インナーブランディングの必要性と効果的な施策や注意点を解説

一般的に浸透しているブランディングという概念は、顧客に対して自社のブランド価値を浸透させる活動ですが、インナーブランディングは社内を対象にしたブランディング活動のことです。

インナーブランディングは、今や企業にとって欠かせない活動の一つとなりました。本記事では、ソフィアが考えるインナーブランディングの定義や必要性、実際に施策を行う際に効果を高めるポイントなどを解説します。

インナーブランディングはなぜ企業に必要なのか

良いモノを作れば売れたかつての時代は終わり、今では「モノ」に付随する「コト」、すなわちモノの付加価値に重きが置かれるようになりました。ここでの付加価値とは「顧客体験」です。今ではサービス提供において顧客体験をデザインし、提供することの重要性が求められるようになっています。
こうした事業環境の変化にともない、企業では従業員自らが考えて行動し、顧客への提供価値を向上できるようになることが求められています。
それを実現するために必要となるのが、インナーブランディングです。
インナーブランディングの定義については、この後詳しく解説していきます。

一般的なインナーブランディングとは

一般的なインナーブランディングとは、従業員に向けて企業が行うブランディング活動を意味します。インナーブランディングの目的は、企業のブランドが持つ価値観を社内で共有し、従業員の意識や行動を統一することです。

ソフィアが定義するインナーブランディングとは

ソフィアが定義するインナーブランディングとは、自社の目指す姿やビジョン、経営理念やブランドを組織で働く社員一人ひとりが深く理解・納得し、自分ごととして行動することによって、企業価値を向上させることを意味します。なお、ソフィアでは「インターナルブランディング」と呼んでいますが、本記事では日本で一般的に浸透しているインナーブランディングという用語を使って解説します。

インナーブランディングが企業に必要な今日的な理由

インナーブランディングが企業に必要な今日的な理由として、雇用の変化が挙げられます。
終身雇用は実質上の終焉を迎え、人材の流動化が進む中で組織には多種多様な人材が所属するようになりました。それぞれに異なる価値観や行動様式を持った社員が共通の目的に向かうように組織の求心力を高める上で、インナーブランディングが効果を発揮するわけです。

インナーブランディングは、もともと雇用の流動性が高い海外で発達し、普及してきました。一方、終身雇用制度が一般的であった日本ではひとつの企業に在籍する期間が長く、以前はインナーブランディングの必要性がそこまで注目されていませんでした。しかし現在では海外と同様に人材の流動性が高まりつつあり、あらためてインナーブランディングの必要性に注目が集まっています。

現在の日本では、よりよい環境を求めて転職することも当たり前になってきています。また、若手社員にとっての「よりよい環境」の条件が、給与や福利厚生だけではなく「その企業にいることで社会に対してどんなことができるか」という点に移り変わっていることも重要です。
これに応える形でインナーブランディングを行うことが、優秀な若手社員を採用し確保する術でもあります。

インナーブランディング施策を行うメリット

インナーブランディング施策を行うことで、企業はいくつものメリットを享受できます。

従業員のエンゲージメントが高まる

インナーブランディングが成功すると、自社のブランドが社内に浸透します。企業のブランドは、経営理念や企業理念、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に基づいて構築されるものです。自社のブランドが浸透している状態は、その根底にある理念やビジョンに従業員が納得している状態とも言えます。そして、「この会社と同じ未来を描きたい」「この会社に愛着心を持っている」という従業員のエンゲージメント向上につながります。

従業員の離職防止につながる

インナーブランディング施策により前述の従業員エンゲージメントが高まっていると、従業員は自社に所属し続け、自社のために貢献しようと積極的に考えるようになります。そのため、従業員が他社へと転職することなく自社に留まる大きな理由になります。

求める人材が採用できる

自社の目指すべき姿やビジョンを理解する社員が増えることで、自社にとって必要な人材が明確になります。そのため、採用場面において自社が求める人材を採用できるようになります。

インナーブランディングの施策を始める前に

インナーブランディングの施策を始める前に、浸透させるべきブランドとは何かについて、社員に対して定義する必要があります。企業のブランドとは世の中におけるその企業の存在価値であり、目指す姿でもあります。すなわち、理念やビジョンに基づいて構築されるものです。明確な理念やビジョンがない、あるいはそれらが現状に即したものになっていない状態の場合は、まず理念やビジョンの確立から始める必要があります。

参考記事:
経営理念とは?有名企業の事例とあわせてわかりやすく解説!
参考記事:
企業ビジョンとは?企業理念との違いや、ビジョンを重視して成長した企業事例を紹介!

もし理念やビジョンがあったとしても、それらが認知・理解されていなければブランドに対する納得感も得にくいものです。そのため、インナーブランディングの施策を行う前に理念とビジョンの浸透活動から始めるべきでしょう。

参考記事:
経営理念が浸透しない要因とは?浸透ための5段階のステップを解説
参考記事:ビジョンを浸透させる重要性とプロセスを紹介

インナーブランディングの施策

ここからは、インナーブランディングの具体的な施策について6つ解説します。

社内報

企業トップからのメッセージを発信したり、社内での取り組みを記事にしたりと、社内報はインナーブランディングを推進する上で大きな役割を果たします。紙面にして配布してもよいですし、最近ではWeb社内報の活用も盛んになっています。自社にとってどの情報媒体が適していて、どんな手法が効果的かを考え、発信していきましょう。

参考記事:
社内報とは?社員に読まれる社内報の作り方と定番ネタや事例紹介

クレド・行動指針

クレドとは、企業の信条や社員の行動指針です。これらをカードや手帳として携帯できるように記したもののことを「クレド」と呼ぶ場合もあり、世界的に有名なホテルであるリッツ・カールトンが実践しています。社員は普段からこのクレドを手にとって振り返ることで、企業の価値観を体現した行動を心がけられるようになるでしょう。

参考記事:
企業の行動指針を策定するメリットとは?作り方のポイントと浸透施策の事例をご紹介

社内表彰

企業理念や経営理念に基づいて行動した社員を人事制度で評価したり、表彰したりすることも効果的です。社員がこうした体験をすることによって、自分も表彰された社員と同じように行動しようというポジティブなサイクルが生まれます。

タウンホールミーティング

タウンホールミーティングとは、経営層と現場社員とが一堂に会して直接対話できる会合を指し、対話集会と呼ばれることもあります。こうした機会は大手企業では滅多に得ることができません。経営層は社員に対して熱を持ったメッセージを直に伝えることができ、社員からの共感を得やすくなるでしょう。社員のモチベーション向上にもつながります。

なお、昨今のコロナ禍によってオンラインで開催されるタウンホールミーティングも増えています。もしオンラインでの実施方法がわからないとお困りの場合はソフィアへご相談ください。

参考記事:
バーチャルタウンホールミーティングで従業員エンゲージメントを高める

社内イベント

インナーブランディングを浸透させるために、テーマを設けてイベントを行ってもよいでしょう。普段とは異なるコミュニケーションを通じて社員の足並みが揃うようになり、イベントに込めた会社からのメッセージが社員に伝わりやすくなります。中でもレクリエーション要素のあるものは楽しみながら理解と共感を得られるため、ぜひ企画してみてください。また、社内イベントもオンラインで開催できるため、リモートワークに移行した企業でも実施可能です。

ワークショップ

自社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や経営・企業理念、事業や商品・サービス、ブランドについて社員が自ら考え意見を交換できるワークショップの開催も効果的です。スキルアップのための研修とは異なるので、階層別研修などより少しくだけた雰囲気のものが歓迎されるでしょう。対話や共同作業を通じて、自社のブランドを社員が自分ごととして捉える機会になり、インナーブランディング浸透の度合いを深めます。なお、ワークショップもオンラインで開催可能です。

インナーブランディングの施策の注意点

最後に、インナーブランディング施策を行う際に注意すべきポイントを2点解説します。

効果が出るまで時間がかかる

インナーブランディングはすぐに効果が現れるものではありません。時間をかけてブランディング施策を続けることで少しずつ社内に浸透していきます。施策は一度きりでなく、長い目を見て何度も行いましょう。

参考記事:
インナーブランディングに取り掛かる前に知っておきたい3つのこと。

定期的な効果測定が必要

インナーブランディング施策の効果は、定期的に測定する必要があります。浸透がうまくいっていれば施策を続けられますし、そうでなければ施策の内容を改める必要があるかもしれません。調査も一回で終わらせることなく、定期的に続けましょう。

まとめ

インナーブランディングは、組織力を高めるための重要な取り組みです。人材の多様化や雇用の流動化のみならず、グローバル化やリモートワークの浸透で社員間の心理的・物理的な距離が広がっている昨今、インナーブランディングなくしては会社が内部から崩壊するような事態に陥る可能性もゼロではありません。
もしインナーブランディングができていない、インナーブランディングの施策を行いたいが何から手をつけていいのかわからないといった場合には、ソフィアまでお気軽にご相談ください。

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