人材育成

人材育成におけるコミュニケーションの重要性|成功事例と社内浸透の進め方

目次

人材育成がうまく進まない原因は、研修設計そのものよりも「現場でのコミュニケーション設計」にあるケースが少なくありません。テレワークや部門分断が進む今、人事が”対話の機会”と”情報が届く仕組み”を整えることが、育成成果を左右します。本記事では成功事例と、弊社ソフィアの調査データも交えながら具体策を解説します。

人材育成におけるコミュニケーションの重要性が高まる背景

人材育成は「研修で学ぶ」だけでは完結しません。学びを現場で試し、上司や周囲からフィードバックを受け、行動が定着して初めて”育成”になります。その接着剤となるのが、コミュニケーションです。

実際、弊社ソフィアの調査では、従業員数1,000人以上の企業でも社内コミュニケーションに「問題がある」と感じる回答が多数を占めています。この前提に立つと、人材育成の成否は「研修内容」だけでなく、「日常の情報共有」「対話の機会」「フィードバックの流れ」を人事がどのように設計できているかに左右されると言えるでしょう。

また、人的資本経営の文脈でも、人材戦略の実践と対外説明(投資家等との対話)が重視されるようになっており、社内でも方針を理解・実行できる状態づくりが欠かせません。

人事部に求められるコミュニケーションの3つの役割

人事のコミュニケーションは、単なる「周知」ではありません。人材育成の観点では、次の3つを同時に満たす必要があります。

理解の形成:会社が求める人材像・評価軸・育成機会が、現場の言葉で腹落ちする

行動の支援:学びの次の一手(1on1、OJT、学習支援制度等)に迷わない

継続の仕組み:点の施策を”線”にし、異動や組織改編があっても回り続ける

この3つを満たすことで、育成の「伝える→やる→振り返る」サイクルが回りやすくなり、研修投資の回収(行動変容)にもつながります。

社外コミュニケーションと社内コミュニケーションの役割分担

人事部や人材開発部の大きな役割として、採用や面接に必要な社外コミュニケーションと、社員や経営陣との間で必要なインターナルコミュニケーションがあります。

社外コミュニケーション:採用活動や面接の場で企業のビジョンや魅力を発信し、適切な人材を見極めるための手段。応募者との円滑な対話を通じて相互理解を深め、ミスマッチのない採用につなげます。

社内コミュニケーション(インターナルコミュニケーション):組織内の情報共有と対話により、社員同士や経営層との信頼関係を構築し、健全で持続可能な企業文化を育むカギとなります。

ここで重要なのは、社外は「入口(採用)」、社内は「成長(育成)」を支えるという点です。採用で惹きつけても、社内で育つ実感がなければ定着しません。育成は”社内コミュニケーションの設計力”で差がつくと言えるでしょう。

採用・面接における社外コミュニケーションの実践

採用の場は、候補者の見極めだけでなく、入社後の育成ギャップを最小化する”すり合わせ”の場でもあります。入社後のオンボーディングや育成設計と接続させるほど、育成はより滑らかに進みます。

採用広告と企業ブランディングの一体化

採用広告は、求職者に企業の存在や価値観、ビジョンを伝える重要な手段であり、その情報がブランディングを形成します。企業のブランディングは、企業が社会に対してどのような存在であるかを示し、求職者が企業に魅力を感じる要因となります。採用広告とブランディングを組み合わせることで、求職者に向けて自社の価値を明確に伝えることができます。

採用時の対面コミュニケーションスキル

採用時の求職者および新卒者への対面コミュニケーションは、企業と新入社員の間に存在するギャップを埋めるために行います。企業と求職者・新卒者の間でのオープンな対話を通じて、双方が互いの立場や期待を理解し合うことが重要です。採用時のコミュニケーションスキルにはリーダーシップや協力性、柔軟性なども含まれており、採用活動の延長として新入社員に対してこれらの能力を育成する機会を提供し、自己成長を促すことが求められます。

人材育成における「対話」の重要性

人材育成の現場では「会話」や「議論」はあっても、「対話」が不足しがちです。対話は、納得と内省を生み、行動変容のきっかけになります。

社内のコミュニケーションについて考える際、対話不足などとよく言われますが、日常的な「会話」や仕事における「ディスカッション」「議論」と「対話」は違うのでしょうか。なぜ組織の問題解決においては「対話」が重要とされるのかについて見ていきましょう。

対話には次の3つの特徴があります。

  1. 対話にはテーマがある
  2. 対話は結論を求めない
  3. 対話において話者同士は対等である

この3つを認識することで、自分とは異なる視点や価値観を発見し、対象とする物事の意味や文脈をあらためて認識することができます。

対話が成立するためには、心理的安全性(対人関係においてリスクある行動をとっても、罰せられたり恥をかかされたりしないとチームメンバーが共有して信じられる状態)が土台になります。あなたの職場では、対話の場が十分に確保されているでしょうか。

人材育成に必要なコミュニケーションスキル

人材育成のコミュニケーションは、属人的な”うまさ”よりも、スキルとして分解して鍛える方が再現性が出ます。具体的には、次のようなスキルが挙げられます。

コミュニケーションスキルの種類

社内のコミュニケーションについて考える際、対話不足などとよく言われますが、日常的な「会話」や仕事における「ディスカッション」や「議論」と「対話」は違うのでしょうか。なぜ組織の問題解決においては「対話」が重要とされるのかについて見ていきましょう。

伝える力:

対話には次の3つの特徴があります。

対話にはテーマがある

対話は結論を求めない

対話において話者同士は対等である

この3つを認識することで、自分とは異なる視点や価値観を発見し、対象とする物事の意味や文脈をあらためて認識することができます。

論理的な表現力:

ロジカル・シンキングは筋道を立てて矛盾なく考える思考能力と、それを論理的に伝えるコミュニケーション能力の総です。決められた枠組みにそって、事象を分解して(分けて)整理し、矛盾をなくしていきます。「筋道」や「体系的」という前提や基礎的な条件下において、物事を論理的にとらえ、筋道を立てて矛盾なく考える思考方法と言えます。

感じの良さを表現できる力:レトリックは情報を発信する側が説得したり、納得させたりするための手法やテクニックです。レトリックは日本語で「修辞法」と訳されており、具体的な表現技法としては比喩、誇張、反語、倒置などがあります。海外では、説得やスピーチという文脈で用いられる場合が多く、プレゼンテーションのトレーニングでも、レトリックは欠かせないスキル項目になっています。

傾聴:

傾聴(積極的傾聴/アクティブリスニング)という言葉は、単に相手の話を聞くのではなく、相手の立場に立って共感しながら、相手の話に積極的に耳を傾けることを指しています。

傾聴はもともとカウンセリングの技術ですが、ビジネスシーンにおいても、顧客と従業員、上司と部下、同僚間といった関係性におけるコミュニケーションに応用されています。

言語・非言語のコミュニケーション:コミュニケーションは、Aさんが見ている言語や非言語のコミュニケーション(目に見える)を、Bさんが認識し、Bさんの頭の中で解釈し思考(目に見えない)され、そしてBさんが、言語や非言語のコミュニケーション(目に見える)で、Aさんに伝えるというプロセスです。

人材育成のコミュニケーションにおけるNG行動

人材育成は、正しいことを言えば伸びるわけではありません。伝え方を誤ると、挑戦が止まり、成長速度が落ちることもあります。NG例は次のとおりです。

一方的に話し続ける(対話不在):  相手の理解・納得が置き去りになります
基準が日替わり(発言の一貫性がない):  育成対象者が”正解”を学べません
指摘ばかりで承認がない:  挑戦が止まり、成長速度が落ちます
タイミングが悪い/人前で叱る:  内容以前に関係性が傷つきます
「言ったつもり」で確認しない:  伝達ではなく”伝わる”設計が必要です

 

弊社ソフィアの調査でも、社内課題として「業務に関連する情報が共有されない」「共有が遅い」「フィードバックが十分に貰えない」といった論点が上位に挙がっています。

つまり、NGの多くは”個人の問題”ではなく、情報とフィードバックの流れが詰まっている構造問題として再発します。

人事部/人材開発部が発信する情報は社員にきちんと伝わっているか

もともと人事部や人材開発部は、コーポレート部門の中でも、管理や統制的なイメージが強く、社員に寄り添うというスタンスというよりは、社員を管理統制するというスタンスでした。

しかし、労働人口減少、転職の常態化など雇用関係の変化や、製造業的なものが生産の中心のビジネスから、アイディアや発想を必要とする人が中心のビジネスに変化する中で、管理から支援という役割に変化しています。

簡単に言えば、人材開発や人事部は、社員に指示命令をして動かす時代は終わり、動機付けやコミュニケーションで動かす時代に変化しました。

従って、人事部/人材開発部には、コミュニケーションという業務が付加されたということです。

企業がどのような人材像を期待するのか、最も端的に伝えるにはトップからのメッセージを発信することが重要です。しかし、戦略的な視点で語られるトップメッセージは抽象度が高いため、社員にとっては「まぁそうかなぁ」程度の認識でしょう。

全社に発信する抽象的なメッセージを、実際の現場に当てはめて具体的にイメージできるよう噛み砕き、社員が自分ゴト化することが人事部の使命です。また、社員が自らキャリアビジョンを描き、目標に向かって自己啓発を続けるためには、会社が求める人材像やチームの姿を理解する必要があります。

社内にどのような種類の仕事があり、それぞれどのような姿勢や行動活動が期待されているのか。そしてそれを達成するために、どのような学びの機会があるのか。社員のキャリア形成を支援する制度には、社内外における各種の研修や、学習支援などさまざまなものがあります。こういった、人事や教育に関する情報、求められる人材像を共有できるようにすることも、人事部の役割になっています。

これを実現するためには、社内で優れた成績をあげている社員や、重要な役割を果たした社員の業務内容や成果と共に、その背後にある学びのスタイルやマインドを紹介することが効果的です。こうした情報を的確に社内に届けていくには、研修や社内報などのツールと合わせて、人材育成に特化した人事セクション主導のポータルサイトを用いることがおすすめです。

キャリアアップイメージや支援の制度についても、社員が参照できるコンテンツをそこに一元化すれば、人事や教育に関する情報がワンストップで得られるようになり、人事部と社員双方の負担が軽減されるでしょう。

社内コミュニケーションは現在多くの会社で広報部が担当していますが、最近は広報部と人事部の垣根がなくなりつつある会社も増えています。

社内コミュニケーション強化が人材育成にもたらすメリット

人事部がポータルサイトで計画的・主体的に情報を提供し、コミュニケーションを図ることによって、次のような効果が期待できます。

組織の求める人材像を周知することで、社員が自分の目指すべき姿をイメージできる

組織にどのような仕事があるのかを周知することで、社員が将来やりたい仕事を具体的にイメージできる

キャリアアップを目指す社員が、利用できる制度や教育プログラムを知ることができる

身近なロールモデルを知ることで、社員が自分の成長をより具体的にイメージできる

ホウレンソウ(報告・連絡・相談)が円滑になり、上司と部下との信頼関係が深まることで、小さな変化や課題も共有しやすくなり、重大なミスやトラブルの発生を未然に防止できる

社員同士の関係性が良好になることでエンゲージメント(組織への愛着心)が高まり、結果として離職率の低下にもつながる

さらに、社内コミュニケーション強化は、次の3点で”育成ROI”を押し上げます。

研修の定着:学びを現場で試す回数が増える(1on1・OJTでの振り返りが増える)

育成の公平性:情報が一元化され、育成機会の偏りを減らせる

自律学習の促進:社員が必要情報へ自己アクセスでき、学びが継続す

上記のように、人事部が社内コミュニケーションを強化し、人材育成を行うことのメリットは多くあります。これらのメリットを享受するために、ポータルサイトを使って社内へ積極的に情報を発信していきましょう。

また、コミュニケーション施策や人材育成施策の効果測定も重要 です。従業員エンゲージメントのスコアや離職率の推移、研修受講後の業績指標、アンケートでの満足度など適切なKPI(重要指標)を設定することで、取り組みの成果を客観的に可視化できます。効果測定によって成功要因や課題を分析し、次の施策に活かすPDCAサイクルを回す ことが、人材育成を継続的に改善するポイントです。

コミュニケーション改善の具体策

施策は多くの企業で実施されていますが、重要なのは”単発”で終わらせず、導線としてつなぐことです。弊社ソフィアの調査でも、取り組みとして「1on1(個人面談)」が多く実施されていることが示されています。

1on1を育成の場として機能させる方法

1on1は、実施するだけでは成果が出ません。目的(育成・障害除去・キャリア支援など)を明確にし、問いの型と記録の型をセットにすると質が上がります。

運用例として、「確認→内省→次の一手」を固定すると、現場で回りやすくなります。

今週の学び(研修・OJT)で、試したことは何ですか

うまくいった要因/詰まった要因は何ですか

次に試す行動を、いつ・どこで・何をしますか(具体化)

フィードバックを「流れ」として設計する

フィードバックは、本人の行動変容を促す重要スキルですが、現場では「忙しくて渡せない」「言いづらい」が起きがちです。

そこで、①事実ベース、②期待値の再確認、③次の行動提案、④承認の要素をセットにし、短く頻度高く回す設計が有効です。

部門間分断への対処法

弊社ソフィアの調査では、コミュニケーション問題の要因として「必要性が共通認識になっていない」「組織の文化や体質」といった項目が上位に挙がっています。

この場合、施策は”イベント”よりも、共通言語(育成の定義、期待行動、評価観点)の整備から始める方が、後の打ち手が効きます。

SharePoint Onlineを使った人事部/人材開発部サイト構築方法

社内向けポータルサイトの構築は、手間やコストの面から敬遠されることも少なくありません。そこでおすすめなのがSharePoint Onlineの活用です。専門的な知識を必要とせず社内で簡単に構築でき、更新やコンテンツの管理も容易なため、人事部サイト構築に適しています。

ここからは、SharePoint Onlineを用いて人材育成に特化したポータルサイトを構築する進め方を解説します。

人事部/人材開発部が情報発信にSharePoint Onlineを使うメリット

SharePoint Onlineは、Microsoft 365を導入している企業であれば、すぐに利用することができます。テンプレートやWebパーツなどが豊富に用意されており、専門知識がない担当者でも簡単にサイト構築が進められます。ユーザーの利用状況も把握できるため、PDCAサイクルへ反映してサイトの充実化が図れるでしょう。しかしSharePoint Onlineを効果的に活用するためには、ツールへの理解が欠かせません。

SharePoint Onlineを使った人事部/人材開発部サイト構築のステップ

サイト構築にあたっては、あらかじめSharePoint Onlineで利用できる機能をよく理解しておきましょう。そのうえで、全体計画にそってコンテンツを作り込んでいきます。ここではサイト構築とコンテンツ制作の具体的な進め方をご紹介します。

サイト要件定義: 掲載するコンテンツの内容に応じて、SharePoint Onlineサイトに実装すべき機能パーツを洗い出します。コンテンツの特性によって適切なWebパーツを選定し、社員に伝えたいメッセージの優先度や運用方法も検討します。

サイト設計・構築: 要件定義で整理した情報をもとに、SharePoint Online上で実際にWebパーツを配置しながらサイトを構築します。プロトタイプを作成して関係者や一部ユーザーにレビューしてもらい、見た目や導線を調整しながら完成度を高めていきます。

デザイン: 情報の優先順位(情報アーキテクチャ)を踏まえて配色やデザイン要素を決定します。サイトを利用する社員が課題解決や気付きを得られるよう、直感的で分かりやすいユーザーインターフェース(UI)を目指します。

ページ作成: サイト内の各コーナーに応じて一覧ページや詳細ページを作成します。アップロードした記事コンテンツは定期的に見直し、最新情報に更新します。また、社内外の関連情報へのリンクを掲載することで他部署との連携にも活用します。

コンテンツ企画・制作におけるプロジェクトの進め方

まずは、サイトでどのような情報を発信していくべきなのか、コンテンツの企画を行います。

 1.企画立案:

期待される人材を育成するために、どのようなコンテンツが必要なのか検討 しましょう。企業としての人材ビジョン、育成に関する基本的な考え方を同期させるため、必要に応じて関係部署やトップマネジメント層とのミーティングを実施し、情報のすり合わせを行いながら進めます。基本方針が固まったら他社事例を研究したり、外部リソースの協力を得るなどして、適切に内容を検討し、関係方面へ提示する企画資料を作成しましょう。合意が得られたら、サイト設計へ反映するとともに、取材先の選定など、記事作成の準備をします。

 2.取材:*

企画内容に基づいて、従業員や関係者に取材を行ったり、資料を集めたりします。取材の対象者にはあらかじめ趣旨を説明し、動画・写真撮影、スケジュールなどについて、事前の調整を十分に行って臨みましょう。

 3.編集:

取材や収集した素材をもとに、キャッチコピーや文章を構成し、コンテンツを完成させます。内容に合わせてグラフなどの視覚化や、画像、音声、動画などを組み合わせて、訴求力を高めましょう 。

サイト構築におけるプロジェクトの進め方

サイト要件定義 –

掲載するコンテンツの内容に応じて、SharePoint Onlineサイトに実装する構成要素の洗い出しを行います。コンテンツの特性によってサイト上での表現も異なるため、適切なWebパーツを選定する必要があります 。

また、従業員に伝えていきたいメッセージの優先度によって掲載順序も変わってきます。同時に各コンテンツを誰がどのように運用していくのかにより、運用に適した構成も検討していく必要があります。

サイト設計/構築 –

要件定義で整理した情報をもとに、実際にサイト上にWebパーツを配置しながらSharePoint Onlineサイトを構築していきます。実際にWebパーツを配置していく中で見た目や導線の調整が必要なところも出てくるでしょう。まずは細かい設定などは省き、プロトタイプとして簡易的に構築したものを関係者や、場合によってはユーザーも巻き込んでレビューを行っていきます 。サイトに対する印象や操作性などは人によって異なりますので、プロトタイプを細かく修正して議論を繰り返し、徐々に完成度を上げていきます。

デザイン –

IA(情報アーキテクチャ: information architecture)の観点から、各要素に優先順位をつけ、ユーザーにわかりやすいように配色を考えたり、デザインパーツを作成 したりします。最終的には、そのサイトを見たユーザーがどのように問題解決したり、気付きを得たりするのか、あらかじめ想定したエクスペリエンスを実現できるようなユーザーインターフェースの完成を目指します。

ページ作成 –

サイトの各コーナーの目的に応じて、一覧ページや詳細ページを作り込んでいきます。アップロードしたページのコンテンツは必要に応じて修正・更新を行い、社内外の関連情報へのリンクを掲載するなどによって、広報など他部署との連携に活用していきます。

人事部・人材開発部サイト構築の企業事例から学べること

第一線で活躍している従業員の、過去の失敗談や転機、現在に至るまでの苦労話や成功体験を掲載。従業員が愛読している本の紹介を掲載し、それがどのように業務に活かされているか詳細に記事化するなどの豊富なコンテンツが掲載されています。

事例の価値は、成功体験を”再現可能な学び”に翻訳している点です。事例を次のように加工すると育成に効きます。

背景:なぜその人は変われたのか(転機・障害・支援)

行動:具体的に何をしたのか(毎週の習慣、学び方、相談の仕方)

支援:会社・上司・人事が何を用意したのか(制度、対話、情報)

再現条件:誰が真似できる形に落とす(チェックリスト化)

コミュニケーション施策・人材育成施策の効果測定設計

効果測定はPDCAの要です。KPIを「活動量」「中間指標」「成果指標」に分け、施策と因果でつなぐことが重要です。

活動量:1on1実施率、ポータル更新数、閲覧数、検索ゼロヒット率

中間指標:理解度(人材像・制度認知)、心理的安全性、フィードバック頻度

成果指標:離職率、異動希望の実現率、育成プログラム完走率、内部登用比率

特に、弊社ソフィアの調査で上位に挙がる「情報共有の遅さ/不足」「フィードバック不足」に対しては、閲覧・回遊・検索と1on1実施の両方を追うと、打ち手の改善がしやすくなります。

まとめ

企業が求める人材像とは、掲げるミッション・ビジョン・パーパスを理解して主体的に自己啓発を行い、業務に反映していける社員です。その社員像を組織に浸透させるためには、求める人材のイメージや、育成のための具体的な支援策について、社員とのあらゆる接点を使って繰り返し伝えていくことが必要です。まずは人材に特化したポータルサイトで情報の発信量を増やしていくことから始めましょう。

最後に、人材育成におけるコミュニケーションの重要性を”実装”に落とすと、押さえるべきは次の4点です。

  • 対話の質(1on1の型、傾聴とフィードバック)
  • 情報の基盤(育成ポータルで一元化し、探させない)
  • 成功事例の翻訳(再現可能な学びへ加工)
  • 効果測定(活動→中間→成果の因果で追う)

もし「施策はあるのに伝わらない」「現場任せで育成がばらつく」と感じる場合は、情報発信と対話を一体で設計するところから見直すのがおすすめです。

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よくある質問
  • 人材育成と研修設計の優先順位
  • 優先順位は二者択一ではありません。ただ、研修が良くても現場の対話と情報共有が弱いと定着しにくいため、「現場で回る導線(1on1・OJT・情報基盤)」を同時に設計するのが現実的です。

  • 部門間の壁が強い場合の最初の着手点
  • 共通言語(求める人材像・期待行動・評価観点)を整備し、次に部門別に噛み砕く翻訳を用意するのが効果的です。

  • 成功事例コンテンツの発信頻度
  • 理想は月次など”定期”です。重要なのは頻度より「更新される前提の導線」(新着、強調表示、回遊)と「再現可能な学びへの翻訳」です。

  • SharePointで人事ポータルを作る際の失敗しがちな点
  • 制度・研修を置いただけで終わることです。検索される分類、ターゲット別導線、1on1や学習支援への”次の一手”までつなげると、育成に効くポータルになります。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。