オンライン研修のやり方は?効果の高い研修のポイントについて解説

昨今、リモートワークの普及にともなって、オンライン研修も一般的になってきました。オンラインで効果の高い研修を実施するためのポイントにはどんなものがあるのでしょうか。

この記事では、オンライン研修を取り入れたいと考える企業に向けて、研修を始めるにあたって必要な情報を整理し、お伝えしていきます。また、オンライン研修の概要や、効果の高い研修のやり方、オンライン研修で起こりがちなやトラブルへの対処法についても解説します。

オンライン研修とは?

オンライン研修は一般的に、インターネットを利用してオンライン上で行われる研修のことを意味します。

オンライン研修は、PCがあればどこからでも参加可能です。そのため受講場所は受講者によって異なります。在宅勤務の場合は、自宅から受講する人が多いでしょう。その場合、どうしても集中力を保ちにくいため、丸一日拘束されるような研修だと研修の理解度が下がり、効果が薄れてしまうことが想定されます。また、対面で行う従来の集合型研修と比べて、講師や事務局が受講者の状況やモチベーションを把握することは困難です。

オンライン研修を実施する際、従来の集合研修と同じプログラムをZoomなどのオンライン会議ツール上に置き換えたスタイルを採用しているご担当者も多いのではないでしょうか。これは一般的には、ウェビナーと呼ばれる研修スタイルです。しかし、従来の集合研修をウェビナースタイルで実施しているだけは、十分にオンラインを活用できていない可能性があります。従来の集合型研修をそのままオンライン化しても、従来の集合研修ほどの効果は得られません。

後述しますが、オンライン研修によって集合研修と同等の効果を得たい場合は、オンラインに適した内容になるように工夫する必要があるのです。

オンライン研修で従来の集合研修を超えるには

オンライン研修を従来の集合研修と同等もしくはそれ以上の成果や結果を生み出すには、どのような要素が必要なのでしょうか。その要素を探るために、まずはオンライン研修の特徴について、分解して詳しく見ていきましょう。

効果の高いオンライン研修とは?


効果が高い研修とは、受講した技術や知識が実際の業務や成果につながる、つまり転移する研修だと言い換えることができるでしょう。オンライン研修においても、研修で学んだ内容が職場でしっかり活かされる実践的な研修を目指すべきです。

アメリカのリーダーシップ研究機関であるロミンガー社がさまざまな経営者に対して「何がリーダーとして成長の役に立ったか」を調査したところ、「仕事での経験」が70%、「他者からの学び」が20%、「研修や学習」は10%であると結果が出ました。つまり、研修で得られるものは10%程度で、残りの70%はが実践や経験から学ぶのです。そのため、上記の図で言えば、研修をいかに、「オフライン/日常の象限」に寄せるかということが重要となります。

従来の集合研修(オフライン/非日常の象限)は一般的に、職場実践や受講者の上司のフォローなどを事後課題としてプログラムに組み込み、OJTや職場での実務(オフライン/日常の象限)につなげてきました。これは、研修がうまく業務や成果に転移することを意図した設計です。つまり、研修を行う企業側も、実務の経験が、成長に役に立つことを理解しているわけです。オンライン研修でもこの点をしっかり押さえることが、成功につながるポイントです。

オンライン研修は、日常と非日常を分ける必要性がない

オンライン研修の大きな特徴は、空間的な制限がないことです。これは研修会場の手配や移動・宿泊などに費やす時間やコストを削減できるため、メリットとしてとらえることがもできます。

また、オンライン研修は、受講者が学習した内容を活用する場面に近づけることを可能にします。例えば職場からオンライン研修を受講して、そこで学んだことをすぐに業務で実践したり、逆に、日常業務における経験を学習に転換させるために必要な学習コンテンツや講師フィードバックをオンラインで提供したり、するということもできます。

オンライン研修の特性を生かすことで効果が上がる研修プログラムの例として、「問題解決型学習」が挙げられます。「問題解決型学習」とは、受講者が取り組む問題として「自社のリアルな課題を」扱い、問題解決に必要な学びを受講者自身が選んで受講するという学習手法です。プロジェクトベースドラーニングともいわれています。問題解決の過程において受講者が選択する教材はデジタルコンテンツとして提供され、講師の役割は何か教える「ティーチャー」ではなく、何が課題で何が必要かを受講者から聞き出し、フィードバックする「コーチャー」となります。また講師は、受講者にとって必要な学習コンテンツを探し、受講者に対して学習内容をサジェストするキュレーターの役割も果たします。「問題解決型学習」を成功させるために研修事務局が担うべき重要な役割は、受講者が主体的に学べるように、問題(ゴール)と環境(遂行に必要な学習成長の仕掛)を作り出し、環境設計をすることです。

オンライン研修は、受講者にタイムリーな気づきと学習を提供する

学習理論で、「啐啄同時(そったくどうじ)」という理屈があります。受講者の「学びたい」というタイミングと、学習提供者が学習内容を提供するタイミングは学習効果に大きく影響します。

オンライン研修では、受講者が「知らないこと」や「わからないこと」にぶつかった際に、その場ですぐ検索サイトや動画サイトへアクセスして学ぶことが可能です。業務や課題と学習コンテンツの距離を縮めることで、学習効果が向上し成果につながりやすくなりますます。

ただし、どんなに素晴らしい学習環境を用意しても、実際に研修内容を現場で活かせるしてもらえるかどうかは、受講者のモチベーションに依存します。そもそも研修を大事なものだと思っていなかったり、研修が職場での実践に使えるものだと認識していなかったりする場合は、研修での学びを現場で活用してもらえる可能性は低くなります。 また、研修内容をしっかりインプットできたという自信がなかったり、学んだ内容を活かしたいという動機がなかったりという場合も、学びの活用度は低くなるでしょう。

オンライン研修において最も高いハードルは、受講者のモチベーションを維持することです。対面形式の集合研修であれば、受講者の状況をその場でリアルタイムに講師が把握でき、状況に合わせて対応できます。そのため、受講者のモチベーションを、ある程度は講師が調節することが可能です。しかし、オンライン研修では受講者の状況をリアルタイムに把握することが困難です。

とくに、受講者同士のワークセッションやディスカッションなどでオンライン上でのグループを分けた場合、講師はすべてのグループに均等に参加するわけにはいかないため、受講者の学習状況やモチベーションを把握することがはより難しくなります。
受講者の学習状況やモチベーションを把握するためには、講師やファシリテーターの数を増やすことも必要です。

簡易な質問を短期間に繰り返し投げかけるパルスチェックや、学習ログの解析なども活用しながら、確実に受講者のモチベーションを維持していきましょう。

効果の高いオンライン研修のやり方を解説!

では、効果の高いオンライン研修を実現したい場合は、どのようなことに注意すると良いのでしょうか。具体的なやり方を流れに沿って説明していきます。

研修を行う目的、経験を明確にする

はじめに「この研修によって、どのような成果を求めるのか」という目的の部分を明確にします。

これは、人事制度上の昇格要件やコンピテンシーから、ひも解くことが一般的です。どんな経験やどんな業務遂行のための学習が必要なのかを明確にしてから、これを促進する学習コンテンツやメソッドを設計しましょう。

学習体験をデザインする

次に、受講者のラーニングエクスペリエンス(学習体験)をデザインします。研修前、研修中、研修後にどんな感情になってほしいのか、そのためにどんな経験をさせたいか、どんなコンテンツを用意したらいいのかを考えていきましょう。

タスクとスケジュールを描く

ラーニングエクスペリエンスのデザインが描けたら、タスクとスケジュールを整理していきます。また、事前に使用する機器や通信状況のチェックも行っておきましょう。

研修を実施する

実際に研修を行います。研修を実施する際には、双方向性のある進行を心がけましょう。質疑応答やフィードバックの時間を設けたり、グループでディスカッションを行ったりすることが重要です。

効果測定と改善をくりかえす

最後に、研修の前後を比較することで効果の測定をしていきましょう。場合によっては、研修前の状況を詳しく把握しておくためにアンケート等の調査を行うのもひとつの方法です。そして、改善点が見つかったらアプローチし、次回の研修へと活かします。その後、再度効果測定を行うという流れを繰り返していきます。

オンライン研修に起こりやすいトラブルに注意

オンライン研修では、集合型の研修では発生しないような「オンラインならではのトラブルがあります。以下にてよくあるトラブルを整理していきます。事前に把握することで、トラブルの回避に役立てていきましょう。

通信環境や機器の問題で、受講に支障が出る

オンライン研修のトラブルとして代表的なのは、通信環境の問題で受講に支障が生じることです。受講者の中にはパソコンに慣れていない人がいるかもしれませんし、受講者の端末がうまく機能しなくなるかもしれません。受講者だけでなく、講師側にも同様のトラブルの可能性があるでしょう。トラブルを回避するためには、事前にネットワーク環境のテストをしっかり行うことが大切です。

研修内のコミュニケーションがうまくいかない

オンライン研修では、対面しているときと違って発言がしにくかったり、発言に対する反応がしづらかったりします。講師と受講者間のコミュニケーションがうまくいかないと、研修として盛り上がりに欠けるような印象になってしまうでしょう。コミュニケーションが取りやすいように、発言のタイミングを作るなどの工夫が求められます。

また、グループワークの時間を作る場合も、グループ内の討議が思うように進まないケースが考えられるでしょう。状況に応じて、各グループにファシリテーターを置くなどの対策が必要です。

まとめ

オンライン研修の実施方法について、ポイントを踏まえながら紹介しました。オンライン研修は便利に実施できる反面、集合型研修とは違った配慮・工夫が必要なものです。

効果的なやり方で、受講者にとってメリットのある研修を作り上げていきましょう。

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