【調査結果付】SDGsを「自分ゴト」化する社内浸透の極意と成功事例
最終更新日:2026.02.13
目次
「SDGsの重要性は頭では理解しているが、現場の業務に追われてそれどころではない」「経営層の熱量と、現場の温度差が埋まらない」──。多くの大企業で、SDGs推進担当者や部門長がこのような「組織の分断」に頭を抱えています。
実際に、弊社ソフィアの調査では、自社の経営目標や戦略に心から「共感している」と回答した社員はわずか1割程度にとどまるという衝撃的な実態が明らかになりました。
SDGsを単なる「スローガン」や「やらされ仕事」で終わらせず、企業の持続的な成長(サステナビリティ)の駆動力とするためには、社員一人ひとりがそれを「自分ゴト」として捉え直し、日々の業務と接続するプロセスが不可欠です。本記事では、最新の調査データに基づく社内コミュニケーションの課題を紐解きながら、競合他社や先進企業の成功事例、そして心理学的アプローチを取り入れた実践的な社内浸透のメソッドを、網羅的に解説します。
社員にSDGsが浸透しない「1割の壁」とは
現在、世界ではSDGsに関する動きがめざましく、さまざまな新しいビジネスが創出されています。しかしその一方、「SDGsを社内でうまく浸透できない」「SDGsにどう取り組めばいいのかわからない」というSDGs推進担当者も少なくありません。
そうした悩みに対し、株式会社ソフィアサーキュラーデザイン(以下、ソフィアCD)のサステナブルブランドファシリテーター平林泰直が、SDGs経営に取り組む企業が陥りがちな「落とし穴」を解説。主に社内コミュニケーションの観点から、SDGsを推進していくために必要な考え方をご紹介します。
データが語る「戦略への共感不足」の実態
なぜ、経営層が発信するSDGsの重要性は現場に響かないのでしょうか。その背景には、組織コミュニケーションにおける深刻な「構造的なズレ」が存在しています。
弊社ソフィアの調査では、自社の経営目標や戦略に「共感している」と回答した社員は約1割にとどまることが判明しました。これは、企業のビジョンやSDGsの方針が、社員にとっては「対岸の火事」であり、自分の業務や人生とは無関係なものとして処理されていることを示唆しています。
多くの企業がこの状況を打破しようと、社内コミュニケーション活性化のために「1on1ミーティング」を導入しています。しかし、同調査の結果はさらに興味深いパラドックス(逆説)を示しました。「1on1は社内コミュニケーション促進施策の上位」にある一方で、「効果的でない施策」としても名前が挙がっているのです。
これは、単に「対話の頻度」を増やすだけでは不十分であり、その「質」や「文脈」が社員の腹落ちにつながっていないことを如実に物語っています。上司が部下に対し、業務の進捗確認(管理)ばかりを行い、その業務が「社会にどう貢献しているか」「会社の未来とどうつながるか」という意味付け(センスメイキング)を行えていない場合、1on1はむしろ「管理強化の場」として機能し、心理的な距離を広げてしまう可能性があるのではないでしょうか。
企業トップと社員の間に横たわる「溝」
「自社でもSDGsに取り組もう」と意気込んで始めたものの、「どのように取り組めばいいのかわからない」と、悩みを抱えるSDGs推進担当者は少なくありません。
ここ数年で耳にする機会が増えたものの、多くの人にとってSDGsは馴染みのない概念であり、公には目標しか明確に定められていないため、具体的に「どうしたらいいのか」ということは、それぞれの企業や団体など実行者に委ねられています。そのため、いざ実行しようと思っても「どうやったらいいの?」と悩むケースが多いのです。
企業のSDGs推進担当者の悩みを総合すると、SDGsを推進しようという企業トップや担当者と、企業の90%以上を占めるその他の社員の間で大きな「溝(キャズム)」が生まれている現状が見えてきます。とりわけ深刻なのは、「わが社もSDGsに取り組んでいく」とトップが宣言した際に社員から聞こえるこのような意見です。
「SDGsってCSRでしょ。それってCSR部門の仕事だよね。私たちには関係ない」
「SDGsを事業へ取り込むって? 何をしたらいいのかわからない」
「社会課題に取り組むことは大切だけど、儲からないよね」
社員の間からこれらの声が上がる原因を、私たちは、「『べき論』的なSDGsの推進が原因である」とみています。
この「べき論」による推進が、なぜ組織に不協和音を生むのでしょうか。次章ではその心理的メカニズムと、そこから脱却するための思考転換について詳しく解説します。
なぜ「べき論」での推進は失敗するのか
「面従腹背」を呼ぶ「べき論」的な推進から「自律的なSDGsの推進」へ
べき論とは、義務や理想ばかり強く主張すること。つまり、「SDGsを企業経営に取り込まなければならない」という目的意識ばかりが先行し、社員に具体的な理念が浸透していないために、一人ひとりが「自分ごと」としてSDGsを共感することができず、理念と現実に大きな乖離を感じているのです。
「今日からSDGsをやれ」とトップダウン方式で命令されても、社員にとっては、そのSDGsにどんな意義があり、将来的にどんな価値を生み出されるのかまったくわかりません。これでは「SDGsを通してどんなことを実現したいのか」と考えることよりも、むしろ「とにかく言われた通りにやること」となってしまい、面従腹背が起こってしまうのもやむをえません。
この「面従腹背」の状態は、組織行動学の観点からも非常に危険な兆候です。外発的動機づけ(命令や義務)のみで動く社員は、最低限のノルマをこなすことには長けていても、創造性を発揮したり、自ら進んで社会課題の解決策を探求したりすることはありません。SDGsが求めるイノベーションは、社員の内発的動機づけ(やりがい、楽しさ、意義の実感)からしか生まれないのです。
心理的安全性の欠如が招く「沈黙」
「べき論」が支配する組織では、「心理的安全性」も損なわれやすくなります。日経BPコンサルティングが実施した調査によれば、企業の社会的存在意義(パーパスやSDGs)が浸透している組織ほど、従業員の心理的安全性が高く、トラブル時でも前向きな議論ができるという相関関係が確認されています。
社会的存在意義が浸透していない組織(浸透なし層)では、「急なトラブルがあっても、前に進むためのディスカッションができる」と回答した割合がわずか33.3%にとどまりました。一方で、浸透している組織(浸透あり層)では73.7%に達しており、40ポイント以上の開きがあります。
SDGsのような正解のない複雑な課題に取り組むには、失敗を恐れずに意見を言い合える環境が不可欠です。「これをやらなければならない」という圧力だけが強い環境では、社員は「余計なことを言って責任を取りたくない」と沈黙を選び、結果としてSDGs推進は形骸化していきます。
「べき論的なSDGsの推進」ではなく、社員が一人ひとり共感して、主体的にSDGsを進めていくためには、いったい何が必要なのでしょうか。そのためにはまずSDGsを企業戦略や事業戦略と結びつけ、ビジネスの視点から社員へ浸透させることが大事です。
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SDGsを「自分ゴト」にするための思考フレームワーク
社員がSDGsを自分事として捉えるためには、既存の業務の延長線上ではなく、視点を転換するフレームワークが必要です。ここでは、競合他社や先進企業が取り入れている有効な概念を紹介し、どうすれば「やらされ仕事」を「やりがいのある仕事」に変えられるかを掘り下げます。
「アウトサイド・イン」アプローチへの転換
従来の日本企業の多くは、自社の持っている技術や製品から市場を考える「プロダクト・アウト(インサイド・アウト)」の発想が主流でした。しかし、SDGs推進においては「アウトサイド・イン」のアプローチが不可欠です。
インサイド・アウト(従来): 「我々の技術で何ができるか」「今の製品をどう売るか」を考える。
アウトサイド・イン(SDGs): 「解決すべき社会課題は何か(社会のニーズ)」を起点にし、そこから「自社がどう貢献できるか」「そのためにはどのような技術やビジネスモデルが必要か」をバックキャスティング(逆算)で考える。
JMACのコラムでも指摘されているように、SDGsは単なる改善活動の延長ではなく、社会・環境・経済の価値を統合する「Transforming(変革)」の機会です。
例えば、「食品メーカーだから食品を作る」のではなく、「世界の飢餓や健康問題を解決するために、自社の発酵技術をどう使えるか」と問い直すこと。この視点の転換こそが、新たなビジネスチャンスを生む源泉となります。
社員に対しても、「この製品を何個作れ」と指示するのではなく、「この社会課題を解決するために、君のチームの技術が必要だ」と伝えることで、業務に対する納得感と意義付けが大きく変わります。
「ジョブ・クラフティング」で業務を再定義する
もう一つ、現場社員の「自分ゴト化」に極めて有効な手法が「ジョブ・クラフティング」です。これは、イェール大学のエイミー・レズネスキー教授らが提唱した概念で、従業員が主体的に自らの仕事の「捉え方」や「進め方」を再定義し、やりがいのあるものへと作り変えるプロセスを指します。
ジョブ・クラフティングには以下の3つの要素があります。
作業クラフティング(Task Crafting)
業務の手順や範囲を工夫すること。
例: 単なる事務作業としてのデータ入力を、顧客の潜在ニーズを発見するための「マーケティング分析業務」として捉え直し、集計方法を工夫する。
人間関係クラフティング(Relational Crafting)
業務に関わる人との関わり方や質を変えること。
例: 営業担当者が、単に商品を売る相手としてではなく、共に業界の課題を解決する「パートナー」として顧客と接する。
認知クラフティング(Cognitive Crafting)
仕事の目的や意義を捉え直すこと。
例: ビル清掃のスタッフが、「床を掃除している」のではなく、「入居者が快適に働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境を作っている」と考える。
SDGsの浸透において特に重要なのが、3つ目の「認知クラフティング」です。
社員一人ひとりが、自分の担当業務(たとえそれがバックオフィスの定型業務であっても)を、「SDGsのゴール○○に貢献する活動である」と再定義すること。この「紐付け」が行われると、日々の業務は「会社から与えられたタスク」から「自分が社会に貢献するための手段」へと昇華されます。
研修やワークショップを通じて、社員自身に「自分の仕事は誰を幸せにしているか?」「どの社会課題解決につながっているか?」を考えさせ、自ら意味を見出させるプロセスが、内発的動機づけを高める鍵となるのではないでしょうか。
SDGsと事業戦略の正しい結びつけ方
思考のフレームワークを理解した上で、次はそれを企業の事業戦略としてどう構造化するかを考えます。ここで避けて通れないのが、CSRとSDGs(およびCSV)の明確な区別です。
SDGs≠CSR。SDGsは「事業を通じた社会課題の解決」
SDGsはよくCSRと混同されます。CSRとは「Corporate Social Responsibility」の頭文字で、直訳すれば「企業の社会的責任」のこと。簡単にいうと「自社の利益を追求するためには、経営として基本的な法令遵守、人権の保護、環境対応などの基盤をしっかりと行う」ということです。
CSRは、企業が事業を行うための土台となり、人権や平和、公正などをテーマとすることが多いため、社会的にも非常に意義のある活動です。しかしCSRは寄付的な活動(フィランソロピー)が多く、「寄付と事業は別物」と考えている社員が少なくないことも事実。そのためCSRと混同されがちなSDGsについても、「事業とは無関係のもの」「企業が行うボランティア」「利益が出た後にやる余裕のある活動」と誤解してしまっている人が多いのです。
また現在は、新しい経営モデルとして「CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)」が提唱されています。これは2011年、ハーバード大学経営大学院教授であるマイケル・ポーター氏が語ったもので、「社会課題を解決することによって、社会価値と経済価値の両方を創造していこう」というもの。CSRを基盤に事業と紐付けていくことでCSVが達成されるということです。CSVの考え方は、社会課題の解決を「コスト」ではなく「利益を生む機会」と捉える点で画期的でした。
SDGsについても同様。これもボランティアではなく、事業として成立させることで、社会価値と経済価値の創造をめざすものです。すなわち、SDGsは2030年に向けたCSVのゴールのひとつであり、すべての企業がSDGsを目指すことで、社会的にCSVが推進されていくのです。
まずは企業ビジョンをSDGs文脈で再解釈する
SDGsと事業がトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)ではなく、トレードオン(両立・相乗効果)の関係にあるということは、どういうことかというと、企業の存在そのものがSDGsの文脈で語ることができるということです。
たとえば以前、企業のSDGs推進担当者からこんな相談がありました。「企業としてSDGsを事業として取り組みたいと思っているのに経営者の理解が得られない、どうしたらいいか」というのです。
これに対し、ソフィアCDは「企業のミッションをもう一度読み直してみたらいかがですか」と答えました。多くの企業ミッションが「豊かな社会をつくる」「社会の公器である」と言っているからです。「豊かな社会とは何か」と突き詰めていくと、必然的にSDGsに行き着くはずです。
そうやって企業ミッションや創業理念をSDGsの文脈でとらえ直し、経営陣に腹落ちしてもらうことがSDGs経営の第一歩です。経営陣自身が「なぜ自社がSDGsに取り組むのか」を自社の言葉(創業の精神や企業理念)で語れるようになれば、それは社員にとっても「新しい流行り言葉」ではなく、「自分たちが大切にしてきたことの延長線上にあるもの」として受け入れられやすくなります。これは、心理学的な「一貫性の原理」にも叶ったアプローチです。
先進企業に学ぶ「自分ゴト化」の成功事例
他社の取り組みを知ることは、自社の施策を考える上で重要なヒントになります。ここでは大企業におけるSDGs浸透の具体例と、個人の生活者視点での事例を紹介します。
トヨタ自動車:現場の知恵と技術で社会貢献
日本を代表する企業であるトヨタ自動車は、SDGsを現場レベルまで落とし込むことに成功しています。特に注目すべきは、「からくり改善」などの現場の知恵を活用し、電気を使わずにCO2排出を削減する取り組みを工場内で約2,500件も実施している点です。
これはまさに、前述した「ジョブ・クラフティング(作業クラフティング・認知クラフティング)」が組織文化として根付いている好例です。現場の社員が「CO2削減は経営企画部の仕事」と捉えるのではなく、「自分たちの知恵で減らせるムダがある」と主体的に考え、実行しています。
また、「水素エンジン開発」などの技術革新や、「トヨタの森」による自然共生社会への貢献など、本業の技術力と資産を活かした活動を展開しており、これらが「アウトサイド・イン」の実践となっています。
ファーストリテイリング(ユニクロ):製品ライフサイクル全体への責任
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、「服のチカラ」を社会課題解決に結びつけています。「RE.UNIQLO」では、販売した服を回収し、リユース・リサイクルする循環型モデルを構築。また、ジーンズの加工工程で使用する水量を最大99%削減する「BLUE CYCLE JEANS」など、サプライチェーン全体での環境負荷低減に取り組んでいます。
これらの取り組みは、店舗スタッフにとっても「自分たちが売っている商品が環境に配慮されている」「この服を売ることがサステナブルな社会につながる」という誇り(エンゲージメント)につながります。販売員が顧客に商品の背景を語れるようになることは、最強のインターナルブランディングです。
Z会・日用消費財メーカー:個人の生活行動との接続
Z会グループのメディアでは、SDGsを「消費者・生活者としてできること」に落とし込んで発信しており、これは社員教育にも応用できる視点です。
例えば「食品ロス(フードロス)」の削減。日本では年間約464万トンもの食品ロスが発生していますが、これを減らすための行動として、スーパーで手前の商品から取る「てまえどり」や、エシカル消費(倫理的消費)を推奨しています。
社員も会社を一歩出れば一人の生活者です。「会社ではSDGsと言っているが、家では無頓着」という状態では、本当の意味での自分ゴト化はできていません。家庭でのゴミ分別、買い物の選択、マイボトルの利用といった身近な行動がSDGsに直結していると気づくことで、会社での業務に対する意識も、「コスト削減」から「資源保護」へと視座が変わっていきます。これは、公私の壁を超えた「認知クラフティング」の一種と言えるでしょう。
「面従腹背」を回避する社内コミュニケーション戦略
成功企業の事例を踏まえ、実際に自社でコミュニケーションを設計する際の具体的な戦略について解説します。
「面従腹背」を回避するSDGsの社内浸透
SDGsは比較的新しい概念であるため、認知度はまだ高いとはいえません。そのためSDGsの取り組みがいち早く進んでいるところもあれば、まったく手をつけていないところまでさまざまであり、進捗度合いは企業によって大きく異なります。
ソフィアCDでは先述したSDGコンパスに基づき、社員の行動変容を促すプログラムをいろいろとご用意しています。関連会社のソフィアは20年以上にわたって大手企業のビジョン浸透と組織変革を伴走型で支援しており、ソフィアCDもソフィアのノウハウとフレームワークをSDGコンパスのステップ1「SDGsを理解する」で最大限に活用しています。
経営との溝を作らずに、SDGsを事業経営に取り込むには
社員の感情や意識、行動を的確に捉え、綿密にステップをデザインしていくことが必要です。とはいえ、ソフィアCDにご相談にいらっしゃるSDGs推進担当者の方々のうち、現在直面している問題が明確であることは非常に少なく、ほとんどの方がぼやっとした状態です。私たちは、まずは徹底的にSDGs推進担当者の方々と会話し、その企業が抱えている問題点を浮き彫りにしていきます。
現状把握のために有効なのが、組織サーベイです。どの部署、どの階層で意識のギャップがあるのかを定量的に把握することで、打つべき施策の優先順位が見えてきます。
対話・教育・ツールの「三本柱」で攻める
弊社ソフィアの調査やコンサルティング現場での知見から、社内コミュニケーションを強化し、戦略への共感を高めるためには以下の「三本柱」のバランスが重要であることがわかっています。
対話(Dialogue)
一方的な通達ではなく、双方向のコミュニケーションを設計します。前述の通り、形だけの1on1は逆効果になることもあります。
タウンホールミーティング: 経営層が自らの言葉で「Why(なぜやるのか)」を語り、社員からの質問に直接答える場。
ワークショップ: 「2030 SDGs」などのカードゲームを用いた体験型研修は、「世界の動き」と「個人の行動」のつながりを体感できるため、「自分ゴト化」の導入として非常に効果的です。体験を通じて感情が動くことで、その後の座学や議論の吸収率が劇的に高まります。
教育(Education)
eラーニングや階層別研修を通じて、知識の底上げを行います。「知らないから関心がない」状態を脱し、共通言語を作ることが第一歩です。
eラーニング: 時間や場所を選ばず、全社員に基礎知識を行き渡らせるのに適しています。
階層別研修: 管理職には「SDGsとマネジメント」、新入社員には「SDGsとキャリア」など、ターゲットに合わせた文脈で教育を行います。
ツール(Tools)
社内報、イントラネット、社内SNSなどのメディア活用です。重要なのは「媒体選択」と「情報の鮮度」です。
社内報: 成功事例をストーリーとして伝え、社員のロールモデルを提示します。
社内SNS: 社員の小さなSDGsアクション(マイボトルの利用など)を投稿し合い、「いいね」で称賛し合う仕組みを作ることで、ポジティブな文化を醸成します。
SDGsの活動を推進する上でもうひとつ大事なのは
SDGsの活動を推進する上でもうひとつ大事なのは、企業のSDGs担当者は常に中立性を保つべき、ということです。前述のように、「SDGs経営を進めようとする側」と「その他大勢の社員」の間には大きな「溝」があることを決して忘れてはなりません。お互いの価値観や多様性を認めながら、少しずつSDGsに対する理解を促し、関心を高めていくことが必要です。
SDGsについて体感するカードゲームもありますから、そうしたものをみんなでプレイするのも良いでしょうし、SDGsに関する動画や映画を鑑賞し、みんなで気付きを共有することもお奨めします。「教える側」と「教わる側」という対立構造を作らず、共に学ぶ「ファシリテーター」としての立ち位置が、担当者には求められます。
まとめ
SDGsの推進は、単なる社会貢献活動でも、一部の部署だけの業務でもありません。それは企業の生存戦略そのものであり、未来への投資です。
「SDGsを事業に取り込むことは社会課題の解決につながるだけでなく、結果として新規事業を開発し、ブランド価値を拡大して、新たな投資を誘致し、優秀な人材確保につながるのだ」ということを焦らず、企業内で浸透させる。それには地道な努力と綿密なプランニングが必要です。そして、そうしたことができる企業こそ、これからの時代、多大な存在意義を発揮するサステナブルブランドと言えるでしょう。
「1割の共感」という現状を打破するためには、経営層からのトップダウン(パーパスの再定義)と、現場からのボトムアップ(ジョブ・クラフティングや対話)を融合させる必要があります。弊社ソフィアでは、インターナルコミュニケーション実態調査2024のデータに基づいた科学的なアプローチで、貴社のSDGs浸透と組織変革をご支援いたします。




