講者のモチベーションや研修の成果を左右します。受講者が「研修前→研修中→研修後」と学習体験する場面でいうプロセスをたどる中で、どのような心理になるのかを考え、それぞれの段階にマッチしたコンテンツを設計しましょう。
そのためには、担当者や研修事務局は、研修者に何を学んでほしいのか、そのためにはどのような学習体験がマッチするのかを吟味しなければなりません。効果的なラーナーエクスペリエンスの設計は、次の流れに沿って行ってください。

  1. 研修者に何を学んでほしいのかを決定する
  2. 研修者の年代・背景を調査する
  3. 目標達成に最適なアイデアとコンセプトを考える
  4. 既存または独自の学習コンテンツの基本形を作成する
  5. 4を検証し、修正を加える
  6. 上記を再検証したのち、完成品を学習教材として使用する

コンテンツを提供する専門スタッフを配置する

学習段階にマッチしたコンテンツを必要なタイミングに提供するためには、そのための専門スタッフ(キュレーター)を配置するのが効果的です。コンテンツを提供するキュレーターには、Teamsなどのプラットフォームを活用し、アクセスログなどのデータを追いながら受講者の変化を察知・管理する能力が求められます。研修を受けた人材などの情報をデータで一元管理できる「タレントマネジメントシステム」などを利用するとなおよいでしょう。
また、リモート研修時に使用する資料などはクラウドサービスに格納しておくと便利です。あらかじめ、研修者に格納先URLを伝えておけば、資料の送付に費やすコストも時間も軽減できます。
リモート研修では、「共有するコンテンツや資料のURLにアクセスできない」「音声・映像がうまく作動しない」といったトラブルも少なくありません。キュレーターには、トラブルに素早く対応できるスキルや、研修者が不安にならないような対応力も必要です。

動画コンテンツは視聴しやすい長さにする

リモート研修を成功させるポイントのひとつとして、「コンテンツは視聴しやすい長さにする」ということが挙げられます。仮に6時間かかる研修であれば2時間ずつ3回に分け、その間に反復学習ができるようにすることで、より効果的なリモート研修方法となります。
研修者が求める適切な長さのコンテンツを配信することで、集合研修にも負けない効果が得られるかもしれません。さらに、理解力の向上や集中力を維持するためにも、コンテンツの長さは重要なポイントです。

【事例紹介】リモート研修を効果的に実施するにはコミュニケーションがカギ!

リモート研修を効果的に実施するカギは、コミュニケーションです。なぜなら、受講者同士・受講者と講師間のコミュニケーションが活発化すると、受講者のモチベーションが高まるだけでなく、学びに前向きな組織風土の醸成へとつながるからです。コミュニケーションを促進するために、社内SNSツールや社内報などのインターナルコミュニケーションツールも積極的に活用しましょう。
ここではソフィアによる、リモート研修の支援事例を紹介します。

ラーニングエクスペリエンスデザインの手法を生かした社内研修の内製化支援

医薬品開発のプロセスにかかわる業務受託事業を展開する「株式会社EPクロア」の階層別研修のオンライン化をソフィアが支援した事例です。
動画サービスの法人向けプログラムを提供する「Schoo」と提携し、階層別研修に動画コンテンツを取り入れました。
階層別研修同社の目的「自ら考えて行動でき、挫折や悩みを成長の糧にできる新人の育成」に合った研修内容となるよう、ソフィアがSchooの教材に肉付けしました。

ソフィアでは、体験型オンライン研修として、一連の体験が1カ月の研修における学習体験の流れを次のように設計しました。

  • 方法を学ぶ
  • 業務で使う
  • できたという達成感を得る

リモート環境に適した研修プログラムとして階層別研修を再設計する作業は、クロアとソフィアで行いました。「受けたら終わり」という従来の研修スタイルとは異なり、学びを業務の中で実践できる研修内容だったため、ソフィアの担当者は受講者に丁寧に趣旨の説明を行いました。結果として、研修事務局とソフィア、研修講師、受講者を含む、当事者全員で作り上げた研修プログラムとなりました。

まとめ

従来の対面スタイルの集合研修に加え、空間・環境面で自由度が高いリモート研修を導入する企業が増えつつあります。リモート研修の導入により、場所や人数の制限が取り払われるだけでなく、働き方の多様化、安定した質の高い研修が可能です。
リモート研修の方法や設計などを一から作るのが難しい場合は、組織活性化のプロに問い合わせることもおすすめです。具体的なリモート研修の導入・実施にあたり、限られた担当者数で手が回らないなどの、困りごとや、情報提供のご要望などがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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