DX(デジタルトランスフォーメーション)に失敗してしまう5つの理由

#業務プロセス改善#ICTシステム活用支援#ビジョン浸透#働き方

25.Sep.2020

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の重要性が世界中で叫ばれており、日本も例外ではありませんが、ほとんどの企業が志半ばにして頓挫してしまっているという現状をご存知でしょうか。
今回は企業がDXに失敗してしまう理由と、DXを成功へ導くためのポイントを解説します。

世界でデジタルトランスフォーメーション(DX)に成功している企業はたったの5%!?

なんとも衝撃的な数字です。
「世界の企業が取り組むデジタルトランスフォーメーション(DX)の95%は失敗に終わっている」と、スイスのビジネススクールIMDのマイケル・ウェイド教授が都内で開かれた「デジタル・イノベーション・カンファレンス2019」で明かしています。

DXは既存企業の業務やビジネスモデル、事業や企業風土をデジタライゼーションによって変革します。
すなわち本来、ベンチャー企業を一社創業するくらいの難易度といっても過言ではないのです。それを考慮すると現実的な数字ともいえます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が進まない理由

では、なぜDXを推進する企業の95%は失敗してしまうのでしょうか。さらに、日本企業でDXが進まない理由が何なのか、という点について解説します。

失敗する前提で取り組んでいない

世の中のイノベーティブな事業の多くは数え切れないほどの失敗の中から生まれています。
しかし、日本は海外と比較すると失敗が許容されにくいという決定的な違いがあります。

欧米では「失敗してもいいからスピードが命」であり、次々と新たな事業が生まれては消えていきます。
これは、Google社などがよい例でしょう。
10個の挑戦のうち1個当たれば大成功、という考え方です。

しかし日本企業は、「失敗してはいけない」「必ず一度で成功させよう」という前提で取り組もうとするため、どうしても及び腰で保守的な姿勢が抜けません。
失敗を未然に防ぐための何重もの承認フローが存在し、成功の前に取り組みの開始にすらこぎつけられません。
失敗を許容し、いくつもの失敗から学ぶことができない限り、日本の企業が世界という市場で勝ち残ることは難しいでしょう。

経営層がDXを本質的に理解していない

DXを理解していない経営層が本質を見誤ることで失敗するケースも多々あります。

DXは決して企業活動の単なるデータ化、デジタル化ではありません。
デジタライゼーションを通じて企業のあり方までも変革することが本来のDXです。
経営層にここまでの理解が追いついていないという現状が実際にあります。

デジタルトランスフォーメーションとはどんなもので、自社でDXを実現するとしたならどういった変革を理想とするのか。
まずは企業のトップ層がそのビジョンをはっきりと描き、社員に共感を得られるほどの熱量で語れることが重要です。
単なる効率化に留まらない、ワクワクするような未来像を含んだ自社のDXビジョン、
経営者自身がそれを描けていないままにスタートさせたDXと名の付くプロジェクトは、単なる効率化やちょっとした改善に留まるか、途中で止まってしまいます。

システムの導入がDXのゴールとなっている

DXを実現していく段階で、新たなシステムの導入を検討することは往々にしてあります。
ここで注意しなければならないのは、システム導入はあくまで「手段」に過ぎないということです。
ゴールは前節で述べた、経営層が描くビジョンを実現させる企業変革です。

システムを導入するだけならそれはただのデジタル化の域を超えません。
業務の一部にITを取り入れた、それだけで完結してしまうでしょう。

重要なのは、なぜ自社にそのシステムを導入し、システムを導入したことでどんな変革がもたらされるのかを忘れずにおくことです。
ここで役に立つのが、経営層の確固たる目的意識です。
なんのためにDXを実現するのかという目的を関係者間で共有し、見失わずにいれば、システムの導入検討時に迷子になることもないでしょう。

社員の理解・教育を後回しにしている

DXの推進は、経営層だけでなく現場にも大いに関係するものです。
DXに関わらずなにかしら大きな変革をなそうとする際には、現状を変えたくないという社員からの一定の反発が生じます。特にデジタル化に関しては、アナログな業務に固執する人から猛烈な反対を受けることはほぼ必至です。
ですが、この人物こそが部署全体を仕切っていたり、部署の売上を支えるキーパーソンであったりといった可能性もゼロではありません。その場合、その人の意見を無下にするのではなく、いかに対応してもらうかというチェンジマネジメントが重要となってきます。
そこでデジタライゼーションが受け入れられなかったり阻害されたりしてしまうと、DXは失敗に終わるでしょう。
現場レベルで、また企業レベルでどういった変革を行いたいのかというビジョンをはっきりと現場に伝え、現場社員からの理解と納得を得て新たな業務へ対応させる教育を行うことを意識しましょう。

DXを推進するための人材が社内・パートナーにいない

これはほとんどの企業にいえることですが、DXの推進に必要な知識やスキルを備えた人材が社内に所属していることはほぼありません。ほとんどの会社にとって、今まで自社に必要であった能力とは全く異なる考え方や技術が要求されるためです。
経験者を新たに採用するか、協力会社に委ねるかの選択肢に迫られることになるでしょう。
自社で人材の確保ができればそれに越したことはありませんが、DX推進ができる即戦力の人材を転職市場で探すことはかなり困難です。
企業のDXを実現するパートナーとして、DX推進事業を外部に委託することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功に導くカギ

では、デジタルトランスフォーメーションを成功に導くにはどのようなことを意識すればよいのでしょうか。
重要となる点を3つ解説します。

DXは業界とマーケットを変えることであることを理解する

DXは新たなビジネスモデルや新規事業を生み出す可能性を秘めており、それには業界やマーケットを変える力も大いにあります。
かつてソーシャルメディアが世に出たときのように、あるいはスマートフォンが発売されたときのように、DXによってもたらされた新しい視点や世界観は、人をワクワクさせ、ドキドキさせ、衝き動かすでしょう。
ユーザー目線でそれを理解し、自分たちも同じことを実現しようとしているという動機づけを全社にもたらすことが、DXの推進担当には求められます。

スモールスタートで改善しながら導入する

新たなシステムやツールを導入するとなった際、それらを使ったことのない社員にヒアリングをしても、既存のシステムやツールを前提とした意見しか生まれません。
DXの推進において、ときには抜本的な見直しも必要になりますが、その際はスモールスタートを意識して、一部の部署で小さくテスト導入をすることが効果的です。
そこで挙がった意見や課題を一つひとつ反映しながら改善を行い、徐々に対象範囲を広げていくとスムーズな導入が図れます。
また、これらのPDCAを回すことで企業と社員との一体感を醸成できることから、変革には欠かせないコミュニケーションの一環ともいえるでしょう。

DXによる成功事例を社内で積み重ねる

新たなシステムやツールをいくら声高に「こんなに便利で」「革新的で」とアピールしても、既存のルーティーンに慣れ親しんでいる現場社員はその技術や機能を自分の仕事に直結しにくく、逆に反発心を招くこともあるでしょう。

こういった新しい文化を全社にうまく浸透させていく場合のポイントは、機能のアピールではなく、「成功事例を作り、語ること」です。
「わたしたちの部署ではこんな成果が出た」という事例を社内報などのメディアで積極的に発信し、「使ってみたい」思うように仕向けるといった、現場を巻き込む社内コミュニケーションを活性化させましょう。

ある程度軌道に乗りはじめれば、新たな活用アイディアを募ったり、最大限に活用して成果を上げた社員を表彰したりといった社内イベントも可能です。
DX推進担当者は、「社員の新しい体験をデザインする」という観点からムーブメントを起こす取り組みを意識してみてください。

まとめ

DX推進はこれからの企業活動において、必須ともいえる取り組みです。95%が失敗しており、失敗が続くとそれだけコストや労力はかかるとは言え、失敗をおそれて後手に回ってしまうと、時すでに遅しということにもなりかねません。数々の先進事例を見ても、決して失敗を恐れすぎる必要はありません。
成功への道のりを最短距離で歩むためにも、素早く失敗し、素早く学習することが最も重要です。
ビジョンの明確化や、必要な人材・パートナーの確保など準備はしっかりと行いながら、組織を変え、未来を変えるという意気込みで、DXを進めて欲しいと思います。

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