コミュニティマネジメントとは?社内のコミュニケーションの管理と成長を担う役割とは

コミュニティマネジメントという概念をご存知でしょうか。これは、企業が社内・社外にコミュニティを作り、保ち、活性化させることで、企業のブランド価値を高め、人を企業につなげ、双方の成長に役立てようとするものです。

本記事ではこのコミュニティマネジメントを概説するとともに、実施する際のポイントについてもまとめ、ご紹介します。

コミュニティマネジメントとは

コミュニティマネジメントとは、その名のとおり「コミュニティ」を「マネジメント」しようとする取り組みを意味します。

コミュニティには、社外のコミュニティと社内のコミュニティとが存在し、さらにオフラインとオンラインのコミュニティとに分けられます。コミュニティマネジメントは国内でまだ一般的な概念ではないため、はっきりとした定義はありませんが、オンラインのコミュニティをマネジメントする意味合いが強いことが多いようです。

2019年ごろからアメリカでITやWeb関連の先進を行く企業によって定義づけられ、導入されています。

コミュニティマネジメントが生まれた背景

アメリカでは「コミュニティマネージャー」という職種が注目を集めるようになっています。コミュニケーションの手段にオンラインとオフラインとの垣根がなくなり、コミュニケーションを創出する場であるコミュニティを企業がマネジメントしようという動きが見られるようになってきました。その流れを受けて、日本でもコミュニティマネージャーを名乗る人材が少しずつ増え始めています。

なお、コミュニティマネジメントの概念はソーシャルメディアマネジメントと混同されることがあります。コミュニティマネジメントが扱う領域はソーシャルメディアマネジメントのように一部のコミュニティに限ったものでなく、企業が創出する、あるいは関わるコミュニティ全般を担当するという違いがあり、働き方も多様です。

コミュニティマネジメントの定義

現時点で主流となっているコミュニティマネジメントの定義は、「企業のブランドや提供価値を中心として、それに対する社内外のファンの集合体(=コミュニティ)を企業が創出・維持・活性化すること」です。コミュニティマネジメントは前述の理由でソーシャルメディアマーケティングとは異なります。

コミュニティマネジメントで得られる効果

それでは、なぜここにきてコミュニティマネジメントが注目を集めるようになったのでしょうか。コミュニティマネジメントを導入することによって企業が得られる3つの効果について解説します。

ブランドに対する愛着・忠誠心の向上

社外のコミュニティに対しては、発信するブランドメッセージの最適化や、顧客の購買や口コミといったリアクションを企業の商品やサービスに反映することでつながりを深め、顧客のブランドへの愛着(エンゲージメント)を高められます。

また、コミュニティマネジメントによって、社員によるサービスのクオリティを高める効果が期待できます。対外的に発信する自社のブランドの意義や目的を社内にもしっかりと伝えることで、社員自身が自分の会社を好きになったり、自社の製品やサービスを良いものだと感じるようになります。こうした社内コミュニティへのブランドイメージの浸透と共感醸成の結果、ブランドイメージに基づいたより高い品質のサービスの提供がのぞめます。また、ブランドへの愛着を通じて自社へのエンゲージメントが向上し、テンション・離職予防の効果も期待できます。

コミュニティから生まれる着想

コミュニティマネジメントでは、コミュニティの声を聞き取り、企業に還元していく活動も担います。

社外のコミュニティからは、ユーザー目線でのフィードバックを得られます。企業目線では見つけられなかったニーズを発掘できる可能性があるかもしれません。社内のコミュニティも同様で、もっともユーザーに近い現場の声を聞くことで、サービスやその運用方法の改善につながる前向きな意見を得ることもできます。

これらの声は企業において、新たな着想となるでしょう。

問題の検出

コミュニティから発せられる反応は、残念ながらポジティブなものに限られません。社外のそれは放置しておくとクレームや顧客離れにつながり、社内ではコミュニケーション不全、そして離職へとつながりうるものです。

ここでコミュニティマネジメントが機能することで、こうした最悪の事態を回避するための迅速な対応を先んじて行えます。

コミュニティマネジメント実施のポイント

コミュニティマネジメントを実施する際、具体的にどのようなことに気をつけておくべきなのでしょうか。ここでは3つのポイントを解説します。

場の提供

まずはなにより、コミュニケーションが生まれる場であるコミュニティを提供する必要があります。

一昔前のコミュニケーション手段はオフラインが主でしたが、最近はSNSの活用がどの企業でもほぼスタンダードであり、O2O(Online to Offline)といったオンラインからオフラインへとつなげるコミュニケーションも普及しています。

これは社外だけでなく社内においても同様で、社内SNSやリアルイベントへの誘導といったものが該当するでしょう。

つながりの提供

コミュニケーションを促進するものは「つながり」です。ブログとほぼ同時期にスタートしたSNSが広く普及することとなった要素の1つに「フォロー」という機能があるように、つながりはコミュニケーションを広く、ときには深くさせます。

コミュニティマネジメントでは、場を提供するとともに、場をプロモーションすることで、多くの人が参加し、かつそこでなんらかのアクションを起こすよう、さまざまな仕組みを作っていきます。

盛り上がりのメンテナンス

コミュニケーションを長期的に持続させるためには、「起爆剤」となる要素も必要です。そこで、定期的にイベントを開催するなど企業がコミュニティに介入することによって、コミュニティの活性レベルを維持していきます。

また、こうした施策によってコミュニティがどの程度活性化しているのかを把握する「効果測定」も行いましょう。SNSであれば投稿数やリアクション数、アクセス数など、KPI(重要業績評価指標)を決めておき、数値を監視しながら介入していくことも重要です。

コミュニティマネジメントの成功事例

日本でもすでにコミュニティマネジメントを実施している企業が何社も存在し、しかも目に見える成果を上げています。今回はコミュニティマネジメントに成功した企業事例を3つご紹介します。

ヤマハ

ヤマハがコミュニティマネジメントを行った目的は、「ブランドを若手に継承すること」「社員のエンゲージメントを高めること」でした。社員の感情や情緒を大切にし、会社全体の雰囲気に関わる社内の「いい雰囲気」づくりのため、コミュニケーションツールである社内報を刷新しています。

社員の仕事から生み出される価値を捉え直して「社員の気配を感じられる、血の通ったコンテンツをつくる」計画は見事に成功し、2018年の社内報閲読率は84.8%にも上ったといいます。

オリンパス

オリンパス株式会社でも、インターナルコミュニケーションを変革することを目的に、100周年を機に社内報のリニューアルを実施しました。

オリンパスの課題は、社員の問題意識向上、考える場所の創出、そして最終的にはオリンパスのファンを社内に作ることでした。そのために用いたツールは、1957年に創刊された歴史ある社内報です。

創刊以来一度も編集方針が定められたことがなかったという社内報ですが、リニューアルプロジェクトにおいては編集方針をしっかりと定め、ターゲットを明確にし、エンターテイメントの要素も記事に含めました。コンテンツには社員の意見もアンケートで取り入れ、メモリアルイヤーを飾るにふさわしい社内報を発刊することができました。

エンジャパン「ensoku!」

エンジャパンの社内報「ensoku!(エンソク)」は、オウンドメディアとして社外の人でも読めるようになっています。

参照:https://www.en-soku.com/

エンジャパンというブランドを中心に、社内報というメディアを通じて社内外のコミュニケーションの場を創出し、人材を主体に企業が外向きであり内向きでもあるメッセージを発信する好例といえるでしょう。

まとめ

コミュニティマネジメントは、これからの人材マネジメントにも必要となってくる、人のスキルや経験ではなく、人格や心の動きといったソフト面をマネジメントするものです。企業が顧客に選ばれ、社員からも選ばれる組織になるためには不可欠なマネジメント手法の1つであるといえるでしょう。ソフィアではコミュニティマネジメント実施の支援を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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