ファシリテーションとは?目的やメリット、実践的なファシリテーションの流れを解説!

ファシリテーションの目的やメリット、実践的な流れを解説

効率的な会議を行うために重要なのがファシリテーションです。ビジネスにおけるファシリテーションとは、会議や研修などの場をデザインして目的達成に導くことを言います。しかし、「会議を開いたものの、思ったよりも進まなかった」「納得いく結論が時間内に出なかった」という経験をしているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

本記事では、議論を目的達成に導く「ファシリテーション」という用語について、目的やメリットから実践に役立つ情報までを紹介します。会議の質を高めたいという場合にぜひチェックしてみてください。

ファシリテーションとは

ファシリテーションとは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。まずは、言葉の定義について詳しく解説します。

ファシリテーションの意味

ファシリテーションは、英語で「facilitation」と表記します。会社や学校、その他のコミュニティにおいて、中立の立場で関わり、円滑な活動を支援することを指しているのです。そしてファシリテーションの役割を担う人を「ファシリテーター」と呼びます。

ファシリテーションは、1960年代〜70年代にアメリカで開発されました。グループ活動を効率的に行うための手法として、ビジネスや教育の場で活用され定着しています。アメリカを飛び出し世界的にファシリテーションという言葉が認識されてきたのは、21世紀になってからです。

ファシリテーションの定義

ファシリテーションとは、グループやチームの活動を支援し、円滑に進行させるためのプロセスや手法のことを指します。ファシリテーターは、このプロセスを導く役割を果たし、参加者が効果的なコミュニケーションや協力を通じて目標達成に向けて協力するのを支援しなければなりません。

具体的には、ミーティングやワークショップのプロセスを設計し、目標やアジェンダを明確化したり、参加者同士のコミュニケーションを促進したり、意見交換や情報共有を支援します。ファシリテーションは、グループやチームの協力を最大限に引き出し、効果的な意思決定や問題解決を支援する重要なスキルです。そのため、異なる背景や視点を持つメンバーが協力する場でとくに役立ちます。

しかし、突き詰めれば、コミュニケーションは勘違いの連続となる場合があります。相手の理解を確認することは難しく、複数の参加者が関与する場合、コミュニケーションの整理が重要です。ファシリテーションは、不可能性を扱う役割であり、コミュニケーションのプロセスに介入して不確かな要素をより確かなものにします。ただし、ファシリテーターはコミュニケーションの当事者ではなく、不可能性を管理して効果的なコミュニケーションを支援する役割を持つということを理解しておきましょう。

ファシリテーションの目的

ファシリテーションの最大の目的は、会議などでメンバーの「腹落ち感」を醸成することです。会議を行う上で理想的な状態は、参加メンバー各々の知恵とやる気が引き出され、共同しながら積極的に課題に向き合うようになる状態です。

そのような状態を作るために、ファシリテーターはメンバーの「腹落ち」を生み出す必要があるのです。参加メンバーが前向きに課題解決に取り組み始めれば、専門性の高い議論や、多様性に富んだクリエイティブな議論が可能になります。このようにファシリテーションひとつで、グループの意思決定に大きな影響を与えます。

ここでは、以下の3つの観点でファシリテーションの目的を解説していきます。

  • 情報伝達と集約
  • 理解と共感の促進、関係構築
  • 合意形成と意思決定

情報共有や情報集約

会議やディスカッションの初期段階では、参加者が効果的にコミュニケーションするための前提や情報の共有を整えるためにファシリテーションが行われます。情報の共有と集約では、現場での情報のブレを最小限に抑えるためにファシリテーターが導入されます。また、複数の参加者が持つ情報を引き出し、議論や会議に必要な情報を明確にするため、言葉の定義や意味合いを整える役割も果たします。

ここで重要なのは、情報の定義や意味のずれを解消することです。参加者は議論やディスカッションの場で、言葉や非言語的なコミュニケーションを通じて交流します。人間は言葉に反応する生き物であり、発言者の意図に基づいて情報を受け取ります。そのため、情報の誤解や誤解釈はよく起こります。

こうした背景から、ファシリテーターはリアルタイムで行われる複数の参加者間のコミュニケーションのブレに注目しなければなりません。

理解共感促進や関係構築

本音と建て前の二重構造は、コミュニケーションの不可能性の根本的な原因です。この二重構造が存在しなくなることは基本的にありません。

とくに、会議やディスカッションにおいては、表面上の言葉や行動を基盤にして議論が行われます。しかし、実際には目に見えない相手の本音や感情、価値観が存在しているのです。ファシリテーターは、この点に注目する必要があります。質問や問いかけ、要約、共有、フィードバックなどの手法を用いて、見えない部分を言語化し共有する役割が求められます。

話し手や議論の雰囲気、規範に対する否定的な感情、議題の内容、参加者の個々の要因など、さまざまな要素によって、ネガティブな感情を引き起こす可能性があります。ファシリテーションは、そのような中で感情や価値観を目に見える形に変換し、言語化や問いかけをすることで、その感情を明確にする役割を担っています。

合意形成や意思決定

議論やディスカッションの目的は合意形成です。そのため、ファシリテーションの目的は究極的には合意形成となります。

しかし、全員が完全に納得できる着地点を見つけるのは難しく、ある程度の妥協が必要です。ただ、内容を十分に理解していない状態であっても、なんとなく良さそうだから合意してしまう「付和雷同」のケースが起こり得るため、注意が必要となります。ビジネスの制約下では、合理性と心理的な納得感というような、相反する要素が存在します。これがファシリテーションの焦点です。

十分な時間をかければ、問題設定や解決策、アイデアが浮かびあがる可能性もあります。加えて、関係性を向上させることもできます。しかしながら、ビジネス環境では、リソースや状況が限られているため、合理性と心理的な納得感の相克を制約の中で行うことが求められます。

では、ファシリテーションを行うためのスキルや能力はどのようなものがあるのでしょうか?

ファシリテーションに必要な能力とは?

ここまで、ファシリテーションの意味や重要性について解説しました。ここからは、ファシリテーション能力とは一体どのようなスキルなのか詳しく解説していきます。一般的にファシリテーションに必要な能力には以下のようなものがあります。

  • 設計力
  • 観察力
  • 「対人」・「対場」の感受能力
  • 論理的思考力
  • 問題解決力
  • 複数のコミュニケーション能力
  • タイムマネジメント能力
  • 介入と放任のバランス感覚
  • 専門性
  • 場をまとめる力

ファシリテーターには会議を運営する環境を設計する力も必要です。また、場の雰囲気や議論の流れを見極めて、ケースバイケースで柔軟に対応することが求められるため、参加者の様子、積極性、議論の進捗など正しく把握できる観察力も必要となるでしょう。その他にも、さまざまな意見を論理的に整理する能力や紛糾した議論を落ち着かせ、解決の糸口を提供して軌道修正するような場をまとめる力も必要となります。

ファシリテーションのスキルについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参照してください。

なぜ今ファシリテーションが注目されているのか?

ファシリテーションは、高度なテクニックです。しかし、会議の円滑な進行にファシリテーターは今や欠かせない存在と言っても過言ではありません。ここからは、ファシリテーションが注目されている理由について、いくつかの観点から分析します。

グローバル化による日本における経営の在り方の変化

日本には、長らく企業経営を支えてきた「3種の神器」があります。終身雇用制度、年功序列型賃金体系、そして企業内組合です。これらの固有の制度は、海外における企業の制度とは異なるもので、大きく差別化された機能です。

しかし、グローバル化が進む中で、日本的な経営が世界には通じないという壁にぶつかるようになりました。そこで多くの企業は従来のやり方を一部崩し、多様な感性を取り入れたり、実力主義を推進したりと変化を起こしてきました。結果、企業を構成するメンバーや企業姿勢が変わってきています。

これまでは、同じような価値観や属性の人同士で組織が構築されていたため、「阿吽の呼吸」でコミュニケーションを取れていたところが、グローバル化によって難しくなりました。結果、その場をまとめたり、活発な意見が飛び交う状態にするためには、ファシリテーターの存在が欠かせなくなったのです。

ビジネスの構造の複雑化・サイロ化

「VUCA(ブーカ)」とは、「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」の頭文字をとったワードです。個人やビジネス環境、市場、組織が変化を続け、将来の予測が困難である状況を意味する造語となります。

このような状況において、ビジネスはサイロ化しています。サイロ化とは、組織や情報がそれぞれ孤立していて、共有されていないことです。たとえば部門や部署間での連携が取れていない「組織のサイロ化」や、システム間の連携がされていない「システムのサイロ化」が挙げられます。サイロ化は言い換えれば、コミュニケーションが困難になっている状態と言えるでしょう。十分な連携が取れていないメンバーが集まる会議などでは、ファシリテーションのスキルが重要な役割を果たします。

多様性の中で相手との差異を埋めなければならない

昨今、多様性をいかに大切にするかが問われています。異なる文化や考え方、言語、価値観を持った人同士のやりとりが頻発し、多様な意見やアイデアが出てくるでしょう。

それらをうまくまとめて合意形成するためには、従来以上のスキルやエネルギーが必要です。意見が対立し、葛藤が生じることもあるでしょう。それらを価値あるアイデアに変換しながら意思決定をサポートするのが、ファシリテーターなのです。

チームや小集団が価値の源泉であり問題の源泉

昨今の企業ではアジャイル開発が求められています。スピーディーにシステムを作ることでより高次の課題解決を行うのが目的ですが、これはITやソフトウェアなどの変化の多い業界のみならず、既存事業を扱う部署などにおいても同じ傾向が見られます。迅速な意思決定を繰り返し、コミュニケーションを取り合いながら、変化の多い時代に対応していきます。

「大きなイノベーションも短期の小さなチームから生まれていく」という意識は、めまぐるしい変化の渦中にある現代で成功するために不可欠です。強固なチームワークを発揮することで、小集団から価値を生み出していく必要があります。そのプロセスをサポートするのがファシリテーションのスキルです。

ビジネスにおけるファシリテーションの役割とは?

ビジネスにおいてファシリテーターは、多様性や複雑性を調整する重要な役割を担っています。事業や人が異なる考えのもとで関わると、物事は進まずに破綻してしまう恐れがあります。そこをファシリテーターのスキルによって調整するのです。

具体的には、「共感できるテーマを据え置く」「うまくアイデアの共通性を見つける」「いずれかを説得してみせる」など、媒介者として行動します。ファシリテーターは、スムーズで活発な話し合いには欠かせない存在です。そのため、自社のメンバーからファシリテーターを決める他にも、外部のコンサルティング会社に依頼するケースもあります。

ビジネスにおけるファシリテーションについては、以下をご参照ください。

ファシリテーションとは介入と放任の境界地を行ったり来たりすること

議論への介入と放任のバランスも非常に重要です。ファシリテーターが議論に積極的に介入すると、会議の進行が参加者ではなくファシリテーターによって決まってしまい、参加者自身の結論への納得感が薄れてしまいます。逆に、完全に放任してしまうと、議論が盛り上がらず、ただの会話になる可能性があるうえ、対立が生じて参加者の関係性が悪化してしまうかもしれません。

このように、介入と放任のバランスは非常に難しいため、事前の準備が重要になります。たとえば、合意形成の段階を段階的に設けるなど、さまざまなシナリオに対応できる計画を立てることで、会議への介入と見守りをうまく両立させることが必要です。また、コミュニケーションが良好であれば、結論が出ていなくても議論の内容(「意見が言えたか」「納得したか」「有意義だったか」など、参加者の気持ちや感情について)を振り返ることで、会議の質は大いに上がるでしょう。参加者が腹落ちしている状態をつくり出すということは、実際には腹落ちしたという感覚を誘引しているかもしれません。参加者自身が決断したという納得感を持つことが重要なのです。

最終的には、ファシリテーターが必要なくても、参加者が自ら議論できる状況を作り上げることが、ファシリテーションの理想的な形です。

ファシリテーションのメリット

ファシリテーションは組織にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。詳しくチェックしていきます。

解像度の高い問題定義と問題解決

ファシリテーションがうまく行われていると、会議などで意見が活発に出るようになります。意見がでなくて会議が進まない、ぼんやりとした意見ばかりで議論が収束しないといった事態を回避できる可能性があります。会議の時間を効率よく使えるというメリットはもちろんのこと、専門性の高いメンバーと深い議論が繰り広げられるので、最終的な問題解決のレベルが高くなることに期待できます。

複雑で専門的な議論や多くの制約が存在する状況では、高いストレスがかかり、各個人の専門性が強力な葛藤を引き起こす危険性があります。逆に言えば、このような状況で適切なファシリテーションが行われることで、革新的で力強い議論が生まれ、イノベーティブでパワフルなアイディアが発展する環境が構築されることでしょう。

新しいアイデアが生まれる

ファシリテーションでは、さまざまな立場、考え、価値観を持った人が意見を交換します。他人の思考や発想に触れることで、新たなアイデアにたどり着くことも多いでしょう。専門性の高いメンバー同士の意見は、イノベーティブなアイデアに発展する可能性も期待できます。

ビジネスにおいてアイデアを生み出す場では、すべての参加者が当事者意識を持っています。しかし、とくに複雑で専門的な問題に取り組む場合、参加者はすでに多様なアイデアを実践した経験豊富な専門家です。このような状況で、本当に革新的なアイデアが生まれるのでしょうか。

斬新で異彩を放つアイデアを生み出すためには、問題や課題から一定の距離を置くことが必要です。たとえば「シックスハット」を活用し、無責任な第三者や批判者の役割を演じることで、新しい視点を意図的に創出します。斬新なアイデアや革新的な視点は、無責任な立場の人々から生まれることがあるのです。ここでファシリテーションが重要な役割を果たします。狭まった視野から一定の距離を保てることは、ファシリテーションにおける大きなメリットです。

ネクストアクションが明確になる

会議でいい結論が出ても、実際に行動に反映されるのが遅ければ、勢いを逃してしまいます。ファシリテーションでは、話し合いの結果導かれた結論に対して「次に誰が、何をどうするか」などのネクストアクションを明確にします。参加メンバーが結論に腹落ちしている状態で全体に共有されるため、確実に実行に移すことができます。

現代のビジネスにおいて、決定事項や合意形成は、本質的には仮説に過ぎないと言えます。合意形成の質を向上させるファシリテーションは重要ですが、同時にそのプロセスが仮説であるという軽やかさも保持することが重要です。実際には、合意形成を迅速に繰り返し、行動や実践の回数を増やす必要があります。

コミュニケーション能力が向上する

ファシリテーションでは、参加メンバーの意見を引き出し、対立する案が出てきた場合には丁寧に調整します。これにより、メンバーは高度なコミュニケーションを行うことができ、一人ひとりのコミュニケーション能力を高めるよいトレーニングにもなるでしょう。学習という意味でも、ファシリテーションがチームに大きく寄与するのです。

また、ファシリテーターを務める人は、とりわけ、コミュニケーション能力を磨きあげることができるのではないでしょうか。予測不能な事態にも対応しながら、広い視野でメンバーを巻き込んでいく行為は、通常のコミュニケーションスキル以上の技術を身につけさせます。

参加者自体のコミュニケーション能力が低い場合は、共に学習して進めましょう。とくに重要なのは振り返りです。ファシリテーションの中で、参加者同士がコミュニケーションの過程や結果を振り返ることが大切です。たとえば、「今回の結論に対する納得度」について約10分間振り返るだけでも非常に効果があります。このような小さなことの積み重ねが、コミュニケーション能力の向上につながります。

リーダーシップスキルが向上する

ファシリテーターを担う人はリーダーシップを向上させることもできるでしょう。会議の進行を調整するのにもリーダーシップは必要ですし、ときにファシリテーターは、参加者が目標をしっかり達成できるか、動き方についてサポートすることもあります。とくに職場やチーム内など、複雑性と多様性が存在する中で、リーダーや管理職はファシリテーション能力が重要です。外部の専門家に助けを求めることは、初期段階や議題の複雑性が高い場合に有効です。しかし、日々の会議にまで外部の専門家を参加させることは基本的には難しいでしょう。

リーダーシップスキルは、どのような職場でも重宝される基本的かつ重要なスキルです。ファシリテーションによってリーダーシップスキルを高めることができれば、会議以外の場面でもチームをまとめる活躍が期待できるでしょう。

リーダーシップについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

部門間、チーム間の葛藤処理

ファシリテーションは、対立する意見や価値観をうまく調整します。会議ではよく、異なるチームのリーダー同士が対立したり、葛藤を抱えたりするケースが見られます。このような葛藤をうまく処理し、踏み込んだ議論を可能にしてくれるのがファシリテーターの存在です。

とくに、ファシリテーターは中立的な立場を保ち、公平なプロセスを導く役割を果たします。これにより、異なる部門やチーム間での意見の対立が和らげられ、対話が促進されます。また、ファシリテーションによって、関係者は共通の目標や利益を明確に理解し、それに向けての協力を強化することができます。これにより、葛藤の要因が軽減される可能性があります。

合意できない、納得できないことを解決する手段がファシリテーション

会議の参加者全員、100%共感し理解し合うことなどありません。どのような場合でも、個人的な勘違いも含めて、納得できないことはあるものです。対立したときに、互いが理解しあっていて当然だと考えてしまうと、軋轢が生じます。そうではなく、合意できないことから新しい問いやアイデアが浮きあがって来ると考えれば、コミュニケーションはいっそう深まります。専門性も違えば、ビジネスにおける個人の価値観も、立場もそれぞれです。「部門が違うから」「知らない上司だから」と距離をとるのではなく、互いが真剣に向き合うことをファシリテーターは支えます。

ファシリテーション自体は、コミュニケーションの不可能性やジレンマに立ち向かうための機能であり、ジレンマを完全に解決することはできないことを示しています。しかしながら、ジレンマや不可能性に対峙し、受け入れていく姿勢やスタンスが重要です。コミュニケーションとファシリテーションは共通しており、デカルト以来考えることが存在の証明とされてきました。しかし、考えたことが他者に伝わるためには話すことが必要であり、ここからコミュニケーションが始まります。

ビジネスにおいて、複数の利害関係者や社員を協力させることは重要な要素です。そのため、これをうまく行う能力を持つことが職場やプロジェクトチーム、部門間の成功に近づける確かな要因と言えます。

ファシリテーションの流れ

ファシリテーターが質の高いパフォーマンスをしていれば、会議の充実度も大きく変わるものです。実際にファシリテーションを行う際は、どのような流れでどのような振る舞いをするのがいいのでしょうか。

まずファシリテーターは、会議の責任者やオーナーとの関係作りをする必要があります。自分の具体的な役割や責任を理解し、責任者などとコンセンサスを形成しておきましょう。会議の前に、参加者の顔ぶれからある程度その内容を予測し、準備しておくこともファシリテーターの重要な役割です。

実際に会議が開始されてからは、発言しやすい場を作りましょう。必要があれば参加者の発言を要約します。対立や緊張が生じる場面では内容を理解して適切に対処することで、意思決定のサポートをしていきます。出された意見をまとめながら、参加者がゴールを見失わないようにするのがファシリテーターの重要な役割です。

ファシリテーションの方法についてより詳しく知りたい場合は、以下をご参照ください。

実践的なファシリテーションスキルを身につけるには?

ここまで紹介したファシリテーションスキルを実践の場で使いたい場合には、どうすればいいのでしょうか。昨今はファシリテーションの注目が高まっていることもあり、書籍や動画を通してファシリテーションの実践的な方法を知ることは簡単です。

しかし、学んだだけでは実際にうまく活用できないことも多々あります。ファシリテーションは、多様なスキルを同時に駆使して臨機応変に対応するものなので、知識があるからと言ってできるとは限らないのです。表面的な学習だけにとどまらず、実際に実践の場で経験を重ねていくことが、上達には欠かせません。ファシリテーションスキルを効率的に身につけたい場合は外部機関に頼るのもおすすめです。理論を学びながら、同時に実践とコーチングを重ねることで、スキルを自分のものにしていきましょう。

ビジネスにおいてファシリテーション自体は、必要性に駆られており、そのスキルはリーダーや管理職の基本的なスキルとして重要性を増しています。職場内でのビジネスの複雑性や人々の多様性が増す中で、外部の専門的なファシリテーターを毎回呼ぶことは、コスト的にも物理的にも難しい状況があります。そのため、ファシリテーションの能力を組織内部に内製化することが理想的です。

まとめ

ビジネスにおけるファシリテーションとは、会議や研修などの場をデザインして目的達成に導くことです。

参加者のアイデアや主張をうまく引き出し、議論を盛り上げつつ、全員が納得できるような合意形成に導くことがファシリテーターの役割です。変化が早く将来の見通しが不透明な現代社会では、多様化した価値観や立場、部門が連携しながら課題に向き合うことが必要です。

実践的なファシリテーションスキルを持つことで、会議が円滑になり、スピード感ある課題解決や開発に役立つでしょう。

株式会社ソフィア

先生

ソフィアさん

人と組織にかかわる「問題」「要因」「課題」「解決策」「バズワード」「経営テーマ」など多岐にわたる「事象」をインターナルコミュニケーションの視点から解釈し伝えてます。

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