リモート研修のメリット・デメリットとは? リモート研修を成功させるためのポイントも解説

リモート研修には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。リモート研修を導入する際には、まず、メリットとデメリットを知らなければ成果につなげることは困難です。
この記事では、リモート研修を導入したいと考えている人材育成の担当者に向けて、リモート研修の概要をお伝えするとともに、メリットとデメリットについて深掘りして解説します。

リモート研修とは?

リモート研修とは、オンライン上で行う研修のことです。一般的に、企業に導入されるリモート研修の主な方法には、「ウェビナー式」と「オンデマンド式」の2種類があると言われています。そして、この2つを組み合わせながら研修を実施している企業が多いようです。
ウェビナー式は、以前は対面で行っていた集合研修を、ZoomなどのWeb会議システムを用いてオンライン化したものです。つまり、講師と受講者を教室や会議室といった同じ空間に集めて講義や実習を行うのではなく、講師がPCやスマホの画面を通じて提供する講義や実習を、受講者はそれぞれが別々の場所から受講します
オンデマンド式は、Eラーニングやマイクロラーニングとも言われ、あらかじめ用意された動画コンテンツなどを受講者が選択して受講する研修です。
リモート研修の受講者は新入社員だけでなく、営業部門やマネジメント部門などで活躍する社員などと多岐に渡ります。これまで企業では、社内や貸会場に全員が集まって実施する「集合研修」が一般的でした。しかし、コロナ禍で在宅ワークが増えるに伴い、Web会議ツールが広く普及し、リモート研修をサポートする企業も増え、社内研修のあり方は大きく変化しています。リモート研修を導入する企業は増加傾向にあり、大手企業はもちろん中小企業での導入も急速に進んでいます。

リモート研修を実施する5つのメリット

従来の集合研修に比べて効率的なのがリモート研修の特徴ですが、導入するとどのようなメリットを得られるのでしょうか。リモート研修の特徴的なメリットを5つ紹介します。

①開催場所にとらわれない

従来型の集合研修と比較すると、リモート研修を実施する最大のメリットは「開催場所にとらわれない」ことです。受講者(参加者)は、インターネット回線が通っている場所なら全国どこにいても受講できます。
また、働き方改革の側面からみても、柔軟に対応する企業であることをアピールできるメリットもあります

②時間・お金・人材などのコストを削減できる

集合研修と比較して、リモート研修は時間・お金・人材面においてコストを削減できるのがメリットです。リモート研修は集合研修のように一堂に会する必要がなく、オンデマンド研修であれば全員が同じ時間に受講する必要もありません。新入社員を多く採用する企業であっても大きな会場を借りる必要はなく、受講者や講師の移動に伴う交通費・宿泊費も不要となるため、企業もしくは受講者の金銭的負担が極めて少ないのが大きなメリットです
さらに、研修資料のペーパーレス化が可能なので、事前の印刷や配布の手間も省くことができ、担当者の業務工数が圧倒的に軽減されます。

③参加者全員に平等かつ同じクオリティの研修を提供できる

集合研修では、受講者の座席によっては講師の声が聞き取れない、スライドが見えにくい、他の人の話し声や態度などが気になって集中できないといったデメリットが生じがちです。
それに対してリモート研修では、受講生が同じ品質のコンテンツを見ることができるため、集合研修では実現が難しかった「安定したクオリティ」が実現できます。ほかにも、受講者が多人数であっても同時接続できる点や、PCの画面共有ができる点なども大きなメリットです。

④オンデマンド式なら繰り返し視聴できる

オンデマンド式を取り入れたリモート研修は、受講者が好きなタイミングで視聴できる「動画コンテンツ」を活用して行います。集合研修と違い、研修担当者と受講生間のスケジュール調整が不要になる点も大きなメリットです。
講師の話や研修で身に付けてほしい内容を一度録画・保存しておけば、繰り返し受講が可能です。受講者は外出先でも繰り返し動画を視聴できるため、より理解が深まって知識・スキルが定着しやすくなります
オンデマンド研修に用いる動画教材は、を自社で制作せずに専門業者に委託したり、既存のコンテンツを購入する方法もあります。専門業者を活用することで教材制作の負荷を軽減したり、教材の質や量の強化につなげることができる点もメリットです。

⑤相互のコミュニケーションが取りやすい

集合研修では、同時に受講する人数が多いと一人ひとりの顔や理解度が見えにくくなるのがデメリットでした。
しかし、ウェビナーでは、研修に用いるWeb会議ツールのさまざまな機能を活用することで、相互コミュニケーション効果を高めることが可能です。これからリモート研修を導入する企業には、下記の機能が付帯したWeb会議ツールの利用をおすすめします。

・チャット機能
Web会議ツールの多くは、会議の参加者が文字を入力して会話することができる「チャット機能」を備えています。
チャット機能をウェビナーに活用することで、受講生からの質問をリアルタイムに受け付けて講義に反映することができます。また、チャットに寄せられた受講生のコメントから、講義ペースが早い、資料が見にくい、もう一度戻って見せてほしいなど、集合研修では察知できないようなニーズに気付くこともできます

・リアクション機能
チャット機能と同様に、多くのWeb会議ツールには「挙手」「拍手」「いいね!」「驚き」など、イラストアイコンを使って会議参加者が意思表示したり感想を表したりできる「リアクション機能」機能がついています。ウェビナーを主宰している講師や研修事務局スタッフにとっては、受講者全員の顔とリアクションアイコンをパソコンなどのデバイス1画面で確認することができるので、集合研修よりも全員の表情や反応が把握しやすくなるメリットがあります

・アンケート機能
Web会議ツールによっては、自動集計可能なアンケート機能が付いています。これを活用し、ウェビナー中や、講義終了直後に時間を空けることなく受講者アンケートを実施することで、受講者の理解度を可視化できます。研修事務局や講師にとっては、受講者生全体のレベルに応じて臨機応変に講義の内容を調整することができ、理解度への不安も払拭されるというメリットがあります。
また、受講者にとっても、それぞれの理解度を講師にフィードバックすることで、理解度に合った研修を受けることができるメリットがあります。

・グループワーク機能
グループワーク機能とは、ウェビナーの参加者を理解度やワーク内容に合わせてグループ分けできる機能です。Web会議ツールによって、「ブレイクアウトルーム」や「セッション」などと呼び方が異なります。グループ数を決めるとランダムでメンバーを振り分ける機能も備えているため、人数の調整や名簿確認、受講者が揃っているかの点呼作業など、事務局側の手間を省力化できます
少人数グループに分けることで参加者同士のコミュニケーションが図りやすくなり、講師側は各グループを回り、個別に指導するといった対応も可能です。
なお、オンデマンド式を利用した研修は一方的に視聴するスタイルのため、講師や事務局と受講者がリアルタイムにコミュニケーションを取ることはできません。しかし、チャット機能など質問を送れる機能を備えたコミュニケーションツールを活用することで、受講者からの質問に講師が回答する、事務局側が受講者に対して連絡や状況確認を行う等のコミュニケーションが可能になります

リモート研修を実施する4つのデメリット

リモート研修が効率的だとはいえ、やはりデメリットがあることは否めません。導入前にデメリットを把握しておけば、リモート研修の成功につながります。リモート研修を実施する際には、以下の4点のデメリットを押さえてしっかり対策をしておきましょう。

①カメラの有無で受講の強制力が変動する

リモート研修のなかでも、動画を視聴するオンデマンド式を導入する場合、Web会議ツールのようにカメラ機能で全員の顔が見えるような環境を作れません。集合研修に比べて、受講者のモチベーションの維持が難しいことが難点です。
オンデマンド式を採用する場合には、単に「受講したかどうか」で効果を測るのではなく、受講者の理解度を測るための課題を個別に用意し、その達成具合を確認する必要があります

②集合研修に比べるとコミュニケーションが希薄化しがち

Web会議ツールを活用したウェビナーを実施した場合であっても、対面型の集合研修と比べると多少なりともコミュニケーション面で劣ります。講師と受講者、または受講者同士のコミュニケーションの不足が気になる場合は、前段でご紹介したチャット機能・グループワーク機能などが付帯しているWeb会議ツールを導入し、活用しましょう。

③ツールへの理解が必要

受講者が使用するツールに慣れていないと、コミュニケーションが取りにくくなるだけでなく、講義以外のことで頭を悩ませてしまうことになります。研修担当者は導入するツールの特性をあらかじめ把握し、受講者向けのマニュアルを整備したり、説明会を実施したりするなど、事前に対応策を講じておきましょう

④通信環境のトラブルなどで講義が滞ることも

インターネット接続を利用するリモート研修でしばしば起こるのが、通信環境トラブルです。有線接続だけでなくWi-Fi接続を利用する受講者もケースも多い中、ネットワークの契約自体に通信制限がある場合は、動画や音声が途切れるなどによって受講に支障が出る場合もあります。
また、スマホしか所有しておらず資料が見づらい、カメラやマイク機能が壊れている、マイク設定が間違っているなど、受講者側の機器に由来するさまざまなトラブルも考えられます。
まずは受講者の通信環境を確認し、機器の貸し出しをも視野に入れた準備を行いましょう。
なお、オンライン学習という大きなトレンドがある中で、デジタルツールを提供する会社の側も、製品の機能拡充を次々と進めています。今回紹介したメリットもデメリットも、将来においては変化していくことが予想されます。

デジタルをフル活用し本質的なリモート研修を成功させるためには

前述したように、リモート研修とひと口に言っても、細かく分類すると「オンデマンド式」と「ウェビナー式」とに線引きできます。
インターネット回線を使う点や、受講場所の制限がない点は共通していますが、それぞれの主体者・目的・KPIが異なります。

オンデマンド式 ウェビナー式
主体者 受講者全体 講師や先生
目的 学習内容の実務への応用 スキル取得
KPI 受講者のモチベーション 学習の習熟度体

オンデマンド式の主体者は受講者全体であり、実際の実務に紐づいた課題を受講者に与え解決スキルを身に付けるのが目的です。問題・課題解決に必要な学習を受講者自身が行うため、受講者のモチベーションが重要であり、KPIは学習内容を実務へ応用できたかどうかです。
それに対してウェビナー式の主体者は講師や研修事務局であり、優秀な業績を上げる人財の共通行動特性(コンピテンシー)や企業が求める人財像を教育カリキュラム落とし込み、スキルを習得させるのが目的です。
ウェビナー研修のKPIは学習の習熟度でありとなり、企業が求める人物像に基づいたコンピテンシーモデルを事前に設計することが成功のポイントとなります。
オンデマンド式・ウェビナー式のいずれにおいても、受講者目線で設計を考えることが成功のポイントです。以下のような軸を意識し、これらがブレないように注意しましょう。

  • 実践したくなるような内容であること
  • 実践するためのきっかけが職場にあること
  • 学習体験はひとつに限定せず、多角的に準備すること

さらに、研修担当者の立場としては「ラーナーエクスペリエンス」を設計することも大切です。
ラーナーエクスペリエンスは一言で表わすと「人材開発の場における学習体験」のことです。 オンデマンド式の研修の際には、研修の目的・結果から遡って設計しましょう。

今後リモート研修は、オンデマンド式とウェビナー式のハイブリッドになっていくと考えられます。その理由として、現代はAIを活用した技術革新に代表される第4次産業革命の最中と言われており、その中で企業のあり方や人材育成は転換期を迎えているからです。
職業能力の再開発・再教育が注目される中、企業はより効率的に学習の成果を上げることを求められています。そのためにも、目的・結果に向けて社員がどのような知識やスキルをつける必要があるのか、どのような機器やリソースが必要か、実践したくなる動機付けはあるか、学習体験に適した複合型コンテンツを用意できているかなどを考えて設計しましょう

まとめ

リモート研修のメリットは大きく、企業規模に関わらず今後取り組むべき研修スタイルです。しかし、従来の集合研修とは使用するツールや主体などが異なるため、検討しても実施に至らないケースが珍しくありません。
リモート研修の導入に難しさを抱えている場合には、お気軽にソフィアまでお問合せください。

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