「会議は踊る、されど進まず」効率的に会議を進めるための方法とポイント!

会議で物事がうまく決まらないといった状況は、大企業であっても珍しいことではありません。実際に、多くの企業が効率的に会議を進めるためにはどうすればいいのか、その運営方針に頭を抱えています。また、会議の決定事項がその後運用されないケースも少なくありません。

そこで、この記事では「会議は踊る、されど進まず」という言葉とその背景を紹介し、効率的に会議を進めるための段取りや工夫について解説いたします。

 「会議は踊る、されど進まず」とは?

まず、有名なフレーズ「会議は踊る、されど進まず」のルーツについて解説します。歴史を学ぶことで、目の前の会議運営に活かしましょう。

「会議は踊る、されど進まず」の意味

「会議は踊る、されど進まず」とは、会議がうまく進まないことを揶揄した、有名なフレーズの1つです。

1814年から始まったウィーン会議において、リーニュ侯爵シャルル・ジョゼフが発した言葉、「Le congrès danse beaucoup, mais il ne marche pas(会議は大いに踊れど、先に進まず)」が元になっています。

「会議は踊る、されど進まず」の背景

次に、「会議は踊る、されど進まず」という言葉が生まれた背景について説明します。

ウィーン会議は、1814年~1815年にかけて、オーストリアの首都ウィーンで開催された国際会議です。会議の主催国であるオーストリアは、参加国の代表同士の親睦を深めて会議をスムーズに進めようと、舞踏会や宴会を開きました。

しかし、舞踏会は大盛り上がりをみせる一方で、本来の主旨である「話し合い」はまったく進みませんでした。このような状態を揶揄して、ウィーン会議は「会議は踊る、されど進まず」という言葉で表現されたのです。 

ウィーン会議の参加国間には領土問題など、簡単には解決が難しく、かつ激しい利害の対立が存在しました。そのため、オーストリアは国同士の関係性をより良いものにしようと工夫を凝らしましたが、このような強い対立関係にある“ステークホルダー”の間では、親睦を深めることが必ずしもスムーズな会議運営には直結しなかったのです。

こうした歴史は、現代に生きる私たちにとっても、会議運営に関する教訓を与えてくれます。スムーズな会議運営には、参加者の親睦を深めること以外にも、さまざまな準備や工夫が必要だということがわかるでしょう。

会議前の事前準備のポイント

効率的に会議を進めるためには、適切な事前準備が必要です。ここからは、会議前の事前準備の手法を解説します。

事前共有

会議に際して、事前に会議の参加者と情報共有を行いましょう。

事前に参加者と情報を共有し、理解を深めたうえで議論に入ると、会議中の情報共有の時間を削減することができます。また、情報を事前に共有することで、参加者間の誤解や認識のずれを解消し、その後に起こるリスクを避けることにもつながります。

参加者を厳選する

会議への参加者は、必要な人員を厳選するようにしましょう。

議題にあまり関係がなく、意見を出さない人が大勢いる会議では、「発言しなくてもいい」という空気が形成されてしまいます。議題に直接関係のある人のみを厳選して会議に呼ぶことで、「自身が話さなければ会議が進まない」といった当事者意識が生まれやすくなり、スムーズな話し合いが可能になるでしょう。 

ただし、参加者の選び方が極端に偏ると、会議で必要な論点をすべてカバーできなかったり、会議の結果が机上の空論になったりする可能性もあります。会議の目的とゴールに沿って、参加者選びを行いましょう。

ルールを決めておく

事前に会議のルールを決めて、参加者全員と共有しておきましょう。

「むやみに相手を非難しない」「必ず全員が一度は発言する」など、発言のルールを決めておくことで、スムーズな会議進行が可能となります。会議のルールを決めておくことは、参加者全員の会議に臨む姿勢を統一し、会議を通して社員のモチベーションを高めていくためにも重要な要素です。

その会議を実施することで自社はどのような成果を望んでいるのか、その成果に向かうためには会議にどのような要素が必要なのかを考え、それらの要素をルールとして組み込んでいきましょう。

会議の目的とゴールを共有

会議の概要だけでなく、事前に会議の目的とゴールを共有しておくことが非常に重要です。

会議の冒頭で会議の目的やゴールを伝えるなど、事前に共有していないと、参加者が目的意識を持って会議に参加できなくなります。

そもそも、会議を通じた対話とは、コンフリクトを避けるためや意見の一致を図るためなどに行われます。しかし、一番対立の大きな問題点や利害関係に関しては、言葉にされない、話されない、ということが多いのです。また、日本の社会は「和を持って尊しとなす」という文化があるため、明確な議論を避ける傾向にあります。

重要な論点を事前に明確にしておくことで、狙った議題が話されずに終わるといった失敗を避けることができるでしょう。

会議進まない理由

事前準備は非常に大切ですが、しっかりと準備をしても、会議が必ずしもうまくいくとは限りません。ここからは、会議がうまく進まない理由と、対処方法を解説します。

対話だけでは会議は進まない

真の対話とは、相手の立場や背景、考え方や価値観をすり合わせ、双方が理解を深めるということです。宴会を通じて親睦を深めるような、表層的な話ではありません。双方が理解を深める対話が、組織には必要とされています。

しかし、対話だけでは会議は進みません。ときには衝突も辞さない覚悟で、会議を進めましょう。

相手の気持ちを汲み取った上で議論を進めたところで、利害関係は必ずしも解決しません。人間関係が良好な組織であるほど、関係が壊れることを恐れて、本質的な議論が行えないケースも多いです。会議自体は気持ちよく終わることができても、次のアクションに移せなかったり、具体策をとれなかったりといった失敗に陥るリスクがあります。

多くの意見を出すために、ときには嫌われ力も必要です。コンフリクトを恐れずに、より積極的な議論環境を生み出しましょう。

コンフリクトから逃げない

組織の中でコンフリクトは避けられるものではありません。コンフリクトが発生した際には、粘り強くコミュニケーションを取り続ける必要があります。

何か物事を決めるときには、必ずメリットとデメリットが存在します。その決定によって、どうしても損する人と得する人が発生するものです。コンフリクトを避けてばかりいることは、物事を決めないということに等しいと言えるでしょう。

コンフリクトへの向き合い方としては、ときにはある程度の妥協が必要なこともあり、ときには曖昧なままにすることが最善策のこともあります。組織全体を見渡して、決定しましょう。

会議を効率的に進めるポイント

どうしても会議がうまく進まないときは、ファシリテーターという役割を設定しましょう。

ファシリテーターとは、集団で行う議論や活動をスムーズに進行し、成果につながるように舵取りをする人のことです。参加者全員に発言をうながし、中立的な立場からそれらをまとめ、結論へと導く支援を行います。

ファシリテーターは、議論してもらう時間、意見をまとめていく時間、決議する時間や方法などを管理することが求められます。事前にこれらのルールを共有し、合意を取りつつ行うことで会議をスムーズに進めることができるでしょう。 

まとめ

この記事では、「会議は踊る、されど進まず」の言葉の背景と、効率的な会議のために必要な段取りや工夫について紹介しました。

「会議は踊る、されど進まず」の言葉の元となったウィーン会議では、参加者の親睦を深める工夫が施されましたが、成果につながるような会議を行うことはできませんでした。効率的な会議の運営には、親睦を深めること以外にも適切な事前準備や工夫が必要です。

事前準備の段階では、情報共有や参加者の厳選、会議ルールの共有、目的設定やゴールの共有を行いましょう。そして、会議中には、コンフリクトを恐れずに、議論の本質に切り込む姿勢やファシリテーターの導入が重要だと言えます。

スムーズな会議運営や成果につながるような会議を行いたい場合は、ぜひソフィアにご相談ください。組織マネジメントを支援し、インターナルコミュニケーションに詳しい専門家が貴社をサポートいたします。

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