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ERP導入失敗の原因と対策|要件定義から定着までの完全ガイド

ERP導入はDXの要ですが、失敗すると現場の混乱や投資回収の遅れを招きます。原因はベンダーだけでなく、目的の曖昧さ・業務改革不足・データ整備・定着化など企業側要因が複合します。本記事では失敗の原因と対策を、要件定義から稼働後まで体系的に整理します。

ERPとは

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略称で、企業経営の基本となる資源を有効に活用する計画を指します。この「資源」には人的資源や物的資源、金銭的資源や情報資源などのさまざまな資源が含まれます。

ERPの概要

日本国内におけるERPは「基幹システム」や「業務統合パッケージ」など、さまざまな呼称がありますが、「人事、会計、生産、物流、販売といった、企業にとっての基幹業務を統合したシステム」という点ではすべて同じ意味合いです。

ERPは、企業の基幹業務をひとつのシステムに統合することによって業務の効率化をはかり、情報を統合的に可視化することを目的としています。

矢野経済研究所が2019年に発表した調査(※)によれば、国内のERPパッケージライセンス市場は2018年度の時点で1,123億7,000万円もの規模にのぼり、2018年以降は堅調に拡大しています。

近年は業務の効率化を課題に掲げる企業によって、事業の変革を推し進める機運が高まっており、それに伴って基幹システムへの投資が増加していると言えるでしょう。この傾向は今後も続いていくと予想されており、国内のERP市場はさらなる発展を見込まれています。

また本調査では、今後ERPパッケージのクラウド化が進んでいくだろうとも指摘されています。2017年時点ではわずか22.4%だったクラウド比率は、2020年には45.8%にまで上昇すると予測されています。

もともと、国内で高いシェアを誇るSAP SE社の「SAP ERP」のサポート期限が2025年に迫っていたことから、企業単位で大規模な基幹システムの更改が急がれてきました。その後SAP ERPのサポートは2027年までの延長が発表され、2年間の時間的猶予ができましたが、企業が基幹システムの更改に対応しなければならない事実に変わりはなく、ERPのクラウド化はいっそう広がっていくと考えられます。

上記は既存記事の記述を保持しています。市場規模やクラウド比率などの”数字”は更新されやすいため、社内説明で使う場合は最新統計で再確認する運用がおすすめです。

なおSAPの保守期限については、SAP公式の保守方針として、SAP Business Suite 7のコアアプリケーションはメインストリーム保守が2027年末まで、さらにオプションの延長保守が2030年末までと整理されています(製品・契約条件で差が出るため要確認)。

ERP導入が難しい理由

ERPの導入は困難であり、失敗する企業が後を絶ちません。

ERPにより企業の基幹業務をひとつに統合し、生産や製造、原価管理、会計などのデータを一括して運用することが可能になります。しかしながら、部門単位で業務の進め方が異なる点や、顧客・仕入れ先・子会社など取引先が複数にまたがるなどの理由から、企業によってはERPというひとつのシステムにすべての業務を集約することが難しい場合もあります。多様な業務に対応するために機能を拡張していった結果、複雑になりすぎて、かえって使いにくいシステムになってしまうことも起こり得るでしょう。

また、ERPの導入は非常に大がかりになることが多く、準備も長期間にわたるため、「業務効率化」や「BPR(Business Process Re-engineering)」のためにERPを導入するはずが、いつしか「ERPを導入すること、そのものが目的になってしまう」という場合も多く見られます。

導入したERPが広く使われるためには、事前に導入のための社員への教育を行う、既存業務の効率化をはかる、場合によっては組織の見直しをするなど、多くのステップが必要になります。そのため、導入自体が目的になってしまうと、導入作業の他に必要な事前準備が不足しがちになり、せっかくERPを導入しても利用されない、業務の効率が上がらないなどの失敗につながりやすいのです。

学術的にも、ERPは単なるシステム更改ではなく、業務プロセス・従業員・組織文化にまで影響し、既存の仕組みを変える高リスクな変革として扱われています。失敗要因の研究が多数あり、論点が多岐にわたること自体が「難しさ」の根拠になります。

経済産業省のDXレポートでも、既存システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化するとデータ活用が限定的になり、さらに既存ITが業務プロセスに密結合しているため、問題解消にはプロセス刷新が必要となるが現場抵抗が大きい、と整理されています。ERP刷新が”業務変革”になりやすい背景として重要です。

ERP導入に失敗する原因

ERP導入に失敗する原因はさまざまですが、ベンダー側だけではなく、企業側に原因がある場合も多いようです。ここでは6つの原因を見ていきましょう。

導入後の体制を見据えていない

導入後にどういった運用体制を敷くのか、事前に十分な検討を行わないまま導入を進めてしまうと、導入後の運用における責任の所在があいまいになり現場が機能不全に陥る可能性があります。あらかじめ組織や現場ごとに運用範囲をしっかりと定めておかなければ、導入に失敗する確率が高まりますので注意が必要です。

上位記事の多くは、ここを「ガバナンス/意思決定設計の欠如」としてより具体化しています。たとえば「誰が最終決裁するか」「仕様変更の承認フロー」「業務側・IT側・ベンダー側の責任分界」を曖昧にすると、追加要件と手戻りでスケジュール・コストが崩れやすくなります。

また、経済産業省関連資料では、契約における重要事項の明確化や、分業時の役割分担・責任関係の明確化が重要だと指摘されています。ERPのような大規模導入では、契約と運用設計が”後から効いてくる”ため、早期に言語化しておくのが有効です。

自社に合ったベンダー・パートナーを選べていない

自社に合ったベンダーやパートナーを選ぶことができず、導入に失敗してしまうケースも多いようです。この理由のひとつとして、担当者が自社に最適なベンダーを選定できるだけの情報力を持たない場合などが考えられるでしょう。

また、情報システム部門が、システムの構築や運用を外部に丸投げしている傾向が強い会社は、ベンダーの方が、自社の業務内容やシステムの知識も豊富なため、ベンダー主導でプロジェクトが進んでしまい、担当者がプロジェクトを十分にコントロールできない状態に陥るリスクがあります。

ERPの導入を成功させるためには、自社の業務を深く理解し、適切な導入のロードマップを描いてくれるベンダーやパートナーの選定が重要です。ただし、ベンダーに過度に依存したプロジェクトにならないよう、担当者がリーダーシップを発揮しなければなりません。依頼したベンダーがどれほどシステムそのものの開発力に優れていても、現場レベルで自社の業務を深く理解していなければ、十分な機能を有したERPの構築は難しいでしょう。

レイヤーズの解説では、RFPだけを精緻に作っても、要件定義フェーズで「実は適合しなかった」「アドオン開発が増えた」といった話が起きるとされ、標準機能とGAPを早期に検証する”Fit to Standardの前倒し検証“を推奨しています。選定の失敗を”前工程で潰す”考え方として参考になります。

業務改善とシステム運用が切り離されている

ERPを導入する際は、業務改善とシステムの運用の両方を重視する必要があります。やみくもにシステムを導入するのでは現行の業務の進め方をなぞるだけになりがちで、業務の効率化を実現できません。

ベンダーがSIer(エスアイヤー)やシステムベンダーである場合、彼らにとってはシステムの開発が仕事であり、業務改善は対応範囲外となります。つまり業務の改善や組織変革までは、契約内容に含まれないということです。彼らにシステム導入を依頼すれば、業務改善や組織変革まで実現できると期待するのは間違いです。

このギャップを埋めるには、(1) 業務の「あるべき姿」(BPR)と、(2) ERPの「標準プロセス」、(3) 現場が受け入れ可能な「変更管理(チェンジマネジメント)」を、同じ設計図の上で整合させる必要があります。ERPは”業務プロセスの変革”を伴うことが多い、という研究者側の整理とも整合します。

現場の業務が変わらない

ERPが業務の実態に即したものにならず、ほとんど使われずに終わってしまうケースもあるでしょう。苦労の末に導入したERPの使い勝手が悪く、効率よく運用するためさらにRPA(Robotic Process Automation)を導入するなど、本末転倒な運用になってしまっている例も少なくありません。

情報システム部門の社内的な影響力の有無や、社内のパワー構造が影響してこのような事態に陥っている場合も考えられます。業務を効率化するだけの実行力や影響力がないまま導入を推し進めてしまうと、現場の意識が追いつかないため、使われないシステムとなってしまうのです。

現場での活用を意識しすぎるあまり、要求に過剰に応じてしまい、機能要件などが膨らみ、かつ導入してもなにも改善されないシステム要件になってしまう。こうなると開発期間はどんどん長引き、コストは無限に増大していくという悪循環に陥ってしまいます。

この悪循環を切るキーワードが「Fit to Standard(標準に合わせる)」です。現場要望を100%拾うのではなく、「法令・差別化・統制」のいずれかに該当するものだけを”例外”として残し、それ以外は標準に寄せる判断基準が必要です。

また国のレガシーシステムに関する総括レポートでも、システムが肥大化・複雑化すると、補完機能やカスタマイズ箇所が増え、人手で運用をカバーせざるを得なくなる、と整理されています。カスタマイズ過多が将来コストを生む点の根拠として引用できます。

専門知識を持つリーダーが企業側にいない

ERPの導入に失敗する企業は、十分な知識を持ってリーダーシップを発揮できるチームリーダーが不在である場合が多いようです。

ERPの導入において、陣頭指揮をとるトップの存在は重要です。CIOやCTOなど、情報分野の専門的な知識を豊富に持ち、導入後のあるべきビジョンを先頭に立って提示し進められる人材が企業側にいなければ、現場の満足度と業務効率を両立したシステムを構築することは難しいでしょう。

NetSuiteも、プロジェクトリーダーが多すぎると責任が曖昧になり、指揮系統が崩れて「重要機能の抜け漏れ」につながり得ると述べています。大企業では”会議体が多いほど安心”になりがちですが、意思決定の速さと責任の明確さを優先する設計が重要です。

業務・システム変革への現場の抵抗

ERP導入の必要性をしっかりと説明できずに現場の抵抗を受けてしまい、導入に失敗してしまうケースもあります。

現場の社員が、忙しさや新しい仕組みを覚えることへの不安を解消できないことを理由に、現在の業務やシステムを変えたくないと主張したり、主張しないまでも不満を抱えた状態になることがあります。ERP導入をめぐって現場の社員が情報部門や経営層と対立したり、あるいは面従腹背になってしまうと、ERPのスムーズな導入は困難でしょう。

この論点は一次情報でも裏付けられます。経済産業省は、既存ITが業務プロセスと密結合していると、問題解消にはプロセス刷新が必要になり、現場抵抗が大きくなるため実行が課題になる、と整理しています。ERPはまさにこの構造に当たりやすいプロジェクトです。

データ移行・マスタ整備の失敗

上位記事の多くは、「データ・ハイジーン(データの衛生)不足」がERP失敗原因として明示されることが多いです。ERPは”唯一の正しいデータ源”を作るほど価値が出ますが、その前提として旧システムのデータをクレンジングし、統合し、移行する必要があります。

大企業では、部門・拠点・子会社ごとにマスタ定義(取引先、品目、勘定科目、部門コード等)が揺れていることが多く、ここを放置すると「入力はできるが集計が合わない」「締め処理が回らない」など、稼働後に致命傷になります。

対策(最低限の実務チェック):

– 移行対象の棚卸し(移行しないデータも決める)
– マスタ定義(”唯一の正”)の合意と、データオーナー設定
– 移行リハーサル(最低2回:変換→取込→整合性確認→差分修正)
– 移行後の整合性チェック観点(残高、在庫、与信、権限等)を事前に合意

導入前テスト不足が大事故につながる理由

NetSuiteは、ERPの失敗は稼働後に顕在化することも多く、導入前にプロセスをテスト・改善する重要性を述べています。

ERPでは「機能が動く」よりも「業務シナリオが通る(例:受注→出荷→請求→入金→会計計上)」が重要です。さらに権限・承認・締め日・例外処理まで含めると、テスト設計が甘いほど”稼働後の現場混乱”が増えます。

対策(テストの型):

– 業務シナリオテスト(部門横断の一気通貫)を中核にする
– 受入基準(完成定義)を先に決める
– 権限設計(職務分掌・内部統制)とセットで確認する
– 移行後データでのテスト(ダミーではなく”現実の汚さ”で検証)

非現実的なスケジュール・予算が招くリスク

NetSuiteは、非現実的なタイムラインや予算変動(要件変更等)を失敗要因として挙げています。

本質的には「プロジェクトを短くしたい」ではなく、「追加要件・移行トラブル・教育不足などの不確実性に耐える“バッファ設計”がない」ことが問題です。短期化を狙う場合ほど、Fit to Standard・スコープ管理・データ移行前倒しで”やらないこと”を決める必要があります。

ERP導入を成功させるポイント

ERPの導入を成功させるためにはいくつかのポイントがあります。次の6つのポイントに注意して、導入を進めていくと良いでしょう。

導入後の体制とあるべき姿の事前整理

ERPは導入するまでも長い道のりですが、導入したあとこそが本番です。スムーズな運用に移れるよう、導入前の段階から導入後の体制をできるだけ詳細に決めておき、運用の流れを具体的にイメージしておくことが大切です。

前述したように、SIerやシステムベンダーにとっては、システムの開発が仕事であり、社内への浸透や、社員の抵抗への対応については契約外となります。ERPを導入したらどんなシステムでどのように業務を行うのか、こうありたいという姿をしっかり整理しておくことで、導入の成功へと近づきます。

“体制”は組織図だけでなく、会議体(Steering Committee等)・意思決定・変更管理・責任分界(RACIに近いもの)まで含めると、稼働後の運用が安定しやすくなります。国の資料でも役割分担・責任関係の明確化が重要とされます。

導入前からの全社巻き込み

ERPをもっとも頻繁に利用することになるのは、経営者ではなく現場の社員です。社員が積極的にERPの導入プロセスへ参加し、業務改革を含めて現場の声を取り入れながら導入を進めることで、はじめて満足度の高いシステムができあがります。導入する前から現場や経営層を問わずすべての社員を巻き込み、ERPを導入する必要性をよく理解してもらうことが大切です。

ただし「巻き込み=要望を全部採用」ではありません。要望の採否基準(標準化/法令/統制/差別化)を先に示し、議論の土台を揃えると合意が作りやすくなります。

自社課題と導入目的の明確化

ERPを導入する目的があいまいなままだと、不要な機能を実装してしまう、逆に必要な機能が実装されていないなど、網羅性が低く無駄の多いシステムになる恐れがあります。自社の課題がどこにあるのか事前にしっかりと把握して、導入の目的を明確にすることで、過不足なく自社の効率化を最大限に考慮したシステムが導入できるでしょう。

目的は「システム刷新」ではなく、DXの観点で”事業と業務をどう変えるか”に紐付けて表現できると強くなります(例:締め日数短縮、在庫可視化、内部統制強化、グループ経営管理など)。

ROI評価と継続的な効果測定

ERP導入によりどれくらいの投資効果が見込めるのか、ROI評価を行って予測することが大切です。ERPを導入する目的はあくまでも「自社の課題を解決するシステムを導入し、業務の効率化をはかることで利益につなげる」ためであるからです。

また、ROIは継続的な指標として使うことが推奨されており、一度きりの評価では有用な情報を得られません。導入後も定期的な評価を行うことで、ERP導入が自社にどの程度の費用対効果をもたらしているかの見極めが可能になります。導入当初は現場のトップや担当者主導でROI評価を行っていたものの、時間の経過とともに計測をやめてしまうケースがよくあるので注意しましょう。

HubSpotも、導入後の定期的な見直しによって運用改善し、効果を引き出す重要性を述べています。ROIは”見ないと消える”ため、月次・四半期の定例(運用会議)に組み込むのが現実的です。

ベンダー依存からの脱却

基幹システムの開発は、会社として高額な費用をかけて行う一大事業です。開発を依頼するベンダーやコンサルは、自社でしっかりと比較検討を重ねた上で、既存ベンダーにこだわることなく選定すべきでしょう。

長年付き合いがあり、自社のことをよく知る外部ベンダーに相談するのは構造的に仕方のないことではあるかも知れませんが、デジタルトランスフォーメーションが進む昨今、システムを取り巻く市場の状況は急速に変化しています。既存の延長線上でのみ考えるのではなく、自社が目指す状態から現状の課題を抽出した上で、最適なパートナーを選定する必要があります。

また、よく検討せずに導入したシステムは、導入時の担当者が異動してしまうと「なぜそのシステムを選定したのか」が担当部署の誰も分からなくなってしまうことがあります。将来のためにも多くの外部ベンダーやコンサルと常に良好な関係を保ちながら、複数の選択肢を持っておくことが重要です。外部パートナーやベンダーは、ライバルの存在を意識し緊張感を持つことで、より挑戦的な提案をするでしょう。情報システム部もそれらの提案を真摯に検討すれば、契約に至らないベンダーとも良好な関係を保てるはずです。

「依存しない」は、対立するという意味ではありません。レイヤーズの示すように、少数候補に絞ったうえで標準機能の議論を深く行い、導入体制・Q&A対応など”実力値”まで評価できると、依存リスクを下げやすくなります。

変革の現場への腹落とし

ERP導入の準備には長い時間が必要になり、導入後は業務の進め方やシステムが大きく変わるため、現場の社員に大きな負担がかかります。そのため「なぜ自社にとって業務改善やシステム変革が必要なのか」ということを、具体的に納得してもらうことが大切です。

効率が上がるから、システムが新しくなって便利になるから、といった漠然とした説明ではなく、「今までと比べて○%効率が上がり売上アップにつながる」、「この業務にかかる時間が○%短縮されて残業を減らせる」など具体性のある説明をすると、自分の問題として意識してもらいやすくなるでしょう。

ここは”社内コミュニケーション設計”が勝敗を分けます。経済産業省が指摘する通り、既存ITの刷新は業務プロセス刷新を伴い、現場抵抗が課題になります。よって「何が変わるか」を先に具体化し、現場の不安(忙しさ・習得負荷)を織り込んだ支援(教育・FAQ・相談窓口)を同時に用意する必要があります。

定着化に向けた社内コミュニケーション施策

ERPは稼働日が”スタートライン”で、その後に利用が広がらなければ投資対効果が出ません。上位記事でも、研修不足や変更管理不足は繰り返し失敗要因に挙げられます。

そして、定着化が難しいのは”社内の情報流通がもともと難しい”からです。弊社ソフィアの調査では、従業員1,000人以上企業において「社内コミュニケーションに問題がある」と感じる人が約8割に達しています(「大いに問題」+「多少問題」)。同調査では、コミュニケーションツールが導入されていても、活用を妨げる要因として「ツールの機能や使い方に関する教育が不足している」が最多に挙げられています。ERP導入でも同じで、教育設計を薄くすると「使われないERP」になりやすいと考えられます。

社内ポータル/社内報で効く”定着化”の打ち手(実務):

– 「何が変わるか」を業務別に1枚で示す(現場の自分ごと化)
– ロール別(経理/購買/営業…)の短い操作動画+FAQを固定掲載
– 移行直後は問い合わせ窓口を”ワンストップ化”し回答をナレッジ化
– 現場キーマン(チャンピオン)を明確にし、相談先を見える化
– “お願い”ではなく、ルール(いつから何をERPでやるか)を明確にする

弊社ソフィアの調査でも、ツール活用促進施策として「使い方の教育やトレーニング」「メリットを明確にして発信する」「ガイドライン整備」などが実施されていることが示されています。ERPではこれを”稼働前から計画に埋め込む”のがポイントです。

まとめ

ERP導入の失敗にはさまざまな原因がありますが、上記の通り、ベンダー側だけではなく、企業側に原因がある場合も多いようです。ERPの導入を成功させるためには、導入前から現場を含めた社員が一丸となって準備を進めることが大切です。今回ご紹介した失敗例と導入を成功させるためのポイントを参考に、失敗しないためのERP対策を考えてみてはいかがでしょうか。

ERP導入は、データ・業務・人・文化を同時に動かすプロジェクトです。経済産業省やIPAの整理でも、業務プロセス刷新の難しさや、システム肥大化(カスタマイズ増)による運用困難が論点として挙げられています。だからこそ「標準化」「ガバナンス」「定着化」を”最初から”設計し、稼働後も改善を回すことが重要です。

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よくある質問
  • ERP導入で一番多い失敗
  • 「導入が目的化して、業務改革・データ整備・教育が後回しになる」ことです。稼働後に”使われない/締めが回らない”形で顕在化します。

  • カスタマイズの許容範囲
  • 原則はFit to Standardです。法令対応・内部統制・差別化のいずれにも当たらない要望は標準に寄せる判断が、長期の保守性と費用を守ります。

  • 稼働直後の現場混乱を防ぐ優先事項
  • 業務シナリオテストとデータ移行リハーサル、そして教育・FAQ・問い合わせ窓口の整備を”稼働前に”作り切ることです。

株式会社ソフィア

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人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。