研修の費用対効果とは?測定・評価の仕方と費用対効果を上げる方法

従業員のスキルアップを支えるために、多くの企業は研修を実施しています。研修は準備も含め、多くの労力や時間、その他さまざまなコストがかかるものです。だからこそ企業は、研修によってどれだけの効果が得られたのかを把握する必要があります。
そこでこの記事では、研修の「費用対効果」について解説します。どのように測定・評価すればいいのか、費用対効果を最大化するにはどのようなことに気をつければいいのかを説明します。

「研修の効果」とは?

まずは、そもそも研修の効果とはどのようなものなのか、定義づけから始めます。何をもって効果が出たと判断するか、基準を定めることが、費用対効果を測定するうえでの前提となります。
判断の基準や、判断が下せるまでにかかる期間は研修の種類によって異なるので、詳しくチェックしていきましょう。

研修効果の測定は非常に難しく、実態としてはできていない

最初に確認しておきたいのは、研修効果があるのかないのかを判断するのは、とても難しいということです。研修直後にアンケートを行ったり、テストで学習内容の定着を確認したりすることは手法としては簡単ですが、本当の効果を測定できるとは限りません。

研修効果の測定は、研修を受けた従業員が実際に職場でどうパフォーマンスを見せるのか、一人ひとりの働きぶりを一定期間チェックしなければ結論が出ないものです。ドナルド・L・カークパトリックによって提案された、カークパトリックの研修評価モデルでは、研修の成果を4つのレベルに分けて評価します。

レベル1:受講者アンケート

レベル2:事後テスト・レポート

レベル3:行動チェックリスト

レベル4:ROI指標

レベル3は、研修を受けた参加者が学んだ知識やスキルを実際の業務にどの程度適用しているかを評価するものです。レベル4は、組織レベルでの業績改善や結果の評価を行います。実際の研修では、レベル1とレベル2までの評価が主に行われ、レベル3以降の研修効果の評価はできていないのが現状です。

パフォーマンスは必ずしも簡単に数値化できるものではありません。とくに研修内容によっては、従業員の業務への姿勢や貢献意欲に働きかけるものもあり、変化が目には見えるかたちでは現れないこともあるでしょう。

ただし、どの研修においても言えることは、研修効果の軸は研修を受けた本人がいかに普段の業務で研修内容を意識しているか、また、それを行動に反映できているのかという点に置かます。

ジェームズ・カークパトリック氏は、カークパトリックの研修評価モデルの発展に取り組んでおり、レベル3とレベル4の設計と評価に特に注力しています。世界的にも、レベル3とレベル4を如何に設計するか、ということが重要視され始めているのです。

研修の効果を知るためには「目的の設定」が重要

研修の効果を測定することの難しさについては前述の通りです。しかし、研修という投資にどれだけのメリットがあったのかを測らずに放置するのは賢明ではありません。そこで大事にしたいのは、研修を開催する場合、事前に「何をもって成果とするか」という目標を明確にしておくことです。

成果とは言い換えれば、「目標の達成度」となります。「目標」が不明確では、成果に対する判断も漠然としてしまいます。前提として目標を明確にしておくことで、達成したかどうかという細かい判断が可能になり、研修の効果を評価できるようになるのです。

目的に基づいて指標を設計する際、明確な目的が業績改善や行動変容など具体的な結果を目指す場合、カークパトリックの研修評価モデルのレベル1からレベル4までの評価が適切です。しかし、福利厚生や階層教育、年次研修のような要素が強く、啓蒙やモラルに関する教育の場合、レベル1とレベル2の評価が主な目標となるため、費用対効果の測定を疎かにすることもあります。

しかし、これらの教育において、目的型の教育として成果を求める場合、効果測定や成果の設計が重要です。効果測定自体が難しい中で、現場の問題に近い内容をフォーカスする必要があります。

研修の効果が現れるまでの時間と場

学習や研修の効果を実感するためには、学んだ知識やスキルを実際の業務や環境で活用する機会が必要です。研修後の職場での実践期間を設けることは一般的ですが、単に時間を掛けるだけでは効果は得られません。また、学習の効果が完全に現れるまでには、5年から10年の期間が必要とされることは基本的にはありません。長期的な成果を期待する場合でも、その間には学習の効果が段階的に現れることが一般的です。

学習や研修の効果を最大限に引き出すためには、学んだ知識やスキルを実践する機会や環境を整える必要があります。時間だけでなく、実際の業務に結び付けることや環境の整備、上司や組織のサポートが重要な要素です。

研修運用業務の削減

企業における階層研修などの運用は非常に煩雑で業務が多く、新しい研修を企画立案する時間がないという問題を抱えているケースがあります。このため、新しい研修を企画するために必要な、人材ニーズの把握や要件定義、ベンダー選定などの作業を、現場業務と並行して進めることは、非常に困難です。このような作業を進めると、責任者は不安定な気持ちに陥り、業務に対して意欲を喪失することもあるかもしれません。これは、人材育成において大きな問題となります。

また、研修の企画や設計には多大な時間と労力が必要とされ、その中でも費用対効果の高い研修を実施するためには、より多くの時間とリソースを確保する必要があります。従来の方法に捕らわれず、ITシステムを活用することで、データの蓄積や分析により研修の効果測定を行い、改善点を洗い出すことが可能となり、改善や改変のサイクルが産まれます。

全ての研修プログラムに費用対効果を、見出すことは困難でありつつも、いくつかの研修プログラムは、費用対効果を出すような創意工夫がなければ、価値は提供できません

研修費用対効果を計算するための指標

研修の費用対効果を測定するときに使用される考え方について、知っておきましょう。多くの場合、費用対効果の測定には柳モデル(エーザイモデル)が活用できます。柳モデルは、「柳モデル」と「エーザイの重回帰分析」(柳 2021)を公開して、国内外の機関投資家から高い評価を得ています。

【柳モデルの回帰式(エーザイの人財計算式)】

パネルデータ重回帰分析(対数変換):
ln(PBRci)=α+β1・ln(ROEci)+β2・ln(ESG KPIc(i-t))+μc(i-t)

参考:「柳モデルの重回帰分析:エーザイの事例」

研修のコース単位の費用対効果を計算する際、行動変容が予想されることで、その結果としての業績や収益向上を考慮します。研修は一種の投資であり、継続的な努力が必要となることを前提に設計されます。
たとえば、営業の研修では、販売スキルの向上や顧客対応力の強化によって、営業成績の向上や売上増加につながることが期待されます。このような目標を達成するために、研修コースは具体的
な内容やトレーニング方法が設計されるのです。

重要なのは、研修の設計段階で費用対効果を考慮し、行動変容が業績や収益にどのように寄与するかを予測することです。設計上、研修コースは目標の達成をサポートするために具体的なスキルや知識を提供し、参加者の行動やパフォーマンスの改善を促すように設計します。

研修において事業課題を出発点にすれば、費用対効果を出せる

研修の費用対効果を示すためには、研修の目的をあらかじめ設定しておくことが重要であるということは前述のとおりです。どのような点を目的に据えるべきか迷った際は、企業が抱えている事業課題や現場課題に立ち返るようにするといいでしょう。事業課題や現場課題が出発点になっていなければ、費用対効果を示すことは困難であるためです。

つまり、研修の効果や行動変容が結果として業績や収益にどのように影響するかは、多くの要素や環境要因によって異なります。そのため、中長期においては、研修投資対効果は研究段階となるのです。

短期的な視点や事業部・部門レベルでは、より具体的な目標や指標に基づいた費用対効果のある研修や設計が可能です。曖昧模糊とした能力開発目標ではなく、短期的で現場の具体的な課題を絞って解像度の高い人材要件を設計しましょう

企業を取りまくさまざまな状況の変化

研修の効果について語る前に、人材育成についての認識を深めておきましょう。注目したいのは、昨今、人材育成を計画通りに進めることが大変困難になっている点です。背景には、大きくわけて2つの要素があると言えます。

世の中の変化が早くなっている

1つは、世の中の変化の速さです。人材育成は企業にとっては言わば投資のようなものです。その性質からすぐに効果が出るものではないため、中長期的視点で計画・設計するべきと言われます。従来であれば、数十年という長期スパンで設計することもありましたが、今では不可能になりつつあると言えます。というのも、中長期的にこれからの世の中で起こることを正しく予測すること自体が無謀といえるためです。このたった10年で、グローバル化が大幅に進み、デジタル化が加速したうえ、多様性、サスティナブルへの配慮など、世の中が企業に求める新しい要素が出現しました。企業のとるべき戦略は大幅に変化しています。

業務を遂行するにあたって必要なスキルも、同様に変わっています。たとえば1980年代入社した人は、PCで仕事をしたことがない人が大半でしょう。企画開発も紙ベースで行われていましたし、製品設計におけるCADなども存在せず、紙で図面を描いていたはずです。

しかし、今やテクニカル面の知識は多くの企業で少なからず求められます。製品を扱う仕事であれば、製品データや設計データを扱い、マーケティングに連携されるのが主流です。ビジネスの軸自体がそこまで変わっていないという業界であっても、業務単位でフォーカスすれば、どの業界も変化を経験していると言えます

このようにいくら綿密に中長期的な人材育成計画を立てても、現代においては前提が変わってしまうので、計画そのものにほころびが出てくる可能性が高いのです。

雇用環境が変化している

2つ目の要素は、雇用環境の変化です。昨今の日本では終身雇用制度が弱まり、若年層を中心に、転職して自分のキャリアを切り拓いていくことが当たり前となりつつあります。まだ欧米や中国のように、ジョブホッピングしながらキャリアを積んでいくというところまで変化はしていないものの、状況はかなり変わりました。従来の日本の就職は言わば「就社」を意味していましたが、本質的に「就職」と言えるようなかたちになってきています。このような世の中では、人材育成の計画を立てるのは困難であるといえます。どれだけ投資して育成しても、退職してしまう可能性が高くなっており、人材育成計画も、退職によって意味をなさなくなるケースがあるためです。

人的資源開示

「有価証券報告書」を発行している大手企業において現在は、人的資源の開示が求められています。人的資源は、人材を企業資本とするという考え方を表しています。

人的資源開示において重要なのは、従業員がどのようなスキルを持っているか、さらに現在抱えている課題に対処するには、どのようなスキルを身に付けるべきかという点です。課題を洗い出すためには、企業の抱える事業課題から考えることが大切です。事業課題に基づいて、どんなトレーニングを行なうべきかを考えなければ、開示の意味も薄くなってしまいます。

闇雲にトレーニングや開示を行っても、それにかかった費用分の効果は期待できず、費用対効果が低下することになるでしょう。従業員がより生産的に働ける環境を作れば、トレーニングや開示にかかった費用は効果的に回収できるようになります。

研修の費用対効果を明確にするHRBPという視点

HRBPは、「Human Resource Business Partner」の頭文字をとった言葉です。日本の企業で一般的となっている「事業部人事」とは異なる概念です。「事業部人事」は、事務的な人事業務を中心に行ったり、様々なサポートを行ったりする役割を担います。一方、HRBPの目的は、人事という仕事を通じて事業にインパクトを与えることです。現代の複雑化する環境を見極めながら、企業活動を人事面から最適化する役割を果たします。

日本企業の人事は多くの場合、長期的な人材戦略や研修体系に重点を置いています。しかし、理論上は正しいとしても、スキル面で一気に人材全体を押し上げるのは困難です。そこで重要となるのが、HRBPのように各部署の現場と緊密に連携し、現場主導で関わる姿勢です。

HRBPは、現場と経営の間に立ち、現場からの課題感やニーズを経営層に伝えます。それと逆に、経営層からの指示などを現場にも伝えます。こうして両者の意見を調整しながら、現実的で効果的な人事戦略を作り上げます。具体的には次のような業務を手掛けます。

  1. 事業推進に必要な人材要件(経験・スキル・人員数など)の定義
  2. 自社組織内の人材データの把握・整理
  3. 事業推進に必要な知識・スキルの研修の企画
  4. 不足している人材の採用の検討・企画
  5. 評価制度の検討・企画
  6. 労務管理の検討・企画

つまり、HRBPは短期的な人財の問題が要因とされている事業課題に対応でき、なおかつその意思決定は、CHOの直下で即断即決できます。「人材の成長」というと、長期的な投資という意味合いがありますが、現場視点で課題に取り組むことで、短期的なメリットを追求することも可能です。一例として業績改善のために、社員のスキル向上を図るのか、それともスキルを持った人を業務委託するのかなど、柔軟な検討ができます。

研修の費用対効果を上げるための取り組み

ここでは、実際に研修の費用対効果を上げたいと思った場合に、どのような点に注意すればいいのかを紹介します。取り組むべきことや考えるべきことについて紹介するので、順を追ってチェックしてみてください。

事業やビジネスユニット単位で課題を要件定義する

細かい要件定義を行うと、実施する研修内容も具体的に考えられるようになります。目的に沿った充実した研修が実施できて、従業員のスキルアップにつながるでしょう。

さらに、細かい単位で考えることにより、企業は現場の従業員の声に耳を向けることができます。どのようなニーズが叫ばれているのかを知ったうえで必要なスキルや知識を導き出せるので、従業員の生産性向上に直結するような研修が行える確率もアップします。目的に合わせて企業のリソースを活用でき、費用対効果を最大化できるでしょう。

採用で解決するのか?育成で解決するのか?制度を変えるのか?

そもそも従業員を研修で育成する必要があるのか、根本から熟考するのも大切です。場合によっては研修ではなく従業員を採用することで、課題が解決されることもあるものです。

研修だけで全ての問題を解決することは難しい場合もあります。そのため、他の方法も検討する必要があります。組織の仕組みや業務負荷の見直し、適切な人材配置や異動、必要な場合は新たな人材の採用などが挙げられるでしょう

また、外部のベンダーとの連携も重要です。ベンダーは特定の専門知識やツールを持ち、人材開発や組織改善において支援を提供することができます。そのため、ベンダーとのパートナーシップを構築し、適切なサービスを活用することも一つの手段です。

課題解決を設計し、そのプロセス上の学習コンテンツを設計する

費用対効果の高い研修のための近道として、採用という観点で課題解決を設計し、それを研修に落とし込むという考え方があります。採用において必要となるスキルを列挙し、そのスキルを獲得するための学習コンテンツを作るのです。研修コンテンツを提供している会社やYouTubeなどを参考に、今一度課題に立ち返って整理してみましょう。効率的に理想の研修にたどり着けるかもしれません。

研修内容の設計

研修の内容を考える際におすすめなのが、企業内の課題の中から自ら問題を発見する研修です。売上減少時における問題解決、チーム・組織力が低下した時のコミュニケーション問題など、実際の自社の課題を研修のテーマに据えます。

このような参加型の学習方法をプロジェクトベースドラーニングと呼びます。実際の事例をもとに課題や状況を整理して、従業員が主体となって答えを導き出します。テキストを用いずに自ら学んでいく手法なので、実践的なスキルアップが目指せます。

また、プロジェクトベースドラーニングを行うにあたり、重要なのがラーナーエクスペリエンスの設計です。ラーナーエクスペリエンスは、「学習者体験デザイン」と訳することができ、研修内容の設計において学習者の経験を重視するアプローチです。このアプローチでは、学習者が積極的に関与し、意味のある学びを得るために、学習環境や教材の「場」の設定に注力します。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

研修プログラムの実施方法の検討

上記のような実践的な研修を行いたい場合、ロジカルシンキングやクリティカルシンキング、ラテラルシンキング、ディスカッションなど、基礎的な問題解決の思考が不可欠となります。

自主的に学んでいく研修になるとは言え、前提としてのスキル獲得を企業側で支援するべきでしょう。そのため、研修プログラムには工夫が必要です。実践的な研修を実施するためには、また、ベースとしてコミュニケーションスキルを身につけておくことも、効果的な研修のために必要です。プログラムとして体系立て、基礎体力を身につけてから実践的な学びの場を与えるようにデザインするのがおすすめです。




研修後のフォローアップ

研修後にいかにフォローできるかが、費用対効果を左右します。まず大事なのは、フィードバックの場です。どのような学びを得られたのか客観的に判断できるように支援することで、自分の状況がわかり、モチベーションアップにもなるでしょう。そして何より大切なのは、実践の場を用意することです。受講者自らが進んで実行するのを待つよりも、運営側が機会を提供するほうが確実です。ただし、うまく実践に移せるように、研修に対する上司や同僚の理解を促しておくことも忘れないようにしましょう。

課題解決はされたか、KPIは達成したかを振り返る

工夫を重ねて研修を完遂したら、実際にその研修が課題解決につながったのか、KPIは達成できたかを振り返って確認します。事前に決めていた課題と照らし合わせながら評価を行いましょう。評価の際には、項目をいくつか用意し、細かく分析するのがおすすめです。さらに一度の検証で終わるのではなく、定期的に評価を繰り返すのも効果的です。改善点が見つかれば、内容をブラッシュアップしていくことで、費用対効果の高い研修が実現していくでしょう

全社の研修の費用対効果は、個別にビジネスの費用対効果と考えるべき

研修の費用対効果を考える際には、どうしても混乱してしまいがちです。とくに全社に対して行っているような大規模な育成過程の効果は、測定が難しいものです。行き詰まった場合は、個別のビジネスとして捉えて費用対効果を洗い出すと良いでしょう。

複雑化した組織全体の階層教育や全体へのアプローチでは費用対効果は算定できない

特定の部署に対して研修を行った場合は、その部署の業務成果に効果が現れるので、比較的簡単に研修の費用対効果を把握できるでしょう。

しかし、研修を全社に対して行った場合には、話は複雑になります。業績や企業文化の変化のうち、一体どれだけの範囲が研修の影響なのかを割り出すメソッドはないためです。その場合は、部署単位の現場の人的課題を解決するなど、あらかじめ目標や戦略に基づいてカリキュラムを作り、個別のビジネスとして扱うといいでしょう

事業部や部署単位の現場の人的課題を解決した総和は全社の費用対効果

個別のビジネスとして割り出した費用対効果を集約して、全社の効果として見ていくことができます。もちろん間接的な効果もあるので、複数の視点からの評価も加えながら、策定していくといいでしょう。評価の際に困らないように、あらかじめ適切な指標やKPIを設定することが重要です。

費用対効果が上がる研修の成功事例

記事の最後に、実際にソフィアが支援した研修の事例を紹介します。研修の費用対効果を高めることに成功した事例を参考に、自社の研修に落とし込んでみてください。

株式会社NTTデータ

NTTデータ 社会基盤ソリューション事業本部は、中堅社員を対象に、ディスカッションを通して中期経営計画策定への提言を考えるワーキンググループ型のプログラムを実施しました。将来的なミドルマネージャーを育成するために、特定の課題に対処する能力だけでなく、抽象的な問題に早期でアプローチする能力を育てました。

具体的には、経営層が策定する「新中期経営計画」を30歳前半の中堅社員に真剣に考えてもらうチャレンジングな機会の提供です。最終的に、経営層にプレゼンさせ、本気でディスカッションさせるという内容になりました。経営マインドの向上やエンゲージメントの向上に役立つ研修となりました。

株式会社EPクロア

医薬品開発のさまざまなプロセスに関わる業務受託事業を展開しているEPクロアでは、コロナ禍を契機に階層別研修をオンライン化する取り組みがスタートしました。それに対してソフィアはラーニングエクスペリエンスデザインの手法を生かした研修の企画と、実施の支援を行いました。

従業員の「こうなりたい」を促すところから始め、「方法を学ぶ」「業務で使う」「できたという達成感を得る」という一連の体験をデザインし、受講生が主体的に取り組む仕掛けをつくることに成功しました。社内研修で能力が向上する人が増えると、研修やスキルアップに関する全社的な関心も向上し、組織全体のスキルアップへの道筋が見えてきます。

まとめ

企業は、研修によってどれだけの効果が得られたのかを把握する必要があります。シンプルに判断できないものだからこそ、あらかじめ何をもって効果が出たと判断するか、基準を定めることが大切です。場合によっては数年という時間をかけて算定するのが適切なケースもあるでしょう。

どのような点を目的に据えるべきか迷ったら、企業が抱えている事業課題に立ち返るのがおすすめです。記事内で紹介している成功事例も参考にしながら、効果的な研修を実施し、自社の実績を上げていきましょう。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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