基幹システムの入替における成功のポイントや入替のメリットとは

この記事を読んでいる方は、老朽化した基幹システムの入替を検討されているのではないでしょうか?基幹システムは、企業の日常業務から計画管理にまで利用される重要なシステムのため、入替には慎重にならざるを得ません。
ここでは基幹システム入替のポイントについて解説します。

基幹システムの入替はなぜ必要か

そもそも、基幹システムの入替はなぜ必要なのか考えてみましょう。代表的な理由や目的には以下があげられます。

  • 既存システムのサポート終了やセキュリティの脆弱化
  • コスト削減
  • 新しい業務システムとの連携やデータ活用

既存システムのベンダーサポート終了と、セキュリティの脆弱化は高いリスクをともないます。早急に新しいシステムに入替しなければ、業務に重大な影響を及ぼします。

旧式の基幹システムの保守・運用には、古い技術を知る専門要員や旧式の運用体制によるコスト高がつきまといます。新しいシステムに入替えることにより、適正なコストかつ効率的な運用が叶います。

時代の移り変わりにより事業形態や業務実態も変化し、業務に合わせた新しいシステムを導入しても基幹システムが古いままでは連携が難しく、大量のデータ処理も困難な場合がほとんどです。しかし、新しい基幹システムを導入することでデータ統合やシステム連携ができれば、業務の効率化が期待できます。

参考記事:
基幹システムの再構築が必要となる理由とは 再構築を成功させるポイントを解説  

基幹システムの入替を成功させるポイント

基幹システム入替を成功させるために、以下の3つのポイントを押さえましょう。

ベンダーに依存したプロジェクトにしない

日本企業は社内にIT専門人材を抱えるよりも、ITベンダーに外注し、構築や保守運用を任せる傾向が強いようです。システムベンダーおよびSier(エスアイヤー)はITシステムを熟知している専門家ですので当然ではありますが、システムの導入や入替に際してはどんなことをシステムで実現したいか自社でまとめ、提示することが重要となります。

自社で導入の目的や実現させたい姿をきちんと定めておかないと、ベンダーによる他社事例や提案を咀嚼し、提案内容と自社との適合の可否を正しく判断することができません。導入ポリシーや必要な仕様を確定させていないと、具体的な機能や詳細を実装する段階になって、ビジョンがブレたり有用なシステムとはかけ離れた姿になってしまう恐れがあります。

システムに現場の業務を合わせるつもりで導入する

従来、日本企業は現行業務に合わせてシステムを最適化・カスタマイズすることを良しとしていました。20世紀の「OA化」の時代は、事務部門でもデジタルソフトやシステムになじみがなく対応できない人も多くいましたし、デジタルツールに強制的に人や業務を合わせる発想はありませんでした。

しかし昨今の日本では、インターネットやアプリ、Officeなどのビジネスソフトを扱えるのは一般的になり、様々なシステムを受け入れる土台ができています。さらに、有名なシステムベンダーも様々な分野の業務ノウハウを取り入れ、開発力も進化し、効率的なシステムをリリースするようになっています。現代の事業環境の変化やビジネスのスピードは著しく加速しており、現行の業務プロセスが変わらないという保証もないため、専任のIT開発部隊を自社で持たない限りは、業務の変化に応じて柔軟なシステム開発・更改を行うのは困難です。システムに合わせて業務プロセスを変えていくほうが合理的と言えます。

システムの社内浸透まで支援してくれる会社を選ぶ

システムはあくまでツールであり、働く人々に活用の仕方を理解されないままでは意味がありません。したがって、今はシステム開発でなく、業務を行う人を変化させる(チェンジマネジメント)にコストをかけるべきでしょう。

また、基幹システムをはじめ、企業にとって重要な業務システムの構築・導入においては、変化に対する社員の抵抗感をいかに抑制し、システム入替への理解と行動の変容を促すかが重要になります。システムの入替プロジェクトにおいては、システム導入のプロセスだけでなく、導入後の社員のスムーズな業務適合を支援してくれるベンダー選ぶと良いでしょう。

参考記事:
これからのIT部門は何をするのか?

基幹システムをERP(業務パッケージ)に置き換える場合

入替えた基幹システムを、今までと同様オンプレミスで運用する場合はERPを利用します。ERPとは何か、あらためて確認し、導入のメリットも合わせて押さえておきましょう。

ERPの概要

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、「企業資源計画」とも訳されます。企業の経営資源を一元管理し、経営を効率化するための手法や概念を指します。

これを実現するためのソフトウェアがERP(業務パッケージ)と呼ばれます。経営管理に欠かせないシステムとして、様々な企業に広く導入・利用されています。現在では様々な形態があり、全業務適用型・特定業務型・拡張性のあるコンポーネント型があります。

ERP導入のメリット

ERP導入により基幹システムの入替をする場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。主に以下の3つがあげられます。

  • 部門間の情報伝達スピードの向上
  • コストの最適化
  • 業務効率化による負担軽減

ERPは統合データベースという仕組みを持ち、部門横断的に情報を集約し連携・連動させて活用できます。部門をまたぐ情報をいちいち他部門に問い合わせなくても、ERPで確認・活用ができるのです。

他部門の業務情報の確認と連携が容易になるため、コストの最適化が実現します。例えば、購買部門は他部門に照会せずとも適切に購買や補充が可能となり、販売情報や販売予測を直接確認して在庫保管費用の無駄を軽減できます。

何よりも部門間の情報や資料の受け渡し・確認・処理業務が不要になり、効率化による負担軽減が叶います。情報の集約と管理は経営側だけでなく、現場にも大きなメリットをもたらします。

参考記事:
導入が難しいERP、失敗の原因と対策を紹介!  

基幹システムをクラウド移行する場合

近年、基幹システムをクラウドへ移行する企業が増えています。基幹システムのクラウド移行とは何か、またそのメリットを見てみましょう。

基幹システムのクラウド化とは

自社の重要な業務を担うシステムを、他社管理のサーバーに置くことが「基幹システムのクラウド化」です。基幹システムの形態は企業ごとに異なり、日常の業務用途から経営管理を担うものまでさまざまです。もう少し詳しく説明すると、クラウド化とは自社の拠点内にサーバーを置かず、クラウドサービスベンダーが提供するサーバーを使用することを意味します。クラウドサービスの形態もさまざまであるため、精査する必要があります。

基幹システムをクラウド化するメリット

それでは、基幹システムをクラウド化するメリットには何があるのか確認してみましょう。

  • システム運用の負荷とコスト削減
  • 柔軟な拠点展開が可能
  • セキュリティの信頼性

システムのクラウド化は拡張性が高く、システムの規模の拡張や縮小が柔軟に行えます。しかもクラウドはリソースを使用した分だけ支払う方式のため、コストを最適化できるのもメリットです。

また、クラウドのシステムは拠点にとらわれず利用できる点にもメリットがあります。災害等のリスク回避のための拠点分散や、組織再編による拠点変更があっても、今までと変わらずに使えます。アクセスさえ確保できれば海外拠点からの利用も可能です。

さらに、オンプレミスではセキュリティ対策は自前が原則ですが、クラウドではベンダーが万全なセキュリティを施してくれます。クラウドであれば導入とともに堅牢なセキュリティを確保できます。ただしこれは、サイバー攻撃などが多発する昨今、自社でセキュリティ対策を講じることが難しいという理由でオンプレミスからクラウドに置き換えるという意味であり、クラウド化によって完全にセキュリティを担保できるというわけではありません。

システムのクラウド化はオンプレミスと異なり、運用管理のコストと手間を大きく削減できるのが特長です。基幹システムの移設をためらっていた企業でさえも乗り換える例が増えており、そのメリットの大きさがうかがえます。

参考記事:
NotesからShare Point Onlineへの移行が失敗する3つの要因と、成功のための処方箋

まとめ

基幹システムの入替が、経営上の大きな課題になっている企業は多くあります。老朽化したシステム維持にかかる過大な費用に加え、データ活用や連携ができず効率的な企業運営が望めないためです。システムによるリスクが顕在化する前に手を打つ必要があります。
基幹システムの入替にあたって考慮したいポイントは3つあります。ベンダーに依存し過ぎないこと、業務をシステムに適合させること、社内に浸透させるサポートが受けられるかどうかです。
基幹システムの入替方法にはERPとクラウド化の2つがあり、それぞれにメリットがあります。ERP(パッケージ型)では情報連携による業務の効率化、クラウドでは運用負担の削減とコストの最適化です。
いずれにしても、業務や経営を効率化するために基幹システムの入替は適切に検討していきましょう。

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株式会社ソフィア

オペレーションデザイン事業責任者、シニア コミュニケーションコンサルタント、 IABCジャパンチャプター プレジデント

築地 健

インターナルコミュニケーションの現状把握から戦略策定、ツール導入支援まで幅広く担当しています。昨今では、DX推進のためのチェンジマネジメント支援も行っています。国際団体IABC日本支部の代表を務めています。

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