リスクコミュニケーションの目的と手順!クライシスコミュニケーションとの違いとは?

企業がなにかリスクを起こす可能性がある場合、関係者に対して事前に説明をしておくことでトラブルを予防することができます。
その活動を「リスクコミュニケーション」と言います。この記事ではリスクコミュニケーションの目的や手順について詳しく解説していきます。しばしば混同されることがある「クライシスコミュニケーション」との違いにも触れながら、効果的なリスクコミュニケーションのコツを考えていきましょう。

リスクコミュニケーションとは?

企業活動が、消費者や地域住民などとの間にトラブルを起こすケースがあります。一定のリスクが想定される場合、発生し得るリスクを消費者や地域住民などのステークホルダーに説明する「リスクコミュニケーション」は、企業側の義務と言えます。たとえば遺伝子組み換え食品を製造していたり、有害化学物質を扱っていたりする場合、トラブルが起こる可能性が高くなるでしょう。リスクコミュニケーションによって事前に理解を得ることで、トラブルを回避することが期待されます。

リスクコミュニケーションの定義

安全・安心科学技術及び社会連携委員会が公開している
「リスクコミュニケーションの推進方策」によると、リスクコミュニケーションの定義は「リスクのより適切なマネジメントのために、社会の各層が対話・共考・協働を通じて、多様な情報及び見方の共有を図る活動」です。リスクについて事前に説明し、相互理解を得る活動をリスクコミュニケーションと呼びます。

リスクコミュニケーションの目的

リスクコミュニケーションの目的は、
関係者にあらかじめリスクの情報を伝え、合意を得ておくことです。また同時に、情報を公開し、信頼関係を構築することも 重要な目的です。

さらにリスクコミュニケーションは、企業側の実務的なメリットにもつながります。リスクをステークホルダーに対して説明していく中で、企業は問題を整理・発見し可視化していくことができます。また、ステークホルダーと双方のやり取りを繰り広げる中で、リスクが実際に発生してしまった場合の責任の所在をあらかじめ明確にしておくこともできます。このようにリスクコミュニケーションは、有事の際の準備にもなります。

有事の際に適切な対応がとれるかどうかで、企業のイメージは大きく左右されます。つまりリスクコミュニケーションは、一見するとステークホルダーのための活動であるように思えますが、企業側にとっても大きなメリットをもたらします。

クライシスコミュニケーションとの違い

リスクコミュニケーションは、「クライシスコミュニケーション」と混同されることがありますが、両者は明確に異なるものです。

クライシスコミュニケーションとは、緊急事態の発生を受けて行うコミュニケーションです。事件事故や不祥事が起きた場合に、被害を最小限に抑えるべく、消費者、地域住民などに対してコミュニケーションをはかります。多くの場合、メディアを通して謝罪会見を行ったり、詳細の情報を開示したりというかたちで行われます。

リスク発生前に行うのがリスクコミュニケーション、発生後に行うのがクライシスコミュニケーションと、両者には大きな違いがあります。

リスクコミュニケーションを行う手順を紹介

では、リスクコミュニケーションを行いたい場合、企業はどのようなステップを踏めばいいのでしょうか。手順に沿って紹介していきます。

リスクを把握する

まずは、企業が抱えているリスクを把握しましょう。そして、そのリスクが実際に起こる可能性はどれだけあるのか、起こってしまった場合、危険性はどのくらい高いのか、影響はどの範囲まで及ぶのかを確認していきます。また、リスクへの対策として何が考えられるのかを、優先順位を決めながら洗い出していきましょう。

リスクを利害関係者に伝える

リスクが明確になったら、次に利害関係者への通知を行います。この際、利害関係者へのアンケートを行うなどして、抱いている不安を把握していくことがおすすめです。不安を把握することで、何かトラブルがあった際に、いち早く意思疎通をはかり、連携をとることができるでしょう。

社員それぞれがリスクを理解し、関係者が抱いている不安を知ることで、危機すらチャンスに変えていける強い組織になれるのです。

意見交換によるリスクコミュニケーション

リスクの伝達を終えたら、そのリスクについて、企業とステークホルダーの間で意見を交換する場を設けましょう。リスクコミュニケーションは、企業側の一方的な発信になってしまうことがよくありますが、受け手の不安や意見に耳を傾けて、双方向のやりとりにしていくことが成功への鍵です。

コミュニケーションの場は、一時的にではなく、継続してセッティングするようにします。コミュニケーションを取り続けることで、企業とステークホルダーの信頼関係を築いていくことも、リスクコミュニケーションの目的であるためです。

リスクとチャンスは表裏一体

リスクコミュニケーションをして、それでも困難にぶつかってしまったら、トップが社員に対して 的確なメッセージを発信し、一丸となって事態に対処すれば、危機的状況もチャンスへ変えていけます。

そのためには、「今何がどうなっているのか」を各々の社員が正確に把握していることが大切です。社内での情報伝達は正確さや、スピードが問われることになるため、有事の際のために、社内SNSなどのコミュニケーションインフラをあらかじめ整えておくといいでしょう。 ただし、社内SNSを導入しても、コラボレーションが起きないケースがあるのも現実です。たとえば、従業員が上司や同僚と「できるだけ話したくない」という感情がある場合には、便利なツールを導入してもコミュニケーションが深まることはないでしょう。イントラや社内SNSを取り入れようと、情報をオープンにできる組織風土・多少の失敗やマイナスな情報を許容できるという社内の雰囲気がない限り、コラボレーションは起きません。それどころか、リスクや事故が起きても正しく発信されることはなく、現場でもみ消されてしまうことがあるかもしれません。

リスクをチャンスに変えるためには、円滑なコミュニケーションが行える良好な関係性が大切です。コミュニケーションツールを導入して場を整えることと同時に、まずは現場の情報をオープンにできる組織風土を作ること、そして失敗やマイナスの情報を受け入れる職場を作っていくことが必要です。

まとめ

リスクコミュニケーションは、起こり得るリスクについて事前に伝達することで、トラブルを防いだり理解を得たりする活動です。一方的に情報を伝達するのではなく、対話のように意見を交わしながら理解を求めることが、成功の鍵となります。リスクコミュニケーションがうまくいけば、企業の信頼性を向上させることもできるでしょう。

それでもリスクが実際に起こってしまった際、いち早く危機から脱却するためには、社内コミュニケーションが活発であることが大切です。日頃からコミュニケーションを活発化させ、良好な職場環境・人間関係を構築していくように意識するといいでしょう。企業内のコミュニケーションに関してお悩みがある場合は、ぜひソフィアまでお気軽にお問い合わせください。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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