
2022.12.14
人材育成は社内コミュニケーションがカギ!人事部サイト作成の事例を紹介

目次
企業にとって価値ある人材を確保し、育てることは永遠に続く課題です。理想的な人材は企業の掲げるビジョンやミッション、バリューを自分ごとのレベルでとらえ、実際の業務に展開していける人材ですが、そのイメージは社内にしっかり伝わっているでしょうか。
テレワークなどで働くスタイルが変容している現在、数年に一度の集合研修や、トップが発するメッセージを提示するだけでは従業員の理解は進みません。企業が期待する人材像を効率的・効果的に発信するには、人事部サイトを活用したコミュニケーションが大きなカギとなるでしょう。
この記事では人事部による社内への情報発信の重要性と、SharePoint Online人事部サイトの構築方法についてお伝えします。
人事部が発信する情報は社員にちゃんと伝わっているか
企業がどのような人材像を期待するのか、最も端的に伝えるにはトップからのメッセージを発信することが重要です。しかし、戦略的な視点で語られるトップメッセージは抽象度が高いため、社員にとっては「なるほど、そうか」で終わってしまいがちです。
経営の発信する抽象的なメッセージを、実際の現場に当てはめて具体的にでイメージできるよう噛み砕き、人材開発に活用できるように展開するのが人事部の使命です。また、社員が自らキャリアビジョンを描き、目標に向かって自己啓発を続けるためには、会社が求める人材像やチームの姿を理解する必要があります。社内にどのような種類の仕事があり、それぞれどんな姿勢や行動活動が期待されているのか。そしてそれを達成するために、どのような学びの機会があるのか。社員のキャリア形成を支援する制度には、社内外における各種の研修や、学習支援など様々なものがあります。こういった、人事や教育に関する情報、求められる人材像を共有できるようにすることも、人事部の役割です。
これを実現するためには、社内で優れた成績を挙げている社員や、重要な役割を果たした社員の業務内容や成果と共に、その背後にある学びのスタイルやマインドを紹介することが効果的です。こうした情報を的確に社内に届けていくには、研修や社内報などのツールと合わせて、人材育成に特化した人事セクション主導のポータルサイトを用いることがおすすめです。
キャリアアップイメージや支援の制度についても、社員が参照できるコンテンツをそこに一元化すれば、人事や教育に関する情報がワンストップで得られるようになり、人事部と社員双方の負担が軽減されるでしょう。
人材育成の際に人事部が社内コミュニケーションに力を入れるメリット
人事部がポータルサイトで計画的・主体的に情報を提供し、コミュニケーションを図ることによって、次のような効果が期待ます。
- 組織の求める人材像を周知することで、社員が自分の目指すべき姿をイメージできる
- 組織にどのような仕事があるのかを周知することで、社員が将来やりたい仕事を具体的にイメージできる
- キャリアアップを目指す社員が、利用できる制度や教育プログラムを知ることができる
- 身近なロールモデルを知ることで、社員が自分の成長をより具体的にイメージできる
上記のように、人事部が社内コミュニケーションを強化し、人材育成を行うことのメリットは多くあります。これらのメリットを享受するために、ポータルサイトを使って社内へ積極的に情報を発信していきましょう。
Share Point Onlineを使った人事部サイト構築方法
社内向けポータルサイトの構築は、手間やコストの面から敬遠されることも少なくありません。そこでおすすめなのがSharePoint Onlineの活用です。専門的な知識を必要とせず社内で簡単に構築でき、更新やコンテンツの管理も容易なため、人事部サイト構築に適しています。
こからは、SharePoint Onlineを用いて人材育成に特化したポータルサイトを構築する進め方を解説します。
人事部が情報発信にShare Point Onlineを使うメリット
Share Point Onlineは、Microsoft365を導入している企業であれば、すぐに利用することができます。テンプレートやwebパーツなどが豊富に用意されており、専門知識がない担当者でも簡単にサイト構築が進められます。ユーザーの利用状況も把握できるため、PDCAサイクルへ反映してサイトの充実化が図れるでしょう。
Share Point Onlineを効果的に活用するためには、ツールへの理解が欠かせません。下記リンクを参照して、効果的な活用を目指してください。
Share Point Onlineを使った人事部サイト構築のステップ
サイト構築にあたっては、あらかじめSharePoint Onlineで利用できる機能をよく理解しておきましょう。そのうえで、全体計画に沿ってコンテンツを作り込んでいきます。ここではサイト構築とコンテンツ制作の具体的な進め方をご紹介します。
コンテンツ企画・制作におけるプロジェクトの進め方
まずは、サイトでどのような情報を発信していくべきなのか、コンテンツの企画を行います。
①企画立案
期待される人材を育成するために、どのようなコンテンツが必要なのか検討します。企業としての人材ビジョン、育成に関する基本的な考え方を同期させるため、必要に応じて関係部署やトップマネジメント層とのミーティングを実施し、情報のすり合わせを行いながら進めましょう。
基本方針が固まったら他社事例を研究したり、外部リソースの協力を得るなどして、適切に内容を検討し、関係方面へ提示する企画資料を作成しましょう。
合意が得られたら、サイト設計へ反映するとともに、取材先の選定など、記事作成の準備をします。
②取材
企画内容に基づいて、従業員や関係者に取材を行ったり、資料を集めたりします。取材の対象者にはあらかじめ趣旨を説明し、動画・写真撮影、スケジュールなどについて、事前の調整を十分に行って臨みましょう。
③編集
取材や収集した素材をもとに、キャッチコピーや文章を構成し、コンテンツを完成させます。内容に合わせてグラフなどの視覚化や、画像、音声、動画などを組み合わせて、訴求力を高めましょう。
サイト構築におけるプロジェクトの進め方
コンテンツ制作の「①企画立案」が固まってサイトの全体像が見えた段階で、情報発信の場となるサイトの枠組みを作っていきます。
①サイト要件定義
掲載するコンテンツの内容に応じて、SharePoint Onlineサイトに実装する構成要素の洗い出しを行います。コンテンツの特性によってサイト上での表現も異なりますので適切なwebパーツを選定する必要があります。また、従業員に伝えていきたいメッセージの優先度によって掲載順序も変わってきます。同時に各コンテンツを誰がどのように運用していくのかにより、運用に適した構成も検討していく必要があります。
②サイト設計/構築
要件定義で整理した情報を元に、実際にサイト上にwebパーツを配置しながらSharePoint Onlineサイトを構築していきます。実際にwebパーツを配置していく中で見た目や導線の調整が必要なところも出てくるでしょう。まずは細かい設定などは省き、プロトタイプとして簡易的に構築したものを関係者や場合によってはユーザーも巻き込んでレビューを行っていきます。
サイトに対する印象や操作性などは人によって異なりますので、プロトタイプを細かく修正して議論を繰り返し、徐々に完成度をあげていきます。
③デザイン
IA(情報アーキテクチャ:information architecture)の観点から、各要素に優先順位をつけ、ユーザーにわかりやすいように配色を考えたり、やデザインパーツを作成したりします。最終的には、そのサイトを見たユーザーがどのように問題解決したりや気付きを得たりするのか、あらかじめ想定したエクスペリエンスを実現できるようなユーザーインターフェースの完成を目指します。
④ページ作成
サイトの各コーナーの目的に応じて、一覧ページや詳細ページを作り込んでいきます。アップしたページのコンテンツは必要に応じて修正・更新を行い、社内外の関連情報へのリンクを掲載するなどによって、広報など他部署との連携に活用していきます。
人事部サイト構築の企業事例
ここからは大手食品メーカーの人事部サイト構築例を紹介していきます。人事部サイト立ち上げの背景や目的、どのようなコンテンツを発信しているのかについて見ていきましょう。
人事部サイト立ち上げの背景や目的、用途
大手食品メーカーのA社では、全社的なテーマとして「人材育成」を掲げています。
人材育成の際に「どうしたら社員は会社の求める人材像に近づくことができるのか」、また「会社が求めている人材像とはどのようなものか」を全従業員に分かりやすく周知して共有していく必要がありました。そのため、社内モデルケースを発信する場として人事部サイトを立ち上げました。
立ち上げた人事部サイトでは、社内で活躍しているさまざまな従業員の事例をモデルケースとして紹介しています。また人材育成や支援を目的に、人事部としてサポートしている研修情報なども発信できるようにサイトを構築しました。
発信したコンテンツと、使用したウェブパーツ・機能
第一線で活躍している従業員の、過去の失敗談や転機、現在に至るまでの苦労話や成功体験を掲載しました。従業員が愛読している本の紹介を掲載し、それがどのように業務に活かされているか詳細に記事化するなどの豊富なコンテンツが掲載されています。
また、個々の事例コンテンツをWEBページとして作成し、テキスト、写真、本の書影などをレイアウトし、読み物として分かりやすいページを作成しています。さらに強調表示のコンテンツ機能を活用し、サムネイル付きで分かりやすいようにトップページに配置しました。記事が更新されると新着として表示されるよう自動化の仕組みを構築しているので、発信したコンテンツが従業員に届きやすいようになっています。
さらに、強調表示コンテンツ機能を活用して最新の記事一覧をページ内に埋め込むと、本の紹介コンテンツや、おすすめ書籍の各記事ページから、関連する過去のアーカイブ記事へもスムーズに遷移できるようになりました。
今回の事例では、自律人材(人財)になるためのヒントを動画メッセージとして定期的に公開しています。移り変わる世相やキーファクターを交えながら「自律とは」「キャリアとは」といった様々なテーマについて解説を行い、従業員が自律人財になるためのきっかけづくりを演出します。動画は専用チャンネルの情報が自動的に表示されるよう、Stream Webパーツを用いて最新情報を掲載するようにしています。
まとめ
企業が求める人材像は、掲げるミッションやビジョン、パーパスを理解して主体的に自己啓発を行い、業務に反映していける社員です。その社員像を組織に浸透させるためには、求める人材のイメージや、育成のための具体的な支援策について、社員とのあらゆる接点を使って繰り返し伝えていくことが必要です。
まずは人材に特化したポータルサイトで情報の発信量を増やしていくことから始めましょう。社員が「知りたい」と思った内容が、ポータルにわかりやすくまとめられていると大変便利です。時代の変化や、人事に関する新しい方針に即応できるポータルサイトを構築してください。
社内で既にMicrosoft365が導入されているのであれば、SharePoint Online SPOを活用して人事部が独自に、情報発信を行うことが可能です。ツールの活用方法や魅力的なサイト制作、コンテンツ制作についてノウハウの蓄積がない場合は、外部リソースを利用するのもひとつの方法でしょう。
私たちはこれまで、多くのクライアント様と共に様々な部門・分野の社内ポータルサイトについて、課題解決の支援を続けてまいりました。社内の情報共有や活用の面でお困りごとがございましたら、どうぞ私たちにご相談ください。
関連事例
よくある質問
- 人材育成は社内コミュニケーションがカギとはどういうことですか?
経営の発信する抽象的なメッセージを、実際の現場に当てはめて具体的にでイメージできるよう噛み砕き、人材開発に活用できるように展開するのが人事部の使命です。社内にどのような種類の仕事があり、それぞれどんな姿勢や行動活動が期待されているのか。そしてそれを達成するために、どのような学びの機会があるのか。社員のキャリア形成を支援する制度には、社内外における各種の研修や、学習支援など様々なものがあります。こういった、人事や教育に関する情報、求められる人材像を共有できるようにすることも、人事部の役割です。
- 人事部が情報発信にShare Point Onlineを使うメリットとは?
Share Point Onlineは、Microsoft365を導入している企業であれば、すぐに自分の端末から発信することができます。テンプレートやwebパーツなどが豊富に用意されており、専門知識がない担当者でも簡単にサイト構築が進められます。ユーザーの利用状況も把握できるため、PDCAサイクルへ反映してサイトの充実化が図れるでしょう。
- SharePoint 何が出来る?
SharePointは主に、情報を「管理する」「整理する」「保管する」「検索する」ことに優れていますが、これらにさまざまな機能パーツを加えられるので、組織のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。
活用例:アンケートの作成、共有ファイルの閲覧・編集、掲示板・回覧板

株式会社ソフィア
システムコンサルタント
山口 孝弘
新規システム導入時や、既存システムのリプレイス時などのシステムコンサルティングが得意です。Microsoft365の利活用支援やSharePoint上へのポータルサイト、WEB社内報の構築をお手伝いします。
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株式会社ソフィア
デザインコンサルタント
竹内 昌弘
Web系のページデザイン/レイアウトや紙系のデザイン/レイアウト、動画の制作編集、音声/音楽の制作編集、グッズの制作等、ツクルことが天命です。
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