いま話題のDAO(分散型自律組織)とは?​​新しい組織の可能性を徹底解説!​

今注目を集めている「DAO(分散型自律組織)」とはどのような組織なのでしょうか。新しい技術や価値観が生まれ続ける昨今、企業や組織のあり方にも変化が生じています。変化の多いこの時代を生き抜くための新しい組織形態のDAOについて解説していきます。

DAO(分散型自律組織)とは?

DAOとは、「Decentralized Autonomous Organization」の頭文字をとったもので、日本語では「分散型自律組織」と訳されます。従来の会社組織とは大きく異なり、ウェブ上でプロジェクトごとに発足する組織です。

DAOの背景にあるのは、ブロックチェーンの技術となります。ブロックチェーンとは、暗号技術によって取引履歴を維持する仕組みです。ネットワークに参加しているすべてのユーザーがひとつのいわば「台帳」を共有していて、データの改ざんが極めて困難であることから、金融取引などの高度な信頼性が必要なやりとりに活用されています。

DAOは、このブロックチェーン技術で可能下、高度な信頼性を活用し、組織やチーム運営に必要な個々人の信頼関係を流用し、中央のない各個人が独立を担保しつつ組織やチームを運営するという考え方です。まったく新しい形態の組織で、発足したDAOに興味を持ち自分のスキルを活かせそうだと思った場合に、自らの意思で参加します。DAOの大きな特徴は、株主や経営者の意思が介入せず、メンバー各々が自律的に働くという点です。メンバーの中には立場の上下はありません。すべてのメンバーに同様の権限が与えられ、一律で対等な立場でプロジェクトに関わることになります。

組織を統制する人が介入しない分、メンバーそれぞれが主体となって意思決定を下し、最適な行動を選択していく必要があります。DAOは同じ志を持っている人たちの集まりとなるため、性質上、指示を受けずとも目的に向かって組織は動きます。
フラットな組織形態の大きな長所は、スピード感をもって事業を行えることでしょう。従来の多くの企業のような煩雑な社内承認フローを通さずとも、アイデアをすぐに実行に移して動けるのは、ニーズや価値観の変化が速い現代において大きなアドバンテージになります。

日本国内ではまだ浸透していないDAOですが、アメリカではすでに多くのビジネスパーソンに注目されています。米ワイオミング州ではDAOを正式に法人として認める法案が可決され、実際に2021年7月にDAO法人が設立されています。

DAO(分散型自律組織)と従来型組織との違い

DAOは、従来型の企業などの組織とは一線を画すものです。
従来の組織では、マネジメントを行うリーダーや管理者を置き、ピラミッド型の階層を作ることが一般的でした。階層の上位から下位への命令に従って現場はそれを実行する、反対に現場発信で何かをやろうと思った際には、上位階層へ承認プロセスを踏みコンセンサスを取ることが必要不可欠でした。階層が上がるにつれて裁量権が増し、トラブル等があった際の責任も上層部が負うことが一般的です。

一方でDAOには、役職という概念がありません。組織内の人間が同じ立場でフラットに組織に関わるため、自分の責任は自分で負うことになります。指示や命令を下すポジションがないので、各々が自分の判断によって意思決定を下しながら、組織活動を遂行していくのです。「機能不全に陥りそうなのにしない理由が知りたい」「どういう人材が集まっているのか、そういった人材を逆に育てているのか、自然発生的にいるのか?」と疑問が出てくると思いますので、口述していきます。

組織の発達段階

DAOの組織構造を整理して理解するために、組織の歴史に目を向けてみましょう。『ティール組織』の著者フレデリック・ラルーによると、組織には以下のように5つに色分けされた発達段階があります。

  1. 衝動型(レッド)組織
  2. 順応型(アンバー)組織
  3. 達成型(オレンジ)組織
  4. 多元型(グリーン)組織
  5. 進化型(ティール)組織

まずは、衝動型(レッド)組織です。力によって無理やり人々を支配していく原始的な組織となります。

次に、順応型(アンバー)組織となります。順応型組織は歴史上の宗教団体や国家のような、厳格な上下関係やルールがある組織です。長期的に組織を維持していきたいという場合には向いている形態かもしれませんが、前例のない挑戦をすることへのハードルは高く、変化を起こすのには向いていません。

続いて、達成型(オレンジ)組織は、目標の達成を何よりも重視しマネジメントやアクションを行う組織です。現代の多くの企業はここに属するでしょう。組織としてブレの少ない形態ではあるものの、従業員は上部の指示のもとで機械のパーツのように労働することになります。また、新しい物事を始めることは可能ですが、まず上層部の承認が必要であるため、意思決定や行動までのスピードが遅くなるケースが多く見られます。

多元型(グリーン)組織は、上下関係にとらわれることなくフラットにコミュニケーションを取り、価値観や組織理念を共有していく組織です。同じ価値観のもとで働くので、声をかけあいながら柔軟に意思決定できるのが特長です。

最後に、進化型(ティール)組織です。ティール組織は、上記の4つに当てはまらない新しい組織形態のことで、主に信頼関係によって結ばれている個人同士が流動的な組織を成し、各々で役割をこなす組織です。前述の「多元型(グリーン)組織」のフラットな環境を、ブロックチェーン技術で補完したモデルといっていいでしょう。DAOの組織構造も、このティール組織にあたります

DAO(分散型自律組織)が注目されるようになった背景

現代社会は変化の時代であり、「VUCA」と称される不確実性の高い環境にさらされています。「VUCA」とは、

    「Volatility(変動性):テクノロジーの進化に伴う価値観の変化」
    「U:Uncertainty(不確実性):雇用の多様化・キャリアの多様化による不安定」
    「C:Complexity(複雑性):問題が複雑になり、解決策が明確ではない状態」
    「A:Ambiguity(曖昧性):物事が常に揺らいでいる状況」

の頭文字をとった言葉です。つまり、外部環境がものすごいスピードで変化しており、企業に求められる行動も随時変化するので、変化を正しく捉え対応できるかがビジネス成功のカギになります。
DAOでは、内部承認の必要がなく、各々の判断によって柔軟に行動することができます。従来の組織形態よりも身動きがとりやすく変化にも対応しやすい環境です。スピード感を持った判断が求められるこの時代にマッチしているため、近年大きな注目を集めています。

また、世界中からメンバーシップを募り、寄付を受けることができるので、チャリティー活動的な視点でも支持されています。さらに投資を募ってプールすることで、ベンチャーファンドのように利用できたり、オフィススペース・ソフトウェアの使用料の資金をプールすることで、フリーランサーのネットワークとしても利用できたりします。このように時代にマッチしているという理由だけでなく、多様な活用方法でも関心を集めているのです。

流動的にチームを組んで、参加メンバー各々が課題について考え、自らの進むべき方向を決めていくという組織形態は、企業という組織形態で働いてきた我々にとってのひとつの重大な改革となるのではないでしょうか。

DAO(分散型自律組織)の目的

DAOという組織形態をとることで、プロジェクトにはどのような効果が期待されるのでしょうか。ここからは、DAOでプロジェクトを遂行することの主な目的を2つ紹介します。

より効率の良い働き方を実現する

前述の通り、現代は「VUCA」の時代であると言われています。不確定要素が多い社会情勢において上司からの指示や許可を待っていては、社会の動向に遅れをとってしまうでしょう。メンバーが権限を持ち、自らの考えに応じて柔軟に動けるDAOであれば、変化に応じて効率的に業務を実現していけるのです。

一人ひとりの自発的な発言が反映される

DAOでは、プロジェクトの目的を達成するために権限を平等に分散させます。すべてのメンバーが意思決定に関わることが可能です。DAOはあくまでフラットな組織なので、企業組織によくあるような我慢や萎縮も排除できます。一人ひとりに意思決定の権限があるため、自発的な発言の機会が与えられます。
また、メンバー全員の個性的なスキルをいかそうという雰囲気が高まり、参加者は自分の能力を存分に発揮できます。このようにDAOは、組織としてのパフォーマンスが大幅に向上することに期待できる形態なのです。

DAO(分散型自律組織)のメリット・デメリット

以下では、DAOを導入した際に享受できるメリットと、起こりうるデメリットについて整理します。DAOは時代に合った組織形態ではあるものの、新しい組織形態ならではの課題もあります。

意思決定スピードが速まる

DAOには株主や経営者がいないので、メンバー各々が決定権を持つことになります。メンバー同士ですり合わせをしながら意思決定を下すことで、効率的かつ公平に物事を進めることができるでしょう。従来の組織よりも、スピード感を持って意思決定を行うことができます

他責文化が減る

誰かの指示ではなく自分の意思で行動をするので、トラブルが起こったときの責任も自分で負うことになります。トラブルの際に他人になすりつけて責任逃れをするようなこともないので、他責という考えのない健全な文化を作っていけるでしょう。

ポジティブに仕事に取り組める

自分が興味のあるプロジェクトに挙手して取り組む制度なので、誰かにやらされているという感覚がなく、高いモチベーションでプロジェクトに関わることができます。プロジェクトに自発的に参加しているメンバーで構成される組織であるため、エネルギッシュな雰囲気に満ち、企業の成長が加速するはずです。

組織崩壊の可能性もある

DAOでは、一人ひとりの主体性にプロジェクトの成功がかかっています。責任感やセルフマネジメント能力が低い人がメンバー内にいると、組織としての生産性が一気に低下してしまうでしょう。最悪のケースでは、組織の運営が成り立たず、プロジェクトを停止せざるを得ないところまで追いつめられる可能性もあります。運営にあたっては、ガバナンストークンや、その仕組み、資金管理・提案・投票システムに関する知識、コミュニティの設定方法などの必要な知識を得ておきましょう。

まとめ

DAOは、プロジェクト単位でメンバーを募って進行する、Web3の時代ならではの新しい組織概念です。管理上のリスクはあるものの、主体的なコミットメントが期待でき変化にも迅速に対応できる、時代の変化に適した組織のあり方だと言えるでしょう。
外部環境に合わせて、企業へのニーズも変化するこの時代、組織のあるべき姿も従来とは大きく変わってきています。組織構造の変化や組織の活性化を図りたいという方はDAOという組織に注目してみて下さい。

よくある質問
  • DAOとは何ですか?
  • 日本語では「分散型自律組織」と訳されます。従来の会社組織とは大きく異なり、ウェブ上でプロジェクトごとに発足する組織です。発足したDAOに興味を持ち自分のスキルを活かせそうだと思った場合に、自らの意思で参加します。DAOの大きな特徴は、株主や経営者の意思が介入せず、メンバー各々が自律的に働き、一律で対等な立場でプロジェクトに関わることになります。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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